261 エイプリル・トフィーの融解点
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[会いたいと、そういう気持ちがわいてくる。 実際に、音楽を実行する場も必要で、 本番というものを行わなければならなくて、
山の神様を知る必要が俺にはあった。
準備は整えられて、山へと向かう。 普段は一か月もかかるけれど、 今回はそんなに時間をかけていられない。]
(30) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[うっそうとした山は 人間が過ごせるようにできていない。
初めてのぼる道だ。 半日ほど歩いたところに、山小屋があった。
ここに泊まるらしい。 荷物を置いて、小屋の中に座る。
強い風の音は、 まるで誰かの嘆き声のようだ。
食料は持ってきているから、 山籠もり中に食事に困ることはない。]
(31) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[一日、二日、三日たっても、 神様の姿は俺には見えなかった。]
(32) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[その間も、同行者は減っていく。]
(-12) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[俺はこの小屋で音楽を鳴らし続けることが仕事だ。 その間、村長はどこかにいっているようで、 それに疑問を覚えたものの、 俺には俺の仕事があったから、後は追えない。
本来なら複数人で行う祭囃子も、 今は人数が少ないから俺だけでやっている。
もしかして、 だから、神様に会えないんだろうか。]
(33) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[俺は毎日楽器を変える。 笛を吹いて、鼓を打って、弦を弾く。]
( 神様、)
( 山神様、)
(34) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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( どうして、)
(35) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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どうして、俺だったんですか。 どうして、あんなことを。
どうして、姿がみえないんだ?
どうして、
(-13) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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[風の音が、強くなった。]*
(36) 2019/03/29(Fri) 23時半頃
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あ、また流れ星が見えますよ。 ほらお嬢様。綺麗ですね。
[声をあげた。先走った小さな欠片たちはいくつか地球に降り立っているらしいが、指先でなぞったそれは途中で燃え尽きたのか、半端に光を残したままに忽然と消え失せる。
最早先月とはその価値も変わっていた。願いを叶える星々は今や恐怖の象徴となり、予兆として降り注ぐ隕石は悪戯に人々の心を突くばかりだ。一時は誰も彼もがその奇跡に胸を躍らせたものだが、事態と状況が変われば斯様に疎まれるものか。
手入れをする者が早々に去った石畳の上で、それでも居残っている私とお嬢様の距離は然程離れていなかった。星々が開けるほどの隙間は詰められ、手を伸ばせば届くほど]
(あんまりそうは思わないけど。あっちに流れたのも、またどっかの国に落ちるのかな。 ……あ、見てこれ。「個人シェルター格納権 オークション」だって。どう考えても詐欺なのにね。)
そーですね。払う側も貰う側も、わりとどっちでもいいんじゃないでしょうか?
(そーかもね。)
[他愛のない会話だ。それこそ世界が滅ぶと知る前と変わらず]
(37) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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[もう1月も経たずにこの邸宅は消え失せる。 頑なに学生服を脱がない女の子も、その未来も過去も何もかも。
個人スペース確保のため、電子端末の幾つかと必要最低限の荷物以外を持ち込む事は禁止された。生活必需品含め15kg以下の思い出が重いのか軽いのか、私には判断はつけられない。
事前収納に同意した人々が地下に入っていくのを眺める機会もあった。何人もの警備員に守られた大荷物に、それでも罵声と石は飛んできたのだ。 最期にやることが尚他人を蹴り落とす行為なんてあんまりに無意味だというのに、意味を持たない人々は無意味なまま死んでくのだろう。
中には中指を立て、中には逃げるように駆け込んで、中には民衆に深々と頭を下げて。 本当に、何故。 何故彼らは選ばれたのだろうか。]
お嬢様は随分と落ち着いておいでですね。
(それ皮肉で言ってる? ……別に、納得いってるわけじゃないけど)
[抱えた膝を引きつけて、戻して。 反動の勢いで立ち上がったのを見上げた]
(38) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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[初めは同じだった。 けれど今ではこんなにも遠くて。**]
(39) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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(一番可愛い時って女子高生の時って言うじゃない。だったらそこで終われるなんて ある程度幸せなんじゃない。華のJKよ、JK。逃げることなんてなかったわ。)
じぇーけ……確かに、そういう意見も聞かなくはないです。
[確かに彼女の髪は透き通り、夕陽に照らされてキラキラと輝いていた。絶世の美女というわけではないが、学校ではモテていると言われても違和感は感じないほど。
最も美しい時を固めるという点では絵も写真も代わりないが、最盛で時を止められるのも悪くはないかもしれない。 それで前言通り、クレームブリュレを食べてからベッドで眠るんだわ。女の子は笑って髪を掻き上げる。そういえばそんなこと聞きましたね。私は軽く返して空を見上げた。
……ふと唐突に手が暖かくなる。女の子は空を見上げたまま、手の中を弄んでいた。その頬は夕焼けに染まっていて、けれど、 奥から鋭い一番星がのぞいていた。]
(えへへ。でもね。やっぱり、 お別れするの嫌だったよ。)
(40) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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(ねえ、どうしてラルフを殺したの?)
