266 冷たい校舎村7
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[本当に俺のノートが次に盗まれたらどうするんだよ。 だなんて、嘯いて]
1位じゃない俺見て何が楽しいんだよ。
[ぼそりと、呟いた。 だって本当に期待をするような目を、 拓海がしていたから>>449]
(454) 2019/06/06(Thu) 08時頃
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[馬鹿な俺など有り得ない。決して。 そんなの、俺のプライドが許さない]**
(455) 2019/06/06(Thu) 08時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/06(Thu) 08時頃
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/* ひーーーん宮古さんかわいい 好き ひるのを拾ってくれませんか? おとなしくていいこです おとなしすぎてやや犬というより人形ですが
人とそんな深い関係を築けてる気がしないので灰で叫びました
(-99) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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―回想:ご近所さん―
[時折、ネットニュースで そういった話題を見かけることはある。 教祖や信者がどうの、とか 献金ウン千万円、とか。
紫苑はいかにも安そうなアパートを見上げる。 案外近くにそういった話があるんだなぁと 目を細めて、同情するような眼差しを 田所>>339へと向けた。]
……大変だね。
[絞り出すようにそう言ってから 慌てて話題を変えるように ぴん、と人差し指を立てた。]
(456) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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田所さんが謝る事じゃないでしょ。 聞いてる分にはすっごく面白いし。俺は。
ほら、た〜ぷ〜た〜ぷ〜……って!
[本当にそう言っているかは定かではないけれど 彼女はそれを嫌悪しているようなので 紫苑も茶化すようにそう言った。
同時に、安堵した。 彼女まであのお経を発していたとしたら 紫苑は明日からどんな顔をすればいいか 分からなくなるところだった。
笑えばいいのかな。 まぁ、あくまで仮定の話だ。]
(457) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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[引っ越すつもりはない。 相場の半分以下の家賃は捨てがたいし、 何より、夜に騒がしくしてしまうのは 紫苑の方も同じだ。
可愛い彼女に求められたら、 断れない質なのだ。 なんてね。]
ごめんね、びっくりさせちゃって。
[去り際、紫苑は一度振り向いて微笑む。
先程、 ぱちくりと目を瞬かせていた彼女>>338は 普段の気の強い印象が薄らいでいて、 案外可愛らしかったなと思った。]
(458) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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仲良くしようよ。ご近所さんなんだし。
[勿論、特に深い意味は無い。
求められれば、断れないけれど、 求められない限りは 手を出す趣味はない、ので。*]
(459) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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―現在:通学路―
実はね、もう合格してるんだ。 専門学校。都内の。
[進学校に来た理由はひとつだけ。 『義務教育だけはちゃんとしろ』 親との約束を紫苑はちゃんと守ったので、 その後について口出しされることは無かった。
(親父は渋い顔をしていたけれど、 親の言外を察するつもりはない。 空気が読めない息子でごめんな!)]
(460) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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だから俺は滑っても転んでも平気。
……そういう七月ちゃんは? どこ受けるんだっけ。
[受験戦争から一足先に離脱しているもので、 受験>>388と憂鬱は紫苑の中では無縁。
ただ、勉強が嫌いなのは同感だ。
今度の国語のテストは、 教師が傾向を話していたのもあって 何となくの内容は分かる。 (なお、解けるとは言っていない)
けれども、だ。]
(461) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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受験はヤマ張ったりとか ズル、出来ないもんねぇ。
[大変だなぁ、と他人事のように紫苑は笑う。 実際、他人事なので。**]
(462) 2019/06/06(Thu) 08時半頃
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──現在:通学路>>402──
楽しむ。 ……白い街の景観を?
[ 雪投げまではいかずとも。と言われ、 僕に思いつくのはそんなところだった。
とはいえ、その答えが彼女のお気に召すか、 …………あまり自信はない。
灰谷彩華には、彼女の言う雪投げや──、 雪だるまづくりとか。そのイメージのほうが。
ならば、それを答えにすればよかったんだけれど、 僕がそれに思い至るまで、少し時間がかかりすぎた。]
(463) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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[ ごうごうと吹きすさぶ雪。風。 人のいない道。ぽつんと佇む機械の灯り。 振り返れば足跡。降り積もる雪に消されてく。
……確かに、静かなのは嫌いじゃない。 また少しぼうっとして、見上げる視線>>405と、 自動販売機が缶を吐き出す音で我に返った。]
そう、きみ。 ……どういたしまして。
暖を取りながら進もう。 このままじゃ僕らが雪の柱になってしまう。
[ プルタブを開けずに、手の中に握って。 僕はまた、変わらないペースで歩き出した。]
(464) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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[ 学校まで、もう然程距離はない。
それでも一向に増えない人影に、 どうも様子がおかしいな。とは思うけれど。]
……学校が休みだったら、 灰谷さんはどうするの? 自習?
[ 僕は自習でもすればいいやと思っていたから、 そうだとしても特に問題はない。
弱まるまでは時間を潰すことを余儀なくされそう。 そんな気配がするから、無言の時間を質問で埋めた。
……もう少し歩けば、見える背中もあったかな。*]
(465) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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──回想・彩華──
[ 話は中学時代に遡る。
灰谷彩華は私とは違う、テンション高めな子。 同じクラスになった当初は絶対仲良くは ならないタイプだろうな、って思ってた。
そんな彼女がパッチリとした目を向けて 頼みごとをしてきた。 ]
…………数学っていっても広いんだよ。 どれが苦手なの?方程式?確率?図形?
