270 「 」に至る病
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[感心するような一言はどこかそっけない。 血を飲ませたがる眷属たちは 血を飲まない吸血鬼を厭うことを知っている。 それでもセイルズは、少しだけ微笑を曇らせた。]
君たちには、そう思えてしまうんだね。
[相槌をうち、 普段から主人への不満を抱えていそうな少年が 日焼けしていない頬を赤く染めるのを眺めて 珈琲を啜り改めて微笑んだ。>>329
初々しいことだ、という単なる感想は さすがに頭の中にしまっておくことにした。]
(371) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[そう話しているうちに、 「何でも話して大丈夫」>>331と思われたか あるいは緊張の糸が解れたのか たどたどしかった言葉遣いが滑らかになっていく。
これまで様々な眷属に様々な質問をされてきたが 妻の最期を問われるのは、さすがに初めてだ。
けれども、黙すことはなく 少年の独白にひととおり耳を傾け、相槌を打って]
とんでもない。 思ったことは何でも言ってくれればいいさ。 ――僕にとっても、思考する良い機会だ。
[作り笑いを見て、セイルズは穏やかに言葉を返した。 冷めてしまった紅茶を淹れなおそうとしながら>>334 ぽつぽつと、言葉を返していく。>>330]
(372) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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僕が知っている一番身近な眷属―― 妻は、その最期に僕に「殺してほしい」と言った。
[雨の匂いが鼻を掠めた、気がする。 気を紛らわすようにティーカップに湯を注いだ。]
もっと血を飲んでほしい。愛してほしい。 他の人に会わないでほしい。
そういいながら自分の体を傷つけた。 僕が血を飲み干せば、ずっと一緒にいられると 僕の役にたてると言ってね
(373) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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僕は彼女から体を傷つけられる何もかもを奪った。 ――――雨が降る夜だった。 口論のすえに家を飛び出した彼女は、 車に轢かれ死んだ。 ……故意だったのか、不運だったのか僕にもわからない。 彼女は最期まで僕に血を飲ませようとしたよ。 「私の血がないと駄目でしょう?」って 妻の名を必死に呼ぶ僕だけを見て…… ……満足そうに笑っていた。
[声が少し震える。 首からかけたリングネックレスに手を伸ばしかけ、 瞑目して軽く息を吐き、首を横に振る。]
(374) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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君たちは主人の役に立つことを考えるが、 血を飲まれなければ役立たずだと自分を責めるが…… 君たちがいきて、隣にいて、笑っていてくれるだけで 僕らの心を満たすことがあるのを知らない。
あるいはすっかりと忘れてしまうね。 血など吸わなくとも確かに 団欒があり、愛や情があったことを。
……僕らがそう作り変えてしまうのかな。 君たちの血を汚して、 人間だった君たちを、そうでなくしてしまうからか。
テセウスの船ではない、と信じたいところだが、……
(375) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[アルブレヒト氏を謝らせるに至る事象が思い当たらなくて>>312 心配げに見つめるも束の間。
そうは言っても職業柄、会話をする事には長けているのだろう。 気に止める事もなく、話は続いていく。]
お招きいただきまして、ありがとうございます。
[おとうさんと違うかおの、 大人の男の人。 紅茶を注ぐ動作も、仕草も
常に側に在る小さな手とはずいぶんと違う。]
(376) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[君たち、と言い、少し咎めるような口調になったのは まだ、妻の事件が風化していないからだが、 吸血鬼教授は次いで、「すまないね」と謝罪し しっかり砂糖とミルクを溶かした紅茶を差し出し 少しぎこちなく笑った。]
すまない。君に愚痴ったところで、 どうにもならないことだが まあ年寄りのぼやきとして流してほしい。
…………
離れたほうがいいんじゃないか――……>>334 ……何度も、それは思ったことがある。
娘に君のように思われているかもしれない、 という不安も、何度も抱えたことがある。
(377) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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お土産?よろしいのですか? 嬉しい。ありがとうございます。
お子さん、とってもお上手なんですね
[置かれた蝋燭は不恰好なものから、 最近作られたであろうものはずいぶんと成長が見られるもの。
1番気に入ったのは、ちょっぴり不細工だけど可愛い白兎。 年季の入り具合からして古いものではありそう。 会社のロゴのウサギみたいに白くて チトフを思いだすみたい。
つん、と鼻をつついて 作者はどんな子かな、って思いを馳せ]
(378) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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アルブレヒト医師の内心はわからないけれど 僕はね、
娘に幸せになってほしい、 良い人と結婚して人並みに生きて欲しい、 そう思うくせに…… 19にもなって反抗期がやってこないあの子を 心底心配して、家から追い出さなきゃいけないか悩んで
もし家から出て行ってしまったら悲しいだとか…… 僕が、寂しいだとか……
