266 冷たい校舎村7
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[□■から目を背けられない。]
(158) 2019/06/05(Wed) 13時半頃
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[けらけらと高本が笑っているので、 俺も雪に喜ぶ子犬のように笑っていた。 そう、俺たちはまだ18歳。 煙草も酒も合法じゃないガキです。
けれども、たまに高本の目は 俺に語りかけてくることがある。 「いいなあ」って。>>148
何がいいのか、さっぱりわからないし あいつが何を羨んでるのかわからないから 俺は青空みたいな笑い声をあげるだけだ。
陽に焼けるアスファルトやマンホールの蓋の上を駆け抜けて 街路樹がピアノを弾く指のように揺れていて それによじ登っては蝉に小便をかけられた。
ジャングルジムがとびきりのお城のように見えていた あの頃と、おんなじように笑っていた。]
(159) 2019/06/05(Wed) 13時半頃
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悟も俺と同じバカになれば? そしたら引かねえよ。風邪。
[いたのだけれども、 ふと、口に出した話題によって 俺たちの世界は子供の国から、 真冬の通学路に戻ってきてしまう。
ああ、しくじったかなと俺は思うけれど それを顔に出さないまま、微笑んでいた。
ルーチンワークみたいな笑顔は 数コンマの時間を置いて、 まだ、嫌いじゃない、と思える。]
(160) 2019/06/05(Wed) 13時半頃
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行かないだろうけどさ。 同じ大学なんて。
なんだよ、寂しがっちゃいけないのか? 寂しいと思うよ。お前だけじゃなくて、ほかのやつも。 やっぱり、長く付き合ってきたじゃん。 みーずーくーせーぇー
[寂しくないよ、とは言わない。 俺はおどけたまま、文句を垂れ流し、 投げ放たれた皮肉に目を丸くした。
異常気象といい、高本の様子といい、 今日の神様は俺に「いつもどおり」を 守らせてくれないらしい。]
(161) 2019/06/05(Wed) 13時半頃
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は?
[と、俺は阿呆面で一瞬そう言って、 それから、おいおい、と肩をすくめた。]
(162) 2019/06/05(Wed) 13時半頃
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なんだよ。悩んでんの? 俺に話してみなさいよ。スッキリするかもしれないわよ。 彼女がいないとかそういう話ならぶん殴るけど
[高本が一時期副委員長と良い仲だったのは知っている。 それ以降の事は、 なんだか関係が冷えた事くらいしか知らないが。
俺は冗談めかして、どうしたどうした、と 高本の周りを歩き回り 瞳を覗き込んでみたりする。]
(163) 2019/06/05(Wed) 13時半頃
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[馬鹿でいてほしいのはお前の方だろ、っていつも思ってる。 思ってるけど、大体言わない。**]
(164) 2019/06/05(Wed) 13時半頃
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──回想:役割分担>>104──
[ 拍手を求められたので、従いました。
多数決でよって平等な決定が下されたときだ。 特別やりたいこともなかった僕自身が、 どの選択肢に票を投じたかは記憶にないけれど。
このクラスのいいところは、 こうして話がつつがなく進むところにある。 ……それだけ。というわけじゃないけれど、 進行役の手腕ですね。という気持ちで前を向く。]
(165) 2019/06/05(Wed) 14時頃
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[ 自分に向けられた視線>>105が、 やや驚きの色を含んでいたことに僕は面食らい、 けれど、数秒後にはそれに納得した。
確かに、意外といえば意外だろう。 僕が特別何かをやりたがることなど滅多となく、 余りもので何が回ってきたって構わないから、 最後の空欄を埋めるのが常だったのだし。
「なぜ」と問われるかと思い、 僕は黙って笑顔を浮かべて高本悟を見た。
にこやかにしているのは良いことだ。 不機嫌にしているとそれだけで、 一体どうしてだとか問いただされるけれど、 人は笑顔に勝手に理由を見出してくれるから。 自分の行動すべての理由を説明するのは、 僕にはどうにも難しいことなのだ。]
(166) 2019/06/05(Wed) 14時頃
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[ ──とはいえ、聡明な委員長が、 僕を不要な質問に晒すなんてことはなく、
かけられた肯定的な言葉>>106にも、 僕は相変わらず微笑んでいた。静かに。
確認をするように続けられた声>>107にも、 小さく頷いて、肯定を返す。]
……うん。姉の、使ってない道具が。
[ もっとも、家族構成としての姉だけじゃなく、 5つ年上の僕の姉を知っている人なら、 その言葉に覚えるのは安心じゃなかったろうけど。
姉は小学校から高校までずっと、 ゾンビと指をさされる嫌われ者だったし。]
(167) 2019/06/05(Wed) 14時頃
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[ 近所の人なら、今の姉の状況──、 就業しておらず、何かを学ぶでもなく、 つまり、現代日本に70万人ほどいるらしい、 NEETのひとりであるということだけれど、 それを知る機会だってあっただろうから。
そのことも、笑みでごまかせればいい。 と思い、僕はやはり自分の席で微笑んでいた。 それにしても、今のはフォローなのだろう。 高本悟の気遣いは手厚い。誰にも平等に。]
(168) 2019/06/05(Wed) 14時頃
