人狼議事


252 Aの落日

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【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 赤い、赤い、指の先。]
 

(2) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ こんな日くらいいいじゃない。と、
 私の手を取ったのは、昨夜の姉であった。

 ネイリストを生業とする姉により、
 日頃から丁寧に磨かれた桜色に、
 上塗りされてゆく、深く、濃い、赤色。

 季節感、と姉が言ったわりに、
 その日は残暑を感じるほどの快晴であったが、
 派手だと思ったその色に、然程違和感はなかった。

 はみ出しも塗り残しもなく、
 つるりとした光沢に覆われた深い赤。
 その様を見守っていた妹が言う。]
 

(3) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


 「 魔女みたい 」
 

(4) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ

──現在/3年A組──

[ ぱらぱらと、台本を捲っていた。

 最後に確認することなぞないが、
 もとより舞台には立つことのない身。

 衣装を合わせたり、メイクをしたりと、
 忙しそうな役者たちと異なり、

 機材や段取りの最終確認をしたりと、
 忙しそうな裏方の担当者と異なり、

 仕事を終えた身として、
 過去の自分が綴った文字列を眺める。]
 

(5) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 役者陣のセリフの確認などを多少手伝い、
 すぐに戻ると言って、教室を抜け出した。

 足を向けたのは、当然のように部室であり、
 昨日かけた鍵を、また自分の手で開く。]
 

(6) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


           『 高校生白書 』
 

(7) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ

──現在/文芸部室──

[ そう印字されただけの白い表紙。
 お粗末な装丁、素人製本のその冊子は、
 ほんの十冊ばかり、机の上に積まれている。

 先日のインタビューでは、
 今年は部誌を出さないと明言した。
 だから、例年以上に来客は少ないだろう。

 事実、部誌の名を冠することのないそれは、
 同じく、作者の名をどこかに記すこともなく。

 昨日出ていった際と同じ様子の室内。
 それを確認し、ぱらぱらとその頁を捲る。]
 

(8) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 高校生白書。と題されたそれは、
 短編集の形を取ったごく短い群像劇。

 章毎に存在する主人公の持つ、
 各々の思惑が、思いがけぬ形で交錯し、
 登場人物の知らぬ内に、収束へ向かう。

 ──のではなく、
 銘々のささやかな利己心が、
 諦念が、嫉妬が、驕りが、……悪意が、
 登場人物の知らぬ内に交錯し、
 ドミノ倒しのように、彼らの足元を崩していく。

 ただ、少しずつ、少しずつ、
 絡めとられ、呼吸を奪われていく者の、
 ほんのささやかな悪意にまつわる物語。]
 

(9) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 群像劇において、
 物語の全貌を把握できるのは、
 基本的に、作者と読者のみとなり、
 それを人々は、神の視点と呼んだ。]
 

(10) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ A、B、Cと振り分けられた、
 投げやりな識別記号を持つ登場人物。

 巻末に、ほんの小さな文字で記された一文。
 『取材へのご協力、誠にありがとうございました』
 それは、即ちこの部屋の持つ意義であり、

 名さえ明かされず、その背景こそ、
 悪意を以て装飾、脚色されているものの、
 見るものが──、当人が、当事者が読めば分かる。
 当人、或いは当事者だけが、きっと分かる。]
 

(11) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 恋と友情の板挟みに酔う女も、
 万引き行為に中毒めいた執着を持つ男も、
 部活の顧問からのセクハラに悩む部員も、
 それを受け入れ、レギュラーの座についた部員も、
 教員への盲目的な恋に傾倒する生徒も、
 誰にでもヤらせてくれるらしい少女Aも、

 私の選んだ、とっておきの患者たち。
 私の欲を満たす、病気の子どもたち。
 取材へのご協力、誠にありがとうございました。]
 

(12) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ あなた達の人生なんて、私にとっては娯楽に過ぎない。]
 

(13) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ これもまた、病的な何かを脳に住まわせた、
 優等生の思い付き。御粗末な検証に過ぎない。

 この行いが、何を呼ぶのか。何も呼ばないのか。
 これを知ったとして、彼女らはどんな顔をするのか。
 ただ、赴くまま。行き着く先が、破滅だとしても。
 あと半年続く生活には、もう飽き飽きしているのだ。

 只管に、他人の日常の一片に耳を傾けるのも、
 はじめは愉快であったが、もうそれでは満たされない。

 校舎の片隅。ひっそりと、宣伝もせず、
 ただ、例年通りに装いだけはあつらえた文芸部室。
 この不愛想な冊子を、手に取る者がいるのか、否か。

 ただ、この脳の片隅に飼った悪意の赴くままに。]
 

(14) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ みんな、病気だ。当然、私も。]
 

(15) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 満足げに、巻末の一文をなぞる赤い爪。]
 

(16) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ どうして、あなた達は、そうも容易く、
 他人に自分の話をしてしまうのだろう。

 どうして、当然のように親切にしてもらえると、
 無邪気に信じてしまうのだろう。人は悪意を抱くのに。]
 

(17) 2018/10/15(Mon) 00時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 誰かがこの本を手に取るならば、
 その顔を拝みたいと思い、鍵をかけようとして、
 また、小さな思い付きでそれをやめた。

 代わりに、扉に張り紙をする。

 『 XX時まで不在 』

 クラスの演劇が終われば、この部屋に居座るつもりで、
 張り紙だけして、鍵のかかっていないドアを閉め、
 黒江仄日は、再びクラスメートの元へと向かう。**]
 

