263 ― 地球からの手紙 ―
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吾輩は猫である。 名前はある。アーサーという立派な名だ。 吾輩は話し相手を必要をしている。
当方、成人済の雄猫である。妻と娘がいる。 期間限定で文通というものをすることとなった。 他愛のない話でも、お悩み相談でも受け付ける。 猫に興味があったら返信して欲しい。
[とある旧式アプリは、たいぷにゃいたーにもインストールされている。 匿名だと説明があったにも関わらず、堂々と名乗りをあげるメールが投稿された。]
(-9) 2019/04/18(Thu) 12時頃
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[ぽん、と短い文面を書き終え、小さく頷く。 相手が分からぬ者に言葉を送るというのは、不思議な高揚感があるものだ。これは案外楽しいかもしれない。
それならば、と尻尾をぴんと立たせて立ち上がった。 手紙ならばそれなりの封筒も必要だろう。 近所の雑貨屋には気の利いた物も置いてある筈だ。
ぴょんと机から飛び降りると、お気に入りの小さな帽子を頭に乗せて外出することにした。
尻尾で入り口にある「在室」の札を「外出中」へひっくり返す音だけを残し、屋根伝いに雑貨屋を目指す。]*
(17) 2019/04/18(Thu) 12時頃
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/* サンキューネッコ
(-10) 2019/04/18(Thu) 12時頃
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[空を見上げて、小さく息をつきます。 そこにはただただ大きな緑が広がっています。 空にぽっかり浮かんでいる光の玉は 「太陽」という名前だということを ふーさんは少女たちに教えてくれました。
少女たちより倍くらい背丈のあるその人のこと 姿かたちのすこしだけちがう、ふーさんのこと。 疑問に思う仲間たちも昔はいたそうです でもいまは、そうは思いません。 だって、ふーさんは、ふーさんですから。 ]
(18) 2019/04/18(Thu) 18時頃
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[出したお手紙は誰かに届いたのでしょうか。 ぶらぶらと足を揺らしながら空を見上げます。 何かが届く気配はありません。 いつもと変わらない、少女たちの、空。
大きな大きな世界の中の 少女の住むちいさなちいさなちいさな世界。
「ここは平和だね。」 ふーさんが噛みしめるようにそう言いました]**
(19) 2019/04/18(Thu) 18時頃
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[散歩から戻れば、通いの家政婦は、お手紙が届いてますよとテーブルの上を指差した。
青と緑の封筒や、小花とレースの封筒、白い封筒などは確かに手紙だろうが。 やけに小さく畳まれた紙も、手紙と言えるのだろうか。
首を傾げるイワノフに、家政婦は言う。 旦那さん、犬を飼いましたか、と。]
犬? いいや、ペットは飼ってないよ。
[オレンジの妙な犬っころがうろうろしてんたんですよ、野良が入って来てたのかしら、と彼女は言った。 街の中に野良犬なんて珍しいなと思いながら、手紙の差出人を眺め、破顔した。]
(20) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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おや、領主殿からだ。
[懐かしいとその場でペーパーナイフも使わずに手紙を開封する。 読みながら、二階に向かう。
ご飯は作っておきましたから、と言う家政婦には肩越し、有り難うと手を振った。]
(21) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[妻の部屋で、机に向かい、手紙を改めて読む。
厚手の便箋を撫でてその質感を楽しんだ。陸では――特に水辺が遠いここでは珍しい素材の便箋。 なるほど、手紙はこういう所でも楽しむものなのか。
妻との旅行で訪ねた際、水の民でもない自分たちを丁寧にもてなしてくれた領主殿の姿を思い出す。
水辺生まれの妻は大はしゃぎで、イワノフが勘弁してくれと言うまで遊びとおした。
あぁ、本当に、水の底の国が懐かしい。
小さく微笑んで、次の手紙を開封する。]
(22) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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おや。
[ひらりと封筒から何かが落ちた。 緑色の葉が一枚。一瞬作り物かと思ったほどの濃い緑だ。 掌に乗せて、つやつやとしたその色を眺める。この辺りでは一度も見た事のない植物。
