277 黄昏草咲く出逢い辻
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─ 森 ─
うそ。 知らない……そんなの知らないわ。
[じりじりと下がりながら、否定する。語り合って、手を取って肩を寄せあっただなんて。そんな記憶は……ない。
ない……はずだ。
けれども何かが引っかかって、否定する声は弱々しい。>>112]
ふぇっ!?
[瞬間、男の姿が光に変わり、驚いて動きを止めた。]
(120) 2020/06/09(Tue) 09時半頃
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……!!! や、離して……っ
[いつの間にか、男の腕の中に捕らわれていて。 頭は大混乱した。
怖い、怖い、怖い。
男の手から逃れようとして藻掻いた。]
……ぁ
[逃げようとしていた動きが、ぴたりと止まる。
耳元に落とされた囁きに覚えたのは──]
(121) 2020/06/09(Tue) 09時半頃
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[呪を上回る、歓喜。]
(-143) 2020/06/09(Tue) 09時半頃
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あ、ああぁ……
っう、げほっ、がふっ……!
[耳元に落とされた言葉に、激しく咳き込み。
ごほっと黒い霧が口から抜け出た。 未だ全量には至らないが。]
(122) 2020/06/09(Tue) 09時半頃
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……知らない…… 貴方のことは、知らないけど……
[はぁ、はぁ、と肩で息をして。 咳き込みすぎて目が潤んでいる。]
けど……貴方が苦しそうなのは、何だか、嫌なの……
だから、もうやめて……
[暴れるのはやめて、男の首を見やる。 何かを思い出せそうで──霧がかかったように思い出せない。
正体不明の怖れも未だあるが、呪に皹が入ったせいで耐えられている。**]
(123) 2020/06/09(Tue) 09時半頃
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─ 森 ─
……。
[訴えても退こうとしない男の必死さに、泣きたくなった。>>135]
……こんな素敵な人、知ってたら忘れないし。
[そう、だから忘れていない。 思い出せないだけで。
自分と男を取り巻く光が、記憶にかかる黒い霧に一筋の明かりをもたらすか。]
(143) 2020/06/09(Tue) 23時頃
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[力ない笑みに胸が痛む。>>136 思わず、添えられる手にそっと触れた。
目を閉じて、暗闇の中、記憶を探るように。
想いを届けようとしてくれる人の名を探す。星のような煌めく光に包まれたまま。
人とは違う、綺麗な名前だと、思った。闇の中でも輝く……、]
き……きらめく、ほし…… ……きら、ぼし?
[浮かびあがってきた名前を、呟いた*]
(144) 2020/06/09(Tue) 23時頃
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/* >>143 過去に会っていた縁故を結ばなかった理由<こんな素敵な人知っていたら忘れない
(-162) 2020/06/09(Tue) 23時半頃
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─ 森 ─
綺羅星……さん……
[思い出せた名。 告げられた名。 合っていた──会っていた。
ああ私、本当に知っていた。 付喪神の名を呼ぶ己の声に、力が籠り。>>158]
(164) 2020/06/10(Wed) 00時頃
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[よく通る声が、聞き慣れない言葉を紡ぐ。 葉が舞うように優美で、力強い声。
響く声に胸が軽くなり、安心感が広がっていく。 合わさる額からは人肌以上の熱を感じた。 不思議な温もりだ。]
……!
[ざあっと。剥がれるように、黒い霧が体から浮かび上がり、瞬く間に散り消える。文字通り、霧散した。]
(165) 2020/06/10(Wed) 00時頃
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……ああ。ああ……私……
[ようやく、ようやく呪いは消えて、何もかもを思い出した。]
……綺羅星さん! だっ、大丈夫……ですか!? ごめんなさい、お手数かけまして……!
[苦しげだった彼の身を案じ、必要ならぱ支えようと。*]
(166) 2020/06/10(Wed) 00時頃
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