261 エイプリル・トフィーの融解点
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[俺の生活は、変わってしまった。]
(24) 2019/03/29(Fri) 23時頃
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[まず農作業がなくなった。 毎日歩いていた道も歩かずに、 雑草を抜くことも葉に触れることも 土に触れることもなく。
朝日が昇る前の薄暗く清廉な空気を この身に受けることもなく、
ただ村長の家で本を読み文を読み、 用意された食事を食べ、音楽の練習をする。
まるで、金持ちになったようじゃないか。 だとしたらこれはシンデレラストーリーか?]
(25) 2019/03/29(Fri) 23時頃
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[自分が収穫したのではない野菜を食べ、 肉を食べ、 軽く口元を押さえた。
きもちわるい、]
(26) 2019/03/29(Fri) 23時頃
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[すべてをたたきこまれて、 俺は生き神になることを強いられている。
俺は神様になりたわけじゃないのに。 だけど、それが神様からのお達しなら、 しかたがない。そう、しかたなくて、
仕方がない事なんだ。]
(27) 2019/03/29(Fri) 23時頃
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(土に触りたい)
[自分の手を見下ろして、軽く握りしめた。]*
(28) 2019/03/29(Fri) 23時頃
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[ 神様に会いたい、 ]*
(29) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[会いたいと、そういう気持ちがわいてくる。 実際に、音楽を実行する場も必要で、 本番というものを行わなければならなくて、
山の神様を知る必要が俺にはあった。
準備は整えられて、山へと向かう。 普段は一か月もかかるけれど、 今回はそんなに時間をかけていられない。]
(30) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[うっそうとした山は 人間が過ごせるようにできていない。
初めてのぼる道だ。 半日ほど歩いたところに、山小屋があった。
ここに泊まるらしい。 荷物を置いて、小屋の中に座る。
強い風の音は、 まるで誰かの嘆き声のようだ。
食料は持ってきているから、 山籠もり中に食事に困ることはない。]
(31) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[一日、二日、三日たっても、 神様の姿は俺には見えなかった。]
(32) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[俺はこの小屋で音楽を鳴らし続けることが仕事だ。 その間、村長はどこかにいっているようで、 それに疑問を覚えたものの、 俺には俺の仕事があったから、後は追えない。
本来なら複数人で行う祭囃子も、 今は人数が少ないから俺だけでやっている。
もしかして、 だから、神様に会えないんだろうか。]
(33) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[俺は毎日楽器を変える。 笛を吹いて、鼓を打って、弦を弾く。]
( 神様、)
( 山神様、)
(34) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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( どうして、)
(35) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[風の音が、強くなった。]*
(36) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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う、
(42) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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ウウウっ、
(43) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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ううううううううううう!!!
(44) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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ああああ、あああ!!!
[山小屋の中、一人で頭を抱えた。 気が狂ったように叫び声をあげる。 音楽はやみ、声になり、 身体には硬い木の床の感覚がある。]
(45) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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あーーーーーーーーーーーっ!!
[息が荒くて、目は見開かれて、 身体中が裏返りそうで、 その中身を全部全部全部出したくなった。
皮をはいで骨まで削って、 きれいにして、 流れるものは全部流して、 一滴だって残したくなくって、]
(46) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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あああ!! あ〜〜〜〜〜〜ッ!! ああああああああああ!!ああ!!
あーーーーーーーーーーーーーーっっ!!
[声すらも絞り出して、 俺の中身に、なんにも残らないように、 全部空っぽになればいいって、
全部、全部、全部全部、]
(47) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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かみさま…?
[それは、身体の中身を全部絞り出した後、 代わりに何かが入ってくるような心地だった。
ぼうっと見る先には何もない。]
(48) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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はは 俺、解っちゃった…。
[ぼうっと呟く。 叫び声に村長が姿を現したのは、 このすぐ後だった。]*
(49) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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あ、流れ星だ。
[ふと呟いて空を見る。 レベッカの事を思い出した。
あれも今では笑い話に思える。 今考えるとレベッカは、]
あいつも、どうしようもなく、 神様のこどもだったんだな…。
[裏切者なんて言って悪かったな、なんて 小さく笑ったまま。 彼女とはもう、あうこともないだろうけど。]*
(50) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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