[ え、私?って少し戸惑ったけど、 声を掛けられるのは嬉しくて、頷く。 そして私と志望校が同じと知れば驚きながらも 勉強の手助けをしただろう ]
(466) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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[ 高校に入ってもその関係は続く。
ヨーコちゃん。
そんな風に下の名前で私を呼ぶ数少ない友達に 頼まれて断ることはなかっただろう、 私はふたつ返事でノートを差し出した。 ]
え?そうかな……よく言われるんだけど、 自分ではピンとこない。
[ それは高本くんと付き合うようになって よく聞く台詞だった ]
(467) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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[ 「変わったよね」
そこに含む意味合いは口にする人それぞれだろう。 少なくとも目の前の彼女の言葉に悪気は感じない。
他にも「高本くんがあんな地味な子と?」 なんて視線を感じることは多かったし、 一度だけ、数学のノートにマジックで 「調子に乗るなブス」と書かれていた。
だけど私は悪意に屈したりはしない。 彼が選んでくれたことが全てだったから
ただ、そのノートだけは 彩華に貸すことはしなかった ]
(468) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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彩華は、好きな人いないの?
[ 明るくてはっきりとした可愛い顔立ちで バレー部のマネージャーをしていれば、 恋愛ごとと無縁とは思えなかった。
ずっと違う世界にいた彼女に恋の話なんて 振ることはなかったけど、 同じ世界に踏み入った今なら聞ける気がした ]
クラスの人とかバレー部の人とか 彩華のこと好きな人はたくさんいそう。
(469) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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[ それから数日後、見たことのあるバレー部の 男子と彩華が並んでいるのを見る。
がんばろっかなって口にすれば 簡単にそれが叶う。
やっぱり私と彼女は同じ世界にはいないって なんとなく思い知らされた気がしたんだ ]**
(470) 2019/06/06(Thu) 09時半頃
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──回想/隣席と>>395──
無傷です。幸か不幸か。 僕のノートは魅力的じゃないのかも。 …………もしくは、僕自身が。
[ ゆるり。とした肯定>>395と確認に、 僕は微笑んで頷きました。無傷でした。
どうしてかな。という疑問は、 相応しい気の利いた言葉の代わりに、 空白を埋めるためにねじ込んだみたいなもので、
彼女に、考える必要のないことを考える。 という手間を押し付けたのであれば、心が痛むけど、]
(471) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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そうだね。これだけ続いても、 本当に大きな騒ぎには、ならないわけだし。
[ 宮古瑠璃がそれを些細なこと>>396と扱うので、 僕も、同意の意を込めて頷きました。 本当に大きな騒ぎ。とは、 大人が、特に学校の外の大人が出てくる。 ということを想定していた。
そうはなっていないはずだ。たぶん。 少なくとも、無頓着で情報に疎い、 僕の知る範囲の中では。だけれど。]
(472) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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[ とはいえ、僕の小さな疑問に対し、 彼女が思いのほか真剣に取り組んでくれたので、 僕は、じっとしてそれを聞いていた。]
そうだね。 構ってほしいのなら、 サインを残すといいと思う。
[ 怪盗か何かみたいに。 真面目に提案したって、僕の前にいるのは、 被害者であって、犯人その人じゃないんだけど。]
(473) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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[ ……それから。 可愛い。と、宮古瑠璃は言って>>398、 僕は、その感覚がよくわからなかったから、 そうだね。と言う代わりに、小さく微笑む。]
その人が、人のノートや教科書を盗んで、 少しでも幸せならいいな。と思うよ。
[ 少なくとも、宮古さんにとっては、 そこまで被害がなくって、可愛いと言えて、 どうでもいいこと。なのであれば、]
……どうでもいい。ことが、 誰かの助けになるなら、いいよね。
[ なぜかそのとき僕は、彼女になら、 同意を得られるような気がしていた。 そんなこと言ったって、僕のノートは無事なのに。*]
(474) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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どうでもいいことはたくさんあって。
(475) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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というより、どうでもいいことばかりで。
(476) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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普通じゃなかったのは、姉だけです。 姉だけです。姉だけです。姉だけ、
(477) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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僕はおかしいんですか?
(478) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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例えば、僕が何かを作る姿を目撃した人>>178や、 出来上がりが想像つかないと内心思った人>>342も、 もしかすると、疑問は解消されたかもしれない。
(479) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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姉は文化祭に来た。
(480) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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毛羽だったカットソーの袖がだるだるにのびて、 姉の指先までをすっかりと覆い隠していた。 サイズの合っていないジーンズと、 昔、運動靴にしていたボロのスニーカーを履き、 視線から逃れるようにしきりに俯いていた。
(481) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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教室の外に立っていた姉に僕は驚き、微笑み、 そこにいた誰かに頼んで当番を代わってもらった。 僕は姉を望み通り美術部の展示へと案内する。 ぐるりと一周展示を見て回った姉が、 覚束ない足取りで部屋を出て、廊下を進んで、 ひとけのない突き当たりで、嘔吐した。 僕はそれを黙って片した。姉は帰った。 僕も教室に帰り、代役を務めてくれた人に礼を言い、 姉は帰ってしまったのでもう平気だ。と告げた。
(482) 2019/06/06(Thu) 10時頃
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