葉を片手に、そのまま手紙を読んだ。
知らぬ誰かからの手紙。 こういうのが流行っているのだろうか。]
ふむ。
[ひとつ頷いて天井を見上げ、自分の住む土地を思う。 宇宙へ行く空港に隣接した、灰色の建物が並ぶ都市。居住区は多少緑があるものの、人工的に繁殖されたものが全てだ。
こう説明はできるが味気がない。もっと分かりやすく伝えられないものか。
やがて名案が思いついた。妻の遺した便箋と一緒にアレが入っていた。アレならば良い説明になるだろう。]
(23) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[残りの二通。可愛らしい手紙の可愛らしい文字の、そして可愛らしい内容に思わず微笑んだ。 名乗りも実に可愛らしい。
早く大人になりたいと思う事はあっただろうかと、ふと自分の過去を思う。
幼い頃に宇宙船の乗組員になると決めてから、大人になるのはそのための手段でしかなかった。
恋の話は――]
難しいなぁ。
[この歳になっても、恋について話せと言われたら口ごもる。]
(24) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[最後の一通、小さく折り畳まれた紙。あちらこちらが黒く塗り潰されたメモ帳。見知らぬ誰かの文字。
先ほどの二通も何処から来たかと不思議に思ったが、これはさらに不思議だ。 手紙ではなく何処かから紛れ込んできたものなのだろうか。
一瞬見失いかけた隅っこに、問い掛けを見つけ――]
うん。
[返事を書こうと決めた。]
(25) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[妻の名前はエリザと言って、海辺の療養所の世話役だった。
幼い頃からの憧れの職業。大型宇宙船の乗組員となったイワノフは、たった数年でクビになった。立ち寄った星で貰った風土病で働けなくなったのだ。
病気にいいからと水辺に来たものの、ただふて腐れて毎日を過ごした。 そのイワノフを献身的に――]
……少々乱暴だったが、まぁ、あれも献身的でいいのか。
[昼まで寝ていたイワノフを叩き起こし、水辺に連れて行って散歩をさせ、宇宙の話を強請った。趣味は手芸で、実際器用だったが、それを知ったのはだいぶ後だった。
鬱陶しいが第一印象で、第二印象はよく笑う女だな、だった。 第三印象辺りからはよく覚えてない。
やがて彼女の声が聞こえないと物足りなさを覚え、傍にいるのが当たり前になって、病が癒えて仕事も得、都市に戻るのが決まった頃、求婚していた。
宇宙に行くのばかりを話す男を、彼女がどうして選んでくれたのかは分からない。]
(26) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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/* 艇長大人気だった
(-11) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[妻の事を思い返す。
恋と言われれば迷う。 妻に対する感情が、恋だったのか、いまだ、分からない。
便箋を見詰めながら、じっと考えた。]
(27) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[白い便箋、同じく白い封筒。 ブルーブラックのインクの中、所々、きらりと星のように光る部分がある。]
名も知らぬ貴方へ。
恋をした事があるかの問いに、私なりに考えてみた。 私は既婚者で、妻とは恋愛結婚に属される出会いをした。 が、思い返してみたが、妻と出会い、結婚を申し込むまで、恋をしたと自信が持てない。
ただ彼女の声がいつも聞きたくて、彼女の姿が傍にいて欲しくて。ずっとそうであるように、求婚したのだ。
妻は数年前に病気で私の元からいなくなった。 彼女はもうこの世の何処にもいないが、結婚前の願いは少しも変わっていない。可能ならば声が聞きたくて、傍にいて欲しい。あの笑顔にもう一度会いたい。
この思いは恋と言って良いのかもしれない、と、今、少し思っている。
何十年も生きているが、本当は、自信がないんだ。妻を恋しいとは、思っているよ。
(-12) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[宛先をどう書こうか迷い、何も書かずに己の署名だけを行い、封をした。
この封筒がどうやって届くか分からないが、そっと机の端に置いておく。]
(-13) 2019/04/18(Thu) 18時半頃
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[白い封筒と揃いの便箋。夜空を思わせるブルーブラックのインク。無骨な男性の文字が、手紙には綴られている。]
ショコラ殿。
初めまして、私はイワノフ・アークと言う。お手紙を有り難う。
