266 冷たい校舎村7
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[ガコン、と自販機が音を立てる。 飲み物が勢い良く落ちてくるこの音を 紫苑は余り好まなかった。 びっくりするし、容器凹んでたりするし。
閑話休題。 コーヒーを冷ましつつ 紫苑はスマホを取り出した。 通話アプリが大量の通知を告げていた。]
(+5) 2019/06/16(Sun) 12時頃
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[その相手が誰かだなんて言うまでもなくて、 自分を引き留めるような言葉が並んだ通知を 紫苑はふぅんと感心したように眺める。
振られた時には、 これくらい泣き言を言ってもいいらしい。
自分の過去を省みつつ、 別段気が重くなることは無かった。 吹っ切れた、ってやつなのかもしれない。]
(+6) 2019/06/16(Sun) 12時頃
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悪い子だなぁ。
[度のない眼鏡の下で、紫苑は笑う。
生憎と、国語の教科書と同じで、 文字を並べられてもピンと来ない。 むしろブロック忘れてたなぁって、 親指を画面の上で滑らせた。
薄情?はて、どちらがだろう。 雑音は未だに耳から離れないのに。]
(+7) 2019/06/16(Sun) 12時頃
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……バイバイ、はるちゃん。
[光る画面に紫苑は告げる。 多分、言葉とは裏腹に チャシャ猫のように口角が上がっていた。**]
(+8) 2019/06/16(Sun) 12時頃
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撫でて欲しいのなら撫でてあげた。 痛みが欲しいなら痛めつけてあげた。
愛でないと言われても、 罪であると言われても、
私には理解できないの。
(+9) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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誰も私を理解しないのと同じ。
(+10) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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でもきっと、それでいいのね。
(+11) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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[ 傘に、手を伸ばしかけたのは 夢の中の大雪が、印象深かったからかしら。
でもね、もう必要ないんだもの。 あの世界でだって、持っていなかったし。
玄関から一歩出た私の手に、青い傘は無くて 夜の風の冷たさに、冷え切っていくだけ。
やっと、あの子が死んでしまった実感を 得たけれども、どうしましょうか。なんて、 考えても、飼うことをやめる気はないの。
悩んでいたことに踏ん切りがつけれたって、 私が私なのは、変わらないんだもん。 ]
(+12) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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[ 明るい道を選んで、夜を歩いて行きます。 怖い人に襲われたら、病院に着けないし。
足取りは重くって。重くって。 誰かを飼っているときよりも、重くて。 立ち止まりました。独りきりは、息苦しいので。
公園の街頭が、私の影を創り出していて 不意に消えたりするのを、眺めていると、
不意に、腕を掴まれて、驚きました。
ええ、ああ。貴方は。 いつかの、公園の小学生。 ついさっき、マネキンを見たから分かるわ。 ]
(+13) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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……背、伸びたね
[ 受験の時、だから三年前かあ。私は笑います。 まだまだ伸びるんだろうけれど、十分。
彼は、腕を、振り上げて。
あら。殴るのかしら。何て眺めていたけれど、 結局力なく、降ろしてしまいました。 ]
(+14) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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[ 俯いて、顔を上げて、また俯いて。 彼は、小さな声で話し始めました。
その後保護されたこと。今は親戚の家に居ること。 そこでは良くして貰っていること。
あの日、私が二度と帰らなかった家で どんなに寂しくて、辛くて、憎い気持ちになったか ……という、ありふれたこと。と、
それでも、あの親から遠ざけて、助けてくれて。 一生忘れられないほど、感謝していること。 ]
(+15) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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[ まだまだ拙い、何歳も年下な子供の話を、 私はふんふん と聞いてあげました。 ]
それだけ?
[ それだけ……と、力なく返す彼の声を聴いて にっこりと笑いながら、腕を振り解きました。
だって私、貴方に用は無いんだもの。 足はね。相変わらず重いけれど、歩き出して。
公園を置いてけぼりにしちゃいます。 彼もきっと、すぐ帰るわ。ばいばい。 ]
(+16) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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私の愛を、永遠にしないで。 ね、皆。
(+17) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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呼びかけたって、誰もいないんだけどね。
(+18) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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[ 私が救いだと。良い人だと思ってしまったのなら それは、残念だけれど、錯覚でしか無くて。
だって、自分の所為で人が死んでも どうとも思わない人間を、どうすれば 良い人だって、言えるのかしら?
だから。私は、どうしたって悪い人ですから。 寂しいなんて、どの口が言えるのかしら?
