86 忘却の海
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/* とりあえずだな。 ジェフテドなのかテドジェフなのかを。
リバでも勿論問題はない。
(-44) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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[開いた紙面。 滲んだインク、所々、読める文字。
この地域の言葉ではない。とすれば、彼らがしきりに口にする“隣国”か。]
…………、
[王。軍。侵攻。病。 かろうじて読める単語を、口に出して読み上げる。 その響きは、ここに居た者には馴染みのない音だったかもしれない。 翻訳するにしては、あまりにも野蛮な内容の単語が殆どだった。
殆どの文章が意味を成していなかったが、何度か読んでいれば理解できるだろうか。 己の来ていた衣に縫い留められていたということは、自分の文字か、あるいは自分宛ての手紙か、どちらかだろう。]
………、
「んなもん、わかるかよ。
そんな、悪態にも似た砕けた言葉を母国語で呟き、手紙を畳んだ。」
(115) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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英雄 ヘクトルの冒険
昔々 とても小さく 目立たない国がありました。 けれど その国は平和で 皆誇り高く 国を愛していました。
ある日の、流星群が空に降り注ぐ真夜中のことです。 星明かりの下 新しい命が芽吹きます。 母親はたいそう苦しんで 玉のような男の子を生みました。
泣き声は大きく 身体も立派で 母親は涙し 家族はもとより 皆でその誕生を祝いました。
降り注ぐ流星を背負い 誕生したその子は 力強く逞しい子に育ってほしいと 「ヘクトル」と名付けられたのです。
(+5) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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ヘクトルは それは健やかに幸せに育ちました。 名前の通り 力も強く 逞しく 誰よりも優しく 走れば彗星のごとく 学べば海よりも空よりも広く たくさんのことを吸収していきました。
そんなヘクトルは友にも 師にも恵まれ 綺羅 星のごとく 素晴らしい才を発揮しはじめます。 人々は彼を 流星群がこの国に授けた宝物だと 口々にほめたたえ 次第に知らぬ人はいない存在になっていきました。
(+6) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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ある日のこと 平和な国に不穏な一報が届きます。 それは強大な敵国からの侵攻を受けている そんな悲しいものでした。
敵国は海にたくさんの艦隊を組み 小さな国に攻め込んできます。
勇敢にも人々はその艦隊に立ち向かっていきましたが 大砲や鏃 そして海に住まう化け物たちによって 命をおとしていきました。
ひどく嘆き 悲しんだ王様は 敵国に投降しようと決意します。 しかしそのとき 王様の前に跪くものが現れました。
(+7) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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そう あのヘクトルです。 彼は大変立派な大人になって 家族とともに働き 暮らしていました。 しかし この国の悲しい事態にいてもたってもいられずに 王様の元へ駆けつけたのでした。
「王様 どうか私に 敵を討たせてください。 もう 皆が苦しむのは 見たくありません」
王様はヘクトルのことは耳にしていましたが この才も未来もある若者を 戦いの最前線へ置くことを ためらっていたのです。 けれど ヘクトルは譲りません。 王様が許しを出すそのときまで 彼の目は一時も揺るぐことはありませんでした。
(+8) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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かくして ヘクトルは戦場に立ったのです。 武器を使ったこともありませんし 敵国がどんな手法で攻撃をするのかも 彼は一つとして知りません。 ですが 剣を持てば鮮やかに振り下ろし 槍を持てばなぎ払うこともためらいません。 共に戦場に立つ人々は その姿に感動さえ覚えてしまうのです。
船を出し戦艦へと近づいていけば 化け物が襲い掛かります。 その度ヘクトルは 船員を守るように船首に立つと 大斧を振るい 船が傷つかぬように斬り捨てていきます。 腕が化け物の体液の色に染まっても 躊躇うことはありません。 風を切り 走る甲板の上で 一度たりとも気を抜かず立ち続けました。
度々敵の兵に船に乗り込まれては 戦い 肌色がどんどん染め上げられます。 ヘクトルの背中に守られた船員たちは 彼のために祈りました。 この勇敢な人が 傷つくことなく 平和な国に戻れますように と。
(+9) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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ダーラさん。 いえ、わたしは朝食ではなく、これを……
[持ってきた布を見せようとしたが、当のヘクターは、手紙のようなものを読んでいる最中なようだ。]
……少し、いただいて良いですか?
