277 黄昏草咲く出逢い辻
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― 森の広場 ―
やはり手を繋いでおかなかればいけなさそうだな?
[鬼は、いきなり男の正面に現れて、鬼火に焦がされた手を取り、問答無用で紅い唇を押し当てた。*]
(140) 2020/06/05(Fri) 22時半頃
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[ちろりと、鬼の舌が赤く腫れた火傷を這えば、氷のような冷たさと、染みる痛みが一瞬強まり、やがてじわりとした温もりと、痛みとは真逆の心地よさが肌の上を走り抜けるを感じるだろう。]
悪い子だ、タクミ。 我の知らぬ間に、他の妖に触れさせるとは。
[詰るような言葉と裏腹、声は優しい。*]
(-64) 2020/06/05(Fri) 22時半頃
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構わぬさ。
其方に名を呼ばれるだけで、我は百里を超えられる。
[己の責ではないことを、済まなそうにする男の様子に、鬼は笑って、手を握ったまま、その頬に手を伸ばす。
紫紺の爪は鋭く尖っているけれど、男の頬に触れるのは存外に柔らかな鬼の掌。]
謝る必要もない。
たとえ全てを其方が忘れたままでも、我が代わりに覚えている。
.........この身が朽ちても、忘れはしない。*
(-66) 2020/06/05(Fri) 23時頃
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相変わらず可愛い声......だが、少し色が増したかな?
[男の反応に、したり顔で鬼は唇を舐め、遅かった、と言われれば余計嬉しげに笑みを深める。]
これでも急いで空を駆けて来たのだが、そんなに寂しかったか?
[次いで告げられた、気遣ってもらったという相手には心当たりがあったから頷いた。]
狐殿に会ったようだな。我も先刻擦れ違った。
麗しい女子の姿だったろう? 狐殿のような番なら、其方も、もっと嬉しかったか?
[問いかけは悪戯混じり。答えがどうであろうが、鬼には次に聞いた言葉の方が大事だった。]
(-69) 2020/06/05(Fri) 23時半頃
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思い出したい、と、願ってくれるか。
[囁きは僅かに濡れて、鬼は一度、見えぬ目を空へと向ける]
...幼い其方には話さなかった事もある。 知りたければ、いつでも話し聞かせよう。
[再び、顔を向けた鬼は、何かを思い定めたように、静かに告げた。]
其方の話も、もっと聞かせてくれ。*
(-70) 2020/06/05(Fri) 23時半頃
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/* ノッカちゃんが、いちいち「顔が良い」って思ってるのがツボるw いやほんと、イケメンだけど綺羅星殿。(顔以外もね!)
沙羅殿>>144 余計なこと喋れというてれぱしーを受けましたのでね。(にこにこ)
(-72) 2020/06/06(Sat) 00時頃
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― 森の広場 ―
[いつしか風は止み、森には静けさが戻る。或いは束の間の平穏かもしれなかったが。]
タクミ、腹は減っていないか?上から見つけたのだが、このすぐ先に熟れた林檎の木があった。 行ってみるか?
[腹が減ってはなんとやら、確か果実は好きだろう?と、提案をひとつ。*]
(158) 2020/06/06(Sat) 00時頃
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[腹の虫の音には気づかぬふりをしておいた。>>164赤くなった顔は見えずとも、声音で色々推し量れて、笑みが溢れるのは抑えられなかったが。]
我は、あまり腹が減らぬので、気付かず悪かったな。
ああ、待て、匂いはこちらだ。
[上空からも感じた程の香りだ間違いようはない、と、先に立とうとする男の腕を引く。少し力が強すぎて、抱き寄せるような形になったのは、さて偶然か否か。]
あちらだ、タクミ。
[肩に手をかけ、耳元で囁きながら、熟れた林檎の香りの方へと顔を向ける。教えただけで、先に立とうとしないのは、手を引かれる感覚が、存外楽しく思えたからだった。*]
(171) 2020/06/06(Sat) 01時頃
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狐殿の番は、強そうな御仁だったからな、恐らく無事に会えているだろう。
[鬼相手に怯まず銃口を向けるような胆力の持ち主だから、とは、説明しなかった。銀幕云々を聞いていたなら、少し微妙な顔をしたかもしれないが、印象の違いには気付かぬまま。]
緊張した、か?さて狐殿は、どちらかといえば気さくな気性であったと思ったが...タクミは、人見知りなのだな。
[くすり、と笑う鬼の機嫌が良さそうなのは伝わるだろう。]
世話というほどの世話はしていない、が、そう......覚悟か。
[どこまでもまっすぐ受け止めようとする様子に、鬼は小さく吐息をつき。]
其方はやはり、変わらぬな。
[ぽつりと呟いて微笑んだ。]
(-78) 2020/06/06(Sat) 01時半頃
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そうだな、我はずっと昔、戦の世で領国を守りたいと願った人の子と契りを結び、共に戦った。 だが、戦が終われば、鬼の力は人の恐怖と疑心を呼ぶものでしかない。
[そうして、問われて語るのは、鬼が生まれたその最初からの記憶。]
我が、人の世を離れ、人の目から隠れる事が、互いを憎まぬ唯一の道だった。
これでも鬼神などと呼ばれ、そこそこに名も姿も売れていたのでな。
[どこか冗談めかしてしまうのは、片角となった姿を見れば、ただ隠れただけとは思えぬだろうと知るからだ。]
我を産んだは、人の願い。 その人の子から、もう力は要らぬと言われても、恨む気にはなれなかった。
それでも、誰かに求められたいとは、思っていたのだろうな。 其方に会って、我自身も、己の心を、初めて知った。*
(-79) 2020/06/06(Sat) 01時半頃
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タクミ!?
