― 恐らく何処かの廊下だろう ―
どこなんだ、縄。
誰か、……教えて、くれ。
[見つかる訳でも、誰かが持って来てくれる訳でも無い縄を、ただひたすらに求め歩き続けても、決して望んだ物は手に入る事は無い。
そんな己にとって残酷な事実を受け入れる事は無く、ただ歩き続けている事は救いになるか否か。
何方にしても、今は首を括る為の縄を探す為にさ迷い歩いていた。]
[自分が何処に居るのか、何処へ向かっているのか知る由も無く、廊下をさ迷っていたら、誰かが声を掛けて来て>>55。
自分以外人間に話し掛けられ、足を止め、小さく首を傾げた。]
縄、縄が、何処にある? あるはず。
お前が持ってる、だろ。
それを、俺の首に巻いて、引っ張って、吊ってくれ。
[誰かが来た、きっと俺を殺してくれる、という叶えられぬ期待に、虚ろな瞳は少しだけ光が宿り、好奇心で話掛けてくれた青年に縄の所在を尋ねた。]
(59) 2014/03/18(Tue) 23時頃