266 冷たい校舎村7
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[受井アイリ――例の後輩ちゃんに 放課後、会いにいきますって言ってたぜ、と そう伝えると、 受井アイリはあからさまなくらい喜んだ。
――何で柊がすきなの? そう聞いたら、かっこいいから。って言ってた。 ――あいつ君の名前知らなかったぜ、 そう言ったら、これから仲良くなるんです、とのこと。
しまいには、 「いけないですか」と控えめにいわれてしまい 違いますと首を横に振ることになった。
男女の機微はさっぱりわからない。]
(492) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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[後日、別れた、という話を風の噂で聞いた。]
あんなに好きだったのに?
[俺はひどく不思議そうに尋ねたけれど 「何でも知られてたんです」と 後輩ちゃんから要領をえない回答を受け取り、 やっぱり首をかしげる他なくて
男と女って何でくっつくんだろ、と 哲学的な事を蛭野に聞こうとして、 ……5秒考えてやめておいた。]
(493) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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受井から聞いたけど 柊ってエスパーだから振られるの?
[代わりに、世間話の一環として、 柊にそう尋ねたこともあったっけな*]
(494) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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──回想・繁華街──
[ 最初は一緒にご飯を食べよう。と言われた。 7年前に離婚して、話し相手がいないのだと。
断ることはできなかった。
要求は少しずつ、エスカレートしていく。 横を歩く距離が、近付いていく。 人目につかない裏通りで抱き寄せられて "そういう"ホテルで唇を奪われて
それから……それから………──── ]
(495) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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[ 優等生の君が こんなことしてるなんてね ]
[ クラスの子たちに知られたら どんな顔するんだろうね ]
(496) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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[ 気持ち悪い視線を向けられて スマホのシャッターの音がする。
気持ち悪い。吐き気がする。
犯罪だって分かってた。 警察にでも教育委員会にでも簡単に突き出せた。
だれどそれができなかったのは私が 見返りを受けていたから ]
(497) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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[ テストの問題用紙 ]
(498) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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[ 学校という狭い社会で権力を持つ彼は 担当科目以外の問題も入手してきた。
いくら汚されても辱しめを受けても いくら辛くて逃げ出したくても
私は彼がいなければ2番をキープできなかった ]
(499) 2019/06/09(Sun) 17時半頃
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[ 人目は上手に避けていたつもりだったのに その日あの場所ですれ違ったのは クラスメイトの女の子だった ]
── 田所さん、こんばんは。
…………悩みがあって、私がお願いして 先生に相談に乗ってもらっていたの。
[ 魂のない顔で聞かれてもないのに説明をする。
そう言えって用意されていた台詞を 一言一句間違えずに。
隣の男はにやけた顔で、 田所もこんなとこ歩かず早く帰れよ、と言う ]
(500) 2019/06/09(Sun) 18時頃
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[ なんでもないように彼女が去っていくと 一度解かれた腕を再び肩に回されて 私はまた、一本裏の通りに足を向けるのだ。 足は拒むことなく慣れたように角を曲がる。
それより少し前、一度だけ振り向いて 去りゆく彼女を目で追った ]
(501) 2019/06/09(Sun) 18時頃
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「 助けて 」
(502) 2019/06/09(Sun) 18時頃
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[ そんなことを思ってどうするのだろう。
この男と私は 共犯なのに ] **
(503) 2019/06/09(Sun) 18時頃
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/* このクラスかつてなく闇が深いのでは
(-125) 2019/06/09(Sun) 18時頃
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/* >>493 種の存続のためだぞ
(-126) 2019/06/09(Sun) 18時頃
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/* >>430 宇井野くん >>455 養くん
(-127) 2019/06/09(Sun) 18時半頃
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―― 現在/お化け屋敷内部 ――
[養はお化けはいない、と言っていたものの。 明確に足音が響けばぴくりと肩を震わせた。>>417
お化けか、と思って即座にソレを否定する。 足音がするんだから人間だって決めつけて、 振り返ったらやっぱり見知ったひとの姿が見えた]
おぉー。宇井野くんいらっしゃい。 変わったものはね、なかった! 見事なまでに文化祭の時そっくり。
(504) 2019/06/09(Sun) 18時半頃
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[歩み寄られればその身長差は明確になる。>>418 男子バレー部の助っ人に来た時、 彼が溶け込めるようにちょーっと気を利かせたこともあったけれど、 何分お化け屋敷の中にいるからか、 どうしたって文化祭でのことも思い出す]
だからね、文化祭楽しかったし、 ……そういえばあのメールの差出人も、文化祭楽しかったって言ってたよねって考えてたところよ。
……誰なんだろう、差出人。
[メール、と口にした後、 イロハの表情は明確に曇っていた*]
(505) 2019/06/09(Sun) 18時半頃
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―― 回想/文化祭準備中 ――
[去年も使った宣伝看板に、 新しいデザインが描かれていく。>>460 それを手掛ける宇井野の手つきは、 慣れている、ということを如実に言い表していた]
服、ねぇ……。 轟木くんみたいなゾンビ服にする、か……。
