人狼議事


267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】

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【人】 少女 A


 例えば。
 病は気からとも言いますし、
 万病は神様の機嫌からとも言いますし
 気の所為とすら揶揄られることは多くあります。
   
 雪化粧の世界の中、共通症状にも乏しい私たちは
 時にそのように云われることもあったでしょう。
   

(1) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

 
「 ─はじめまして。こんにちは。 」
   
 昨日告げた言葉は今日もまた唇になぞられる。
 名前すらもいずれは忘れてしまうのかしら。
 >>0:19雪に埋もれた植物みたいに
 ナニかに消されてしまうのかしら?
   
 気丈な花でも、儚い花でも無いですけれど
 私、微笑うことは出来ますから。
 名前のない貴女にも微笑っていられたのでしょう。
 いつか「せんせい」が連れてきた彼にも、
 貴女にお水を持っていく「せんせい」にも。
 
 変わらず。
   

(2) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

 
 咲き誇る花もやがては枯れ
 空高くにのぼる煙は薄れていく。
 虫の声はいまには遠く、
 あなたに振る手も遠くの日々。
   
  変わらないと思っていた、
  私が愚かだったのでしょうか。
   
  ■ぬはずがないと思っていた、
  私が悪かったのでしょうか?
 

(3) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

 
 私がここに来た頃、元々住み、愛おしみ、
 そして見捨てた町は既に閑散としておりました。
   
 誰かの残した新聞紙が地上を転がり
 景色の端では犬が吠え、
 医者の手にかかれなかった患者が空を見上げていた。
   
 愛おしかった町の隣人、友人、それから....の、
 地べたに口付けた指先から、温度が消えて失せる頃
 ぱらぱらと雨が降っては髪を濡らしていた。
 蛇人間と称された、彼≠フ命が失せる頃には
 鱗の這った肌も煌めかなくなって。
   

(4) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A


 それでも。
 
 同じ人でありながら、
 ■ぬ頃には星になれると思っておりました。
   
 2880段の階段を登って、煙のように、
 天の国へ迎え入れられるのではなくて
 雲さえ飛び越えて、空に飾られる……と。
   

(5) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

   
 ケホ、…ッと、
 白い吐息と共に吐いた咳に、ぽろりと
 星砂が混ざりはじめたのは、この頃。
   
 「 大丈夫ですよ、先生。
   私、痛くも何ともないから。 」
   
 白い羽織に手を掛けて
 私の担当医にそう微笑いかけておりました
 いっとう底冷えする今朝のうち、
 食堂へと向かう途中には、
 冷水に浸したような寒さに凍える指先を擦り合わせて。
   

(6) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

   

 「 おはよう。今日もくもり空ね。
   残念だけど、雪国らしいわ。
   はじめまして、あなたの名前は? 」
   
   
 隈を濃くした目元を弛め、
 いつもと変わらずに告げてから
 私はシルバースプーンを手にしたのです。
   
 あたたかなスープで寒さを凌ごうと
 青いくちびるで食もうとして、
   

(7) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

   
 …… カラン、と 床にスプーンが落ちた
 空虚な音が響いたのは、
 間も無くだったでしょうね。
   

    「  ──── …あれ?  」
   

 私のお気に入りのブラウスにシミが広がって
 弾けた水滴が頬を濡らしておりました。
 湯気立つスープは熱いだろうのに
 このとき、私には全く、温かく感じられなかった。
   

(8) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

   
   
  「 せんせい、せんせい
    大変。こぼしてしまったの。
    ごめんなさい。
    あなた、掛かってはいなかった? 」
   
   
 大きな声で担当医に声かけて
 隣の人の洋服にも目を通して…
   
 私はそのように声を掛けていたはずでした。
 困ったように眉を寄せて
 地べたに転がったスプーンに手を伸ばそうとして。
   

(9) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

   
 不意に。
   
 覗き込んだスープの水面に映っていたのは
 輝く星砂から造られた像のようになって
 そしてそれが、朽ちていく頃のように、
 頬から、眦から、髪から、
 崩れていく私だった。
   

(10) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

   
   
  「 ………せんせい?
    わたし、どうなってるの? 」
   
   

(11) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A

   
 砂時計の砂が、
 急速に無くなっていくみたいだった。
   
 藍色に星を秘した砂が体からあふれて
 コツン、コツン…と床に散らばっていた。
 きっと、あの星のように輝いて
 ひとびとを照らすことはできないけれど
   
   
 私は、夜の大地のひと粒になろうとしていた。
   

(12) 2019/06/10(Mon) 07時半頃

【人】 少女 A


   
  「 あ、あああ……せんせい…
    わたし……─────── 」
   
   
 言葉につづきを聞くことができたのは
 駆け寄ってくるせんせい達でも
 すぐ傍に座っていたあなた達でもなくて、
   
 ────── 先に星になっていた、
 彼≠セったなら 良かったのになあ…
   

(13) 2019/06/10(Mon) 08時頃

【人】 少女 A


     ・・
 砂として生き始めてしまった私の姿を見て
 ざわめくひとも居たでしょう。
 泣く子も、沈黙する子も、逃げ出す子も。
 
 ひと目から遠くで■ぬ子たちはたくさん居るけれど
 こうして、みんなの前で星になったひとを見るのが
 初めてだったひとも、居るかもしれない。
   
 集められた砂は、瓶の中。
 ぱちぱちと輝く星は弾けて
 そしてそのうち、眠るみたいに、身を潜める。*
   

(14) 2019/06/10(Mon) 08時頃

【赤】 少女 A


   
 なりたかったもの
 死ぬとして、死にいくかたち
 
 すべて叶ったはずなのに、あの瞬間、私の胸は
 引き裂かれるように痛かったのです。
   
 傍にいるお友達の顔すら少しずつ欠けていって
 「まるで流れ星のような■にざまね。」って、
 微笑うこともできなかったのです。
   

(*0) 2019/06/10(Mon) 08時頃

【赤】 少女 A


 いつしか身の回りを取り巻いていた

     ・・・・・
 「もう、こんな世界になってしまったから」
 
 渡し舟の片道切符みたいに
 死の免罪符みたいに言われる言葉が
 ぐるぐると渦を巻いていて……、
   

(*1) 2019/06/10(Mon) 08時頃

【赤】 少女 A

   
 ─── 私が成りたかったのは
     ほんとうに、星だったのかしら。
   
 
 『 まだ……まだ
   私、いきていたいのに………… 』
   
   
 ずっと前に見ていた、転がるひとびとの
 ぴくりと一瞬だけ動いた指先のように
 私のくちびるは、あのとき、そう囁いていた。*
   

(*2) 2019/06/10(Mon) 08時頃

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