[耳に届いた咆哮に、鬼は男の前へと出ようとした。が、ぎゅっと握られた手の感触に動きが止まる。>>196]
そのまま動くな、タクミ。
[凛と張った声と共に、鬼の頭に残った片角が淡い光を放つ。握った手から、何かが流れ込んで、守り袋の中の欠片が熱を持ったのが、男にも伝わるだろう。]
折角の逢瀬、邪魔してもらっては困る。
[凝る瘴気の気配に向けて、鬼は冷たく言い放ち。]
(213) 2020/06/06(Sat) 22時頃
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ヴェルヌイユは、「去ね」と、一言。 13
2020/06/06(Sat) 22時半頃
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/* 勝ち確なので、好き勝手する鬼。しかしタクミの方が強いね。うふふ。
(-106) 2020/06/06(Sat) 22時半頃
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[赤い瞳を爛々と光らせ、飛びかかってきた獣の爪は、身構えた男に届く事なく、パシンと、青白い稲妻のような光に弾き飛ばされる。
それ以上、襲い来る様子はなく、瘴気の気配は森の空気へと、溶け消えた。]
タクミ、怪我はないか?
[血の匂いはしない、けれど、思わず案ずる声が漏れた。*]
(220) 2020/06/06(Sat) 22時半頃
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/* いつものラ神って感じなんだけど、こう、傷を負った側が、それぞれ、なんとなくそれらしくて面白い。
うちは、タクミが強いのは実は正解だしなあ。
[鬼さんは、だいぶ力が減衰してるので...(毎度の如く不穏)]
(-107) 2020/06/06(Sat) 23時頃
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/* いいなあ、沙羅殿のモフみ。
[うらやま]
[我もモフにしとこうかと思ったこともありました。
...が、結局自分で自分はモフれない。(]
(-108) 2020/06/06(Sat) 23時頃
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[人の身から見れば、恐ろしいばかりの獣に襲われたばかりだというのに、笑みの気配さえ浮かべる男の様子に>>228鬼はほっと息を吐く。]
我も大事無い。
だが...アレを退けられたのは、其方のおかげだ、タクミ。
[鬼は、静かに首を振りながら、握った手にもう一方の手も重ねて、そう告げた。]
其方が逃げず、怖じけず、我を信じてくれた...その想いが、我の力となった。
我一人では、もう、あの様な術は使えぬ筈だったのにな。
[片角を失ってからは、ずっと力は弱まり続けていた。*]
(231) 2020/06/06(Sat) 23時頃
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[手を重ねて問う声の調子に>>237鬼は一瞬、う、と声を詰まらせ、苦笑交じりに首を振った。]
千年の命を超えた鬼の身を、百歳の命がせいぜいの人の子に案じられるとはな。
そもそも、其方の言い分では、我が力目当てに其方を求めているように聞こえるぞ? 心外極まりないな。
[言うと、男の手を引いて、顔を間近まで寄せる。]
我は其方に会いたかった.....ただ、会いたかったのだ...タクミ。*
(244) 2020/06/07(Sun) 00時頃
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千年を超え、我の元へ現れた人の子は、其方、ただ一人.........
[鬼を隠す結界を、幼な子が超えたのは、鬼の力が弱まっていたためか、それとも、子供の心と鬼の寂しさが重なったためか.........或いは、遠く、鬼を喚んだ人の子の血が、僅かなりと、男の中に混じっていたのかもしれぬ。
だが、理由など今となっては瑣末なこと。]
我を信じ、我の命を案じたのも、其方一人だ、タクミ。
それだけで、我の孤独は満たされる。
(-114) 2020/06/07(Sun) 00時頃
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/* 都合悪くなると、急接近して動揺させてうやむやにするのが手口やね、この鬼。
ど こ で 覚 え た?
(-116) 2020/06/07(Sun) 00時半頃
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