[傍らで看板を眺めながらイロハは顎に手を当てて考えた。 イロハの隣の相原はその意見に控えめに異を唱えた。 「廃病院舞台ってこともわかりやすく伝えないと……」と言っていた。
――それもそうだ。 せっかく凝った舞台背景があるんだし。
視線を看板から宇井野に移して、イロハはあっけらかんと口を開いた]
(506) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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……なら宇井野くん、 お医者さんの服を着てみるのがいいんじゃない? 白衣に血糊をぱーってぶち撒けばお化け屋敷の住人っぽくもなるでしょ。
[お医者さんのコスプレ服なら安値で買えそうだが、 宇井野に合うサイズがないのでは……と思ったので、 結局一から作るになるだろう――と頭の中でプランを固めてみた。 採用はされないかもしれないが、考えてみるだけならタダである。
……実際の案がどうなろうと、結局宣伝係の服を作るのも、 イロハたち衣装係の役目にはなったろう。 イロハ独特の役目といえば、あとは、 宣伝に回る宇井野の顔に、不健康そうなメイクを施したことくらい]
(507) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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[男らしい、という額面にそのままはまる宇井野を見て、 ナース服を着せよう、なんて発想が出てくることはなかった。
言えずに飲み込んでしまった声はきこえない。>>0:1018 彼にまつわることできこえたものと言ったら、 隣のコートを使っていた女子バレーボール部の子たちの楽しげな声。 宇井野が男子バレーボール部の助っ人に来た時のことだ。
「背高い」「つよそう」「カッコいい」「顔立ちがなんかワイルド」 ……うん、わかる。実によく分かる]
(508) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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だから、ね。 話題性は出ると思うけど、君にナース服を着せるのは、 さすがに君がかわいそうじゃあないかな、って。 そんな風にさえ思っていたんだ。
(509) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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[――だから、 小道具となる可愛いぬいぐるみにひとりはしゃいでいた時だって、>>430 周りの宇井野や養に同意を求めることはしなかったし]
こんなんばっか? 気になるねぇそのお店。 でもそれなら逆に選ぶのたいへんだったんじゃない? ……店員さんにでも手伝ってもらった?
[なんて結論にあっさり至っていた。 件の人形はイロハの手の内で、 片手だけ挙げられてコンニチハポーズをしていた。 これをビリッってするなんてとんでもない。 小さい頃のイロハだったら、目の前でそうされようものなら、 お人形さんが傷ついたことに大いに泣いただろうけれど、 オトナに近付いてるイロハはちょっと合理的に考えた。物をむやみに壊すのはもったいない]
(510) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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よしっ内装監督の言質いただきましたー! りょーかい!
[とはいえすぐにコドモっぽい面が顔を出す。 いい感じに、とはすなわち、好きにやっていい。>>455 そういう解釈を勝手にするイロハも、やっぱり仕事の世界を知らない。 企画書なんてものは見たことがなくて、せいぜい完成手前のシロモノとか、ボツになった服とかが、 たまーにイロハの手に渡るくらい。
汚れた包帯、どんな風に巻いてみても、 手元のクローバーが隠れてしまうのが気になって。 包帯の上にクローバーのアップリケをつけてしまった。 よく見なければお客さんはおろかクラスの面々も気付かないであろうそれだって、 イロハが今いるお化け屋敷の中のぬいぐるみを、 きちんと彩っていた**]
(511) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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[嘘をつくと、人は口数が増えるらしい。]
(512) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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―回想:伝書鳩の話・その後>>494―
うん、そう。 俺、エスパーなんだよ。
[一瞬の沈黙。 ははっと紫苑は吹き出して 否定するように右手を振った。]
(513) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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……嘘だよ。 この子、こういうの好きかなぁって 何となく分かるでしょ?雰囲気で。
色んな子と お付き合いさせてもらったからね。
[同じような話を振ってきた人はいたけれど、 理由はほぼほぼやっかみなので、 大抵の人はこれで舌打ちして 話を切り上げる。
けれど、養は少し違うらしく、 紫苑も頬杖をついて、世間話を続けることにした。 続けさせられたのかもしれない。 まぁ、どっちでもいい。]
(514) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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分かるものでしょ、普通は。
こういうもの食べたいだろうなぁ、とか ここに行きたいんだろうなぁ、とか このぬいぐるみ好きそうだなぁ、とか。
愛してたら、当たり前じゃないかな。
[嘘。紫苑にだってさっぱり分からない。 何せ、空気が読めない。 相手の考えを察することなんて出来やしない。
だけど、普通は分かるものらしいので、 紫苑は気取って、実感の無い言葉を吐く。]
(515) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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でも、女心は複雑だからね。 振られる理由なんて、 エスパーじゃないから分からないよ。
養くんには分かる?
[ただの世間話だ。 答えを求めている訳じゃないけれど 紫苑はそう問うて、笑った。
それにしても、養って不思議な響きだ。 彼の苗字を呼ぶ度に紫苑はそう思って、 良い名前だなぁ、とそんなことも思う。 別に、言うつもりもない話だけれど、ね。**]
(516) 2019/06/09(Sun) 19時頃
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[悟が落とすであろう呟きを 悟が欲しがったであろう答えを 見なかったふりをして、歩いていった。>>470
「道連れになってやるよ」、だろう。 わかるよ。長いつきあいだから。]
(517) 2019/06/09(Sun) 19時半頃
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[ただ、「困る」の答えが見つからない。>>436 どうしてか、「ここにい ちゃいけない」。 そんな気がして、首を縦に振れなかった。]
(518) 2019/06/09(Sun) 19時半頃
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