[私は苦笑いを浮かべたまま、愚かな女の子の持つ包丁が腹に突き刺さるのを眺めていた。]**
(41) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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/* グスちゃん間に合わねーぞこれ……
(-14) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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/* すいません熱は引きましたが頭痛が引かずのダメダメ加減で…… 後から補完させて頂きたく思いますが エピには遅れそうなので先に。
他の方々のお話も気になるので絶対に帰ってるます。
(-15) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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[山籠もり中、 料理は全部俺がやった。
殺すことはしてない。 皆自ら死んでいくから。
俺に最後の言葉をかけて、 笑顔で、死ぬのだ。 目の前で、共に行くと。
笑顔で、
笑顔で、]
(-16) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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「お前を誇りに思うよ、"ピスティオ"!」
(-17) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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う、
(42) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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ウウウっ、
(43) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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ううううううううううう!!!
(44) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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ああああ、あああ!!!
[山小屋の中、一人で頭を抱えた。 気が狂ったように叫び声をあげる。 音楽はやみ、声になり、 身体には硬い木の床の感覚がある。]
(45) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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あーーーーーーーーーーーっ!!
[息が荒くて、目は見開かれて、 身体中が裏返りそうで、 その中身を全部全部全部出したくなった。
皮をはいで骨まで削って、 きれいにして、 流れるものは全部流して、 一滴だって残したくなくって、]
(46) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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あああ!! あ〜〜〜〜〜〜ッ!! ああああああああああ!!ああ!!
あーーーーーーーーーーーーーーっっ!!
[声すらも絞り出して、 俺の中身に、なんにも残らないように、 全部空っぽになればいいって、
全部、全部、全部全部、]
(47) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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嫌だ、いやだいやだいやだ だって 俺が 俺じゃなくなる、
俺は、 だって、 いや、 神様を、神様を、
神様神様神様神様神様…!!
かみ、…
[ぷつり、と頭の奥で 何かがきれたような感覚があった。]
(-18) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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かみさま…?
[それは、身体の中身を全部絞り出した後、 代わりに何かが入ってくるような心地だった。
ぼうっと見る先には何もない。]
(48) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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[ただ、涙や鼻水や涎でべたべたになった顔、 その目に映るのは陶酔や信心などではなく。]
神様なんて、ほんとは、 いないんだ…。
[ふと、解ってしまったように呟かれた、 不信だった。]
(-19) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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だって会えない、 村人を殺すなんて神様じゃない、 人を食えなんていうやつはただの鬼だ。
だいたい見たこともないんだ、 どうしてこんなに俺が 苦しまなくちゃなんないんだ?
神様のため? 会ったことないのに? 在るのは親しい人たちを食べた気持ち悪さと、 多分この先、 人を食べる事に躊躇のなくなった自分の変わりようだけだ。
(-20) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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こんなふうに、なりたくなかった。 だけど、たぶん、 シェルターが機能しなくて、 食べるものが人間しかなくなったなら、
俺はきっと、生きてけるんだとおもう。
はは? それが神様の采配?
(-21) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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はははっ ははは、はははは、 はは!
(-22) 2019/03/30(Sat) 00時頃
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