267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】
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君の思考を知るなら僕は まるで■かだと、■■さまとは程遠いかんばせで ■ってみせただろうになあ。 君が 結局この顔を拝めたのかは分からない。 海の生物に陸に住む人の姿は見えないだろう。 それと等しく。…………
(36) 2019/06/18(Tue) 04時半頃
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『 冷たいと云うのは 硝子や、氷や、雪や、死体の事を云うんです。 僕が冷たいのは、あなたの体温が僕のそれより 上回ッているからでしょう 』
(37) 2019/06/18(Tue) 04時半頃
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屁理屈ならいくらでも捏ねられると云うのに 被検体は被検体同士、仲間意識でもあるのか 大人には言えない秘密の話の類のものか…、 本心など如何でも良いものではあるけれど >>1:163僕の被検体に告げることには 聞いていたなら……いいや きっと耳に届いていても、 僕は顔色一つ変えなかったか。 良いも酸いも暑いも寒いもまるで僕には役立たない。 1ℓの無感動の中に、0.1㎖の塩が混ざるようなものだ。
(38) 2019/06/18(Tue) 04時半頃
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被検体に自由は無いと思っているから その分何を話していようと 語ろうと、 自分を 他人を 欺こうとも構わない。 時に僕を■■さまと崇めたて >>1:164 ■■し、敬愛し、捩じれても気にしない。 僕はそのすべてに■じないからだ。 他の同期に咎められたところで 心どころか耳すら痛むことはない。 子ども達は、それを怖いと冷たいと 僕の背に向け指差すことだってあるだろう。
(39) 2019/06/18(Tue) 04時半頃
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( 被検体は所詮被検体≠セった 完治しないのなら患者にすら成り切れない 僕にとっては消耗品で、籠の中の鳥だ。 箱の中の魚だ。 君の洞窟に光る碧海のような瞳の奥に ちらりと存在を主張するモノが見えても… ────── 水底は見えないものだろう )
(*8) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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夜の帳が下りて来るより深い闇の中だった。 締め切ったカーテンは風に踊りもせず、 冷たい■の中に潜む息吹にゆらめいている。 生まれ落ちる頃に眠る籠より大きな箱を一瞥し 想像上に生きる深海ほどに昏くなった室内で、 ぼう、とため息にもならぬと息を吐き出した。
(*9) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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・・ それが人の眠りより長く 深く微睡むうち 僕は研究の為に棺のような箱を開いただろう。 或時にはガートル台を引っ張ってきて 人離れした身に 人らしい補給を施した。 閉じ切られた瞼がぴくりとも動かないのなら はじめて見た時より小さくなった唇の上へと手を翳し うっすらと、呼吸を確かめようとも。
(*10) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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───── 矢張り、遠くで蠢く小波が 近くで聴こえてくるようだった。
(40) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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過ごしやすいとは言え 蒸し暑い夏を通り過ぎ 葉が老いはじめて来た頃に、持ち上げた蓋の下 水から這い出た生物のように 薄いキャラメルの髪が濡れているのを見る。
(*11) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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折角合わせた服のサイズも また指先が隠れるようになってしまったのか。 空気の悪い室内の、窓を少しばかり開きながら 僕は少し涼やかになった風を頬に浴びていた。 ────────── ──────
(*12) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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ところで 体温が低ければ 心が冷たいと揶揄され 人情に乏しければ血は異色だと云われるが 心臓が赤色でないとの文句は聞くに珍しい。 大海原のまんなかの 青い部分を切り取って もしくはブルーホールなんかを胸に埋めたような光が 僕の目に見えたのかは分からないが……
(*13) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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見えていたのだとしたら 僕は 僕より薄い体に埋めこまれたようなそれに 冷たいと指差される この手のひらを そッと 重ねようとしたことがあった。.......