恋と言うのならば、ずっと昔から私は宇宙に恋をしていた。宇宙に行きたくて、宇宙船の乗組員になったんだ。 貴方の望む恋の話とはまた違うだろうが、恋の形は人それぞれだと思う。 お姉さんの恋は、甘くて苦くて切ないものなのだろう。 貴方の恋は、そうとは限らない。 私の宇宙への恋は、そうだね、熱いものだったよ。決して向こうからやってきてくれない片思いだったからね。こっちが必死にならなければ、ちっとも進まない。
恋は放っておいても落ちるものだ。 そのうち、貴方が夢中になれるものに、出会えるだろう。
追伸。 大人の私から言えば、どうか若い時代を楽しんで、ゆっくり大人になって欲しい。心が大人になるのは難しいが、放っておいても肉体は大人になってしまうんだ。大人になれと周りが要求してくる時がくるんだ。 それまで今の貴方を楽しんで欲しい。
(-14) 2019/04/18(Thu) 19時頃
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[妻の話を書こうかと迷ったが、結局、宇宙の話を書いてしまった手紙を眺める。
妻への思いが恋なのか、まだ自信がないのだ。 宇宙への思いは、ほぼ恋と言っていいだろうとは、思う。]
(-15) 2019/04/18(Thu) 19時頃
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[私の話は、私が何者かを追う壮大なサスペンスではない。 なぜなら、そのことについては、私がメモを頼りに辿り着いた建物の主が、 あっさり話してくれたからだ。 にわかには信じられない話だったし、 あれから一週間が経った今でも実感が持てずにいる。
私が、この家の主の妻で、 交通事故により何年も昏睡状態に陥っていた、だなんて。
彼が私を指して読んでいた「ヘザー」という名前だけだった。 唯一、私のものだ、という実感が湧いたのは]
(28) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[夫だという人は私を目覚めさせるために、 この地球の、私達のいる街より遠いところの医療技術を頼った。 おかげで目覚めることはできたが、この家に帰る途中でなぜか記憶喪失になってしまった。 そう説明づけるのが一番しっくりくる、と彼は言っていた。
何度か携帯端末とにらみ合いした末にお目当ての人と連絡を取ることに成功した後、 彼は、機械の不具合がどうとか、準備さえ整えば今度こそ――などと、 早口で説明してくれていた。 つまり私の記憶が戻る可能性はあるらしい、が、 それは果たして喜ばしいことなのだろうか? 私にとって。 現状、それが一番の謎であった。私にとっての]
(29) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[もちろん何かのはずみで記憶が戻ることが最も望ましい、と。 彼は色々な写真の入ったアルバムや、 私が書いていた日記などを用意してくれた。見れば何か思い出すかもしれない、と。
私の知らない私はどうやら非常にまめな人だったらしい。 毎日欠かさず手書きの日記をつけていたし、 世話になったひとの連絡先を連ねたアドレス帳もまた、手書きで記していた。
私はペンを手に取り、日記の筆跡を真似て、日記の文と同じ字を書いた。 私の部屋だという場所の引き出しの中にあった、 少し色あせたレターセットの便箋を拝借して、字の練習をした。 元の文ほど綺麗には書けなかったが、ちゃんと読める字が書けた。 私を目覚めさせるのに使われた機械の効果なのか、 それとも、私が知らないだけで、まめにリハビリを行っていたからなのか]
(30) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[いずれにせよ、これなら。 先日届けられた手紙に返事をすることに苦労はしなさそうだ。
真新しい便箋、真新しいインクを入れた万年筆、古い日記帳。 返事を書くために用意したのはそのみっつだ。 今の私はこの一週間の思い出しか持たないから、 それより前の思い出を、日記帳を頼りに記していく。
全く不思議なものだ、 買い物や、炊事洗濯、そういうことは字を書くことと同じように困らずできているというのに、 自分が何者かだけが思い出せないなんて――]
(31) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[上の方に、色とりどりの花でつくられたレースの絵が描かれた、 薄桃色の封筒に、黒いインクで文字が書かれている]
拝啓 お手紙、ありがとうございます。
まずは名前がわからないのも不便ですし名乗りましょうか。 わたしは、ヘザー。物書きをやっているユリシーズの妻です。
しかし、今のわたしは過去の記憶を持ちません。 貴方の妻――エリザさんのことについても、わたしが過去に書いたらしい日記には仔細に記されていますが、彼女のことについて思い出すことはできていません。
