279 宇宙(そら)を往くサルバシオン
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― 談話室 ―
[のそりと戻ってくる。 そこには残りの三人が揃っていた。]
… ……
[ゆっくりと見渡す。 それはいつもと同じ様子だった。]
(93) 2020/09/04(Fri) 00時半頃
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…
[たりない、とモナリザが言うのが聞こえた。]
なにがだ。
[短く訊ねる。 そうして続けられた言葉の数々を、 ただじいっと聞いている。]
(94) 2020/09/04(Fri) 00時半頃
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考えた事が、正しいなんて、 保障はどこにもない。
…俺も昨日は、 シルクを疑っていた。
[でも、違った。違うと信じる前に、判断する前に、 どうしようもない形で真実を前に引きずり出された今。
この中に犯人がいるのは明確だ。 だけどもそこに憎しみが行くわけではない。 この状況を良くはないと思っているが、 弱肉強食のくらげの習性を責めるつもりもなかった。
くらげに思うのは、ずっと同じだ。 災難だったな。この船に乗らなければ。]
(95) 2020/09/04(Fri) 00時半頃
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判断の、正確性なんて、 きっとだれも、もっていない。 もっていなかった。
昨日までいた、誰もが。 今日いる、誰もが。
確実な事を知っているのは、 くらげだけだ。
(96) 2020/09/04(Fri) 00時半頃
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そして、 …くらげに頼れるわけでもない。
[そうだろう、とモナリザへ向け言って、]
じゃあ、逆に。 そうだな。
誰の判断になら、 まかせてもいいとおもうんだ?
[そう訊ねる。]*
(97) 2020/09/04(Fri) 00時半頃
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/* 皆さんまだ出方を伺ってじりじりしている感じでしょうか。 なぜそっちにシルクはいないのだ……食べられたからだ! ワクラバさんがきっと切り込んでくださるはず。 最終日大変だけどがんばれー!
(-62) 2020/09/04(Fri) 01時頃
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/* 戻るの早かったかな…?! 私が皆が喋るの邪魔しちゃったならすま〜んだ…
最悪延長お願いも視野かな… いや明日…ちょっとあんまりいれないかもしれないんですよ…
(-63) 2020/09/04(Fri) 01時頃
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……ありがとう、ございます。 お恥ずかしいところをお見せしました。
[ほつほつと紡ぎだされる声に、自身の狼狽が落ち着いていく。]
貴方も、シルク様を。 真実を知っているのは、くらげだけ……
[頂いた情報を、整理するだけでも時間がかかる。 いくつか、並べるように復唱した。]
(98) 2020/09/04(Fri) 01時頃
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どなたなら頼れるか、という発言を、どなたなら宇宙クラゲに寄生されていないか、という問いとほぼ同一と判断させていただきます。
そうした観点であれば、今一番に信頼度が高いのは、アーサー氏です。 アーサー氏は宇宙クラゲに感染された方がポッドで射出された場合、その判断を下すことが出来る、稀有なお力の持ち主です。
(99) 2020/09/04(Fri) 01時頃
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実際、私は昨日、アーサー氏より、トルドヴィン氏への疑いを聴取しました。 それにより、私は昨日シルク様の名を挙げることはせず、別の方を選びました。 トルドヴィン氏の冷静さは評価されるべきものでしたが、実際本日我々がこうして集えたことを鑑みても、アーサー氏の判断は正しかったと言わざるを得ません。
[昨夜の投票結果を、ワクラバは確認したろうか。 トルドヴィン氏でも、モナリザ自身でも、無論シルク少年でもない投票先とは、誰か*]
(100) 2020/09/04(Fri) 01時半頃
