272 【R18RP】十一月と、蝶が奏でる前奏曲
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[真実を告げられる訳がなかった。 きっとティムは、同じ状況に陥れば自らの危険も顧みず何度でも人を救うだろうし、例え足を失っても、人を救えたからこれでいいと選択を悔やむことはないと知っている。
だから、言えない。 きっと軽蔑するだろうな。人が死のうとおまえの足のほうが大事なんて言ったら。 この醜悪な感情は秘めるほかなくて、それでも胸の苦しさからは逃れられず、そっと隣り合うティムの肩へ身を預けた。
――おまえさえ無事だったらいいんだと、伝えられたなら、どれだけ]*
(-147) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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/* 泣いちゃったのだが……
毎回泣いてる
(-148) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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/* >幾度も幾度も舐められて覚えた心地よさが これは秘話案件ですわ
えっっっっっちだ……………………
(-149) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[完全に関節を抑え込んでいたはずなのに ありえないほどの膂力でもって 私の体は押し返される。
ブン!と振り回される武器が目の前に迫っても 上手く動けなかった私は何かに引っ張られて その場でぐるっと回転した。]
――ぅ、っ。や、大和! 大和、大和、大丈夫!?
[起き上がる頃にはもう人影はいなくて 追いかけたい気持ちもあったけれど 私の腕を掴んだものは明らかにぬめりを帯びていて。]
(329) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[薄暗いとはいえ明かりがある場所だから 私の目は怪我をしていないはずの私の腕が 真っ赤に染まっているのに気がついてしまう。
私の血じゃなくて――大和の血だ。>>309]
どこっ、どこ刺されたの!? まって、やだよ、大和、ねぇ……!
[私はこころが笑っている未来が欲しかったの。 何だってするって思っていた。 どんな犠牲だって払っていいと思っていた。>>0:271
でもそれは「私は」だ。 犠牲を払うのは、私だ。私であるべきだった。]
(330) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[震える手で大和の怪我を確認しようとして 彼がつぶやいた一言に青ざめる。>>312
あんな人がバスの列に突っ込んだら そこに――そこに、こころがいるのに。 動くなって私が言ったから、そのままそこに]
(331) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[ヒュッと喉が鳴って私は立ち上がろうとしたけれど うっかり怪我をした腕を支えにしようとして 今さらの激痛に顔をしかめながら膝をつく。
私を引き留めるように電話の音が鳴って 大和が出たから必死に袖を引いたけれど 変わることもスピーカーにしてくれることもなく 彼が話をする横でじりじり喉が焼ける心地になる。
こころを助けたかったの。 だからって大和が代わりになれなんて思ってない。 でも――いまは、とにかく無事でいて欲しい。]
(332) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[しばらく黙って通話をしていた大和は ゆっくり私のほうをみて、しっかり頷く。
『ちょっと菜摘どうしたの!?』
スピーカーから聞こえてきた声に 私はへにゃりとその場に座り込みそうになる。]
こ、こころ、大丈夫ね、何ともないね? お店の人に急いで警察と救急車、呼んでって頼んで 急いでって!
[何とかそれだけ口にできたけれど 私もそんなにうまく話せたわけじゃなかった。 それより隣でぐったりして痛そうにしている 大和の方が気になってしまう。>>315]
(333) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[しゃがんで頬とか触ってみるけど 血の気はちゃんとあるし意識もしっかりしてるし 流れる血がどんどん広がっていることもなくて むしろほとんど止まっているようだった。
大丈夫、って聞いたら 全然違う答えが返って来る。>>316]
なんで。逃げるわけないじゃない。
[押し当てられた頭をそのまま抱き寄せて 私は大和の呼吸を感じながら目を閉じる。]
……違うの、違うんだよ大和。 謝るのは私の方なの。
[やっぱりモールには来るべきじゃなかったし せめて大和には打ち明けておくべきだったし もっと注意するべきだったよね。]
(334) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[上手くやればもっと、どうにかできたのかな。 大和に怖い思いや痛い思いをさせず 上手に全部なかったことにできたかも。
ああ、それでも。]
ねえ、大和。
[どこからか音が聞こえる。 それは私が昨日聞いた音。>>0:271
帰り道に言うって言ってくれた「続き」は>>181 どうやら間に合わないみたい。 だから私は大和の髪にそっと鼻を触れさせる。 血の臭いの向うに、ちゃんと大和の匂いがして 小さく吸い込めばなんか安心できた。
うん、大丈夫。]
(335) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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私ね、大和のこと好きだよ。
(-151) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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/* 早寝しなければでどう頑張っても寝るまでに間に合わなそう… 突然死防止のロルだけは書いておかねば。 えぴでほんきだす(ゆいごん
(-150) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[ここから先はどうなるのか私は知らない。 私がどうなるのか、私はよくわかってないの。
だからもしかしたら明日の私は 今の私ではないかもしれないし それどころか消えてしまうのかもしれないけど。
それでいいんだ。 だって私は目的を達成したんだから。]
(336) 2019/11/10(Sun) 00時半頃
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[もしも今の私じゃなくなったら 私が大和のことを好きなこと 忘れちゃってるかもしれないけど。
――そんなのたいした問題じゃないよ。 だって私は、あなたが傍に居てくれるなら
何度でもあなたを好きになるから。]
(337) 2019/11/10(Sun) 01時頃
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[もし大和がすぐに返事をくれていても 私の耳に届くことはなかった。
かわりに世界が止まったようになって 昨日会った男の人が もう一度私の前に立っていた。>>308
その人は特に感情を見せることもなく ただ私に、一つ問いかけをする。
