80 あの日、僕らが見た空は
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
パルックが無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、ペラジー、シーシャ、ゾーイ、トレイル、サミュエル、デメテル、ホリーの7名。
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[目を開けても、光はすぐに入ってこない。 何度か瞬いて背筋を伸ばすと、頭がごつんと何かに当たった。 壁から突き出た、板だか柱だか。 そんな木材の角で、たんこぶを作ったようだ]
……痛い
[家にはこんなのなかったのに。 家の中は、寒いし狭いけど、安全ではあった。
また数度瞬きをする。 何処か、昨日より遠い所で警笛が鳴った]
(0) 2013/04/21(Sun) 01時半頃
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/* あっ
びっくりした 更新明日かと
(-0) 2013/04/21(Sun) 01時半頃
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―昨日の次の日―
[目が覚めた最初は少しばかり爽やかな日だと思った。 どうやら上の、さらに上の方では >>1:79素晴らしく良いお天気らしい。 上層に近いと言えども、まだ空までは距離がある。
事務所の片隅に並べた椅子の上で 寝転がったまま伸びをして、遠い場所の天気予報を聞いた。]
ふ、ぁあ あ あー
[僕の仕事場兼住居は、通勤時間0分という素晴らしい物件です。 しかも三食の食事つき。 食事はミナカタさんが持ってくる、 どこで採れたものかよくわからないっていうことを除けば、 働く場としては申し分ない。んだろう、たぶん。]
(@0) 2013/04/21(Sun) 01時半頃
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[よれたTシャツの中に手を突っ込んで お腹をかきつつ、立ち上がった。 天気予報が聞こえる。 つまり唯一の上司はもう起きているらしい。 僕の食事も机の上に出してあるんじゃないかな。
て思ったら机の上には昨日もらったものが置かれていた。 マドカが、48番が持ってきたあの届け物だ。]
――……んー……
[あの後、48番はお客さんに連れられていなくなった。 僕は正直、買われていった商品がどこに行くのか知らない。 どうなるのかも、詳しく知らないけれどなんとなく想像がつく。 けれどそんなに興味はない。]
(@1) 2013/04/21(Sun) 01時半頃
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[ゆっくりと立ち上がる。 強張った身体を伸ばす特有の感覚も慣れたもの。 こっそりスカートをめくってみる。 起き出した視力。まだあくびをしているみたい。 でもほら、痛くない]
おにいちゃんの魔法だ
[同じ魔法をたんこぶにもかけてほしい。 スカートを下ろしながら周囲を見渡した少女は]
ありがと、おにいちゃん
[嬉しそうに微笑んだ]
(1) 2013/04/21(Sun) 02時頃
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[ミナカタさんの事務所 ――取引所と言った方が正しいのかもしれない―― そこが生き残れるのは隙間産業だからだと言っていた。 煙草の煙と一緒に吐き出されたから、 遠くて聞こえないものも多かった。 なにより僕は小さくて、 スプリングヒルズのことをよく知っているわけでもなくて、 その隙間産業が何を指しているのか、 分かっていなかったと思う。 今の僕ならば想像はできる。 おそらくきっと、のレベルであるけど。]
(@2) 2013/04/21(Sun) 02時頃
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[届け物の中身を検めて、新鮮そうな果物であることを確認して、 どうやらこれが僕の朝ごはんであると肩をすくめた。 一部が不必要に柔らかい。 昨日抱き着いてきたマドカみたいな柔らかさだと、 僕は申し訳ない連想をしてまた肩を軽く持ち上げた。
竜巻情報>>1:97が流れてくるまでの少しの時間は、 果物を切り分ける作業で埋められる]
(@3) 2013/04/21(Sun) 02時頃
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[裾をなおして少女は歩き始める。 空っぽの胃がしくしく痛むし、時折ぐぅ、と悲鳴をあげるけれど 都合のいいことに食欲はほとんどなかった]
空……何色?
