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──現在/文芸部室前──
[ 蹴り飛ばしてやっても、 緩むことのなかった手>>232に、 舌打ち一つと、鬱陶しげな視線を投げた。
した。>>233と言われたって、 生憎こちらに心当たりなどなく、 過ったのなぞ、未だ捕まらないままの、 通り魔のニュースであるとかの類なのだから、 きっと、脳のつくりが違うのだ。 どこか、何かが決定的に。単純な話。]
……手、離してくれない? いい加減、鬱陶しいんだけど。
[ 傷ついたような顔>>232をする男に、 私は分かりやすく眉を顰めていた。]
(247) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ 愛の成すものはすべて、善悪を越えたところで起こる。]
(248) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ おかしなものでも見る目をしていただろう。 実際、彼はおかしなことを言っていると思う。
離された手>>234を受け、一歩下がるにも、 背後は扉で、それは叶わなかった。
じ、と見上げたまま、口を開く。]
そもそも。 趣味が悪いっていうのは余計なんじゃない。
[ 失礼な男である。と言うように、 薄っすらと笑って言う。趣味が悪い、など!
凡その人間の感覚ではそうなのだろうが、 そうであるとも知ってはいるが、 共に告げられた言葉のせいか不愉快である。]
(249) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ 表にはさながら悪意のごとく振舞う気位の高い慈愛もある。]
(250) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ 続けられた言葉>>235に、 不愉快である。と思う気持ちは増し、 黒江仄日は眼鏡の奥で目を細めた。
薄気味悪いとさえ思った不可解な言動を、 その瞬間、馬鹿馬鹿しい。と思い、 感覚の理由に、可能性として思い至る。
永久に理解しない。上等。仰る通り。 理解はおろか、共感の一つもできない人間ども。]
──私は、 共感も、共有の一つもできない相手と、 対等な関係を築けるとは思わない。
[ 付け足された言葉>>235の、陳腐なこと! 下らない、馬鹿げていると心の裡で呟き、 淡々と、自身の感覚を言葉に起こす。]
(251) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ 恋愛感情の中には、いつも若干の狂気が潜んでいる。]
(252) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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馬鹿にしないで。 私は、家族や友人や恋人を、 その他大勢と同じように見るわけじゃない。
(253) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ とはいっても、狂気の中にもまた、 いつも若干の理性が潜んでいるものである。]
(254) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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どうでもいい人間を、 他人以上の場所に置くつもりもない。
(255) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ 愛されたいという欲求は、自惚れの最たるものである。]
(256) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ 分かった? と問うように、 目を逸らすこともなく、各務公陽を見上げた。 片頬を持ち上げ、歪な笑みを浮かべていた。
何がおもしろいかも分からぬ笑み>>235が、 しきりに、不愉快と無理解という二語をちらつかせ、 恐らくそれは表情にも滲んでいただろうが、
まったくもってその通りであるのだから、 わざわざ隠す努力をする必要もあるまい。]
分かったなら、とっとと帰ってくれる? 病室に先回りするなり、新聞を引き剥がすなり、 幼馴染のガードマンに戻ってあげれば?
[ 棘のある口ぶりで告げながら、 後ろ手で慣れ親しんだ部屋の扉を引いた。]
(257) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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[ いずれも所詮は、理解もできぬ他人の遺した言葉である。*]
(258) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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/* 焼き芋会を横目で見つつ、言語化に思いの外時間がかかり、ごめんなさい!! 等幅のはほぼほぼフレーバー的なあれそれなので、さらっと流してくれていいのでとだけPL注釈を。
各務くんほんとそれは趣味悪いよってPLはおもいました。
(-480) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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/* 遅ればせながら、四十崎くんと蓮くんの関係いいなあやさしいなあっておもうし、童貞野郎を噛み締めております。 きっと去り際、仄日は全力で吹き出すのをこらえていたことでしょう。 今後万年青くんと言い争うことあったら使お。と思ってる。
(-481) nabe 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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/* 間違いなく童貞ではあるけど仄日と言い争う場面が想像できないしそれいわれたら言い争ってても爆笑しそう。
(-482) hatum 2018/10/21(Sun) 23時半頃
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/* よーし、かきおえたのでおとそう…。どうしても、をおしとおすので、ご不快だったらミュートでよろしくおねがいします。
(-483) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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―― ――
[それは月も出ない夜のことだった。 走り屋に混ざることも少しだけ少なくなった俺は、進路指導課の前にあったチラシを読んだりしていた。こんなものに今更行って――と染み付いた負け犬根性が頭を擡げるが、ともかくも受験をしないなら働かなければという意識が勝っていた。
そういえば今日は親父が何か相談があるといっていた。と、思い出す。皿も片づけず食い散らかしていく朝餉の始末と、毎度洗濯に出し忘れやがる靴下のこと以上に俺から親父へ話し合いたいことはない。何か言われたらそれを切り出そうと考えている俺は、その日は随分と穏やかな気分でいた。]
「――九十九」
[玄関から誰かが入ってくる。 おかえり、と口の中でその言葉は潰れた。ひとかげ、2人。いや、3人だろうか。 親父につれられて入ってくるのは歳若い地味めな女。それが、小さな子供を引き連れている。そいつらは親父が乱して俺が整えるばかりの居間に我が物顔で入ってきて、]
(259) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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/* >>-142実は俺もー!しつつ、 あああ、るりちゃん…!光やこの人…! しつつ、あわわ入院!?あ、可能性の話? ルリちゃんはほんとご自愛くださいませ…!