[一旦、出しかけた布を引っこめて、近くの椅子に掛ける。]
すみません。 わたしも、そんなに急いでいませんので。
[気になさらずというクラリッサには、そう、軽く頭を下げて。]
(116) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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そして ついに敵国の指揮を執る艦隊までたどり着いたのです。 ヘクトルは よく通る透き通った低音で 敵の大将に叫びます。
「どうか 争いをやめ 平和な道を目指そうではないか」
今までの彼の戦いぶりに恐れおののいた敵国の兵たちは 大将にそうするべきだと進言します。 しかし 大将は取り合いもしませんでした。 そうして ヘクトルに向かって言うのです。
「小国の一兵の分際で 生意気なことを言うな!」
(+10) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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ダーラスペシャル……
[繰り返し、皿を見つめる。 言葉少ななダーラ>>110を険しい表情で眺め、それから。
ああ、と一人合点し、おもむろに口を開いた。]
あの。ダーラさん。……水、要りますか。
[噎せでもしたのだろうと、食卓の上にあった水さしを差し出す。]
あと、その名前は……ちょっと。 不便、だと思います。酒場で注文するのにも。
[席を立った>>106のは、その後のこと。]
(117) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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ヘクトルは 激昂しました。 長く豊かな髪は震え 大きな身体に力が入ります。
「争いを止めぬとは愚者以外の何者でもない! よく聞け! 我の名はヘクトル この国を必ずや 守ってみせる!」
そうして ヘクトルと敵の大将の一対一の戦いが始まりました。 敵も 味方も 皆息を飲んでその戦いを見守ることしかできません。
ヘクトルが船で出発したのは陽が高く昇っていた頃でしたが 今はもう 辺りはすっかり暗くなっています。 ヘクトルの強さはもちろんのことでしたが 敵の大将も強く 逞しく 戦いはいつまででも続くように思えました。
(+11) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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/* へ、へくとる……
(-45) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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しかし、そのとき。
「り……流星群だ!」
それは 誰が先に見つけたのでしょう。 空には沢山の星が流れていたのです。 そう ヘクトルがこの世に生まれた そのときのように。
流れ星は大量に降り注ぎ 辺りを昼間のように照らします。 そしてだんだんと 人々の周りを白く 白く 染め上げて
「ヘクトルさん!」
船員が徐々に見えなくなるヘクトルの背に呼びかけましたが ただ 剣と剣のぶつかり合う音だけが 聞こえてくるだけでした。
(+12) 2013/06/20(Thu) 01時半頃
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辺りに色が戻ったときには ヘクトルと敵国の大将の姿はどこにもありませんでした。
大将を見失い 悲しみに暮れて戦意をなくした両の国の皆は それぞれに帰っていきます。 しかし ヘクトルが乗っていた船の船員たちだけは 最後まで海を探し続けました。
あの強く優しい人が 消えてしまうわけがないと また帰ってきてくれると信じて。
(+13) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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ヘクトルは もう帰ることはありませんでした。 しかし小さな国は守られ もう誰一人傷つくことはありませんでした。
やがて 小さな国は中くらいに そして大きく発展していきましたが その影にはヘクトルという青年の活躍があったことを 国の人々は決して忘れることはありません。
英雄 ヘクトル
国を愛し 皆を守ったその人の名前は いつまでもいつまでも語り継がれています。
(+14) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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[>>111大きく息を吐き出すのをじぃ、と見る。 これでいいだろと言いながら、これでよかったのかとほんの少しだけ心配でもあったから。]
――おう。 しょーがないから、おとなしくジェフ代行してやるぜ。
[穏やかな微笑みに、にっ、と笑って敬礼を返す。 背筋まで伸ばした生真面目なものではなかったけれど、 やる気だけはあるとアピールした。]
(118) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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……へー、こんな話しだったっけ。
[読み終えて、ぱたんと絵本を閉じた。 流星群でうやむやにした感は否めないが、実際彼はどうなったのだろう。]
海に、落ちた……?
[リンクするのは、ヘクターのこと。 海辺に打ち上げられて、やってきた異国の人。]
いや……いやいやいや これ、御伽噺だよね?