そういういろいろをひっくるめて考えて 結局、彼女と一緒に過ごす生活に安住してしまう。 そういう情けない男だよ。
(379) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[封をした彼からの贈り物を、紙バッグの上から優しく撫で 重くなりがちな空気を茶化すようにそう言った。 指を組み、人となりをよく知らぬ医師に思いを馳せる。
疑心暗鬼は、眷属の病を進行させるから できるだけ病を深めることなく すっきりした顔で帰路についてほしいと そう思い、こう投げかける。]
……400年生きていてすらこうなんだ。 アルブレヒト医師がどれだけ老成しているか 僕にはわからないが…… ……君の話を聞くに……
君が黙って出ていってしまえば、きっと寂しい。 けれど、君が病で壊れてしまうのは恐ろしい。 そう思うんじゃないかな。
(380) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[けれどその人物が、けんぞくであると知れば 自らを顧みることになって。
……この人も、あんなこと なんて想像してしまえば
……ああ、
心臓の辺りがざわざわ疼く。 くるしくて、触れてほしくて、イタくて痛くてあまくてく
だめ、 勝手に瞳を揺らしてはいけない。
私はいま、彼の役に立つための お仕事の途中なのだから]
(381) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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[そこまでを語り、苦笑する。]
信じるかどうかは君次第だ。 合っているかもわからないし。
とはいえ……
一度、主人とただ一緒に 食卓でも囲んでみるのをおすすめするよ。 吸血じゃなくて普通の食卓を。
[ちらりと時計を一瞥すれば、 そろそろ陽も傾く時刻。 セイルズはフェルゼに 「時間は大丈夫かな?」と投げかけながら 思い出したように、こういった。]
(382) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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……そういえば。 お守りのようなものだけれど 僕はここに来た眷族皆に聞くことにしているんだ。
フェルゼ君。 100年後、君はどう生きていたい?
[どう答えてもいい。 思いつかなくてもいい、と、吸血鬼教授は添えて 微笑んで指を組んだ。*]
(383) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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ああ、なんとなくわかるな どれから手をつけようかっていう選べる幸せ?
[それにしたって大量のお菓子。>>354 皮の下がすぐ骨と筋肉、みたいな代謝の良い少女期とは違うので
生活習慣病と無縁の生命体になってるとはいえ、皮下脂肪の蓄えすぎには気をつけねばと心したのは、後日の話 大人はつらいよ]
(384) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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アリスの微笑み……あれ 美味いですね
[キャンディについて幸せそうに語る声は 耳鳴りのノイズの向こうからもよく聴こえてきた。 半分以上は目を閉じて聞いていたけど、 歴史のお話に話が飛べば、意外そうに眉をあげたり]
大学が面白いとこ その発想、なかった
[高等教育を受けたことがないので、いまいち想像がつきにくい。 本が宝石のようと聞けば こんなところに共通点、と]
(385) 2019/10/11(Fri) 23時半頃
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独尊隊 ツヅラは、メモを貼った。
2019/10/12(Sat) 00時頃
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……はい。
チトフは変わりなく、元気で可愛いらしくて わたしのこと、愛してくれて
[注いでくれた紅茶は>>313 子供じゃないけど、なんだか苦く感じるのは 社長が好む甘すぎる程のそれに慣れ過ぎたせいか。
砂糖をくるくる、回しながら 紅茶に浮かぶは白兎の]
(386) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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[くるくる、くるくる]
ずっと一緒ねって、離れないでって …………あれ、
どうしよう、私、チトフと離れてる 寂しいって泣いてるかもしれない
血をあげなきゃ、 私……っ
[カタン。
机に置いたティーカップが揺れた音で 漸く、我を取り戻す]
(387) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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/* セイルズ先生もいいひとだ…… こんなに常識溢れて分別ある吸血鬼なら さぞお辛いことでしょう
そして僕は 今日も今日とて、セイルズ様を抽出しながら ついつい、主のタブも開いてしまう
(-46) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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[彼女に語った終焉が、美しいものだと言うなら>>349 それはきっと、主人のために描いた夢だから。
生きることを望んだ 生き続けたいと、あの日縋った
そこから貰った"今"は 誰のためでもなく、彼のもの
でもそれを願ったのは 紛れもなく自分]