>>-202ここの、葛さんとはのんちゃんの話し好きー。
>>-439おけまるりょーかい?使えるでしょうねえ。
>>-459なーんーでー???しつつあいさきくんならゆるす。
はー、みつるちゃんみつるちゃんみつるちゃん、新聞部部室時間軸で心の中で助けを叫んでた…いや、きちゃいかんこれーともおもったけどー
わーやきいもーって何か楽しそうだ!?>>244
(-484) 襟 2018/10/22(Mon) 00時頃
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……だれ、そいつ
[声が震えたのは、理解し難かったからだ。 その距離も、親父が俺に向けるまなざしも。
その地味めな女と子供の半歩前に、親父が立っている。 その動きに気づかないとでも思ったのか。 まるで守っているようだ。 ――だれから? ……なんで?]
[わかりません、という顔をして、俺は親父を見ている。親父はまるで俺を他人のように女に紹介し、女は俺に行儀よく頭を下げ、怯えのまじった目で傍らの子供を後ろに下げた。 ガキの丸い目と目が合う。真っ黒な髪。真っ黒な目。何をも疑わぬ純粋なまなざし。それからそっと視線を外し、俺は再び、親父を見る。] なんのつもりだ 「挨拶しろ、九十九。私の同僚の――さんだ。それから、子供の■■だ」 ……なんなんだよ
[軽く会釈をする。逃げたい、逃げなきゃ。そう思う前に、この何もわかっていない男は口を開く。――愚かなことに。それを、喜ばしいことのように言う。]
(260) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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「裁判が終わったら私達は再婚する。もう決めたんだ。 お前も就職するだろう? 父さんも新しいスタートを切りたい。 新しく家族をはじめよう ……本当はもう少し時間を置く予定だったんだがな」
[とても、まっとうな事のように、それを言う。 照れるように俺から視線をはずし、知らない女を見る。知らない女は穏やかに笑って、そっと自分の腹を撫でた。
曰く、不倫ばかり重ねていた妻と切れて、 息子を育てるために日々、終電まで頑張ってきた「父親」は
曰く、不良になりはてたどうしようもない息子の 理不尽な暴力にも耐えて今までやってきたが
曰く、同僚の女性の優しさに癒されて、 同じく子連れである彼女と再び、前を向いて歩いていきたいらしい。]
(261) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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[故に、どうしようもない息子は。 新しい家族として、彼女らを迎えるべきだと。 今まで頑張ってきた父親の選択を、ゆるすべきだと 彼らは暗に示している。]
[そこで父親の手をとるのが「美談」というのだろう。 見知らぬ女と見知らぬ子供。不倫もしなさそうな地味な女。 どうしようもない息子も丸く収まれば、 そこには父親が見たしあわせのかたちがある。]
[「わかった」と、一瞬でも頷かなきゃ、と思った自分に、吐き気がした。]
[一体、誰に言い訳をしながら生きているのかと問いかける。学校という量産所に入りきらなくなっても尚、昼に焦がれてもがき、誰もいない家の中あふれ出そうになった感情を押し殺し続けた結果が、これだ。また「そうでなければならない」と縛るのなら、せめて人間として好きでいさせてほしかった。]
ふざけるなよ
(262) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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[叫んでいた。口をついていた。勢い親父に殴りかかった。 倒れるそいつをみて、カマトトぶった地味女が「きゃあ」と叫んで子供を守った。親父の名を呼んだ。女にはさぞ、「元妻のせいで荒れた息子を、愛しい人が押さえつけている」ように見えるのだろう。俺の味方なんぞここには一人もいない。 親父は2人を守っている。そんなことはわかっていた。殴り返されながら、獣のような唸り声の中、何度も父親を殴りつけた。
今すぐてめえのふざけたツラを包丁で刻んでやろうか。 今すぐその女てめえの前で犯してやろうか。 今すぐ、その子供の首、絞め殺してやろうか。
そしたら全国紙だ。愉快だな。てめえの選択のせいで。]
殺してやるっ…!!
