255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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イルマ! 今日がお前の命日だ!
2018/12/10(Mon) 07時頃
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─薬屋で─
[薬屋近辺の空気も狂気感染したかのようで、 視線も集えば噂話も中々に不穏に満ちていた。 あからさまな怪我人の前では道を譲ってくれたが、 何がそんなに暇なのか口さがないことこの上ない。
薬屋でも何かがあったのだろう。 その何かが何なのかを尋ねる事もできた、が、 尋ねて何になるというのか。
陰口の隙間を縫うように店内へ行けば、 普段物静かなタツミにも荒れた気配がある。>>5:276 その原因っぽそうなワカナの姿まで。>>1
その空気を見ない振りは正解だったんだろう。 何があったかなど尋ねず客に徹して、 というか、余計な言葉を吐くほど体調も宜しくない]
(+9) 2018/12/10(Mon) 19時頃
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[店内も見ればもう残り少ない品揃えで、 注文を並べた後に無理があるかと眉を寄せて。 無事を安堵する言葉を聞き曖昧に笑う。>>5:277
彼も店になにかあっただろうに、 声色に他人事の響きなく安心するだなんて。 招集の事実を前にしても、>>5:278 たとえ、自分に重ねた結果だとしても。
ここの居心地の良さの正体を理解して、 曖昧さの残る笑いを揺るぎなく穏やかに変える。 ここも、彼も、好きだったなと、 今更ながら、はっきりと理解した笑い。
笑った意味など彼には伝わらないだろうし、 それを言葉にはしなかったのだけれど]
(+10) 2018/12/10(Mon) 19時頃
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[招集まで数えて手指で示し、 用意された品で足りるか迷ったがギリギリ足りた。 値引きに感謝して痛み止めだけ一つ飲ませて貰い、 後は用途ごとに袋に分けて貰って頭を下げる。
最後まで言葉はなく表情で返すだけの会話。 背に贈られた言葉は装飾がなく、 真意だろうと取れて軽く手を上げて店を出て。
最早行く宛なく、喉飴を口に入れながら。 商会に顔を出すべきか、 そういえば事件が起きる前から休んでいたなと、 過って携帯を取り出し──あぁ、充電がない]
(+11) 2018/12/10(Mon) 19時頃
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─薬屋→公園─
[溜息をついて、休める場所を求め、 孤児院に行けない今は公園へと向かって。
物々しさの理由は噂話で知った。 何だか街全体に狂気が充満しているかのようで、 確かにコレでは無責任な噂でも、 犯人の在り処を定めて安堵したいだろうと溜息を吐く。
これからどうするべきか分からない。 孤児院に戻ることだけはできない。 思いつくのは疑われているならいっそ、 自警団のところで勾留しておいて貰う位だが──
──果たしてもう一度頼んで、 勝手なこの願いを受け入れて貰えるだろうか]
(+12) 2018/12/10(Mon) 19時頃
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はやく……
[イルマを思い浮かべる。 犯人の目的を考える。 無意識な空想と思考はほぼ同時。 その意味を深く考えなかった。 前者には未だ頬に残る感触が思考の邪魔をされ、 後者にはただ不安を抱かされて、思考が曇る。
ベンチに座って視線は虚ろに。 地面を見ていた気がする──時折、空を]
(+13) 2018/12/10(Mon) 19時半頃
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[祈りめいた言葉を天に、秘めた願いを地に。
”はやく、早く、犯人は、俺の前に姿を”
その手がもうほかの誰にも伸ばされないように祈り、 諸々の終着を── 犯人の執着を知りたいが為の願いを、 溜息と共に地に沈めて無防備にも瞼を閉じて。
遠く聞こえる噂声に含まれるのは怯えだろうか。 誰かを犯人に仕立て上げて安堵したい心情は、 何となく理解しても、納得できるものではない。