(388) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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[だからこれは"自己満足" 彼のためという題名の、自分のための物語]
(389) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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[そしてカシスの苦味が口から消える頃 貰った言葉>>352へ、同じ言葉を重ね]
ありがとうございます
[あくまでも自分の望み 彼の望みはといえば、知らない
この場で当たり前のように発した 好きと言う言葉すら、伝えたことはない。
執着を知られることが 夢の終わりを迎えることが怖くて]
(390) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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/* 話がなげーよ教授。て中のひとはおこです
娘ちゃんが荒れているので3dは荒れそうですね…
(-47) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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[そのくせ、この状態は>>353>>356
不幸というにはあまりにも甘く 幸せというには苦すぎるから]
はい、──きっと
後になって"幸せだった"と 思うくらいには幸せ、です。
私は我儘ですから 叶えば叶うほど、次が欲しくなるので 今はまだ、わからないんだと思います
[今が過ぎ去り、過去になったとき 苦さも甘さの一部として見えるはず
そんな"幸せ"だと答えて、グラスを置き]
(391) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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[時計を見れば、そろそろ帰る時間。 ぺこりと頭を下げ、姿勢を正して]
あぁ、そろそろですね
──ごちそうさまでした お話できて、とても楽しかったです
[カレー、食べてくださいね。と付け加え 終わりが近づいたことを伝えるのだった**]
(392) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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お見苦しいものを…… 大変、失礼致しました!
[どうしよう。 とても失礼な事をしてしまった。
頭を下げ、瞳はさらに揺れ動く。
きっとそれは正しく、ひたすら正しく辿る 眷属の道行き。 ――あなたの、けんぞくも、もしかしたら?
氏は怒っただろうか、それとも驚いた? 顔が見れなくて、あたまを下げたまま*]
(393) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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/* あああああああアリス可愛いなあアリス僕のなんだ僕だけのアリスなんだねえ見てる?これ、僕の灰だよ、アリスへの愛を叫ぶためだけに作られた君と僕だけの世界なんだよねえ素敵だね、この灰素敵だね。僕ね、僕ねここにいるんだここに、君をいつでもどこでも離れてたって見続けてあげるし愛してあげるし守ってあげるよだからそんなに寂しい顔しないでよああでも寂しそうな顔も本当に可愛いね大丈夫だいじょうぶだよ帰ってきたらたっぷり愛して血を飲んであげるからねあはははは甘い甘いよ最高だ愛しているよ僕のアリスねえ、幸せだねえ僕らあはははは大好き!すっごく好き!愛してるよ僕のアリ(以下略
(-48) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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/* チトフ黙れ(中の人のげんこつどーん)
(-49) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2019/10/12(Sat) 00時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2019/10/12(Sat) 00時頃
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/* 早くも外がヤバい感じ(直撃の可能性 寝られるうちに寝なきゃ……
(-50) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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炉の番 チトフは、メモを貼った。
2019/10/12(Sat) 00時頃
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/* ヴェルヌイユ様、めっちゃ好きだし もっとはなしてたかったぁぁ。ってジタバタしてるけど 停電した時に備えて充電しとかないといけないし ツヅラさんが帰ってきて平気なように〆とかなきゃという悲しみ 台風さえなければ、あと1往復くらいはできたかもしれないのに(・・、
(-51) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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私、?
[目を開けて、たしか1世紀以上は生きているはずの少年をぼんやり眺めた。 手を伸ばしてもう一度頭を撫でてみる。 その指は時間が経つほど震えが強くなっていたけど 貧血です、貧血]
好きなことしか、して生きてきてないからな……
(394) 2019/10/12(Sat) 00時頃
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