「戻った暮らしはどうでしたか?」
私はにっこりと、笑ってみせた。**]
(338) 2019/11/10(Sun) 01時頃
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/* 実際これって記憶はどうなるんですかみたいな疑問があるんだけど、まどかちゃんのとこ見ると忘れちゃうみたいだし、どっちでもいいようにふわっとしておきましたふわっと…
(-152) 2019/11/10(Sun) 01時頃
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/* これ戻った菜摘視点では「すべてを手に入れた!HAPPY END!」って感じになるんだけど、大和視点だと「この後7年間を共に過ごした菜摘を失う」というエンディングになるんですよね。 業の深い設定だなって思います。おいしいです。
(-153) 2019/11/10(Sun) 01時頃
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[ ずっと姉のように俺に接してきた。 揶揄われても庇いに来た。 ……襲われた時も庇って、怪我して そのせいで脚まで悪くして
もう俺の為に嫌な目に会うのは見たくなくて だから、冒険者になって剣の腕を鍛えて 二度とそんな目に合わせない為に強くなるって。
なのに、一緒にいたいって言うんだ。 もっと動けたら、もっと一緒にいられるって。>>287 俺の世話なんて面倒かけてたのに 俺のせいで、俺が弱いせいで脚が悪くなったのに なんでそんな事を言うんだ、って そう……思うんだけど。 ]
(339) 2019/11/10(Sun) 01時半頃
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[ アイツの、ミタシュの本心と思えるその言葉は どうしてか、姉ぶった言い方をされた時みたいに 少しもやっとしたりはしなくて 胸がぎゅっとするというか なんて言えばいいのか、分からないけど
悪い気は、してないんだ。 ]**
(340) 2019/11/10(Sun) 01時半頃
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[菜摘だって怪我してるのに 説明役を押し付けたのは悪かったけど 俺が話すと姉ちゃんの質問止められないからさ……。
通話が終わって画面の光が消えると 薄ぼんやりと光っていた周辺が元の暗さに戻る。 その方が、ありがたいんだよな。 見てると余計痛くなりそう。
ああ、でも菜摘の怪我の具合が見えない。 頬やら肩やら触ってくる菜摘は 自分の怪我の確認もしてほしいんだけど。>>334]
そのまま警察呼んでくれてたら 菜摘が怪我、しなくて済んだのに。
[跡、残んないといいな。 抱き寄せられたまま息をすると 菜摘の家の匂いに混じって鉄錆の匂いがする。]
(341) 2019/11/10(Sun) 01時半頃
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[菜摘はなんでか謝ってるけど 悪いことなんかひとつもしてないだろ。>>334
そう声をかけたかったのに 緊張が解けた反動と、安堵と、遅れて来た恐怖とが 一気に襲ってきて口を開くのも億劫だ。
だからやけに穏やかに聞こえる菜摘の声を 触れている温もりを感じながら 夢みたいな一言を聞いた。
……実際に夢だったのかもしれないって 目を覚ました病院のベッドの上で思ったけど。
夢と現実、どちらであったとしても 俺は包帯を巻いた菜摘に頼みごとをした。]
(342) 2019/11/10(Sun) 01時半頃
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情けないよなぁ、ほんと。
俺、もっと強くなる。 少なくとも好きな奴を守れるくらいに。
こんなこと二度とない方がいいんだけど 気持ちの問題なんだって!
――それで、そしたらさ。 今度は俺から「続き」を言わせてほしいんだ。
だからそれまで待っててほしい。 ムシがいい話なのは分かってるけど。
いつまで……いつまで………… お、俺が今だって思うまで…………? そんなになるまで待たせないし! なので待っててくださいお願いします!!
(343) 2019/11/10(Sun) 01時半頃
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[その未来の延長線に、 俺を好きと言ってくれた菜摘はいたかな。**]
(344) 2019/11/10(Sun) 01時半頃
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/* 殴られそうこの大和()
菜摘はたくさんお付き合いありがとう! 引き続きエピでもよろしく。
(-154) 2019/11/10(Sun) 02時頃
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/*あ、選んでもらえなかったって 嫌ですとかそういう意味ではないよと今更
(-155) 2019/11/10(Sun) 02時頃
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/* どこもかしこもかわいいな… 平和かな???? はっぴーだな… 蓋を開けて地獄とかない??大丈夫??
怪我は怖いよね
(-156) 2019/11/10(Sun) 02時頃
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─ 二日目・朝 ─
[ハラフが朝に弱いのなんて、 解りきってることだから気にならない。
だけど起きて慌てた様子は物音になってこちらに伝わった。 振り返る。 液晶に映るのは、読み上げられるのは。 昨日のニュースの結果で、続きで、最悪のテロップだ。
想像通りにハラフの視線がそちらへと釘付けになる。]
……
[無事だといいね、と願った言葉は叶わなかった。 また倒れるんじゃないかと思って腰を浮かすけど、 今度はそうでもなかったらしく、それでも視線は心配げにハラフへとむけた。]
(345) 2019/11/10(Sun) 02時頃
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[でもやっぱりふらついているから、 ソファの近くまで来たらすっと腕を引いて自分の隣に座らせた。 表情や視線を窺う。
とっさに言葉は出てこない。 また液晶へと視線を移す。
画面は既に変わっていて、そんな事故なんて過去のものみたいに残っていない。 流行りのアイテムや便利グッズの特集は、 先程のニュースとの温度差もあり頭にあまり入らなかった。
ハラフが何を思い悩んで、考えているかなんて、 想像しかできないけどその想像の正しい材料がないのだから当たるはずもなく。
いきたいところ、と訊ねられると>>328]
(346) 2019/11/10(Sun) 02時頃
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ん〜〜…
[と悩んで、ぽてっとハラフに寄りかかった。]
(347) 2019/11/10(Sun) 02時頃
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[べろ、と夜したみたいに頬を舐める。]
(-157) 2019/11/10(Sun) 02時頃
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