けれど、怒りはなかった 足の痛みが薬で遠くなった今、 理不尽への怒りは抱くことなくただ心配だけがある]
(+14) 2018/12/10(Mon) 19時半頃
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[大事な人達が怪我をして、 もし、取り返しのつかないことになったら。
巨大な養殖場ともいえる管理区の人間が、 取り返しのつかない怪我を、もししたのなら。
己は今それに足掛けしている状態だが、 だが、それでも]
はや、く……
[目的の分からない犯人が他に手を伸ばす位なら、と。 優しさなどではなく強慾からそう願って、息を吐く]
(+15) 2018/12/10(Mon) 20時頃
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[自分のものを、もう、誰かに手渡すのは嫌だ、と。
不遜極まりないその感情の名を、 敢えて気付かないふりをして思い浮かべる顔へ。 結局は託して、頼ってしまった弱さに歯噛みする。
───自分はなんて、中途半端なのだろう]**
(+16) 2018/12/10(Mon) 20時頃
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─公園─
[瞼を閉じて、顔は天を仰いでいた。
夕闇の迫る音だろうか。 周囲の気配は遠くなっていき、 取り巻く噂も遠くへ去っていく感覚。
考えることが、数多にあった。 大学を出た身だ。 秀でてはいないが悪くもなかった頭は、 日常を脅かす犯人像を少しずつ形にしていく。
火事、扉は開いていた。 それはつまり俺を殺す気はなかったと仮定する。
実際のところ部屋が焼けた以上は証拠もなく、 ”そうだった気がする”という、 薄弱にも程がある根拠からの推測だったが]
(+29) 2018/12/10(Mon) 21時半頃
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[だが、本当に殺す気がなかったなら、 あの人形の意味することは、示唆、脅迫、或いは?
”マーゴ”の監視ではなく”子供”への監視なら。 手紙が、子供を世話する大人宛てじゃなく、 意図して、自分だけに宛てたとするなら。 あの日の体調不良は偶然だとして、 狙い定めたかのような火事のタイミングは?
収束していく結論はまだ形を成さないが、 恐ろしいことに間違いないと思う一つの確信があった。
つまり、これは、 孤児院をよく知り、自分に近く、 子供たちの近くにもいて、孤児院の構造も知る──
知り合いの行いなんじゃないか、と]
(+30) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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[しかし思考はそこまでで途切れた。 確信であっても信じたくはなく、 仮にそうだとして、今の自分にはどうにも出来ない。 せめてもう他に手が伸びないことを祈るだけだ。 暴きたいという執着は案外と重かったが、 そこに目を背ける弱さもまた内包してしまっている]
(+31) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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……イルマ
[車椅子を引く姿に双眸を細めた。>>+20 優しく響く声は有り難くはあったが、 今、寄りかかってしまえば、自分は弱くなる。
それは秘めた感情の全てを吐き出してしまうだろう。
理不尽さを理解した上で招集を受けない彼女を妬み、 それ以上に、彼女が選ばれなくて良かったなんて。 招集前に未練を顕にするなど、不誠実に過ぎる。
それに捻った足が治らなかったら……など、 病院では冗談で流して誤魔化した怯えは消しきれず、 きっと、みっともなく晒してしまう気がして。
何より、未だ結び付かない犯人像。 その危険が彼女に何時降りかかるか分からないほうが、 正直、不安で堪らない]
(+34) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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イルマ……?