[仰いだ空はまだ遠く、それでも少女は嬉しそうで**]
(2) 2013/04/21(Sun) 02時頃
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[果物を切ると、なんだかすうっとするような良い匂いがした。 ずいぶん久しぶりだ、こんな匂い。 ミナカタさん奮発してくれたんじゃないのこれ。 知らないうちにニマニマとしていたらしい僕に、 所長室から出てきたミナカタさんが、 さも気持ち悪いものを見たような顔で頭を掻いた。]
『おい、今日外でるなよ。 窓も閉めろ』
ん、え、 えっ? 缶詰? 軟禁? そういうのレイティングが許さないっていうか
[馬鹿かお前、と心底胸糞悪いものを見る目をされた。 扱いがランクアップしているのかダウンしているのか 微妙な視線だ。 冗談の通じない男はモテないですよミナカタさん。]
(@4) 2013/04/21(Sun) 02時半頃
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[けれど、外に出てはいけない、というのは 比較的辛い。わりと辛い。 窓も開けちゃいけないとなると 紙飛行機も飛ばせないかもしれない。 これから乗り越えなきゃいけない時間を思えば 果物の甘酸っぱさが舌に刺さるようだ。 僕は自然と寄っていた眉を 一層わざとらしく寄せて無言の抗議をした。
それに引き替え、ミナカタさんは 今日はなんだか口数が多い。 こういうミナカタさんは機嫌が当社比良い可能性がある。 もしかしたら、 大きな契約でも取り付ける途中なのかもしれない。]
(@5) 2013/04/21(Sun) 02時半頃
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チアキは、胸中でこそりと取引が失敗になるように祈った。
2013/04/21(Sun) 02時半頃
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『けほ。』
[幼馴染がひとつ、咳をした。 すこし風が、強い。]
ん。煙、吸ったか
[僕は立ち上がり、風上へと回った。 友はいやいや、と手を振って見せたが。]
(@6) 2013/04/21(Sun) 02時半頃
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[がらり。 瓦礫の欠片が鳴る。 坂と階段の中間のような道の半ばで、少年は一たび足を止めた。四角い空を仰ぎ見る。少しだけ。少しだけ、近付いたように思うのは、ほとんど錯覚に違いない。遥かなあの場所までどれだけかかるものか、全く予想もつかなかった]
[がりがりと。 不味い干し肉を齧りつつ。 がりがりと。 己の指先を齧りつつ。先へ先へ、歩を*続け*]
(3) 2013/04/21(Sun) 03時頃
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/* 神は死んだ!
(-1) 2013/04/21(Sun) 03時頃
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― 一つ上の階層へ ―
[トレイルと別れ、一人、自転車を漕ぐ。 途中、また知った顔を見た。 物の売り買いをするシーシャの顔は、いつも青白いように見えて、香辛料の買い付けに幾度か話したことはあるけれど、
彼もふらりと道を、上を目指して歩いているように見えた。]
――……上に、行くだが?
[その横で、自転車を一度止めて、そう話しかける。 そこで、どれくらいか会話を交わしたか。 ともかく、その横も過ぎ去っていくことになるのに変わりはない。]
(4) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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>>3
[ただ、坂か階段がというような微妙な道では自転車を漕ぐことはできない。 降りて、それを押しながら登っていくことになるだろう。
もちろん、それが楽なわけはなく、
段々と、心臓の鼓動が大きくなってくる。]
(5) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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どく どく どく
どく どく どく
どくどくどくどく
どくどくどくどく
(*0) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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どくどくどくどく
どくどくどくどく
どくどくどくどく どくどくどくどく
どくどくどくどく どくどくどくどく
どくどくどくどくどくどくどくどく
どくどくどくどくどくどくどくどく
どくどくどくどくどくどくどくどく
(*1) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどく
どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどく
どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどく
どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどく
どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどく
(*2) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどく
(*3) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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どくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどくどく
(*4) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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あ………
[ふと、胸を抑えて、坂の上、止まる。 そう、ひどく、ひどい、違和感を覚えて……。
でも、同時に広がったのは、 一つ上の階層の景色だった。]
(6) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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(あ……ここは、)
(もうすぐ、)
(と、君が呟いた場所。)
[誰の声だ?]
(*5) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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サミュエルは、頭を押さえる。
2013/04/21(Sun) 08時頃
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いげね……。
[ぼんやりとした。 同時に、かちり、とまた、どこかで音が鳴る。
それは、急いているようだ。 早く、上に行けと、 早く、上に言って…。]
(7) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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(早く上にいって)
(そして、 んでしょう?)
[聴こえる声。]
(*6) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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サミュエルは、そのまま自転車にまた乗ると、ペダルを漕ぎ出す。
2013/04/21(Sun) 08時頃
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― 一つ上の階層の町『2』 ―
[そこは、下の階層と対して代わりがないように思えた。 だけど、違うことがあった。 そう、最初は気がつかなかったけれど、
よく見れば、壁、道路、店の看板、そして、表示等、ときには、道行く人の服にまで…。]
――……2?
[数字が刻まれている。 そのどれもが『2』もしくは、セカンド、TWO、時には並んだ二匹のカエル。左手と右手。 ともかくも意味するのは『2』だ。]
(8) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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なんだ?2?
[しばらく考え込む。 すると、いつのまにか、横に誰か立っているような気がした。]
(9) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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(ここは、一番下じゃない、と思っている人の町なのよ)
[もう聞きなれてきた声。 でも、誰だ?]
(*7) 2013/04/21(Sun) 08時頃
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