266 冷たい校舎村7
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慣れてくると悪くないよ。 慣れないほうがいいけど。
[穏やかに笑いながら、 俺たち、なんの話をしてるんだか。 箱を取り出して、馴れた手つきでとんとんと。 はい、どうぞ。一本を華奢な指に差し出した。]
そっか。ライターないか。
[ぼんやりした俺は、当然の事に気がついて ポケットから取り出したライターを 何の躊躇もなく、火を点けて 女の子の前に差し出した。>>930]
(964) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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[ここは春風が吹く体育館裏。 青空の下でハルシオンが揺れていて だから、暗くなんかないはずなのに
一瞬、真っ暗な夜が来た気がして 彼女が合わせて息を吸うまで、 俺はじっと、火を見つめていた。
あかりが無い場所に、あかりを灯して。]
(965) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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……美味しい ?
*
(966) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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―ある日の放課後の話―
振られちゃった。
[寂しげに笑った紫苑に、 話を聞いてくれた友人は ふぅん、とだけ言ってコーヒーを啜った。
等価交換。話を聞く対価らしい。 紫苑の話に100円の 価値があるってことにしておこう。]
重たい、って。 悪いことしちゃったなぁ。
[返してもらったマスコットの鼻を つんつんとつつく。 彼女にあげたのはウサギさんだった。]
(967) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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難しいね、恋愛って。
[頑張っていたのに、また、間違えたらしい。 パフェじゃなくてケーキの方が良かったのか、 水族館に行くより家に呼んだ方が良かったのか。
やっぱり女心は分からないなぁ。ため息を吐く。
紫苑は好きで好きで堪らないというのに、 彼女が自分を愛する気持ちは、 ヒビの入ったコップの水みたいに目減りしていく。]
(968) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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[家族と仲良く話す声も、 友達と一緒に勉強している様子も 偶に疲れたようにため息を吐くのも 全部、愛しいと思っていても、届かない。
無条件に得られる愛情だって ここにはあるっていうのに。
一通り黙って聞いていた友人は クソでかいため息を吐いて 爆発しろ、とだけ言った。 あぁ、世の中は無情である。*]
(969) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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──現在:廊下>>955──
大規模な自主休校だ。 ……どちらかというと、 連絡忘れの可能性が高いと思うな、僕は。
[ 自主休校だとしたら、 僕らの感覚はあまりに異端すぎる。 3年7組の一部の人たちだけが、 張り切って学校に来たんだとしたら。
なので、彼女が許せないという>>956、 担任が可哀そうな可能性を支持して、]
(970) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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──あ。でも、 もしかすると、連絡できなかったのかも。 携帯、圏外になってるから。
[ 思い出したように、そう告げる。 教室を出る前に気が付いた驚きの事実。
……とはいえ、材料がひとつ増えた、 可能性がひとつ増えただけの話だ。
教室に行くという田所怜奈を引き留めはしない。]
(971) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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……それがいいよ。 拓海くんも、干してた気がするから、 一緒に干しておくといいと思う。
[ ごく真面目なつもりで頷いて、 教室に向かうという彼女に手を振った。*]
(972) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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──回想・やっかみと──
[ 委員をやっていると先生からよく物を頼まれる。 程のいい雑用係。その日の放課後もそうだった。 校舎裏の倉庫から教材を取ってこいと。
それは失敗だった。 倉庫にたむろする女子数名から、 また誰かの余計な声が聞こえる。
悪意の声に屈さないとはいっても その場に出くわすのは気まずくて 私は倉庫の影で立ち止まる>>702
面倒だな。 早く先生の御使いも終わらせたいのに。
出て行こうか迷っていたら、ブスって 響いたから、思わず私のことかと思った ]
(973) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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(────轟くん!?>>703)
[ 身を潜めたまま様子を伺うと女子たちは バツの悪そうな顔をして去っていった
彼がこちらに気付けば、 「ありがとう」くらいは言えただろうか。
数日後、女子トイレで件の女子グループと出くわす。
「なにあちこち色目使ってんの?」 「ビッチ。鏡見たことないんじゃね?」
鼻で笑われた私は、何も言い返さずに ただ黙っていることしかできなかった ]*
(974) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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/* あっしまっっっ どちゃくそ拾い漏れある高本くんごめんんんんん
(-188) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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―― 現在・職員室前 ――
[あり得ない、って七月は言う。 でもあり得てしまっているんだから、 仕方がないよな。
静かな校舎に響く声は二人分。>>931]
皆まじめだよなあ。 こんな日に登校とか。 柊も来たんだ? 結構いるな、みんな。
[みんないるから、怖くない。>>932 そういう言い回しをしてみせるけれども、 不安そうな女の子を安心させるより先に 俺はふざけるのを優先した。>>933]
(975) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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しあわせ って なんだろう
(976) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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いるかもしれねーだろ?! ば……馬鹿だけど馬鹿じゃありませーん!
なんだヨーコねーさん ひょっとして怖いの? 怖い?
