108 Persona外典−影の海・月の影−
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― 満月の夜・祟神神社 ―
[黒と赤の世界。 三者は三者なりに戦いを続け、白は徐々に数を減らし、最後の一体を貫いたのは櫻井だったか。]
……ぁ。
[疲れきりやたらと重い体に、更に背中に重さが掛かり振り返る。 花咲の身体がもたれ掛かれ、ずるりと崩れ落ちるところ。 慌てて右手を延ばし支えようとするも、戦いで消耗しきっていた彼も、釣られて崩れ落ちた。
少し離れた所では、櫻井も地面に倒れ伏しているのが見える。]
2015/02/20(Fri) 21時頃
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― 満月の夜・祟神神社 ―
[背後の花咲が櫻井の名を叫び、彼も櫻井へと視線を向ける。]
くそっ……!
[倒れた櫻井と、駆け出すライラプスと、くずおれる花咲。 咄嗟に癒しの魔法と、守りの魔法を立て続けに唱えたけども、櫻井へと届いた実感がない。]
ちく、しょぅ……っ!
[守りの壁に弾かれた白を、イカロスが袈裟斬りに伏せた。]
[やがて、白が全て消え失せた頃。 彼もその場に崩れ落ちた。]
(18) 2015/02/20(Fri) 21時頃
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はなさ、き……無事、か……?
[地面の冷たさが妙に気持ちいい。 このまま意識を放り出してしましたい。 そんな欲求を振り払って、彼は木刀を杖がわりに立ち上がる。]
さく、らい……。
[生きててくれ。 そんな祈りとともに、よろり、よろり、伏せた櫻井の元へ。*]
(19) 2015/02/20(Fri) 21時頃
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[傍ら、かくりと跪く。 木刀を握り締めていたせいで、感覚がなくなっている右手を櫻井の頬に伸ばし、軽くぺちぺちと叩いた。
呼吸はある。 けども、伏せられた瞼は微動だにせず。 赤い月に照らされたその顔はやけに白く見えた。]
おい……起きろよ……。 みんなで、お前んトコのうどん……食う予定なんだぞ?
[呼びかける声は酷く震え。 さっきよりも強く頬を叩き、癒しの魔法を唱える。
けども、何も変わらない。届かない。 癒しの魔法は、はらはらと地面にこぼれ落ちるだけだった。*]
(24) 2015/02/20(Fri) 22時頃
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― 赤い月が消えた後・病院の屋上 ―
[あれから、花咲とともに病院へと付き添い、櫻井の家族への連絡を済ませた。 同じくして入院した翔子の元へと花咲が向かったあと、彼は屋上へと向かう。]
……。
[新年にふさわしい晴れやかな空の下。 コートのポケットからスマホを取り出して、2通のメールを送った。]
(41) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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------------------------------------------------ From:賀来 To:ペルソナ使い 件名:(No Title)
櫻井と翔子ちゃんが入院した。 二人共意識不明。 ------------------------------------------------
(42) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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------------------------------------------------ From:ケーイチ To:MAYA 件名:Re:心配かけてる
自覚があるならいいさ。 僕も大丈夫。 リツキと会えればいいな。
じゃぁ、また学校の屋上で、かな? ------------------------------------------------
(44) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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はは……大丈夫、か……。
[スマホをポケットにしまいながら、視線を落として力なく笑う。]
……大丈夫じゃねぇよ。
[目の前で力尽きた櫻井。 リツキに襲われた翔子。 そして守れなかった人たち。
怖いという感情に囚われて、ぐるぐるぐると落ちていく。 ]
ちくしょう。 ふざけんな。
[苛立ちは、シャドウと、そしてなにより恐怖を覚えた自分へと*。]
(52) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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[このメールが送信されたのは、高屋敷からのメール>>31が届いて、しばらくしてからのこと。]
------------------------------------------------ From:賀来馨一 To:高屋敷真弓,雛宮律 件名:Re:お疲れ様です。
あけましておめでとうございます。 高屋敷さんもご無事で何よりです。