(*14) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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『 ああ....... .......生きているんだな 』
(-4) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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・・・・・・・ 「 ......おかえりなさい。 食事の用意は出来ていますが 点滴の方が良いですか、153 」
(*15) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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被検体153が夏の眠りから覚めたとき それが、彼に真っ先に届いた音だったろう。
(*16) 2019/06/18(Tue) 05時頃
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硝子に向けるにしては可笑しなものだったが 僕はそれきり、同じ言葉をくちにしなくなった。 それは少女が星の砂と成り果てる、 今日に至るまでも。変わらず。
(41) 2019/06/18(Tue) 05時半頃
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僕が153を魚や硝子のようだと示す度に まるでそうであったかのように成るのは 魚よりはカメレオンらしいと口にした時もあったが... ─────そのときは如何なったのだっけ。 海の生き物の中にも 擬態するものは居るらしいが 何故だか僕は 途端に彼を陸の生き物に喩えてみたくなった。 … 単なる気紛れとも言い換えられる。
(42) 2019/06/18(Tue) 05時半頃
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それから 少女が砂となって集められた頃 医務室の道に足を伸ばした、153に向けて 皮肉めいた声を掛けていた。
(43) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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雪景色の中埋もれていた頃の大きさより どんどんと、消えいるように小さくなる君が 微笑みばかり咲かせるのを視界に収め.....、 「 そうなんですか 」 返す言葉は ──────── 呆気なく。
(44) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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灰色の街に踏み込んだときに ほとんどの確率で見る死体に、 情を沸かす暇はむしろ惜しい 僕が被検体たちに抱いているのは それとよく似た■■だろう。
(*17) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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不治と揶揄されている病に侵された身は いずれ冷たくなる躯と何が違うのだろう。 擦り寄られても微笑まれても手を握られても 僕には生きている筈の君たちこそが まるで生きながらにして死んでいる■のように感じる。
(*18) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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だからだろう。 打ち水を放たれたような気分になっても 僕の瞳は波打たない。ひとたちも。 人が歩むよりしなやかでない様な足取りを たんたんと無言で追う中で、 目にうつる彼の肌が 手のひらが 建物構造を描かれたみたいになり まさしく硝子に成ろうとしている君を見、....
(45) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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そういう風に 患者たちはいつも 医者を海底に沈める■■を軽々と吐く。 言葉
(*19) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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あの頃のように 口角を持ち上げて 患者の声に耳を傾け 柔和に首肯し 否定を滅多にしないで受け止めるのは 錘を抱え込むようだ。 足に枷を嵌めるようだ。 「 …どうかなあ 」 僕はひんやりとしたかんばせのまま 夏より空気の軽くなった建物の中の 空気を舌の上にと転がした。
(*20) 2019/06/18(Tue) 06時頃
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「 153のような硝子人間≠ 相手にするのは 初めてですから 出来る約束は出来ないでしょうね。 」
(46) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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僕はそのように 冷たく言い放って 革靴の裏と廊下の床とを擦っていた。 僕の冷たさが153にとっての温もりでも 少しでも曲≠ーてしまったのなら 冷たいものは冷たいままで 得られる筈の温もりの一片すら 感じられないかもしれないが、...
(47) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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「 だって、君、 波打ち際からすら海底は覗けませんし 海底から陸の生活は見えないでしょう 」 距離を縮めようとした先で ずいぶんと目線の離れた被検体を見下げながら 僕はまばたき一つ 落としていた。
(*21) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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「 ただの人である僕は、けっして、 水の底へは往けませんから 君が陸に上がって来てください。 無理なら海の底に居ても判るように 目立つものを抱えてください。 」
(*22) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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目の前の■を前にして 冥府行の列車に手を振るような言葉だと... 過っては まばたきから再び姿を現した、 瞳水晶を 春ばかりでなく 153からも遠退かせた。
(*23) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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・・・ 「 いつもではないことに 順応するのは骨が折れますけど いつものように逢いに来てくれるなら 君を見付けられるかもしれませんね 」
(*24) 2019/06/18(Tue) 06時半頃
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