[俺は思わず「無理!」という強い語調に言い返すけれど 七月が怯えていることに気づけば、 やっぱり、からかうように、 気安く「怖い?」って投げかけてしまう。
賢くて大人っぽい七月は、 俺としゃべる時だけ、ちょっとIQが下がる。>>938 でも、それでよかった。
俺も年相応の反応をする「ヨーコねーさん」が 人として好きだったから。]
(977) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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上澄みを飲めば しあわせでしょうか 綺麗なかたちが しあわせでしょうか 鎖してしまえば しあわせでしょうか 目をふさいだら しあわせでしょうか 耳をふさいだら しあわせでしょうか 口をふさいだた しあわせでしょうか 止めてしまえば しあわせでしょうか
……
(978) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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やべー、末代まで呪ってやるってやつ? 俺が末代だ
つーか ヨーコねーさんの呪いのほうが多分強いってえ
[幽霊よりも、とつぶやいて、それから廊下を行き、 丁度職員室に向かっていた宇井野>>937と 出会うことはあったっけ。 であったなら、「先生いねーぞ」って言うと思う*]
(979) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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押し込めるのだって くるしいのに
(980) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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[ 職員室に向かう途中に、図書室はある。 進学校らしく、広い図書室。 仕切りのあるテーブルが並んで、 ソファが並んで、数え切れない本があって。
この時期は、受験に向けて、 朝早くからにぎわう場所だというのに。
誰もいない。司書すらも。 だけども電気はついていて、 勉強に最適な環境を作り出す空調は しっかりと稼働しているようで。 ]
(981) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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生きている校舎 誰もいないのに 電気がついていて 程よくあたたかくて 生徒を待っている
そんな 校舎に呑まれたような 奇妙な錯覚をおぼえて …………
(982) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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こわくない こわくなんかない
だって おとこのこだもの
(983) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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…………。
[ くるっと 踵を返した。 職員室に行こうと思ったけど、 やっぱりやめることにした。
外靴はあったのだから。 教室には誰かいるはずだし。
階段を、一段飛ばしにのぼって、 のぼりきったところに、教室はある。 背を曲げて、頭を下げて。 扉を潜る。くぐるんだ。 そうしないと頭を打つって、学んでいる。 ]
(984) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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おはよ。……こんだけ?
[ 開口一番、それだった。 委員長のさわやかな笑顔と、 ミルクティーの缶を持った灰原と。 順番に数えて、……奢り確定だなと、悟った。
まだ外に何人かいるかもはしれないが。
扉に引っ掛かったエナメルを、 横にずらして、はずした。 学校ではあんまり、スマホを見ないものだから。 人が少ない、以外に、 おかしなところにはまだ 気づいちゃあいない。 *]
(985) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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[道中。誰とも出会わないなら。
七月としゃべりながら きっと程よいスピードで、 三年七組の教室へ辿り着くだろう。
やっぱり、「先生いないよ」って 「収穫はありませんでした」みたいな そんな報告を、クラスの面子にすると思う。*]
(986) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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―現在:教室前にて―
[静まりかえった学校にひとりきり。 ……ということはなく、教室に行くまでに 幾らかのクラスメイト>>937>>955>>970>>986と すれ違いはした。
挨拶も、彼等の言葉にも生返事を返して まず紫苑が開けたのは 隣のクラス、六組のドアだ。
ばん、と威勢のいい音が廊下に響く。]
(987) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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はるちゃん!
[静まりかえった教室に紫苑の声だけが響く。 誰もいないその場所を 名残惜しげにもう一度見回して 今度は静かに扉を閉めた。
下駄箱に靴が無いなら当然だ。 けれど、いて欲しいと思わなかった訳じゃない。
とぼとぼと歩く。 そうして、隣の教室――我らが三年七組に 紫苑はようやく足を踏み入れた。]
(988) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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……おはよ。
[唇をへの字に曲げて、しょぼくれた様子で 自分の席に腰を下ろす。
早く帰りたい、彼女に会いたい。
眺めた時計は、もうすぐ始業を告げる時間だった。**]
(989) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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―― 教室 ――
そう、こんだけ。
堅治も雪の中、悪路をお疲れさま。 無駄骨になりそうだけどな。
[おはよ、と軽く手を挙げて>>985 同情をするような目線を堅治へ向けた]
携帯電話も圏外だ。 いま職員室へ行ってる拓海待ち。
[そうして堅治を見上げながら、おどけた口調で]
(990) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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真面目な奴が損をするんじゃ たまったもんじゃないな。
休校になるんだったら家で寝てれば良かった。
[そのうちに クラスに拓海が帰ってくるのだろう。>>986
――さらなる不安材料を引っ提げて]*
(991) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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/* 悩み(ナカノヒトの):ホスト希望してるっぽい人とうまく絡めてない
いやまあ初回落ち確定なのでヘンに線引きしてるところはままあるけど すごいあの あたしに魅力がないのかあって 油断すると落ちるからいけない
(-189) 2019/06/07(Fri) 22時半頃
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