263 ― 地球からの手紙 ―
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ケトゥートゥに1人が投票した。
ソランジュに9人が投票した。
ソランジュは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
D.バルベルデが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、カミジャー、ケトゥートゥ、ミタシュ、ショコラ、ヘザー、イワノフ、アーサー、ヒイラギの8名。
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[しーさーは今日も走る。走る。走る。 いつまで走ればいいのかなんてわからない。 いつから走っていたのかもわからない。
今日もヒイラギ[[who]]が書いた手紙や、]
(0) 2019/04/20(Sat) 00時頃
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[イワノフ[[who]]がつづった願いを届けるために。 願った相手に、あるいは思いもよらぬ誰かに。
誰かからの手紙を大事に受け取るひとへ届くように、と]
(1) 2019/04/20(Sat) 00時頃
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迷い人 ヘザーは、メモを貼った。
2019/04/20(Sat) 00時頃
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[さて、手紙を送ったまたそのあくる日か、 それとももうすこしだけ時間は経っていたのでしょうか 今日は少女には手紙は届きません。
1、2、3、4。
少女が数字を数えながら こもれびの跡をたどります。 影を踏んでしまったらアウトです。 最近森で流行っているのが「こもれび踏み」。
こんなに楽しい遊びだというのに 森が無い場所では、この遊びができないのでしょうか それは少し、寂しいことです。
ふと立ち寄ったのはふーさんの家。 今日のふーさんは… おっと、手紙を読んでいるようです]
(2) 2019/04/20(Sat) 08時頃
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[その顔は先のように険しい顔でも、神妙な顔でもなく 今日はとても朗らかな顔をしていました。
人の手紙を覗き込むのははしたないことでしょうか? でもわたしの手紙、ふーさんも見ましたよね?って 少女はお構いなしに、それを覗くのです、が、 ]
わあ、かわいい判子ね。
[それは自分の掌についたそれに似ています ぷっくりと丸みを帯びた蒼色が、 かわいらしく手紙の片隅に押されているのでした]
(3) 2019/04/20(Sat) 08時頃
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[ふーさんは「万年筆」を取り出します。
ふーさんは色んな話をしてくれますが 「万年筆」は特別なときに使う道具なんだそうです。 それが存在していた国にとっては、とてもとても古い道具 すべてが音声や視覚で事足りていた、 とてもとても、「進んだ」国だったそうです。
わたしに与えてくれた「ましん」も その国に「あった」機械のひとつだといいます。 だけどそれはもう、何もかも存在していない。
……… それがどうしてだったのかは、私にはわかりません。]
(4) 2019/04/20(Sat) 08時頃
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[だけど発明の「道具」を手に入れて戻ってくるときに 時折、悲しそうな顔をしていることがありました
ええ、もちろん、嬉しそうな時もあったんですけどね。 そういうときは饒舌にいろいろ話してくれたものです。 今日は「しゃべる猫に会った」だとか、ね?
でも、悲しそうな顔をしているときには、 「どこに行ってきたのか」教えてすらくれないのです]
お手紙、書くの? わたしも書きたいのよ。
[ふーさんが万年筆で何かを書き始めるのを見て、 少女は、いてもたってもいられなくなりました。]*
(5) 2019/04/20(Sat) 08時頃
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艇長 イワノフは、メモを貼った。
2019/04/20(Sat) 16時半頃
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[街の外れは緑化制定特区となっていて、人工的に植えられた木々が、それなりに生長している。 墓地も、この一角にあった。
妻の墓に、買ったばかりの本物の花を手向ける。]
ここは、本当に、空がよく見えるなぁ。
[周りにビルが少ないからだ。見上げる空はただ青い。その向こう、宇宙まで繋がっている青さ。
自分が死んだら宇宙葬にして貰おうと思っていたが、今は、妻と同じ墓に眠るのを希望していた。
この青を見上げ、妻と話すのはきっと楽しいだろうから。]
(6) 2019/04/20(Sat) 18時頃
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[帰宅すると玄関先に手紙がおいてあった。
今日は荷物がある。可愛らしいラッピングバッグ。振ってみると何かが動く音がする。
端に星の形の切り込みがある青い封筒。差出人の名前に見覚えが無い。首を傾げる。
一通は見覚えのある名前。文字を見ただけで水の匂いが漂うような気がしてくる。
もう一通は、何処か規則正しい文字が並ぶ手紙。その文字にも見覚えがある。
手紙が届くと妻の部屋で読むようにしていた。 いつもの机に向かい、ゆっくりと読み始めた。]
(7) 2019/04/20(Sat) 18時頃