つまりこれは、日記を読んだ今のわたしの私見となってしまいますが―― エリザさんはとても素敵な方でいらっしゃったようです。 よく笑う女性、と、確かに書かれていましたし、マフラーを手で編むやり方も懇切丁寧に教えてくれたそうです。
(-16) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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もしも会えたなら、今のわたしとも良き友人になってくれたのでしょうが。 文脈から察するに亡くなっているのですよね。 残念でなりません。
わたしから話せるのはこのくらいですが。 いくらかお役に立てたのならば幸いです。
ヘザー・ジール
(-17) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[手紙を書きながら私は、私の部屋だという場所にある、 編みかけのマフラーのことを思い出していた。 日記には、マフラーを編み始めたという記述はあるが、 編み終えたという記述はなかった。 つまりは編み終えることなく件の事故に巻き込まれたということで……、
それはさておいて。 今の私は編み物の仕方を覚えているのか。 そのことには少しだけ興味が湧いた。 さりとて編みかけのものに手を付けることは憚られたから、 書いた手紙を出しに外に出るついでに新しい毛糸も買うことにした。 糸の色はせっかくだから、黒と見まごうような深い深い青、にしようか]
(32) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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/* なおここまでが前半戦である
イワノフさんのところめっちゃきてるね
(-18) 2019/04/18(Thu) 19時半頃
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[真っ白な封筒と真っ白な便箋。夜空のようなブルーブラックのインクの文字。]
ミタシュ殿。
初めまして。私はイワノフ・アークと言う。 お手紙有り難う。同封されていた葉は、貴方の森のものなのだろうか。見た事の無い種類のものだ。
私は、宇宙船用の空港が隣接した都市に住んでいる。 同じ形の灰色の建物ばかりだ。 イメージして貰うに丁度良いものを同封する。 私の住む都市の絵葉書だ。 植物は殆ど無い。建物の間に緑が見えるだろうか。それぐらいなんだ。 森は仕事で立ち寄った先でしかもうずっと見てないな。
(-19) 2019/04/18(Thu) 20時頃
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私の仕事は、小型宇宙船の船長だ。船の規模から艇長と呼ぶのが正しいのだがね。 地球以外の星へ、荷物や、たまに人を運ぶ。短くて数日、長ければ数ヶ月、宇宙を飛ぶ。 色んな星に立ち寄った。 地面が石だらけで、住人は燃える炎のような星。 気体からできてた星で、住人も気体で、惑星に隣接したステーションで交流をした星。 地球とそっくりな、けれども誰もいない星。 言葉が無く、代わりに音楽で対話をする星。
この地球もいろんな人がいるけれども、宇宙はもっともっと面白い人たちがたくさんいる。そういう場所に行く仕事を、私はしているんだ。
私はこの仕事を気に入っているよ。 素敵な仕事だと、思っている。
(-20) 2019/04/18(Thu) 20時頃
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[同封された絵葉書には、一定の高さで揃えられたような灰色のビル。そのビルの向こう、真っ白な月とそれの横を飛ぶ宇宙船が映し出されている。
緑はイワノフの言葉の通り、ビルとビルの間に僅かにあるのみ。
都市全体の色調は抑えられているが、その分、空の蒼さが引き立っている。]
(-21) 2019/04/18(Thu) 20時頃
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う〜ん……
[お目当ての通知は、残念ながら翌日には無かった ベッドの上、通学途中、学校で何度確認しても。
まだ届いてはいないのか、届いたが返信は貰えなかったか はたまたやはり誰もこんなものを使っていないのか。 それすら分からないというのはやはり不便なものだ このアプリが流行ってない理由が分かった気がした。
授業中、幾度目かの端末の確認の後 少年は苦い表情を浮かべそんな思考を巡らせる。
その顔には不似合いの爽やかな風が、カーテンを揺らす。 窓際最後尾の特等席は彼のお気に入りだった 教師の目をある程度遠ざけてくれ、自由が生まれる。]
(33) 2019/04/18(Thu) 20時半頃
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