─ 川傍 ─
[ゆるりと歩を進める間、景色は僅かな変遷を辿る。
先程までいた場所はいくらか拓けていたが、川に沿い歩けば周囲に木々が増えていった。
その景色でも変わらぬのは、導《しるべ》のように咲き誇る、光を宿した黄昏草。
柔らかな光の傍ら、刹那的な光が幾度も輝く。
好奇心旺盛な付喪神の眷属、虎目石の精が光に誘われるように黄昏草の傍で舞っていた]
儂との縁を得た一因ではあろう。
[護り石について>>156は、そんな風に言って笑う。
だが祈願が込められた護り石は数あれど、その全てが縁となるわけではない。
買い手が石を選ぶように、石《眷属》が選び縁を結んだのだ。
それもまた運命と言えよう]
人の子からすればそのようなものか。
[神についての話は、感覚の違いだろうの、とのどかの意見を受け入れた]
(174) 2020/06/03(Wed) 22時半頃