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[“銀河鉄道の夜”を撫でた。この物語で描かれるような世界にはまだ残念ながら出会っていない。天上へ向かう、星を行く汽車があると言うのなら、少しだけ、興味はあった。
水の身体を持つ友人の話はやはり興味深い。 揺れるライラックの花を思い出していた。
友人は言う。 記憶の中に住まわせてくれる限り、私はずっと存在すると。
別の手紙。記録の中から妻を読み取り、友人の可能性を示してくれた女性の文を思い出す。 さらに別の手紙。水底の領地へ、妻と自分を案内してくれようとする領主殿の文を思い出す。
肉体の死は確かに哀しいけれども。誰かの中に生きる彼女はまだ死んでないのだと、ふと考え。
とても、嬉しくなった。
嬉しい気持ちのまま、万年筆を取る。]
(8) 2019/04/20(Sat) 20時半頃
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[街には君の声があちらこちらから聴こえる 君であって君じゃない君が、何処にでもいる。
朝、帰路の途中車窓から覗いた景色にも 今は充電が無い端末の中にも、いつだって。 全て本物であり、偽物でもある。
君は個であり、幾万であり、無だ。]
(9) 2019/04/20(Sat) 21時頃
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……疲れた。
[玄関のドアを開いて早々の少年の言葉に母親は笑う どこかぼんやりとした表情を見て肩を叩いて、二度寝を提案する。 それが許されるのが、休日二日目の朝であるからこそ 素直に従い荷物を持って階段を上がり、自室へと。
最初は期待に胸を躍らせ、次は恥に神経が昂ぶり 三度目、昨夜は慣れない環境と忙しさから 不眠と言う程ではないだけで、 十代の貴重な睡眠時間は確かに削れ続けている。 そして、漸く自分のベッドに潜り込める筈のこの時間も 彼は結局、それを選択することが出来ない。
パルック様にお願いした鍵付きの引き出しの中 ポプリと共に部屋の主の帰りを待っていたのは 入れた手紙ではなく、無くしてすっかり忘れていたあの絵で 思わず目を見開き、声が漏れるような 外に飛ばされたからでは説明がつかないような 多大な変化を持っていたのだ────]
(10) 2019/04/20(Sat) 21時頃
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……文字、だよな。これ
[よれて汚れ、けれど確かに自分のものと判別出来る紙を広げて 少年は何度も何度も、まるで文字の如きシミに視線を這わせる。
幾度も頻発する単語、書いた者の名前らしき言葉 その唇で繰り返しても、全てを解するのは難しい。 伝わるように書かれているのに分からないことが多い それこそ、別次元の存在からの手紙かのように。
まず、学校で飛ばされた紙が引き出しに入っているのがおかしい。 これも「不思議なポスト」や「パルック様」なのか? あの「絡みついていたもの」のこともまだ分からないのに。 少年の寝不足の頭は一瞬軽い目眩を起こし、額に手を添えた。]
(11) 2019/04/20(Sat) 21時頃
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[ただ、怪奇的に変質した自分の絵を少年は 破り捨てようだとか恐ろしいだとか、思うことは無かったのだ。
メモに返ってきたあの手紙と同じように心が籠もっていた。 その者の強い想いに共感が出来てしまった。 そして相手も、問い掛けに繋げた言葉で この気持ちと同じものをこちらに示している。
だから、]
ありがとう、ソランジュ。
[驚きが困惑に変わり、その中に浮かんだ疲労が一時消えた頃 少年の指は紙に伸び、インクがぼけている部分へ 優しく優しく、指の腹で撫であげた。 それも文字と同じく、ソランジュの痕跡と認識した。
まるで人間ではないような言葉選びの多いその者にも そんな独り言が届くわけはないと、知っているけれど。]
(12) 2019/04/20(Sat) 21時頃
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[一晩離ればなれだった端末と充電器に再会の時間を堪能させつつ 椅子、ではなく絨毯に座り込んだその手には不可思議なものが一つ 長くて長くて、手に取る機会は一般人には早々無いし、 知る限りでは何かを書く為には使わない代物で。]
なんだか…………、これも
[本当に人間が書いたものなのだろうか? 先程の件もあり、常なら笑い飛ばすような思考が過る
目を凝らして首を左右に忙しなく傾けて 眺め続けれど、その者の正体を示すようなものは無い 強いて言えば、言葉を刻むのに使われた道具が気になる 少年の脳裏に浮かぶのは、立派な爪で獲物を狩る獣。 目の前に現れたのなら、簡単に彼を食べてしまえるような存在。]
(13) 2019/04/20(Sat) 21時頃
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[それでも恐ろしくならなかったのは、 どこか切なく、手を伸ばしてあげたくなるような 切実な感情を確かに感じたからか。
暫く視線を固定しながら、思考の間を見せた後 彼は絵を描く為の紙と、ペンを取り出して────]
(14) 2019/04/20(Sat) 21時頃
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[少年はこれに関しては、パルック様とやらを頼ることをしなかった。
全開にした窓から半ば身を乗り出して 捧げるように並べた両手に乗ったそれは
ふわり、風に乗り────消えてゆく
彼はその時、続く不可思議を受け入れられた気がした。 走り続ける誰かに届くといいと祈った。]
(15) 2019/04/20(Sat) 21時頃
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[けとーぅとっは ちぎれたものさがしてましたけど みつかりませんでした。 さがすのも むずかしなおもてます。]
おしゃべり できない?
