/*>>-1202
[ぬるり、と皮膚の上を滑る質感と、水音。
薄い唇の向こうに、赤い舌が覗くのは、視覚を愉しませはするが、その気にさせるにはやや足りない。
綺麗な顔だな、とどこか場違いな感想さえ浮かぶ。]
ふ、
[笑って、足裏でとんとんとズボンのチャックを叩く。
その下に秘められたものを、呼び起こすように。]
恋人みたいに甘く抱かれたいなんて、
そんな駄々を聞いてやる気分じゃないが。
そんな優しい思い出が欲しくて、
挑発したわけでもないだろうに。
[まあ敢えて彼が望むのであれば、それこそ手酷い程に、"甘く"抱いてやっても良い。いつか。
――ずっと先に、塗り替えられる相手が現れるまで。
その身に疼く後悔を刻んでやるのも、一興]
(-1228) Noah 2019/10/26(Sat) 22時半頃