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はずかしい、と思うんだな。 ヒューマノイドでも。
[感情はあるか、という問いに、(>>12) 感情はない、と答えたのは昨夜の話だ。]
今の様子も、 まるで、感情があるかのように思える。
[内に入れた情報を時間をかけて整理する様子は、 自分にも覚えがあり少しの親近感だ。今更だが。]
スプスプイがいなくなったから、 誰がそうなのか、を調べるすべも、 なくなったしな…。
[そのスプスプイですら調べるまでは解らなかっただろう。 やはり知るのはくらげだけなのだ。]
(101) 2020/09/04(Fri) 01時半頃
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…
[アーサーについて聞く。 くらげではない相手が=になるのは納得できることだったため、小さく頷いた。]
アーサーは、そうだな。 俺も、疑っていない。
[昨日の話は初耳だった。 自分が帰った後の話だろう。 猫の方へと視線を向けた。 必然的にミタシュも視界に入る。]
(102) 2020/09/04(Fri) 01時半頃
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… だとしたら、ますます、 アーサーへの疑いはなくなるな。
あの状況で、くらげの仲間が トルドヴィンを選ぶ理由はない。
あいつをくらげじゃないと信じていたのなら、 おまえの行動にも、頷ける。
[投票結果の内訳は公表されていない。 示されるのは追放者の名前だけだ。(>>3:#0)]
…俺が選んだ名前も、トルドヴィンだ。 全員、誰を選んだか、公表してみるか?
[そういうと、その場にいる全員を見渡した。]*
(103) 2020/09/04(Fri) 01時半頃
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/* 長文を喋りたくないキャラ性と、 モナリザちゃんとお話したい中の人が喧嘩してる
でも明日に時間がないからまた沢山お話させてね きゃらぶれっぶれじゃんていわれてもまあ えへへ 時間が経って言葉に慣れてきたんだよ♡っていお♡
(-64) 2020/09/04(Fri) 01時半頃
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/* このかおでえへへとかいうな
(-65) 2020/09/04(Fri) 01時半頃
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/* 理由ないとかいっちゃったけど普通にあるんだよな
どうせ死ぬならみんな殺して死のう!!!! みたいなくらげとか、 昨日俺がいったみたいに一人を犠牲にしたくらげとか
あっ自分の首絞めてる>< 俺がくらげなのでは〜????(わかる)
いやでも本能ならそう言うことも考えないのか? わからん 解らんからつついてほしい
(-66) 2020/09/04(Fri) 02時頃
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― 回想・夜の迫る自室 ―
[ トルドウィンの言う、ミタシュの強さを己は知らない。 それが宇宙クラゲすら圧倒するものなのか、あるいは限られた未来をこじ開けられるようなものなのか。 彼女のまっすぐな優しさを信じると決めた以上、今、それ以上を知る時間はなかったし、"強いこと"と"傍にいないこと"が己の中では上手く繋がらなかった。]
ふ、う。
[ 外部作業服を流用した装備を規定の位置に固定すると、内側からずるりと身体を抜き落とす。のっぺりとした白が宙空へと躍り出た。 身体には何もなかった。頭の先ほど濃く、足の先ほど薄い。 作業服の縁を蹴り、モニターの前へ向かった。]
……。
[ 無機質に並ぶ名前のひとつに触れる。 結局、正しい音を紡ぐことはできなかったなと思った。 そしてどんな未来へ転ぶにしろ、もう彼の前で彼の名を呼ぶことはできないのだろう、とも。
選択を終えた指を離し、宙へ身を投げ出す。 白に似た髪が、視界の端で揺らめいていた。]
(+11) 2020/09/04(Fri) 06時半頃
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[ 小惑星SIL33999222上のガスに含まれる不明な構成要素>>1:123の特性が分かったのは、研究から数年が経ってからのことだった。
はじまりは、一本の白い髪だった。 ここにいる誰よりも若い研究員は、己によく絵の描かれた本を見せてくれたヒトだった>>2:200。]
