では、手を掴め、そうだ。いくぞ?
[手助けを願う言葉に>>94頷くと、鬼は青年の腕につかまらせ、そのままひょいと、持ち上げる。青年には重機か何かで掴み上げられたような感覚であったかもしれない。]
ああ、大事ないなら、重畳。
其方に怪我でもあれば、兎姫も気に病もう。
[穴を抜けてから向けられた礼には、そう返して、兎姫と知己であるかと問われれば、さて、と考え込む仕草。]
知り合い、とは、言えぬだろうな。我は「ひきこもり」であった故......
[ふと、近づく気配に気付いて>>93鬼は言葉を途切らせる。]
そも、我らのようなモノは、仲良く付き合うと言う事は希だ、兎の姫の事を知りたければ、当人に尋ねるがいいさ。
[言ってから、鬼は身を引き、玉兎の方へと鬼火を送る。]
(97) 2020/06/05(Fri) 01時半頃