275 歳末幻想2020
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[ ちかちか瞬くペンタグラムにあわせ、きらめきをはじめる。 勢いにのってみるみる近づくペンタグラム。下からは、花火のひとつも挙がったように見えたろうか。]
いまこそ、御群とオグンがひとつにあつまるときがきたぞ、私よ。
いまこそ、オグンと御群がひとつにあつまるときがきたよ。僕よ。
さあ、いまこそ―――
(75) 2019/12/31(Tue) 20時半頃
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[ 打ちあがった光の塊がペンタグラムの輝きに命中すると、いちどふっと光が消える。
そして、
数拍の間をおいて、御群ツリーの幹を虹がすうーっと滑り上り、宴会場へとなだれ込む。 茸が次々群れなして、幹を昇ればはしからめいめい光りだし、茸を下から照らし出す。
光のパレードはじまると、ぞろりぞろりと行進しだす。七つの色は拍ごと隣と交代し、列は進めど光は戻るようさえ見える。
廊下をめぐったパレードの、列が目指すはガチャガチャポン。ツマツマツマリのトントコトン。 奏楽の神の新曲に、転がる目玉が追いつけば、ビートを刻んでついてゆく。兎の湯殿に行くのなら、上から下までひとめぐり。
宴会の場への案内にもなろう。 いちどは終える今年の厄の、湯水に流れる手向けにもなろう。 ]
(76) 2019/12/31(Tue) 20時半頃
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道祖神 オグンは、メモを貼った。
2019/12/31(Tue) 20時半頃
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乾杯!
[振り上げた腕から(>>51) ぷるぷると喰われた手頸がまた、生えてくる。 我が合図にザパァと薬湯が降ってくるかと思えば、とぽとぽと上品な酒精が肉塊を酒蒸しにしてゆく心地よさ。すこし恥ずかし気に。]
酒は飲むべし歌うべし…
[湯桶を酌代わりに。 肉塊はたいそうに上機嫌で、やがて橙と共に河岸を変える。行く先あたりかまわず、湯殿の扉を開いては”乾杯”と叫ぶは愉悦のせい。きっと無礼講と赦されよう。**]
(77) 2019/12/31(Tue) 21時頃
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[ 静謐さをあわせもつ幾つもの温泉たちと、 エレクトリカル・パレードがはじまった湯屋の廊下、
きらぴか喧騒の度合いの対比は、さらに強調されただろうか。
パレードの要所では、おおきく肥った大目玉たちがさまざまな民草のコスプレをしていたり、ぽんと跳ねて弾けて光の華火と化したりする。
謡うリズムはセンセーショナル]
♪ニョンニョンニョロ ポーン ポーン チカッピッピッピーー
(78) 2019/12/31(Tue) 22時頃
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オグンは、パレードに参加して幹が痩せると、根から引き揚げ宴会場まで吊り上がる。
2019/12/31(Tue) 22時頃
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[徳利はすぐに届く。>>31 小海老も妖し衆も勤勉と、尾は熱燗を傾け。
大厨房の小海老の奮闘は、>>34 徳利に入って来ない故、 命じた蛇神は呑気なもの。 天麩羅になるだろうか。>>32 それとも、白米の彩りか。>>33
くいっと再びお猪口をあおると、 今度は待たずに次が来る。>>54]
(79) 2019/12/31(Tue) 22時頃
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ちょうど次を呼ぼうと思った所よ。 気が利くな。
[お猪口を置き、手招きならぬ尾招き。 招き湯を揺らせば、 また一枚と、剥がれた鱗が足元へ。
お喋りを好む蛇神は、店員が仕事の途中とも特に考えず、]
海か? そうさな…海は どんな水より、深い深い蒼よ。 私の鱗は一年、その色を写した海の欠片。 欠片故、それは一面でしかないぞ。 浅きから深きまで、 海は様々な色、顔をしておる。
そう、海は……
(80) 2019/12/31(Tue) 22時頃
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海は、私のように美しいぞ!
[ふふん。 縁に掛けていた頭を擡げ、角度は斜め上。 ピリっと、壺風呂の中で決めポーズ。
波打つ湯にまた一枚鱗が乗る。 斑は薄く、壷の中には一柱の白蛇。*]
(81) 2019/12/31(Tue) 22時頃
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[三尺足らずの身には大きすぎる温泉宿も、 恐らく世界と比べれば猫の額より小さく狭いか。
あちこち、駆け回る中でちらほら聞こえる"外"の話は 一様に興味深く、面白く。そしてなかなか難しい。
寄せる波に引かれるよに、とたた、と歩む脚を向け。 一枚、また一枚と剥がれる蒼と頭上の白を交互に。]
へええ…てことは欠片を全部拾い集めても 其処に海はないんでやすかぁ……
[溢れた湯と共、足元に流れた鱗を拾い天井に透かした。 肉の旦那から零れた金屎や、蛇神の鱗は湯屋の利益の ひとつであるから、ちょろまかすのはせいぜい2枚。 ジルに頼んだ分を受け取るのを楽しみにしつつ、 翳した鱗は、そっと懐に仕舞い。]
(82) 2019/12/31(Tue) 23時頃
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あい、蛇の旦那はいつでも別嬪でやすが… こうもまっちろだと、より縁起良く見えやすねぇ
[美醜はさておき、その姿勢は決まっている、と。 浴室に小さな拍手が響いた。
狐の脚を止めるのは、美しいものだけに限らず。 この目に耳に新しく、奇抜で理解できぬものへ。]
そのまま壺蒸しになる前におあがりやし 旦那と一興、交えたいと姐さん方も 顔を白ぅく塗ってお待ちでやすよ
[ちゃぷ、ちゃぷ。 壺でなく、徳利から音を鳴らして交換すませたら さて、そろそろ宴会場の支度へと向かおうか。
山の話、海の話、まだまだ聞きたいところだが それには手足と目玉が足りぬ。]**
(83) 2019/12/31(Tue) 23時半頃
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/* いやほんと、みなさんセンスが眩しくてログ読むのがほんと楽しい。もっと喋って!くださいやしよう!!