[頬に伸びる手に僅かに身を引く。 けれど彼女から忍び寄るような不穏の影は、 逃れようにも身体を縛ったかのようで動けない。
すり寄る頬は恐らく硬かっただろう。 強張ったような、驚いたような、 どこか納得したような、それを諌めるような。 複雑な表情でイルマの言葉を聞く。>>+21]
(+35) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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な、にを
[何を言っているのか理解ができない。 いや、理解している。 しているからこそ身体が動かないでいた。
その意味を正確に、己の感性 で理解した。 つまり、その柔らかな声音に孕んだ 狂気 とは。
まるで血のようにべったりと頬に張り付く、 甘やかな彼女の体温と、感情は──]
(+36) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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[背がベンチの背凭れに触れた。
後から思えばあれは逃れようとしたのだと思う。 だが己の手は彼女を突き飛ばしたりはしなかった。
足は利かないが手は無事で、傍らに杖だってあった。 イルマに介護で鍛えた力があっても、 毎日の配達で鍛えた体力バカの男に叶うはずもない。
だが、それでも突き放すことはできないまま。
囁きが落ちて抱き寄せられて、>>+22 鼻先に柔らかな丘陵の感触が布越しに伝わり、瞠る。
ああ、女の子だよな。 なんて関係ないことを過ったのは、 寧ろ、余裕が無いからだろう。
食べるってなにを言っているんだ、と、 深く考えるのを拒否したからかもしれない]
(+37) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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[だって彼女の手料理は昔から美味かったから]
(+38) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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[沸いた体調不良の意味。 珈琲も栄養剤も悪くは無かったのかなんて、 そんなコト考えてしまえば、きっと。
胸元に顔を埋めたまま首へ突き刺さる刺激に、 僅かに柔らかみに顔を押し付けたのだけが抗いで。
意識は滑るように泥濘に沈む。 その先をどうしたのか知る術などなく、 夢の一片すら見ることのできない深い眠りへ]
(+39) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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─隠れ家?─
[曖昧な感覚の中、息を吸う。 ──喉を引き裂くような痛み。
慌てて吐き出す。 ──そっと吐いたおかげで痛みは和らいだ。
皮肉にもその痛みが覚醒を促し、瞼を開ける。 どこだろう、と過るのは、不安からだった。
その不安が間違いだったのを知るのは、 足を繋ぐ重みに捻った足首の痛みを思い出し、 それから繋がれた事実を知ってから。
無論のこと、その凶行を行った主のことも、 どうしてこうなったかを思い出せば不安は散る]
(+40) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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……イルマ
[掠れた声で名を呼んでベッドから上身だけを起こした。 意識のない相手は体重以上に重く感じるはずで、 これをイルマの細腕で為したなら相当疲れただろうと、 状況に釣り合わない心配もじわりと響く声音。
まさか協力者がいるなどとは思いつきもしない]
(+41) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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イルマ
[もう一度、今度は静かでしっかりとした声で呼ぶ。
喉が痛い。足も薬が切れたかまた痛み出した。 腕の擦り傷はその痛みと混ざって、 気にならない程度の苦痛だったが眉だけは寄せる。
呼ぶ声音は日常より穏やかだった。 憐れだな、と、自嘲の響きを押し隠しているが、 その片鱗を知るには瞳を覗き込まねば無理だろう。 あるは一挙一動、常から己を監視し続けたなら別だが。 目に見えるものだけが真実とは限らない。 それを忘れるくらいには彼女を信頼していたのだと、 今更ながら知ったことには、そんな自嘲しかない]*
(+42) 2018/12/10(Mon) 22時頃
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違うだろ
[長い髪が揺れて振り向く姿は、 何時もより晴れやかな笑顔に見えた。 目に見えるものだけが真実とは限らない。
