277 黄昏草咲く出逢い辻
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[こんな自分だからと選んだ、志した道だった。 たくさんの人が応援と、後押しをしてくれた]
[――けれど、自分は失敗した。 浪人できる身分でもなかったから、滑り止めの大学に入学して。 真面目に学校には通っていたけれど、どこか空虚な思いは消えないままで]
(-120) 2020/06/09(Tue) 00時半頃
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― 回想 昔 ―
[覚えていてくれる。と無邪気な約束をした自らの式に、驚いたように目を見開いた後、ふと笑って]
そうか。なら、どれだけ道が短くなっても鮮烈にさえできれば ”千早のおかげで、安心していくことができるな。”
[それは千早を見るようで、どこか遠くを見つめた言葉を口にした*]
(-121) 2020/06/09(Tue) 00時半頃
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それにな。たまたまだろうと俺は痺れるヒーローになれたわけだ。 "お嬢ちゃんのおかげで、誰かを守って自分も生きて帰れたわけだしな。"
[じっと、お嬢ちゃんを見つめて囁いて]
(-122) 2020/06/09(Tue) 00時半頃
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お互いが傍にいあうなら、まず一つ、大事なことからはじめようか。
[傍にいたい。いてほしい。というお嬢ちゃんに少しだけ神妙な顔つきで]
俺はグスタフ。 運命に手を伸ばしたお嬢ちゃんのお名前をお聞きしても?
[先程までの雰囲気を冗談と霧散させるような笑みを浮かべ名前を聞いた*]
(-123) 2020/06/09(Tue) 00時半頃
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ああ、そうだな、其方はもう幼な子ではなかったな。
[少し前にも、同じ事を言ったな、と、鬼は笑みを浮かべ。]
けれど、我は其方を守ると、約束したからな。
[約束したのは、もうひとつ。]
(-124) 2020/06/09(Tue) 00時半頃
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— 回想 —
其方の家は、ここではないからな、ずっと帰らぬというわけにはいかない。
[帰りたくない、という、子供に、鬼は諭すように言い聞かせた。]
我もタクミと共に居たいが、今は我慢する。其方も我慢して聞き分けておくれ。
[その代わりに、と、鬼は、幼な子の手を両手で包み、微笑んだ。]
其方が寂しいと思ったら、我を呼ぶといい。きっと迎えに行ってやろう。
[子供はきっと忘れるだろう。大人になって、己の幸福を掴んだならば、きっと、思い出しすらしないだろう。
けれどもし...]
(-125) 2020/06/09(Tue) 00時半頃
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/* あれ? 何回も同じこと訊いてない? って思ったが。 状況的に傷つきながら追っ掛けて来られたらそう言うだろうしなぁ…。
(-126) 2020/06/09(Tue) 01時頃
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っとに、調子狂う…!
[笑みの気配と『約束』の言葉に唇を噛んだ。 気になるのに、深く考えることが出来ない]
(-127) 2020/06/09(Tue) 01時頃
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── 此処で得た縁だが、儂の嫁はお主以外に考えられぬ。
[そ、と耳元で囁いた*]
(-128) 2020/06/09(Tue) 01時頃
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― 回想 ―
やだ! ぼく、刻とはなれるの、やだっ!
[諭す言葉に、生まれて初めての癇癪を起こし。今度は服の端でなく、体そのものにしがみついて泣き出した。 けれど、刻も共に居たいのだと、同じに我慢するのだと説得され、どうにか泣き叫ぶのだけは止まった。しがみついたまま、ひっくひっくと嗚咽を漏らしていたが]
ほんとに? よんだら、来てくれる?
[まだ顔は押し付けたまま、念押しするように問いかけた*]
(-129) 2020/06/09(Tue) 01時半頃
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…………失いたくない、などと言うのは。
手を放して全て失った我の、我がままに過ぎぬのだからな。
[ほろ、と零れて落ちたのは、兎が普段、表に出さぬ内の内。**]
(-130) 2020/06/09(Tue) 01時半頃
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『約束する。
我の命に代えても、其方をきっと、迎えに行くよ。』
(-131) 2020/06/09(Tue) 01時半頃
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[己が自分の意思で生きてきたことが ちゃんと受け止めてもらえたと 男の声から伝わって、安堵の息を落とし。
訥々と紡いだ己の話を聞き終えた男から 苦笑と共に投げられた言葉に、ぱちり瞬く。
人なんて時間が足らないと、 また無自覚にあの人と重なる所を見せながら けれど、それでいいと肯定してくれて]
………君は、ほんとに
好い、男だね。
[己とは違う受け止め方をする男の言葉で 胸に湧いた、鼓動を早める温もりを自覚しながら 笑い掛けてくれる男に微笑み返した]
(-132) 2020/06/09(Tue) 01時半頃
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─ 回想 ─ [与えられた自我はまだ幼く、 ただ、主が言った言葉をそのまま受け取っただけだった。 主が目を見開いた理由も分かりはせず、 ただ笑って、安心できると言ってくれたそれが 嬉しいと思うだけで、その言葉の意味も分からずに]
うん。
僕が貴方を、 ずぅっと覚えているからね。
(貴方も、僕のことを見てくれる?)
