[かゆい所、と別の意味で捉えられて、違う違うと心の中でツッコミを入れてて。]
いやいや、かゆい所とかじゃなくて……、っ!?
[途中で言葉を止めて、首をピクリと反らしてしまう。
引っかかれた所が絶妙なポイントだったらしく、声は上げないものの反応してしまったらしい。
それ以上此方の表情を悟られぬ様、目を固く瞑り、博徒が居ない方向へ顔を向けていたら、今度は二の腕から肘、そして指へと博徒の手が滑っていく。
指を洗う際、扱く様な動きが、雄を扱かれているように思えて、錯覚しそうだ。
出来るだけ、そういう事を連想しないように、と言い聞かせているが、かえって頭から離れそうにもなかった。
博徒が声を掛けてくれば、ゆるりと灰色の瞳を開き、ふぅと吐息を漏らしながら少し遅れて声掛けに反応を示して。]
……へっ?
えっ、ど、どこを洗うん? ちょ、ちょっと待って。
[状況がちゃんと飲み込めぬまま、博徒がバスタブの中へと侵入してきて。]
(613) いこま 2014/06/22(Sun) 15時頃