[親父から離れる。血の匂いがする。地味な女に詰め寄った。押し倒してやろうかと手を伸ばす。 ……手が、止まる。
女はひたすら、子供を抱いていた。 白い首。白い頬。何のけがれにも触れたことがないような子供が、何の罪もない子供が、無垢な目で俺をみあげ、当然のように母に抱かれている。
真っ黒い瞳には男が映っている。 ――火傷痕醜い男が。醜い野良犬が!]
(263) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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( 「―――――――――――――」 )
[……なんで、俺にはそれがなかったんだ。俺にはそれをくれなかったんだ。って、見知らぬ女の腕に対し、俺は思っている。 もう十代も後半の男がこんなことで苦しむなんて間違っている。母親も父親も、最初から俺の事を見てくれていなかったじゃないか。今更じゃないか。傷ついた父親を責めて金をむしるような真似をしたのだから、父親が外に救いを求めたっておかしくないじゃないか。
そういう正しさから、いつだって言い訳をしてきた。「だって俺は苦しいのに」と。
息もできないまま女から離れる。携帯と財布、バイクの鍵。それ以上はいらない。俺はそのまま、部屋を飛び出した。
荒い呼吸の中、駐車場に向かいながら、俺はメールを遡っている。 白い画面に映し出される言葉たち。 面と向かってではないからこそ交わせた言葉。
嘘と本音とがいりまじる中、俺は安住が落ちた日からずっと、癖のように見ているメールに目を通す。]
(264) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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「きっと葛くんと一緒にいた夜は 逃げる場所なんじゃなくって、 英子ちゃんにとっては 大切な居場所だったんだろうって。」
(265) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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( 「居場所」 )
[潮田はきっと知らない。それがどんな飴玉よりも甘い言葉かを、知らずに打ったのだと思う。祈るように、縋るような気持ちで携帯の画面を額にあてた。――誰のために祈っているのか、まるで見当がつかなかった。
衝動に任せバイクに跨る。蒼い機体はくすまずにエンジンの音を夜闇にとどろかせた。夜に溶け込むように、風に抗うように、町並みへと紛れていく。]
(266) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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[ ――――――……………。]
[誰の声もしなかった。真っ黒な道路に向けていた目を、ぐるりと後ろに戻す。誰もそこにはいない。薄ら寒い空気に、薄く吐いた息が融けていく。>>0:4 薄汚れた天使の羽のステッカーをざらりとなでて、くすんだように見える機体に跨った。
こうして一人走るようになって、どれくらいが経った?
そういう思考が頭を擡げるけれど、覚えちゃいねえなと力なく笑った。 路地を過ぎる黒猫を一瞥もせずに、バイクに跨る。
バイクジャケットの内側。火傷痕がひどく疼く。触れる体温は、ない。 死んだように光る街灯も冷たい星も、灰色の町も、何もかもが近づいては通り過ぎていく。]
[現実感のないままに、燃えて走って、尽きるだけの路を往く。
――行ける場所もないのなら、生きる場所さえないのなら、どこにだって逝ける。
だから―― ]
(267) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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( 後ろに乗るなら、誰が、嬉しいだろう そんなことを考えて、「海」の傍を通り過ぎる。 )
[がしゃん、とあっけない音がした。 横から突っ込んできた車に轢かれ、あっけなく。 蒼い機体が砕ける。ヘルメットが飛ぶ。血の味がする。骨が砕ける。 現実感のないままに、地面に落ちる。潰れる。
痛い。 体中が燃えるように痛い。混濁した意識の中で、冷えゆく手足を守るように体を縮こまらせた。自分からあふれ出る血の中。傍から見ればきっと生れ落ちた胎児に似ている。]
( 「生まれなければ、――……」>>0:282 )
(268) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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[あまたの苦を越えて、その先に死逢はせがあるならば なぜひとは生まれ、陽はまた昇る。
教えておくれと、呟いて、]
(269) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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[ ――――――リリリリリリ……]
[はたと俺は眼を覚ます。 眩しい陽射しが窓から射して、思わず目を細めた。口の中で血の味がする。舌打しながら、目覚まし時計のアラームを止めた。
ふらふらと歩んでいく。フローリングの冷たさから、体の痛みまで、やけに生々しく感じられた。親父の寝所を覗いて、殴られた痕に湿布を貼ったと思しき親父が眠っているのを見つけてはじめて、あれが夢だったのだと悟る。
――バイクで走った、そこまではほんとうで。 事故で死んだ。そこからは、夢だ。
けれどどちらが現実なのか、まだ実感がわかなくて。 俺は朝飯をつくる前に、ふらりと携帯を手にとる。
ひとつ、息を整えて、 ひとつ、何を書くかを躊躇うと、 らしくもないと、少しだけ頭を抱えて。]
(270) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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───────────────── To ハチ公 From 葛 ─────────────────
海、いつ行くよ。
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(271) さねきち 2018/10/22(Mon) 00時頃
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