279 宇宙(そら)を往くサルバシオン
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[ 上に落っこちる>>0:229と言われて、感心したように口を開くのを忘れた。 間を保たせるように、緩慢な瞬きが数度繰り返される。]
そう だね。 まっさかさま、だ。
かるい の かな。 うかぶ ちからが つよいの、かな。 どっちも かも。
ぼくも ぼくのこと は、わからないこと、 いっぱい。 あなたは あなたのこと、 わかる?
[ それなら、いいなあ。 身体のように軽い様子で羨望を滲ませ、命綱に指を引っ掛けた。その程度では切れることのないハーネスは、上へ落ちようとする身体を強く引き留めている。]
こーひー のむの、たのしみ に、 してる ね。
[ ひとりで飲むコーヒーには、チューブの蜜をたっぷり入れよう。 man-juには及ばないかもしれないが、きっと舌が痺れるくらいには甘くなるはずだ。]
(4) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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/* 村人さん! それなら今のままで大丈夫ですね。 どなたがどの役職につかれたんでしょう。わくわく。
(-4) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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/* 熱かったのかな……可愛い……。
(-5) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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/* コータさんの表現、すごい素敵だなぁ。 上に落っこちる。だいすき。 天井にくっついた事件はその通りって感じがします。
アーサーさんがゴーストの方拾ってくださっててやったー! 皆さん話の広げ方や拾い方が巧みでうっとりしますね。 自分も頑張らねば……!
(-6) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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/* 苦かったんですね……。 甘いもの好きだったものね……。 可愛いですね……。
(-7) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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/* (可愛いをしみじみ摂取した図)
(-8) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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うん。 たかいとこ ろ、 なら。 どこまでも いける よ。
[ 得意分野がモナリザ>>1の役に立つと知り、少しだけ嬉しそうに目元が緩んだ。 腰に繋いだハーネスは多少の長さ調節は可能である。短すぎても長すぎても身動きは取りにくくなるので現状がベターではあるが、必要とあれば地に足をつけては届かぬ先へと手を伸ばすこともできるだろう。]
でも、おりるのは にがてだか ら、 もしものときは、よろしく ね。
[ できることとできないこと。 情報を適切に開示できただろうかと、首を傾げて問いを示した。]
(10) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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[ お言葉に甘えたまま、中間地点に留まる為の錨とさせてもらっていた相手>>6の触角が、衝撃と忍耐と落胆を示したように見えた。 視界の端に映った動きにびくりと肩を跳ねさせる。 コータ>>9の声を聞く限り、どうやらコーヒーが原因のようだ。去っていく背中を見送りながら、手元の黒に視線を向けた。]
こーひーは、 にがい。
ふかくて にがい か、すっぱくて にがい か、 あまくて にがい。 きを つけて。
……ほんとうに、 たすかっ た。
[ コータが淹れてくれたコーヒーが冷めない内にと、腕をやんわりとした強さで押させて貰う。 そうして背中のジェットパックを弱く起動させると、来た時と同じようにまっすぐ進んでいく。 まだ談話室に残っている者がいれば、皆に頭を下げた。]
いた。
[ 談話室入口上部から、硬質な物同士がぶつかる音が響く。 一度沈んで、それからはまっすぐ。自室へと戻って行った。]**
(11) 2020/08/25(Tue) 01時頃
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/* 何かあれば明日回収しましょう。 皆さんお話本当にありがとうございました!