『 可燃性、なし。支燃性、極微弱。 毒性、極々微弱。構成要素、不明物質数点。
――不明物質の一部に、 細胞の分裂暴走を引き起こす成分の含有を確認。
小惑星SIL33999222内での調査を一時休止する。』
[ 数年を共にした研究員たちの被害は軽微だった。 結果に対する必要摂取量が膨大すぎるのだと言う。 少なくとも数年単位、一定以上の濃度を恒常的に摂取してはじめて影響が出るらしい。 だから安心していいと笑ってくれた”たいちょう”たちは、透明な壁の向こうにいた。
――あの時から、己と誰かの間には一枚の隔りがある。]
(+12) 2020/09/04(Fri) 06時半頃
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[ >>1:48害と呼ぶにはあまりにも脆弱で、 だからこそ何かへ役立てることもできないまま。 僅かに不快を与えるだけの、意味もない霞のようなもの。
>>4:98”かたち”が少しでも違えば、隣人になりえなかった。
我々は、そういう存在だ。]
(+13) 2020/09/04(Fri) 06時半頃
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[ ……ということになっている。今のところは。 浮遊種は発見が遅れたこともあり、未だ研究途中の種族。 それが正しいかどうかを断言することは、誰にもできない。
それでも、研究に協力していた同胞の中には、 形を手放して星(はは)の虚(はら)にかえる者もいた。 己のように形を残す者もいたが、以前より姿はどこか朧だ。
し ぬ 形を失うのは嫌だった。 でも、皆に迷惑をかけたくもなかった。
重力下での生活実験を提案したのは己で、 それを受け入れて準備を整えてくれたのが彼らだ。 随分と無茶を言ったと思う。
それなのに課せられたのは、ただ、生きること>>0:175。 元気でいてくれたらそれでいいと、皆は言う。 己に似た白が僅かに増えた頭で、そんなことを言うのだ。 研究者なのに。しっかりしてよ。]
(+14) 2020/09/04(Fri) 06時半頃
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[ 縮小された研究資金では、全自動歩行マシン>>0:175なんて準備できないことは分かっていた。 だから元々不満なんてないのだ。
ただ、少し、心細くなっただけで。 けれど、それを伝える術を知らない。 そんなことは、初めてだったから。
離れてようやく、優しさに包まれていたことを知った。]
(-67) 2020/09/04(Fri) 07時頃
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[ 新しい研究所は、辺境の星の端にある。 常駐する研究員は新しく配属される己だけだ。 実験という名目上、経過報告、観察の目はあるが、 基本的にこれからはひとりで生きていかねばならなくなる。
>>0:180己を知る為に母星を旅立った。 今は、もっと自分のことを知りたいと思う。 誰かの隣人となれる道を、探す為に。 いつか彼ら>>1:95の元へ、帰る為に。
――宇宙船サルバシオン。 これは俯くことができず、前にしか進めない己にとって、 救いの旅路なのだ。]
(+15) 2020/09/04(Fri) 07時頃
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[ 優しさの中で生きていた。]*
(+16) 2020/09/04(Fri) 07時頃
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― 回想・終わりの夜に ―
[ ――嗚呼、己は死ぬのだ、と。
理解した瞬間、足下から自壊が始まった。 ぐずぐずと崩れる形は、やがて肉色のガスへ戻っていく。 もし喰らった者が未だその場にいるのなら、身体によっては痺れを覚えたかもしれない。 意味のない者にとっては、ただ視界を阻害するだけの靄でしかないけれど。]
……。
[ 死にたくないなあと思った。 思ったから口にするつもりだったのに、喉からはガスの漏れる音と甘酸っぱい匂いしかしなかった。 拙い口は、自壊する前に役立たずになってしまったようだ。 言葉も、悲鳴も、溢れない。]
(+17) 2020/09/04(Fri) 12時頃
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[ 小さく呟かれた夢>>3:211へ、 あの時>>1:128と同じ根拠のないいつかを贈りたかった。