2019年はとても楽しい村で始まったわけですが、とても楽しい村で終わり自動的に2020年も楽しい村で始められるの幸せでやすなあ。
(-12) 2019/12/31(Tue) 23時半頃
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[ ごぉん、ごぉん………
どこからともなく響いて来る鐘の音。 ツゥツゥ、トントンと軽やかに滑る>>70一つの駒。]
……まぁ、散らし寿司の具は勘弁してやろうね。
[ 駒に触れた爪先から伝わる賑やかな旋律に、 大海老、張鐘も調子を取るように触覚を揺らす。 ゆら、ゆら、ゆぅらりゆらり。]*
(84) 2019/12/31(Tue) 23時半頃
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[宴も酣どんちゃん騒ぎ。 飲めや歌えや海老や海老や海老の舞い踊り。
空いた酒樽はとうとう八つ目。 我が身が大蛇で在ればそろそろ潰れるのもお約束だが、 なにせ本分は水を溜めて操ることにある。 易々とは沈まなければ、当然その先は絡み酒。
見つけた目玉に盃傾け、>>59 たぷたぷと点眼代わりに差してやるなど当然で。]
(85) 2019/12/31(Tue) 23時半頃
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ああ、明けような。明けような。
どこからともなく樂も響く。 大晦日と元旦を跨げばまた振り出しよ。 門出は賑やかしいくらいで良い酔い。
[聞こえる音色はコエビート。>>70 聞き慣れぬ音の群れであったが、 新しい年を新しい音で迎えるのは道理である。]
(86) 2019/12/31(Tue) 23時半頃
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フフッ!
[美酒と愉楽に浸って笑気はやまぬ。
音頭に合わせて挙げたのが 手だったのか、尾だったのかすら曖昧。>>77
ただ肉塊を度々齧ったお蔭で 表皮は張るばかりでなく照り照りと油に濡れていた。 悪い酔いしながら迎える明けも然程悪くない。
ぷしゅぅ、と酒気帯びの空気を口から吐き、 数段に重ねられた分厚い座布団の上に沈む。
泥酔が齎すまどろみと一緒に丸くなった。]**
(87) 2019/12/31(Tue) 23時半頃
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[海色の鱗をいくら集めても、海の深さに程遠い。 うむ、うむと、その言葉に頷いて。>>82 懐にしまうのを見ても咎めない。 行き先に頓着はしない質。 潮の調味料となっても良いが、 宝のようにされるのも、気持ちの良いものだと満足気。 拍手も惜しみなく受け取ろう。>>83
讃えよ讃えよ。 蛇神を美しいと思えば思う程、美しくなるもの故に。]
(88) 2020/01/01(Wed) 00時頃
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うむ、うむ、 この徳利を空にしたら行こうとも。 まだ導は動いておらぬだろう?
気の早い者は初めておるかも知れんがな。
[賑わいはまだ、店の者に留まっている。 客が騒ぎ始める頃に訪れよう。 今は徳利を運ぶ店員を見送る。
頼んだ小海老の料理を急かさぬためにも。*]
(89) 2020/01/01(Wed) 00時頃
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[鐘の音もあと幾度だろうか。 数えていなければわかるはずもなく、 しかし、楽しげな声が聞こえれば 十分知れよう。
賑やかな光の行進、>>76 奏楽神の新曲も聞こえたなら、即ち宴の合図だろうと。>>78]
さぁ、参るぞ 宴会場で、料理が私を待っておる!
[ざぱと一際大きな波を起こし、 壺から蛇が泳ぎ出る。 近くにいた店の者を呼び寄せて 体を拭かせねば。 いくら急いでも、廊下を水浸しにする気はなし。*]
(90) 2020/01/01(Wed) 00時頃
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せやなぁ。 人間ていうんは苦労の絶えん生きもんじゃ。 だが、良くも悪くも図々しく、健気に生きとる。 なんともいとおしい。
[うむうむと、わやんにうなずき、また酒を一口。]
(91) 2020/01/01(Wed) 00時頃
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[どこかからの鐘の音にあわせ、楽の神の音楽が聞こえる。 揉んで柔らかくした湯のなか、汗をかいた顔を拭う。]
……あれは…… 完成したのかな?
(92) 2020/01/01(Wed) 00時頃
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ごーん、 ごーん。
煩悩を払う鐘が、いま、最後の一つを終えて――
(93) 2020/01/01(Wed) 00時頃
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