・>>#3ラジオ ・自室の重力制御を一度入れる(コーヒー)
(-12) 2020/08/25(Tue) 01時半頃
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― 談話室での話 ―
[ 勇気が形になった衝突寸前、それは黒い腕によって回避された。 しかし行き先であった旧型の洗濯機らしきもの>>22には察知されていたようで、警告めいた表示がパネルに広がる。 ガスに燻んだ瞳に文字列を映して、一文字一文字丁寧に理解を染み込ませた。]
ご めんな、 さい。 あなたが はなせる の、しらなく て。
[ 体躯自体は特別大きい訳ではないが、足裏から下の空気の踏み台のお陰で前面の丸い窓の中、内側で回る青緑の影>>0:30を捉えることは難しい。 故に箱すべてが命ひとつなのだろうと、申し訳なさそうに塗装の剥げた白い肌を撫でようとする。]
うん、きを つけ、るね。 ころんだ ら、 いたい から。
[ 重量も速度も満たない以上、衝突の反動はこの身を後退させるだろうけれど、警告には素直に了承の意を示す。 だって、ヒトにぶつかるのはいけないこと。研究者の皆に教えてもらったことを心中で唱えた。]
(44) 2020/08/25(Tue) 20時頃
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[ 渡したのは挨拶と名前。 貰ったのは気をつけることと挨拶。名前も聞けただろうか。
白い箱さんとの語らいは数にしてみれば短いものだったかもしれないが、印象的であったことには違いない。]*
(45) 2020/08/25(Tue) 20時頃
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― 談話室→自室 ―
[ それから、少し先のこと。 疑惑を抱かせたこと>>2には未だ気づかないまま、ここ最近の日課にもなりつつある帰り道パズルを行いながら先程までの時間を思い返していた。]
いっぱ い はなせ、た。
[ 公用語にまだ慣れていないというのもあるが、同胞は己に比べても言葉少ない者が多い。誰かと話すという経験は浅く、ひとつひとつが新鮮に思える。 蜜のたっぷり入ったコーヒーを抱えながら、右、左、とっかかりを掴んで、三番目の角を曲がって。 プシュプシュ、ゴロロ。特徴的な足音も、心なしか弾む。]
……。
[ ――けれど。 ジェットパックの駆動音の向こう、ノイズ混じりに届いた単語>>#3が、浮き足立つ心に引っ掻き傷を残していた。
サルバシオン。 救いの名が、不安を産む音になろうとは。
自室の扉の前に辿り着くと、小さくため息を吐いた。フェイスカバーがぼんやりと曇る。]
(46) 2020/08/25(Tue) 20時半頃
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― 自室 ―
[ 重力制御切り替えのため、まずは前室へと入る。ここで減圧し、外部に影響を及ぼさないようにしているのだ。 普段ならそのまま無重力の自室への扉を開けるのだが、今回は手元にイレギュラーがある。甘くて苦いコーヒーへ視線を落として、室内の重力制御を起動した。]
ただ い、 ま。
[ 重りを引き摺ったまま、部屋の角へと身体を押しつける。 そこを背もたれ代わりにして、フェイスカバーを開いた。 途端、どこか甘酸っぱい匂いが広がるのだが、己以外いない部屋。気づく者はどこにもいない。]
…… あま 、
[ 足の速い甘さが舌を刺した後、じんわりと苦味が広がっていく。研究者の皆が飲んでいた黒い水より、うんと甘くてたんと美味しい。そして苦い。 ヘリンがいう通り、保証された美味しさのようだ。 多くの食事を必要としない身体だが、全身に染み渡るような心地を覚えた。]
(47) 2020/08/25(Tue) 21時頃
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[ 要するに、己はガスを纏った肉らしい。 肌が朧に見えるのも、身体スキャンが上手くいかないのも、 小惑星特有のガスが原因のようだった。
身体を害する訳でもなく、反対に何か役立てる訳でもなく、 僅かに不快を与えるだけの何の意味もない靄のようなもの。
しかしそれに阻まれて、自身については未だ朧なままだ。]
……うちゅう、 くら げ。
[ 己と同じくらい、知らないものの名を呼んだ。 危険で、侵食して、脅やかす。きっと、相容れないもの。
何に気をつければいいのだろうか。 どうしていればいいのだろうか。 己や皆のことを知るのは楽しかったのに、”それ”については知らないことが怖ろしかった。
胸元に手を当てる。肌は怯えて波打つのに、不安に鳴く鼓動はやはり見つからない。 残ったコーヒーを呷ると、苦味が濃くなった気がした。]*
(48) 2020/08/25(Tue) 21時頃
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/* 若干怪しくなった気もしますが、何の意味もないガスなので村人です(?) フックとして色々あると話が広げやすいのでつい。 あと単純に人外へわくわくしすぎてはしゃいでいるのもあります。 脳が心臓なのですよ。クラゲさん脳に来てくれるらしいので、脳を拍動させておこうと思って(?)
