266 冷たい校舎村7
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時間が経てど雪の弱まる兆しもなく、
ただ、辛うじて日が沈んだことが分かる。
夜になったって校舎は同じ顔。
きらびやかな装飾、美味しそうな匂い。
君たちの知る楽しい楽しい文化祭。
そこに、不似合いな音が響く。
(#0) 2019/06/10(Mon) 00時頃
絶叫。甲高い女の悲鳴だ。
(#1) 2019/06/10(Mon) 00時頃
キーンコーンカーンコーン…………
(#2) 2019/06/10(Mon) 00時頃
再び、夜の校舎を明るい音楽だけが彩る。
(#3) 2019/06/10(Mon) 00時頃
──3階、3年7組教室前。
そこには、血を流す誰かの死体──ではなく、
一体のマネキン人形がうつ伏せに転がっている。
倒れた場所から這いずってきたのか、
廊下に引きずったような赤色がべたりと残り、
まだ乾ききっていない様子でてらてらと光っている。
それを動かそうとするならば、
その拍子にぐらりと不安定に動く首元に、
大きな口でぱくりと食べられたかのような、
噛み傷じみた、大きな裂け目が露わになるだろう。
(#4) 2019/06/10(Mon) 00時頃
明らかに人間ではないその存在だが、
首の傷からとくとくと溢れだしているのは、
紛れもなくまだ温かい血液である。
その人形の髪型や服装、体格、
はてにはどことない雰囲気に君たちは覚えがある。
……同時に、相原愛子が見当たらない。
(#5) 2019/06/10(Mon) 00時頃
────午後8時50分のことだった。*
(#6) 2019/06/10(Mon) 00時頃
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