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[ 優秀な誰かが、やや劣る誰かを、 異世界の住民のように見ていた>>146とき、
僕もまた、自分とまるで違う生き物じみた人を、 別世界を覗き見るような目で見ていたのだろうけど、
彼との違いは、僕が思うに、おそらく、 異物は自分のほうであるという自覚のみにある。**]
(169) 2019/06/05(Wed) 14時頃
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/* ふんふん。 携帯とぱそこん、一行で表示される文字数一緒になったのか! 設定のせいかも知らんけど、らっきぃ。 やったぜ。
(-35) 2019/06/05(Wed) 18時頃
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/* ふーたくんにふっかけようとおもうけど、どうしよ…… ごはん。あのね、パンあげてもいいんだけど、でもでもでも。えーん。 せっかくわっか作ってひっかかるの待ってるのに、ふたつとも同じPCが引っかかるのは悲しいよね?!? ぱんは、ぱんはね、ほしいっていわれたらあげよ。 廃棄のぱん。えへ。
(-36) 2019/06/05(Wed) 18時頃
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―― 現在/通学路 ――
うわーとってもべんりー。
[雪をも防ぐレインコートについて、>>84 べんりー、と思わず棒読み口調で意見を述べてしまったが致し方ない。 こうやって有用性について語られるのを聞くのは初めてじゃあないからだ。 ただ、時がいくら経とうと、イロハはあっけなく有用性より格好良さの方を取る手合いだ。 ゆえに追撃するようにくすり、と笑ってから肩をすくめた。
雪は傘を伝って雫となって降り落ち、イロハの肩掛け鞄にもやや、かかっている。 こんな風にビニールかぶったお化けみたいな格好になっちゃわないレインコートがあるなら、 あたしだって……、とはふと思うが、ないものねだりしていてもしかたないわけで]
(170) 2019/06/05(Wed) 18時頃
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[ ビニール傘の下、白い息。 視界はどう捉えようと良好とは言えない。 こんな大雪、生きてて初めてだ。 積もった雪を踏みしめながら、通学路を往く。
スカートの丈は膝丈。重たげなコート。 靴下とスカートの間や、ワイシャツの隙間から、 容赦なく寒さは滑り込んでくる。 早く暖をとろう、と足取りを早くしようとしても、 歩きなれない雪道では思ったよりもなかなか進まない。
心の中で舌打ちを打つ。 寒いし、だるいし、何もいいことない。 ]
(171) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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[ 心を込めて、読経しないから。 ]
(172) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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[ 空耳のように聞こえてきた言葉を振り払うよう、 ローファーの先を見詰めながら往き慣れた道を進む。 十字路で信号待ちをしていれば、クラスメイトの姿。 青信号でこちらへと渡ってくるその人>>45に、 軽く手を挙げて挨拶を。 ]
おはよ。 雪、積もってる。
[ 傘もささず、防寒といえばマフラーだけ。 家からそのままで来たの?という表情は隠さない。 逡巡した後に、ビニール傘を掲げて見せた。 コンビニで買った傘はそれなりに大きい。 ]*
(173) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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──文化祭の準備──
[ 文化祭といえば、そこに力を注ぐ者 面倒くさいと関わることを避ける者 流されるままに関わる者
程度はあれど分かりやすくタイプが分かれる行事。
「お化け屋敷がいいと思うんだよね」
クラスの1人が声をあげた時>>11 私は悪くないなと思った ]
(174) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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[ 楽そうに見える展示は面倒くさがる人が増えるし 調べたり纏めたりが意外と面倒。
演劇は本気でやらないとスベるだけだし 誰もやりたがらない役に クジで決まりでもすれば大変だ。
飲食系は物によるけど衛星管理が大変。 万が一食中毒でも起こせば大問題だ。 ]
(175) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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[ その点お化け屋敷はいい。 特別面倒な役回りもなければ 雑に作ったってなんとでもなるし、 集客も悪くない。
………だいぶ主観が含まれているだろうけど、 少なくとも私はそう感じたのだ。 ]
いいんじゃない?お化け屋敷。
[ 世間話に勝手に答えると出し物決定の会では
「お化け屋敷という意見も出ていました。 私は賛成ですが、どうですか?」
なんて話を持っていっただろう ]
(176) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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[ 思惑どおり出し物はお化け屋敷に決まって 役を決める段になり、隣に立っていた委員長が 驚いたように私もまた、驚いた。
小学校から一緒の京輔君。 これまで自分から特別何かをやりたいというところ 見たことがなかったから。 ]
お姉さんの────?