[翻訳文の紙に視線を向ける。 その最後に、小さく注釈が付け加えられていた。]
(+15) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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[そしてそのまま見送る。つもりだったのだが。 肩を叩かれ、告げられた言葉に振り返った。]
っ、ジェフ、
[返答をしようとした時にはもう、ジェフの背中が少し遠かった。 だから、その答えは無言の頷きの中に落として。
ほんの数秒だけ、また俯いた。 顔を上げた時にはもういつも通りだ。]
……さってと、ジェフ代行って何すりゃいーんだろうな。散歩か? あ、そうだ。ミルフィの様子でも見に行くかな。
[それが終わったら……と、今日やることを考える。 心なしか、いつもよりも足取りが軽く感じられた。**]
(119) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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[男の問い>>112で我に返り、勿論、と頷いた。
目の前で手紙を開いた男が読み上げた異国語>>115には、 きょとんと瞬いて。]
今のは、どういう……?
[初めて男の瞳を避けずにまっすぐ見上げる。 はたして、応えはあったか否か。
そんな折、また増えた来客の気配>>101に入り口を見やった**]
(120) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2013/06/20(Thu) 02時頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2013/06/20(Thu) 02時頃
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ヘクトルという名は、今でも人気で 一族の長を継ぐ長子の男子によくつけられて……いる?
[思わずその文を三度ほど読み込んだ。 もし、この絵本の異国語をヘクターが読めたとしたら。 この絵本が発行された場所が、彼の故郷だとしたら。]
どこかの家の長男で、跡継ぎ……? 一番偉くなる人ってことよね?
[その、可能性はないとは言えない。]
(+16) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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/* 投票デフォジェフだった 愛か
(-46) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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――?
[手紙を読み上げているのか、いくつかの言葉がヘクターから聞こえる。 聞こえるけれど、すぐには意味がわからないところ、この国の言葉では無さそうだと勘付く。 勘付くが、勘付いた所で意味はわからないので。]
ええと……
[意味を問うセシルに、同調してヘクターを見やった**]
(121) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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[溜息混じりに手紙を棚の上に。 両手を空ければ、ゆるりとした足取りでセシルの方へ。]
……後で、薬の説明を、頼めるか。
[尋ねる声の調子は、幾分か暗い。 それでも、“自分”の名前が呼ばれていた事>>101は、覚えている。 親子で来たらしい彼らが席につくのを見れば>>116、足はそのまま彼らの方へと進んだ。]
……すまない。 俺に、何か? [席が空いているならば、彼らの近くに腰掛けた。]
(122) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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[ホレーショーが椅子に座るのを視線で見守り、>>117水を注いでひとくち。 険しい表情に何かを見抜かれたのかと思い焦った傍ら、拍子抜けで疲れながらも安堵していた。]
解ったよ。じゃあアンタが名前を考えとくれ。
[一息ついて告げた。 >>115手紙の中身は覗くものではない、と態度こそ大人しかったが]
どうだったんだい? アンタの正体が悪人でないことだけ祈ってるよ。
[視線は探るようでいて。 しかしながら今は同じ屋根の下で寝泊りしている仲間だ。 どこか緩い構えで卓上に肘をついた*]
(123) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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[少し、引っかかったのは、茶化す様な声で女主人が告げた料理の名だった。 勿論、「ダーラスペシャル」などと言った単語に、馴染みがあるわけではないのだが。
――― 彼女は、解答をはぐらかした?
だが、確かにこの料理を、自分は、知っている。
考えられる事は二つ。 一つは、かつて、自分がこの店に来た事がある、という可能性。
――― これは、考えづらい。 異国からの客など、簡単に覚えられそうだ。
もう一つは、]
………、
[彼女が、或いは彼女と近しい者が、この料理の作られる地方に住んでいた。]
[呟いた言葉は、母国であろう国の響き。]
(124) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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それともまさか この流星群の光でいなくなっちゃった人が 今になって現れたってこと?それがあの王子様!?
[蔵の中にその叫び声は篭って響いた。
どうもアタシは、 現実味が薄いシチュエーションのほうが好きみたいだ**]
(+17) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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/* うん、冒険じゃ ないね!
(-48) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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……読める単語はあるが、……文章としては、読めない。 あれだけの長さの手紙でも、拾えた単語は、少しだ。 [セシルとクラリッサの、問うような視線>>120>>121に、単語の意味ははぐらかしてそう、答える。 読みとれた単語は僅か。 それでも、その読みとれた単語達が、あまりにも不穏な響きを湛えていて。]
……あまり、のんびりしていられない、のかもしれない。
[―――― 胸の奥のざわめきは、何だろう。]
(125) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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/* うめぇなぁ
(-49) 2013/06/20(Thu) 02時頃
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