病院への道を、歩きます。 澄んだ空気が、心地良い。 ]*
(+19) 2019/06/16(Sun) 13時半頃
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―― 男子トイレから生物室へ ――
トイレっていうのは、しのびないからな。 ……時間、あるといいけど。
[颯太を模したマネキンを一瞥して ふたたび、京輔とふたり 血塗られた道しるべを辿る。
赤い痕を追いかけているうちに、 奇妙なことが起こった。 黒いペンキを踏みつけたような足跡が 廊下に突如現れたのだ。>>4:298
不気味な黒い足跡。 それを追うように点々と続く赤い血痕。 そうして道しるべはふたつになった]
(82) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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[黒い足跡は、4階の生物室の中へと 吸い込まれている。
血痕は、その前を通り過ぎて>>35 さらに廊下の先へと続いていた。 俺は迷った末に、 黒い足跡の終着点へと足を向けた。 ひとりで扉を開けようとする京輔だが、 立て付けが悪いのか開かないようだ>>80]
(83) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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[なんだか期待するような目で見られたので、 京輔と共に扉を開けようとする。 俺も別に、力自慢ではないんだけどな]
せーの、
[がらり、と音を立てて扉は開いた。 そこにいたのは、三つ編みの女生徒のマネキンだ。 自分を抱きしめるような奇妙な態勢に、 思わず眉を寄せて]
ああ、田所だな。
[京輔の言葉>>80に、頷いた]
(84) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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[チャイム毎に2人がマネキンに変わる。 その法則が適用されるのならば]
今この校舎にいるのは、 俺と京輔、そして葉子。 あとは――……
[小さく、喉の奥が鳴った]
(85) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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――――拓海、か。
(86) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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[いっそここにあるマネキンが 拓海であったらよかったのにと思う自分がいた。
だっておかしいじゃないか。 寝床から消えた拓海。美術室の壊れた展示。 奇妙に美術室から続く血痕。 そして、マネキンから類推される残留者。
ああ、本当に嫌になってしまう。 昔からこういう悪い予感は当たるんだ]
(87) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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[嫌な考えを追い払うように、小さく首を振る]
田所。それじゃあ。
[あのときと同じ別れの挨拶>>4:208をして 俺は生物室を後にしただろう。 そうして、廊下に点々と続く血痕に目を向けた]
(88) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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[廊下に出て血痕を追いかける俺たちは 森でパンくずを道しるべに彷徨い歩いた ヘンゼルとグレーテルにも似て。
辿り着いた先にいる魔女は――……]
(89) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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[血痕は、まっすぐに 3年1組の教室の中へと吸い込まれて消えていた]
京輔、血痕が……。
[難しい顔をして、隣にいる京輔を見遣った。
もしも背後の階段の踊り場から 見知った顔の女生徒が上ってくるのならば、 やはり硬い表情を向けることだろう]**
(90) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/16(Sun) 14時半頃
R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/16(Sun) 14時半頃
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/* 僕も動きに悩みまくりだよ高本くん とメモを見つつ、拓海くんとこ夜までにはさすがに到達したいけど、 とりあえずもう一撃くらい七月さん待とうかな、と…… 要らぬお世話だったらすみません ホストとの邂逅シーンはじまっちゃうと大体合流しづらくなるから……
(-18) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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/* 鍋でゆでられちゃう…
(-19) 2019/06/16(Sun) 14時半頃
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──食堂 → 美術室 → ──
[ 「朝食」には手を付けず、階を上がる。 広いお化け屋敷を歩くみたい。
夢幻病棟 ならぬ 夢幻校舎
どこに何があるか、 何が飛び出してくるか分からない。 そんな2階で見つけたのは、血の跡 ]
美術室…………?
[ 中に続く血の道にまた、恐る恐る扉を開く ]
(91) 2019/06/16(Sun) 15時半頃
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[ 散りばめられたガラスの破片 飛び散った赤い水玉。
昨日までなら思わず叫んでいただろう景色に 私は不謹慎にもこう思う
( ──── 綺麗 )
足元に落ちた破片の1つを持ち上げるとそれは、 昨日養くんと話したばかりの懐かしい雪の学校 ]
(92) 2019/06/16(Sun) 15時半頃
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……………………
[ 1カケラ スカートのポケットに入れ、 美術室を後にする。 ここに行き着いていると思っていた跡は ここから始まっているのだと確信をして。
続く赤をなぞりながら、途中、 男子トイレや生物室に寄った痕を見つける
その中には何かがあるのだろうけど、 嫌な予感に従ってそのまま歩みを止めない ]
(93) 2019/06/16(Sun) 15時半頃
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[ そして 辿り着いた 3年1組 ]
(94) 2019/06/16(Sun) 15時半頃
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