己の視界に映る モノ の全ては、 思い込みと想像その限界の枠内に収まっている。 とは、大学の時の授業で聞いた話だ。
きっとイルマへもそうしていたんだろう。 可愛いなと思う表情の裏側、その真実。 幼馴染が見せる笑いが晴れやかでも、 その内心を余す所なく暴くことができないのなら。
自分の都合のいい世界を、 無意識とはいえ見ていただけに過ぎない。 だから、もう一度]
(+55) 2018/12/10(Mon) 23時頃
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違う、だろ
[鎖の響きは心を軋ませた。 2人分の体重でベッドが上げる悲鳴は耳に入りはしたが、 繋げられた鎖の音色には勝らず耳を素通りしている。
重ねた否定と共に視線を近く寄るイルマへ。 唇に、瞳に、滑り落ちて指先に。 怪我の痕跡が偽だと祈るが虚しさだけを呼ぶ。
きっと、食べる とは、比喩ではなくて]
(+56) 2018/12/10(Mon) 23時頃
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何だよそれ。 要らねーし、……それに
[拗ねたような言葉に続く語尾は曖昧に、 眉をひそめて緩く首を振る。
真っ赤なものはもう散々だった。
届いた手紙、置かれた人形、 それらを染めていた赤は彼女のものなのだろうか]
(+58) 2018/12/10(Mon) 23時頃
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怪我、してほしくない。
[伸ばした手は彼女の肩を掴めただろうか。 首を、掌に収められただろうか。
力を籠めるつもりはなく、 此処が自由ならばどうとでもなるとでもいいたげに。 だって自由でいたならきっと抑えられない。
『お前は、子供たちを巻き込んだのか』
そんな致命的な亀裂を呼ぶ問いかけを── 答えを聞いてしまえば、恐らく後悔する言葉を。
辛うじて飲み込んでいるのに]
(+59) 2018/12/10(Mon) 23時頃
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[触れていた掌をするりと滑らせベッドに落とした。 バカなことをした。 バカなことだ──だって、自分は。
触れた指先から伝わる体温。 滑らかな肌、サラリと流れる髪。 それが幻想だとしても自分を見るイルマを、 亀裂を刻まれたとしても、厭う気にはなれない。
ただ、その事実を知りながら、 彼女というものを受け入れがたく思いながら。 幼い頃から育てた距離感を失う気はなく、 決して嫌いにはなれない。
離別を知りながらも縋り、頼る程に、 好きなのだから、当然だ]
(+61) 2018/12/10(Mon) 23時半頃
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イルマ。 お前、俺に食べて欲しいのか。
[ベーカー家がどうのとか知らない。 知らないが、彼女の望みがそれならば。
叶えられないと言外に伝えるように、 視線をふと外して、もう瞳は彼女を映さない。
肉体も、言わずもがな心も、 削いだ彼女など見たくはなかった。
そうしてどこか苦しそうな物言いながら、 逃げることを示唆するように、じゃらりと鎖を鳴らす。
足の痛みを無視して、”安静”とは程遠く。 実際手が自由だ。 鎖を何とかする方法さえあれば逃げ出すつもりで]*
(+63) 2018/12/10(Mon) 23時半頃
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……嫌だと言ったら?
[その唇から言葉が綴られるたびに、 ベッドどころではない軋みが頭に響く。
足の痛みが頭痛になったかのようだ。 瞬いた視界は改善することなく見知らぬ部屋と、 イルマを映して切り替わらない。 その上、放たれた言葉が寂寞の根を張るなら]
(+80) 2018/12/11(Tue) 00時頃
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嫌だよ、イルマ。 お前がそう望むなら俺は、 お前のことを”置いていく”し、忘れる。
それとも、無理に食わすか? いや、永遠にここから逃さない?
足でも折れば叶うかもしれないな、 逃さない、という意味では。
[ふ、っと息を吐く笑いを滲ませて問いかけた。 己に返る痛みを孕んだ、薄い、酷く罅割れた笑い。
己の言葉だけではきっと伝わるはずもない。 だから彼女自身が紡いだ感情の発露を、 突きつけられたときのように繰り返して聞かせる]
(+81) 2018/12/11(Tue) 00時頃
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そうして全部食べさせて、それで? 今度は お前が 置いていく側になるとでも?
[置いていかねばならなかったのを棚に上げて、 大人の皮も脱ぎ捨てて、 よく喧嘩した子供の頃のように直截な言葉を]*
(+82) 2018/12/11(Tue) 00時半頃
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