281 緋桜奇譚−忌−
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
kosake 2020/10/09(Fri) 01時半頃
【SCP-xx00-JPについて】
■アイテム番号:SCP-xx00-JP
■オブジェクトクラス:Euclid
■百物語の語り部
■特別収容プロトコル:SCP-xx00-JPはセクターxxにあるインターネット環境の存在しない物品保管庫にて、金属製の箱に入れられて収容されています。
定期的に研究員による対話を行い、その内容は記録してください。
斜線が引かれ書き換えられている。
事案xx00-Aにより、SCP-xx00-JPは電磁シールド内の物品保管庫にて収容し、24時間の監視を行ってください。
再び斜線。
SCP-xx00-JPは現在収容できていません。
■説明:SCP-xx00-JPはxx社より販売されたスマートフォンの内部に存在する人型存在です。
構造的には異常な部分は見つかりませんでしたが、内部に意思疎通可能のコンピューターグラフィックにより製作された人型実体SCP-xx00-JP-1が存在します。
これはこの機種のスマートフォン本来の容量を超えています。
また電源に繋がれていないにも拘らず、充電の切れる様子はありません。
SCP-xx00-JP-1は10代と思われる女性型で、日本のインターネット上で活動していた『アオちゃん』と名乗る動画投稿者と一致しています。
スマートフォンは定期的に起動し、会話を要求します。
このスマートフォンは、京都で発生した別件の収容違反事例及び大規模な異常事件「緋桜奇譚」時に存在を確認されました。
その後、イベントの中心点になった六道珍皇寺前にて破壊された状態で発見され、回収、修復されました。
【レポート:SCP-xx00-JP】
SCP-xx00-JPは他者との会話を非常に好みます。
その好みは特に「怪談」と呼ばれる怖い話、不思議な話等の向けられています。
自らが収集したとして語ることもですが、職員に話をするように促すことの方が多いです。
促しに強制力はなく、職員が答えなかった場合は対話相手に似合う話と称してSCP-xx00-JP自身が怪談を語ります。
その内容はSCP-xx00-JPが『アオちゃん』として投稿していた動画で語っていたものもあれば、未知の話である場合もあります。
また定期的な対話をしなかった場合、より短い頻度でSCP-xx00-JPは監視装置に向かって「怪談」を語ることが確認されています。
その話自体に異常は一切ありません。
【事案xx00-A】
担当研究者による定期インタビュー。
通常通りの手順で行われました。
<記録開始>
SCP-xx00-JP:今日もアオちゃんが話すのー?たまにはお話してくれればいいのに。
研究員:いいえ、遠慮しておきます。
SCP-xx00-JP:えー、残念、折角の半分記念なのに―。
研究員:半分、ですか?
SCP-xx00-JP:今日はここについて語っちゃいましょう〜。ぱちぱちぱち。ここってーアオちゃん以外にも色々いるよねえ。例えばほら、会話すると相手が壊れちゃう寡黙なあの子、あの子の話をしようか。
研究員:なんですって。
■補遺1
SCP-xx00-JPは研究員制止を無視して、語り終えました。
この時話したのは、SCP-xx49-JPの事であると、SCP-xx49-JPはインタビューにおいても認めています。
情報の入手先についてはSCP-xx49-JPははぐらかし黙秘。
研究員がその情報を教えた記録も発見されなかったため、外部の情報を何らかの方法で入手している可能性もあると判断され、収容プロトコルの変更を要請。
■補遺2
事案発生時の定期インタビューが50回目であったことが確認されています。
SCP-xx00-JPが動画投稿時代には100物語を語っていたこと、事件「緋桜奇譚」100話目と称していたことから、インタビュー100回目にも何かあると思われ、警戒がされています。
【事案xx00-B】
担当研究員による定期インタビュー。
本日は、100回目のインタビューに当たるため電磁的にも物理的にも完全隔離された実験室にて行う。
SCP-xx00-JP:ぱんぱかぱーん。本日はついに百話目となりまーす。今日まで聞いてくれてありがとう。今日のもちゃんと記録してくれてるよね?