設定はあくまでおまけの流動的なものなので、皆さんに会いに行きましょうね。 時間経過してくださったし、もう合流してもいいかな……? ヘリンさんアーサーさんありがとうございます。スマートだ!
(-32) 2020/08/25(Tue) 21時頃
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[ それから、どれくらいの時が過ぎただろうか。 艇内放送>>37が頭上から降り注ぐのに気づいて、ハッと顔を上げた。 日常で耳にした声が、非日常を語る。単語ふたつが生んだ曖昧な不安は、より具体的な形として空のコーヒーカップの中を満たした。]
…… よし 、
[ 不安は増したが、反対に揺れる心も落ち着いた気がする。 曖昧だから不安なのだ。知らないから、怖ろしいのだ。 もしかしたら、知ってしまっても震えてしまうかもしれないけれど、それはやってみなくちゃ分からない。]
どこに、 いる か、 な。
[ 頭に浮かんだのは、コーヒーについて詳しかった声>>0:207>>0:217。 さすがにまだ高いところへ用件はないかもしれないが>>14、モナリザなら己より注意すべき相手について詳しいかもしれない。
会いに行こう。会いに行って、教えてもらおう。 重力と空のカップを残したまま、部屋を後にする。]
(50) 2020/08/25(Tue) 21時頃
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― 自室→廊下 ―
[ 自室を出たはいいが、モナリザがいる場所に見当がついている訳ではない。 談話室なら誰かしらいるだろうかと、いつも通りゆっくりと通路を進む。]
……?
[ 途中、何やら音が気がして振り返ると小さな影>>43が少し後ろで重りに鼻先を押し当てていた。]
ねこ …… さ、ん。 あぶな い、 よ。
[ 睨めっこ勝負の片割れの。とは、言わなかったけれど、背中の斑模様が同じだ。 このままでは前足を踏んでしまわないかと、上空から気遣わしげに声をかけた。]
(51) 2020/08/25(Tue) 21時頃
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/* ! ソラさんを拾い損ねてしまった……! >>26メモ。お話できた時に回収できたらいいなぁ。
>>25スプスプイさんの疾走する旧型洗濯機好きです。
(-33) 2020/08/25(Tue) 21時半頃
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/* アーサーさんとは談話室>>27時点でお会いできれば良かったんですが、時間が進みましたしこちらの方がいいのかな……と。 どうかなどうかな。楽しくて悩んで楽しい。拾い力も欲しい。
(-34) 2020/08/25(Tue) 21時半頃
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/* コータさんの艇内放送も時間軸を揃えやすい点もだし、全員に自覚が生まれるのもいいですよね。 襲撃後程の危機感はないけれど、いるかもしれないがより可視化されるというか。まだ安心もありつつの微妙な感覚というか。 先輩と話し方似てるのも素敵。一緒に働いてるんだもんなぁ。
(-35) 2020/08/25(Tue) 21時半頃
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/* アーサーさんは能力者なのかなぁとぼんやり。 占い師か霊能者かな。 役職が配られたことで皆さん広がる側面もある気がするので、そこも楽しみにしています。
(-36) 2020/08/25(Tue) 22時頃
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/* 女王蜂さんのいる世界。亡命の理由に納得。 トルドウィンさんはなくした後の方なんですね。 切ない、儚い美しさが素敵だなぁ。
トルドウィンさんの尋ね方が素敵だし、 それをさよならの表情と言葉にしたスプスプイさんも素敵だし、 そこから『母』の話が広がるのがより素敵なんですね。
(-39) 2020/08/25(Tue) 22時半頃
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[ 鼻先の鈍い黒に気づいたか、小さな影>>57は顔を上げる。 後頭部の濃い色の代わりに、顔の半分と胸元を覆う白が見えた。]
ゆう 、れい …… ? …… ああ、 ゴースト のこと、 か。
[ 聞き慣れない単語に首を傾げるも、暫く静止した後、該当する単語に思い至る。 その間に猫ではないアーサーは、傍らにあった花瓶の台座に飛び乗ってくれた。 顎が首に食い込む事態は免れそうだ。感謝の意を示す。
色味の少ない無機質な通路。 ドライフラワーの明るい色に毛並みの艶やかな姿が並んで、より鮮明に見える気がした。]
(60) 2020/08/25(Tue) 23時頃
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ねこ ではない 、あー さ あ。 ありが とう。 おぼえ、まし た。
ぼく は、 しるく。 うまれた ときから、 こうだった …… かは、 よく おぼえて ないけ ど、 ゆうれい じゃ、 ないん だ、よ。
でも、 たぶ ん、そう。 さいしょ から、 こうだし、 あとで こうなっ た。
[ 幼い頃のことはあまりよく覚えていないし、生まれ故郷の小惑星には何かを記録する文化は存在しなかった。 心も、在り方も、すべてが朧で。それを皆受け入れていた。 こうして外に出て、たくさんのことを知る。それを魅力的に思う同胞が、どれだけいるのか分からない。 丸い瞳にたどたどしくその旨を話し、]
あくしでん と 、だいじょ ぶ?