[もじかけるなら おしゃべりするおもてましたが もしかしたら こえないかもしねません。 もしかしたら あてたかもしねません。 けとうーとうーには わからないけど どこかであえてたらいいな おもいました。]
(16) 2019/04/20(Sat) 21時半頃
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[ボクは姉さまから借りた恋愛小説と。 それから冒険小説を二冊並べて眺めています。 ボクは大人になるには恋をすればいいと思っていました。 でもそれは違うみたい。 いろんなものを見て、ささやかでいいから冒険する。 それが大事なんだって。
宇宙に恋するお話も聞きました。 ボクが宇宙に恋するかは分からないけど。 いつか宇宙に冒険に出てみたいです。
ボクは地上から空を見上げて星を見ます。 星はきらきらして綺麗だけど。 そんな綺麗な星を間近で見たらどんな気持ちなんだろう。 きっと素敵なんだろうな。]
(17) 2019/04/20(Sat) 21時半頃
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[淡い色彩のお手紙は星型でくり抜かれています。 とても洒落たそれを手にとって陽の光に翳してみました。]
はあ……お星さまだぁ。 でも水面みたい。
[みなもに映る星のようです。 ボクは封を開けるのがもったいない気がして。 暫くそれを眺めていました*]
(18) 2019/04/20(Sat) 21時半頃
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[きょうは あめあがりました。 おそら きらきらのはしあります。 にじていう おなまえねす。 にじのねこに けとぅーとぅたちうまれます。]
うまれるな。 きょうは いいひな。
[うれしなおもてたら ふたつ しらないかみ いつのまにかあいてあて なにかなおもて てにとりました。]
(19) 2019/04/20(Sat) 21時半頃
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おてまる おへんじ !
[なんと! なんと! けとうーとっに おてまるおへんじ きました!
これは おとなのしょこ! けとーぅとう おとななたかもしねません!
ぴよんぴよんはねて なかをみました。 にことも けとぅとぅよめるもじでした。 せんいぱいぐしゃぐしゃも すごいなおもてましたけど よめるもじのおへんじ やさしなおもてます。]
(20) 2019/04/20(Sat) 22時頃
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ああ、なんて返そうかなぁ もう俺のこと、忘れてるかなぁ
[普段より間延びした声で呟き、少年は笑う。
端末が活力を取り戻す時を待ち侘びながら、知らない誰かを想い その文面を一つ一つ思い出しながら、 通知を見た時と変わらない気持ちで胸を躍らせる。
一通は返信ではなく、相手から 最初は冗談のように思い面白おかしく感じたけれど、 今となると──もしかしたら本当かも、なんて。 どちらであっても、興味がひかれる内容だった。
二通目はなんと、自分のメールに返してくれたもの 多分女性、こちらと似た部分があるようなのが、気になる。]
(21) 2019/04/20(Sat) 22時頃
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[やがて、充電を終えたのなら 急ぎ──小さな部屋でそんな必要もないのに──手にとって、 画面に明かりを灯せば早速とあのアプリを起動する。
悩みながら、しかし相変わらずどこか嬉しそうに 少しづつ少しづつ電子の白紙は埋められていき、 やがて何処かへと二通が飛び立った。
一日がとても長かった小さな頃のように 眠ることすら惜しんでいた。]*
(22) 2019/04/20(Sat) 22時頃
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[────余談であるが 利用者がメールでやり取り出来るアプリケーションには、 その匿名性を保つ為に、送信者のアドレスを表示しない機能がある。
「どちらも」それに準じた状態で受信した為に そこにも不可思議があることに少年が気づくことはないのだ。]**
(23) 2019/04/20(Sat) 22時頃
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[けとぅーとうは ひとつおへんじにおへんじかきました。 にじいろのせんで ちずかきました。 やまがあて かわがあて あめふてて おはなさいて にじのねこのとこにあかで ◯ てしました。 いつか きょうがいぱいおわったら もしかしたら おそらにいくふねがくるかもしれないよて おとなにいうたら こないよーてわらわねたけど きたらいいなて けとぅとーぅはおもてます。
よつのはぱでるおはなのたねもいっしょに おおきいはぱのふくろにいねて はぱのおてまるかきました。]
(24) 2019/04/20(Sat) 22時頃
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[読み進めた手紙の文字。 気になった言葉を口にする。]
生きている、街。
[仕事上、地上、そして異星の様々な場所を見る機会がある。廃墟となった都市も見た事がある。栄えた文明が失われた街。死んだ世界だと思ったものだ。 生きている街の言葉に、ふと、思い出した。
こもれ日踏みと言う遊び。 先日同封されていた艶やかな葉。 手紙の主の住む場所は、自然溢れる場所なのだろう。
窓から見える景色に視線を向ける。居住区の間の緑。都市には一定のパーセンテージの自然を存在させると法で決まってはいる。 便利な方向に人流れ、機械化は進む。そういう街でも、自然を守ろうとする流れは一応はあるのだ。
妻の故郷でも美しいままの海が保たれている。
すべてが失われた訳では、ない。]
(25) 2019/04/20(Sat) 22時半頃
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