[ 彼から姉という言葉が出てきて 私は思わず独り言のように呟いた。
彼にお姉さんがいることは知っているけれど お姉さんが今何をしているかは知らなかった。 ただ、 ]
(177) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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[ 最近美術室の前を通りかかった時 一心不乱に赤黒い塊を作っていた彼の姿が
ふと、過ぎった ] **
(178) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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そうそう、って、……気付いてなかったんかい……。
[言われてみれば、と言ったってことはそういうことなんだろう。>>85 改めて辺りを見回して雪のせいでまわりが見えにくいからかなぁ、と思えば、 それ以上のツッコミはしなかったけれど。
やがて。 首傾げの後に為された提案に、まばたきひとつ。>>86 誰かに聞く。なるほど。 とりあえずこのちょっとした不思議を分かち合いたかったイロハにはなかった視点だ。 一方で蛭野はこのちょっと不思議の中をただ進んでいく。一歩ずつ。 イロハもちょっとだけ後ろをついていく形でやっぱり進む]
(179) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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今から引き返すなんてそっちの方がよっぽどめんどくさいし。
[気乗りしないという言葉をそれとなく否定して、]
それに、うん。蛭野くんの言う通り、もう学校行っちゃった方が早いし。 あぁ、でも、……ちょっとだけ寄り道はしちゃおっかな。
[角に差し掛かったところにある自販機を指差した。 降りしきる雪景色の只中から見る四角い機械は、 さながら迷える旅人を出迎える何かの標みたいですらある。 迷う要素なんてないのにそう思った。 うん、あったかい飲み物も出るし。やっぱりそれっぽい]
(180) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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―― 回想:文化祭の話し合いにて ―― メイク? キョースケが?
[話し合いの場に居合わせた俺は、 蛭野の挙手に少しだけ驚いて 非難するでもなく、そう言った。
てっきり内装の方に来るかと思っていたからだ。 裏切られた! なんて思ってないけど少し意外。 理由を聞いて、成程と納得した。>>91
進行する高本委員長に 俺ははーいと手を挙げる。]
(181) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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/* いろはちゃんごめんなさい、 挟まると思ったけど時間の都合で挟まりました><
(-37) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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……さっさと学校行きたいなら先行ってていいし、 でもなんせさっむいからねえ。
――――…… なんなら奢ろっか?
[自販機に近付きつつ「最近どう?」なんて世間話を振るつもりが、 喉から出かけてたはずのその言葉は別のものにすり替わっていた。 こんな気分になったのもきっと、雪のせい? ……そういうことにしておきましょうか*]
(182) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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内装監督やりたいでーす。 図面引くの楽しそう。
[軽いノリで言って、 確かそのまんま就任したんだけれども メンバーが決まりつつある中で思ったのが
困ったな、内装、ちょっと男手が足りない。
って事だった。]
(183) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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[ゆるやかな黒髪がチャーミングな相原愛子さんは 「私も手伝うよ」的な事を言ってくれたけれど お化け屋敷といえば、やっぱり教室全体を使うわけで その内装となると力を使う部分も出てくる。 木材を女の子に持たせるわけにはいかない。
俺はうろうろと視線をさまよわせ そしてこのクラスで一番目を引くやつをじっと見た。]
ういのー、ういのー! 内装手伝って!
[俺は善は急げと宇井野に声をかけた。 答えはどうだったっけな。]
(184) 2019/06/05(Wed) 18時半頃
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