[ お返しとばかりに、その身体の状況を尋ねた。 どこかに行く予定があるのなら肩の上を案内するだろうし、特にないのなら通路の端に身を寄せるつもりだ。]*
(62) 2020/08/25(Tue) 23時頃
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/* ゴーストがカタカナになってるー! 素知らぬ顔で次回があればひらがなに戻しましょう。
話が長くなると可読性が著しく落ちるので、 頑張って短く短くお喋りしたい。したいんです。したい気持ちはある。
たぶん同胞はもうちょっと気体寄りなんだと思う。意思薄弱。 シルクは他より肉々しい。好奇心旺盛。
(-46) 2020/08/25(Tue) 23時頃
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/* スプスプイさん背景が軽やかなのにしっかりしていて、命の歴史を拝見しているよう。うっとりします。 青色洗剤と呼ばれた頃の性質は、浮穴沫媛としての生態でもあり。
>>65 >今まで道具のように扱っていた「もの」に、知性があり人格があるとなったとき〜 とか、すごく好きです。ファンタジーの中の感情がリアルで。 両者がとても丁寧なバランスで綴られているような気がします。
(-50) 2020/08/25(Tue) 23時半頃
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/* >>71>>72 好き。
(-51) 2020/08/25(Tue) 23時半頃
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/* 大好きな自走がまた見られて語彙が消し飛びました。
スプスプイさんの未完成である翻訳機の丁寧な言葉と モナリザさんのヒューマノイドであるが故に設定された丁寧な言葉。 まったく違う音で聞こえるの、すごいなぁって思ってます。
(-53) 2020/08/25(Tue) 23時半頃
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― 花瓶のある廊下 ―
[ 時間をかけて辿り着いた答えは、正解だったようだ。 頷く首>>82に、答案へ丸をつけてもらえた時の感覚を思い出す。]
あって、 た。 よ かった。
[ 何もかもに疎い己に知識を与えてくれたのは、他でもない研究者たちだ。家族という概念を聞くと、同胞よりも彼らの顔が浮かぶ。 実験を終えて帰ったら、彼らの研究を進める助けになれるだろうか。 鮮やかな色を瞳に映しながら、口元は自然と笑みを形作っていた。]
うう、 ん。 せつめい、 むずか しい、 ね。
[ 打って変わって口角が下がったのは、説明に困惑の声>>83があがった時だ。 喉の奥で唸るようにぷすりと音を立てるも、拙い口では捕捉もままならない。]
(95) 2020/08/26(Wed) 01時頃
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[ 最初はたぶん、虚の天井に溜まっていた。
甘酸っぱい匂いがすることに気づいたのはいつからだろう。 硬い岩肌に触れたのはいつだっただろう。
小石が削れて落ちる音を聞いたのは、 光が色を持つと知ったのは、 口の奥を震わせられるようになったのは、
――きっと、それが必要だったからだ。 それが生存に適した造形だったからだ。
だって、地に降りることのできない足は細く、小さく。 片方に至っては、未だ気体の性質が強いのだから。
それは己にとってあくまで成長であり、変化ではない。 故に、最初から己は己であり、時を経て己になった。 けれど、それはそういうものだ。当たり前のことだ。 種族の差故の常識が、答えを形作れないでいる。]
(96) 2020/08/26(Wed) 01時頃
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