研究員:何をするつもりなのですか。
SCP-xx00-JP:アオちゃんは語るだけでーす。皆々様に対しての百話目のお話はアオちゃんの事、『百物語の語り手』としましょうか。昔々から、百物語を語り終えると奇怪な出来事が起こったり、怪異が現れたりすると言います。そう、例えばこうやって監視されている中で、語り部そのものが消えてしまったり、とか。
SCP-xx00-JPが強制終了。再起動の試みは失敗に終わっています。
同時、外部の動画投稿サイトにて『復活のアオちゃんの百物語ちゃんねる〜』の投稿が確認される。事件「緋桜奇譚」について語り合おうと呼びかけが確認される。
すぐに削除対応するもののエラーが発生により失敗。
最終的にサーバーをダウンさせるもののそれまでにかなりの数の閲覧者が発生した模様。
以降。
SCP-xx00-JPは定期的に動画を投稿。
収容の試みは失敗しております。
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―今際の際にー
[>>7雨叢雲を鈍らせた隙、志乃の身体を抱きとめたとき。 瞑った瞼の裏、走馬灯ではない意識の隙間を縫うように、女の妖怪の声と共に姿を現す]
『神の力を借りるということは、金魚一匹で払いきることのない代償を負うということだ』
『回収の時間だよ。 君は人からも妖からも誰の記憶からも泡のように消える。 現世の縁を断ち切って、ようやく神の供物に相応しい魂になるんだよ。』
『ひとりぼっちにさせないなんて笑わせるね。 お前があの子を独りにするんだよ』
(21) kosake 2020/10/12(Mon) 00時頃
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それでも… 私はしぃちゃんがこの騒動で起こした未来、孤高の末に一人で…沢山の人から遠い、傷つかない人でなしだって望まれて死ぬよりは―― 私とチトちゃんで、強くて寂しがりなあの子を終わらせてあげたかったの…。
[動画で繋がることを求めたり、強い妖を、亡者であろうと強い者をと言いながら、弱くてもナツミをと傍に置こうとした志乃は、きっと誰よりも他者を求めているように、ナツミには見えたのだ。]
(22) kosake 2020/10/12(Mon) 00時頃
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でも…チトちゃんには酷いことを頼んじゃったね…。 泣いちゃわないかなあ…
[出会った時、お腹が空いたと泣いていた彼女の泣き顔を思い出す。 刺し違えてでも、という意思を見せて彼女に後を頼んでしまった。>>2:=4私が助けを求めたとき、チトセは必死になって駆け付けてくれた。そしてナツミを何度も何度も助けてくれた。 ナツミを殺すことで彼女は傷つくだろうと自惚れてしまうくらいには、好意を受け取っている]
(23) kosake 2020/10/12(Mon) 00時頃
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ああ、二人とも約束…守れなかったなあ… 一緒にお買い物して…パフェ…作ってあげたかったのに
[自分の願いを貫いたことに後悔はない。 ああ、でも本当はこんな終わりじゃなく]
[志乃と、チトセと、皆と。
もっと、一緒に生きたかった]
[そして、チトセが振るう鎌が二人を刈り取る―ー*]
(24) kosake 2020/10/12(Mon) 00時頃
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―視点:名前多き女妖怪ー
『はあ、まったく荼枳尼天の使いか、やってくれたね、こちらの方が先に売約済みだったというのに。 脂の乗った≪金魚≫を横から引っ攫うなんて』
[女の妖怪はつまらなさそうに言葉を吐く。
『神様の力を借りるんだ』 『そうすれば金魚のお前にない力を使い、騒動をおさめることもできるだろう』 『相応の対価は必要になる。例えば君の血肉…行使する力が多くなるならそれに加えて…魂とかね』 『対価は後払いでもいいだろう。どうする?受けるかい?』
知恵を貸してほしいと言われ、貸し与えた。 そして、まんまとナツミは神ではなく<女の妖怪>と契約をした。 それは神の力ではなく、相談料と気付かせないまま、暴利を取ろうとしたのだ。
途中までは良かった。狐がナツミを殺すだけなら、回収の余地があったのだ。 それをあの狐に銀狐と変わり≪全て喰って≫>>10おじゃんにしてしまった。せっかくの契約がパアだ。]
(25) kosake 2020/10/12(Mon) 00時頃
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『仕方ない。もう少しだけ請負人の真似事でも続けて、機会を狙うとするか。』
番傘をひと回しし、暗闇へと消え去った―ーー*]
(26) kosake 2020/10/12(Mon) 00時頃
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