(18) 2018/10/15(Mon) 00時頃

明仄∴暁星 クロエは、メモを貼った。

2018/10/15(Mon) 00時頃


【人】 明仄∴暁星 クロエ

──朝/3年A組──

[ ネイルしてる。
 かけられた声>>27は案の定で、
 私はにこりと微笑みだけを返した。

 舞台用のメイクを施した顔は、
 確かにどうして常とは異なって見え、]

 友村さんは器用ね。

[ 日頃と異なるメイクをするということに、
 さほど苦労もしていなさそうな素ぶりに、
 ただ、簡単な感想を述べた。

 舞台に立つための、顔立ちや表情を誇張したようなそれ。
 感心した風に告げて、また台本を捲った。**]
 

(58) 2018/10/15(Mon) 16時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ

──回想/各務公陽>>19──

[ どうぞ、と着席を促したが、
 各務公陽は我が物顔で棚の前に立った>>19

 部誌を手に取る様子を、
 自分の定位置に座ったまま眺め、
 彼が席に着くまでを待っていた。

 先に話すか、後に話すか。
 選択肢くらいは与えるつもりであったのに、
 何を思ったのか、開かれた口>>20からは、
 覚えのある文節がこぼれ落ち、]
 

(114) 2018/10/15(Mon) 21時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


 ……そのまま音読を続けて、
 感想をくれても構わないけれど、
 つまらないわよ、それ。

[ そこにあるのは羞恥でもなく、
 馬鹿じゃないか、という思いであり、
 黒江仄日は、つまらないものを見る目で、
 目の前に座る男の所作をじっと見つめた。

 昨年度。まだ先輩がいた頃。
 文芸部が文芸部として活動をしていた頃。

 新聞部に、毒にも薬にもならぬ物語を、
 粛々と提出し続けたのと同じく、
 そこに綴られているのなんて、
 大きな批判も絶賛もまず得ない物語。]
 

(115) 2018/10/15(Mon) 21時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 優等生然とした文章を、
 読み続けるならばそれでいい。と、
 紅茶を飲み、それから億劫そうに言う。]

 先に話すのが嫌なら、そう言えば?

[ とはいえ、名とクラスはもう告げた。
 知りたいと言われても、何を? という話で、]

 自分が知りたいことがあるなら、
 自分で質問をしてくれれば助かるんだけど。

[ ほんの薄い微笑みを浮かべ、
 手持ち無沙汰に紙コップを揺らした。**]
 

(116) 2018/10/15(Mon) 21時頃

明仄∴暁星 クロエは、メモを貼った。

2018/10/15(Mon) 21時頃


明仄∴暁星 クロエは、メモを貼った。

2018/10/15(Mon) 22時頃


【人】 明仄∴暁星 クロエ

──吹奏楽部公演──

[ いつか、黒江仄日は短く、
 「応援している」と告げた。

 クラス準備はつつがなく進み、
 私のするべきことはなかった。

 ならば、と私は体育館へと足を運び、
 吹奏楽部が毎年行う公演を聞いていた。

 客席の後方で、腕を組み、
 表情を取り繕うこともせずに、
 ただ、じっとどこか懐かしい空気に浸り、]
 

(163) 2018/10/15(Mon) 22時半頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ ポケットの中、スマートフォンが震えた。]
 

(164) 2018/10/15(Mon) 22時半頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ どこかのパートのソロか、見せ場か、
 そういった類のものが終わった時だった。

 気を取られ視線を逸らした一瞬に、
 ステージ向け、拍手が起こり始めた。

 ふと、視線を再度ステージに向け、
 そこにクラスメートの姿>>129を見た。

 人が足りない。と彼女が嘆き、
 人集めに駆け回った末の演奏は、
 見事に調和した音律を奏でているようにも思う。]
 

(165) 2018/10/15(Mon) 22時半頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ そこまでを聞いて、席を立った。

 まだ続く演奏よりも、
 スマートフォンの通知が私の気を引いた。

 体育館の外に立ち、
 出入口の脇に避けて、端末を取り出す。

 もう少ししたら、ステージ脇に向かおうか。
 本番の劇を、私はそこから見る予定をしており、
 他に特別見に行きたい場所もないのなら、
 それは程よいタイミングであるようにも思える。

 赤い通知は一件の未読を示す。
 赤い爪で画面を弾き、差出人の名に思ったのは、
 昨日のデータに何か不具合でもあったか。
 という、事務的な内容であった。メールを開く。]
 

(166) 2018/10/15(Mon) 22時半頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


─────────────────
To 万年青 常彦
From 黒江 仄日
─────────────────

 感想は?

─────────────────
 

(167) 2018/10/15(Mon) 22時半頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ ──それは、思いがけない知らせ。

 ごく短い一語が何を意味するか、
 黒江仄日は瞬時に理解した。

 紅茶を出すと言ったのに、とも思い、
 直線に点と点を結んでいた口角が、
 自然と持ち上がるのを、スマートフォンで隠した。

 あれを読んで、何が起こるか。起こらないか。
 それを想像するときの高揚感とはまた別、
 純粋に、返ってくる言葉を楽しみにしている。

 期待している。ということに、黒江仄日は気が付く。]
 

(168) 2018/10/15(Mon) 22時半頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 恐らく、同類であれば良いと思っている。]
 

(169) 2018/10/15(Mon) 23時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ 何一つ共感できない人間どものねぐら。]
 

(172) 2018/10/15(Mon) 23時頃

【人】 明仄∴暁星 クロエ


[ こちらからも、ごく短い文字を送り、
 体育館脇でギリギリまで練習をする、
 と言っていた一部のクラスメートの元へ、
 軽やかな足取りで、その場を後にした。*]
 

(173) 2018/10/15(Mon) 23時頃

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