いえ、花河からは何も連絡はありません。 普段なら率先して仕切るのにどうかしたんでしょうかね? ------------------------------------------------
(57) 2015/02/20(Fri) 23時半頃
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― 病院の屋上 ―
[スマホが震え、メールの着信を知らせる。 液晶に表示されるのは雛宮の名前>>64。]
……どうする、か………。 正直わっかんねーよ……。
[視線は液晶に釘付けのまま、ため息をつく。 指が動き始めるのはしばらくしてから。]
(77) 2015/02/21(Sat) 00時半頃
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------------------------------------------------- To:雛宮律 From:賀来馨一 件名:Re:Re:(No Title)
心配ありがと。僕は平気。
どうすりゃいいんだろうな? リツキをどうにかすれば、シャドウの海との繋がりは切れるのかね? ------------------------------------------------
(78) 2015/02/21(Sat) 00時半頃
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― また別の日 ― [雛宮からのメール>>73。 その裏で思うところなど彼は知らずに返信する。] ------------------------------------------------ From:賀来馨一 To:高屋敷真弓,雛宮律 件名:Re:Re:Re:お疲れ様です。
ああ、花河ってそんな状態なのか。 一人暮らしらしいし、無理せずと伝えてくれると嬉しい。
ん、それもそうかもな。 花河って生真面目だし、無理させてたかもしれない。 反省。 ------------------------------------------------
(89) 2015/02/21(Sat) 01時頃
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[返信はほどなくして。 液晶の上で指を動かしていてはたとある事を思いつく。] ------------------------------------------------- To:雛宮律 From:賀来馨一 件名:Re:Re:Re:(No Title)
それもそうか。すまん。
櫻井がやられたのはリツキじゃない。 白いのっぺらぼうみたいな、気持ち悪いシャドウ。 ああ、もしかしたら、人が集まるところにシャドウも集まりたがるのかもな? 12月の頭の満月の時は、あんなにうぞうぞいなかった。 -------------------------------------------------
(96) 2015/02/21(Sat) 01時頃
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― 崇神病院 屋上 ―
[送信して、スマホから視線を上げれば、扉のそばに花咲の姿>>82。 その微笑みに少し苛立ちが解けるのを感じながら、足を向ける。]
翔子ちゃん、どうだった? やっぱ櫻井と同じ?
[先の呟きが聞かれていた事を気づいていない彼は、苛立ちも恐怖も押し隠すべく、取り繕った表情を見せた。*]
(102) 2015/02/21(Sat) 01時半頃
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― 崇神病院 屋上 ― [花咲に断りながら、届いたメール>>103を見やる。 なんだか妙な違和感を覚えながらも、それは明確ではなく霞がかった状態。]
------------------------------------------------ To:雛宮律 From:賀来馨一 件名:Re:Re:Re:Re:(No Title)
ああ、確かにそうか。
一緒にいたのは花咲だね。
其の辺の雑魚いの、ってもなぁ。 数の暴力はえぐいぞ? それに殴っても効かなかったし。 多分、僕一人だけだと確実にやられてた。 ------------------------------------------------
(106) 2015/02/21(Sat) 01時半頃
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― 後日 ― あーうん、仕切るのとか、そういうのやっぱ苦手だな。
[高屋敷と雛宮へのメールが送られた直後>>89。 また別のメールを送るべく指を動かす。] ------------------------------------------------ From:賀来 To:ペルソナ使い 件名:今度の土曜、集まりませんか?
前に使った公民館でどうでしょう? 学生組は冬休みの宿題で追われてるかもだけど、今後の話がしたいです。 ------------------------------------------------
(110) 2015/02/21(Sat) 01時半頃
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------------------------------------------------ From:賀来 To:花河 件名:無理すんなよ。
雛宮から調子が悪いと聞いた。 大丈夫かな?