[笑ってくれるのに、名前も呼んでくれるのに どこかでぽっかりと感じる感情にも無自覚なまま、 笑顔と共に、頷き返した*]
(-133) 2020/06/09(Tue) 01時半頃
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[無自覚なそれが寂しさだったと気付いたのは 社に住まい、人の信心を受け取るようになり 身を保つのに依り代を要としなくなった後。
それに抱いた想いも後悔も含めて 己自身が忘れたくないと願ったから今がある。
存在するだけなら、今以上の力など無くて良い。 だから、番だって 欲しいと思ったことも無かったけれど]
………そう言ってくれて
嬉しい。
[己のおかげでと、また過去と重なる物言いながら 真逆なことを言われて──言ってくれて。 仄かに瞳が潤むくらいの嬉しさに、目を細めた]
(-134) 2020/06/09(Tue) 01時半頃
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[そのまま紡いだ己の願いは 受け取った男の神妙な顔つきに、不安を抱く。
まず一つ、と切り出されたそれに 抱いた不安は、ぱちぱちとした瞬きに紛れて消えて]
……千早。
僕の名前は、千早と言うんだ。
[既に口吸いもしているというのに、 まるで初めて手に触れた少女のように 頬を染めて己の名を紡いだ*]
(-135) 2020/06/09(Tue) 01時半頃
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[もしも願いがかなうなら――――]
(-136) 2020/06/09(Tue) 02時頃
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― 回想 ―
おむかえにきてもらったら。 ずっといっしょにいられる?
[子供らしい我儘で、願いを素直に口にする]
ずっといっしょにいるためには。 どうしたらいい? どうなったらいい? ぼく、なんでもするよ。
[体弱くともそれなりに恵まれた環境で育ち。 苦労を知らない子供は、己の願望に忠実だった。 どんなことでも出来る、どんなものにもなってみせると、言い放ってしまえるくらいに*]
(-137) 2020/06/09(Tue) 02時頃
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礼をいうのはこっちのはずなんだがな。
[願いを懸けるようなものが、自分にあったのだろう。 とそこまでいうのは無粋だ。 だから、嬉しいというお嬢ちゃんに、大袈裟に色男を気取って肩をすくめてみせ、驚かせるのに成功したのに笑みを浮かべながら片膝をついた姿勢から立ち上がり]
ああ……千早。
[初心な乙女のように恥じらう千早をそっと抱きしめて囁き]
俺の名前もいってみろ。
[過去の、その人ではない名前を。甘く求めた*]
(-138) 2020/06/09(Tue) 02時頃
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僕からもお礼を言っちゃいけない、 なんて道理も無いだろう?
[肩を竦める様には、ころころと笑みを返して 男が立ち上がるに合わせ、視界を上にあげていく。
男に乞われたままに名を紡ぐのは、 何故だかとても頬が熱くて そのまま男の腕の中に納められ、 男に名を紡がれた事で頬の熱はより増していき]
(-139) 2020/06/09(Tue) 02時半頃
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ぁ……
[甘く求められたそれに より増した恥じらいは、 ほんの少し逡巡を生んだ後]
…………グスタフ。
[想いを込めて、初めて男の名を言の葉に乗せた]
(-140) 2020/06/09(Tue) 02時半頃
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— 回想 —
[しがみつく子を抱きしめて、鬼はぽふりと、その頭を撫でた。]
タクミは、そのままでいい。 そのまま、自由に生きておいき。
[鬼が鬼神と変わった世とは、今は違うけれど、真っ直ぐに願いのままに生きるのは、いつの世にも難しかろう。
千年に凍えた鬼を温めた子が、少しでも生き易くあるように、鬼は祈りを、その角に込めた。]
そうすれば、きっとまた、会える。*
(-141) 2020/06/09(Tue) 02時半頃
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/* ところで、これ 私は説得される線で考えてて気づかなかったのですが
再び口説かれてるに等しいね???? (顔覆い)
(-142) 2020/06/09(Tue) 09時頃
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[呪を上回る、歓喜。]
(-143) 2020/06/09(Tue) 09時半頃
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/* この拾いの見事さよ……。[顔を覆った]
この流れなら考えてた次手をそのまま使えるな。 帰るまでに忘れてませんように( [よくある]
(-144) 2020/06/09(Tue) 12時半頃
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― 回想 ―
[イヤイヤ、としがみついたまま首を振っていたが、頭を撫でられている内に力が抜けた。 慣れないことをして体力が削れたという部分もあったけれど。一番の理由は、その言の葉に込められた祈りが染み込んできたからだった]
……うん。 もっと元気にならないと、だめなんだよね。
[父母から引き離された時にも言った、自分を納得させるための言葉を紡いで。 ポロポロと雫を溢しながら、長身の影を見上げた]
きっと……?
(-145) 2020/06/09(Tue) 20時半頃
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[…の笑顔を見たい]
[…と離れたくない]
[…と共に過ごしたい]
[…の目を見て話したい]
[…の名前を呼びたい]
(-146) 2020/06/09(Tue) 20時半頃
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[泡のように浮かぶ幾つもの望み]
[けれど、一つだけなら、というならば―――――]
(-147) 2020/06/09(Tue) 21時頃
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今度こそ、いつまでも。
(-148) 2020/06/09(Tue) 21時頃
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[自分は…に守ってもらった。 …の想いは、常に傍にあった。
健やかに成長することが出来るようになって。 人の輪の中に入ることが出来るようになって。
約束したことを忘れてしまったのに。 ずっと忘れないでいてもらえて。 それでもいいと笑ってくれて。
分からなくても、嬉しくて]
(-149) 2020/06/09(Tue) 21時頃
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