280 【身内村】皆をころころする村
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[つい癖で一定距離を歩いた辺りで引き返し 同じ場所へと戻ってきたところで 自分の手から名前付きの何かを受け取って言った何かが 自分より後に来た人に同じ台詞を繰り返すのを見た。
そうだ、あれこそが自分の役目であった。 あんな風に同じ場所で同じセリフを 何人もの主人公に繰り返す役目。
特別悩むことも無く、 与えられた役目と与えられた台詞を 与えられたままに。
そうであった記憶があるのに そんなの人として不自然だと感じる 奇妙な違和感が同居している。]
(70) 2020/09/21(Mon) 22時半頃
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[それならどうするのが自然なのかなんて 悩むことこそ不自然だなんて考え出したら どうにも混乱してきてしまった。 一体自分はどうしてしまったんだろう。
大幅なアップデートでもあったんだろうか。 そうに違いない。
>>@1蹴り飛ばされて伏した何かが 次の案内までにきらきら光って元に戻るのを 見届けていたら、会場へと案内されてしまった。
変わって欲しい、切実に。 そう伝えても定型文しか帰ってこないのは 嫌という程わかっていて、 切実な願いの代わりに零れたのは 憂鬱な色をした溜息の音だった。]
(71) 2020/09/21(Mon) 22時半頃
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[折り返していた一定距離を超えて 賑やかな辺りまで来てみれば 同じ顔が幾つも見えて困惑する。
慣れ親しんだ光景だ。 自分もあのひとりだった筈だった。 ……実際同じ顔のうちのひとりだと 気付かないまま首を捻る。 なぜ自分だけ改変されているのだろう。 アップデートじゃなくてバグかな。そうだな。 きっとこの場では談笑しながら食事を取る役目の筈だ。 なのに身体が勝手に動かない。きっとバグに違いない。
……どうなるんだろうこの場合。 プレイヤーに見つかれば報告して貰えるだろうか。 同じ顔以外の……、どの人だろう。
声をかけられるのを待つ癖が抜けず 自分から話しかけるという発想が浮かばないまま 入口付近から会場内をぼけっと眺めていた。**]
(80) 2020/09/21(Mon) 23時半頃
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