しんどい時はゆっくり休むといいよ。 一人暮らしなんだし、倒れたら大変なんだから。 ------------------------------------------------
[入力して、送信を一瞬躊躇う。 お節介ではなかろうか?と。]
……えい。
[小さく呟いて、送信ボタンを押した。]
(113) 2015/02/21(Sat) 01時半頃
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― 崇神病院 屋上 ―
そっか……。 女の子だし、それはまだよかったかもな。
[ふと、最初に会ったあの満月の夜を思い出す。 抱え上げた体は軽くて。 けども、そんな小さい体でも彼女なりにどうにかしようと頑張っていた様に見えた。]
……どうにかしてあげなきゃ、な。
[呟いたその後に。 花咲の言葉>>108に、彼の瞳は大きく見開かれた。]
(123) 2015/02/21(Sat) 02時頃
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え、ちょ、あ……!?
[ただ、あまりの衝撃に、取り繕う事なんて出来ず、口をパクパク、心臓はバクバク。 自分もきっと、目の前の花咲同様、顔が赤くなってるだろうと思いつつ。 おずおずと彼女の頭へと手を伸ばし。]
……ん、僕の、胸でよけりゅ……れば貸すよ。
[咄嗟にどっかで聞いたセリフを言うけども、噛んだ。 うわぁ、と内心頭を抱えた。*]
(124) 2015/02/21(Sat) 02時頃
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[うん、わかってた。 そんな言葉は口に出さないまま、彼は大塚のメール>>117に返信する。] ------------------------------------------------ From:ケーイチ To:MAYA 件名:Re:了解した。
了解。 重ねて言っとくけど、無理だけはするなよ。 大塚に何かあったら楠が泣くだろうしな。
マユミって高屋敷さんだよな? この前の満月の時は知らないけど、あの後メールもらったよ。 ------------------------------------------------
(127) 2015/02/21(Sat) 02時頃
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/* ああ、そっちに持って行きたかったのか。 てっきり花咲=シャドウにミスリードさせたいのかと勘違いしてた/(^o^)\
うーむ、しかし、あの状況で別のシャドウ……マユミってすぐそばにいなかったからなぁ。 脳筋のこいつがそっちに持っていけるわけがない\(^o^)/
(-52) 2015/02/21(Sat) 02時半頃
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[花河からの返信>>125に口元を緩めながら、指を滑らせる。]
------------------------------------------------ From:賀来馨一 To:花河あかり 件名:Re:Re:無理すんなよ。
ごめんはいらない。 その代わり、元気な顔見せてくれると嬉しいし助かる。
だってさ、脳筋しか集まらなかったら話し合いになんないだろ?w ------------------------------------------------
[茶化してみたけども。
実際、脳筋筆頭の自分と花咲がいて、大塚と楠は不参加。 雛宮も積極的なタイプではなさそうで。 となると現状、高屋敷・秋山くらいしかまっとうに考えられそうな人物がいない。 ある意味危機的状況なのかもしれない。]
(138) 2015/02/21(Sat) 02時半頃
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― 崇神病院 屋上 ―
[花咲との距離が近づけば、ふわりといい香りがした気がする。 シャンプーだろうか? 鼓動は未だ早鐘の様。
背中にその手が回り、撫ぜられれば。 彼もおずおずともう片方の手も彼女の背に回す。]
どう、なんだろな……。
[腕の中にあるのは生の暖かさ。 その心地よさに次第に早鐘が鎮っていく。]
(148) 2015/02/21(Sat) 03時頃
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[ふと、先に届いた雛宮からのメールが脳裏にちらついて。 ついで、2度目のベルベットルームでの来訪時の話が頭を過ぎる。
少し考え込んでから、答えた。]
……二人共、影を奪われたのかな。 もし、奪われた影がシャドウの海にあるなら。 そっから、影を取り戻せたら、元に戻るのかな?