食べることが特別好きな訳ではないけれど、 あのキャンディ>>3:18はまた食べたいと思っていたことを 伝えたかった。
感情を得難いものと言っていた声>>3:160に、 己が見つけた彼女の感情の欠片を教えたかった。 “またあした”>>35だって、叶えたかった。
己を地に縛りつけず>>2:40に 本人へ直接命の色を尋ねてみたかったし、
透明なドームの向こう、 響く電子音>>1:26と言葉を交わしてみたかった。
本当は厚い隔たりを介さずに抱きしめたかったし>>3:93、
パイセンとの話>>3:147をもっと聞きたかった。]
(+18) 2020/09/04(Fri) 12時頃
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[ きっと他愛なく差し出してくれた腕>>0:188が、 他者との肉体的接触に及び腰になっていた己にとって どんなに助けになったかを話したかった。
何より、あの時のこころ>>4:118を、 つめたいそとがわ>>4:129の意味を、 聞いて欲しかった。
他にも、まだ、まだ、まだ。もっと。 やりたいことがたくさんあるのに、 時間は誰よりも厳格で、命はどうしようもなく有限だ。
崩れ行く耳元に、呟き>>4:142がひとつ残り続けている。]
(+19) 2020/09/04(Fri) 12時頃
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[ 自壊は足下から徐々に上へ広がっていく。 萎びた足が、模した腹が――ぽっかりと欠落した胸の内が。 心臓も肺もないそこには、隙間を埋めるように肉色のガスが満ちている。
五本の指が消えて、傷ひとつない肩が失われた。 先に役目を終えた喉元は仕組みを理解する前に成形されたのか、通り道がひどく細く、構造もやや煩雑だ。 満足に震わせることのできないそこから外に飛び出し損ねた言葉は、いつだって頭の中を巡っている。
薄い口元も、頼りない鼻筋も、燻んだ瞳も、緩やかな額も。 順番に宙へとかえっていく。 血は一滴も流れなかった。 代わりに、やがて消える肉色のガスがその場を覆っていく。
もう、時間はほとんど残っていなかった。 耳に残った呟きが消えてしまう前に、見えなくなってしまった両手で掬い上げる。]
(+20) 2020/09/04(Fri) 12時頃
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[ クラゲにとって冷たくて外側にある声。 それは、相容れないと断じた己>>3:196にとっては、 誰よりも近くにある、あたたかい声だった。
出航から数日、ようやく皆に声をかけられた己>>0:181は、 この場所からひどく浮いていただろう。 地につかない足はひとところに留まれず、 皆の視線から少し外れた場所にいる。
細められた瞳をおもう。 見開かれた瞳をおもう。
彼は、この中の誰よりも目線の近いヒト>>67だった。]
(+21) 2020/09/04(Fri) 12時頃
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[ もっと早く、見ていることに気づけたら。 もっと早く、掌に指を滑らせていたら。 横顔>>0:179の前で、立ち止まることができていたら。
頭に残ったままの言葉を、ひとつでも伝えられただろうか。
聞きたいことがたくさんあった。 知りたいこともたくさんあった。
それは、彼が何か隠したがっていること>>3:218よりも、
食事は取るのかだったり、 自室での過ごし方だったり、 これまで見てきた星の話だったり、 これから目指す先の話だったり、
今、話せないことの方が多かったように思う。]
(+22) 2020/09/04(Fri) 12時頃
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( ぼく、 は、 )
[ みててと言ったのに、みてもらえなくなるなあと思った。 その欠落は、ぽっかり空いた胸より寂しいことのように感じられた。
信じる、と言えたらいいと思っていた。 あの目がみてくれた己を知りたいと思っていた。
すべてが手遅れで、取り返しのつかない場所にいる。]
( き み 、 と )
[ 彼に届くのは、理由の通る事象ばかりで、 心や感情を乗せた言葉には沈黙が返ってくる>>4:135。 だからもしかしたら、 彼はまた難しいと口にするかもしれないけれど、 あの時>>4:134のように否定しないでくれればいいと思う。]
(+23) 2020/09/04(Fri) 12時頃
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