……! 美味しい
[林檎パイの一片をフォークで刺して口へと運べば、
程良い酸味のある甘い果汁が溢れて口内を満たした。
表面のパイはサクサクと、
底面のパイはしっとり柔らかになっていて
柔らかく煮詰められた林檎と合わさり、
素晴らしいТрио──三重奏を織り成している。
亡き祖母の作る林檎パイが世界一だと思っていた。
その上をゆこうとするようなパイが存在するなんて。
一口一口を大切に噛みしめながら
他の参加者らしい面々へと視線をやれば、
白い羽織物の美女がこちらを指差すのが目に入った。>>80
傍らでお酒を嗜んでいる気さくな雰囲気の美女もまた
こちらを見て、主役がどうとか話している。>>83
成程、示されているのは私の話し相手の美少女ね。
貴女が主役さん? そう、追加で尋ねてみましょうか。]
(85) 2020/09/20(Sun) 22時半頃