[そうして、不安げな呟きには、ここにいると示すようにとんとん、と背中を撫ぜる。]
ん、そうだね……。 リツキの望む世界が、こんな犠牲の下でしか成り立たないなら。 やっぱ真っ平御免だね。
(149) 2015/02/21(Sat) 03時頃
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[いつか、花河から聞かされた>>3:311、リツキのシャドウの目的。 未だ彼は、目的を達成するための手段を理解していないけども。 それでも腹は決まった。
怖い。 それは変わらない。
けど、できることがあるのにそれをせずに見過ごすのは嫌。 なにより、この腕の中の温もりを失いたくない、それだけで十分だ。*]
(151) 2015/02/21(Sat) 03時頃
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― 中央部・崇神病院 ―
[秋山と合流し、花咲が昨夜の事を説明するのを補足した後。 雛宮からの返信>>126に気付く。 "リツキみたいな格上のシャドウ"の可能性に思い至らなかった彼は、んー、と悩んでから二人に見せつつ、花咲に尋ねる。]
あの時さ、他に気配、あった? あの……雛宮の親父さん?なシャドウはそんな力なさそうだし……。
……正直さ、リツキ以外にもまだ強いシャドウとか、考えたくないや。
[まさか、当の本人がいて>>46、雛宮へ業火の傷痕を残したとは*知らず。*]
(155) 2015/02/21(Sat) 03時頃
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― 崇神病院 屋上 ―
だよな……。
[思い浮かんだのは、最初のシャドウとの戦いの後、ベルベットルームで目覚めた時の、無邪気な表情>>1:403。 自分より年上ばかりの中、精一杯だった翔子は、どこか張り詰めているようにも見えたけど。 あの瞬間だけは、年相応の表情を見せてくれたように思う。]
[シンプルな花咲の答え>>161、彼女らしいな、と微笑めば、ずっと釈然としなかったものがやっと明確に言葉になる。]
(175) 2015/02/21(Sat) 11時半頃
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……僕はさ、馬鹿だからリツキのことなんてわかってやれないかもしれない。
[シャドウに願いを託すほど、リツキは絶望してたのだろうか?今の彼に知る由もないけども。]
けどさ……自分の気に入らない世界だからって無理やりに変えちゃうんだったら。 それはもっと馬鹿だと思うんだ。 リツキが嫌う、「強い人間の都合のいい『正義』>>3:7>>3:8」。 それを、リツキ自身が振りかざしてるだけに思ってしまうかな。
……うん、とりあえず気に食わないから止めよっか。 また誰かがこうなるの、ヤだし。 大事な……。
[続きを言いかけて、あ、と呟く。 腕の中のその存在は、他の誰かよりもちょっとだけ特別な大事な存在に思えて。 そんな、自身の感情に狼狽えながら、視線を空へ泳がせる。]
うん、大事な人、奪われたくないしさ。
(176) 2015/02/21(Sat) 12時頃
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/* うん、そっち方面鈍感なPCになったと思ってたんだがなぁ。
こいつがこういう心境になるとは予想外だった、うん。
(-64) 2015/02/21(Sat) 12時頃
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― 中央部・崇神病院 ― ああ……。
[秋山の語る可能性>>172>>173。 最初に幻覚について聞いたときは、予知だなんて勘違いをしていたけども。 櫻井と同じ場所に傷がと聞けば、きっとそうじゃないと思い至る。]
もしかしたら、前の傷も……誰か、ほかの……。
[ペルソナ使いがやられたから、と言いたくなくて、口ごもる。]
シャドウにより近い存在……。
[ぞっとする。 そんな存在がすぐそばにいたかもしれない、なのに気付けなかった自身の迂闊さに。]
……もしかしたら、僕らよりも櫻井が厄介だから、狙い撃ちされた……かも? 櫻井って、格闘経験もあって、ペルソナ>>3:351だって強そうだったし……。
[生憎彼には、その手の知識がなかったから、櫻井のペルソナが何かまでは気付けなかったけども。]
(177) 2015/02/21(Sat) 12時頃
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