261 エイプリル・トフィーの融解点
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[ ホテルについてまず目に入ったのは ガラスのローテーブルの上に咲いた 真っ赤な薔薇の花束だった。]
わぁ、すっごい……!
[ 思わず口元に手を当てて彼を見上げれば 得意げな顔に、ほんの少し照れを滲ませて 「近付いてよく見てごらん」って言ってくれた。
よく見てみれば、花束を彩るピンクのリボンに 「Merry Christmas」のメッセージと 花に隠れるように天鵞絨のケースが置いてあった。
聖夜にはまだ数日だけれどその前祝ってことかしら。 ケースを開けると、ダイアモンドをあしらった 華奢なデザインのネックレスが きらり、朝露のような透明感をたたえて輝いていた。]
(33) 2019/03/22(Fri) 17時半頃
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素敵……! ねえ、誠司さん、つけてみてもいいかしら?
[ そう言って私は彼にネックレスを手渡せば 私の後ろに回り込んだ彼が、私の首に白銀の鎖をかけて ホックをとめてくれるの。
彼が差し出してくれた手鏡に映った私は 首元に涙の粒のような光を湛えて どこか悲しげな顔をして微笑んでいた。]
(34) 2019/03/22(Fri) 17時半頃
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[ クリスマスの夜を一緒に過ごせないのは 分かってはいるけど、やっぱり悔しい。 三歳になる息子さんがいい子にサンタさんを待ってるものね。
このネックレスだって決して安物じゃないのは分かっているのに 時々、わがままが言いたくなるの。 彼が与えてくれるものが嬉しいのだけれど 他の人が、私には許されない寵愛を受けているのが。
……彼が花束とネックレスを贈ってくれた理由は きっとそういうことなのでしょう。 花束よりも、宝石よりも、私には欲しいものがあるんだって。
けれど、それが分かっていても、私は何も言わないの。 言えばこの関係なんて、硝子細工のように壊れてしまう。]
(35) 2019/03/22(Fri) 17時半頃
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「……まるで、硝子の花が咲いたようだよ」
[ 彼が私の首筋に鼻を埋めながら呟いた台詞に 私は思わず笑ってしまった。 似合わない気障な言葉だっていうのもあるけど 彼と似たこと考えていたのが、何だかひどく嬉しくって。
ホックを止めて私の首に鎖をかけた彼の手が シャツの上から私の身体を抱きしめてくれる。
高望みの許されない、儚く叶わぬ恋ならば]
……なら、貴方の手で、毀して……
[ 唇の形だけで、そう囁いた。 熱い息と力強い腕を感じながら私はうっとりと目を閉じるの。]
(36) 2019/03/22(Fri) 17時半頃
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[ いつしか無残に棄てられるだけの恋なのか それとも いつか結ばれることが許される日が訪れるのか。
答えの見つからない思考の澱みから引き上げて 私はじわじわ押し寄せる快楽の波に足を浸す。
ホテルのカーテンの向こうに広がる夜空、 その星達だけが、私達の罪を見守っていた。]*
(37) 2019/03/22(Fri) 17時半頃
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/* イェーイ!!!!めーっちゃ、セルフヘイト!!!!! あかーんこれ完遂できるのかな?!ちょっと噛み殺してほs
(-13) 2019/03/22(Fri) 17時半頃
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/* いやいやいや、どん底の極地みたいなのに追い込みたいキャラクターを作りたくってこのキャラにしたんじゃないか自分……(ひどい 苦しいのはきっとプロだけだ……ううぬ……!
(-14) 2019/03/22(Fri) 17時半頃
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[とある国のオフィス街の一角。 大通りからは一本外れた路地にある喫茶店。 平日のみ開店していて、 営業時間は11時から14時までと、19時から22時まで。 昼間はカフェとして軽食を提供しており、 夜になるとバーとして様々な酒類を提供している。 アルバイトはおらず、ふたりで切り盛りしている。 売り上げは二人で食べていくのに困らないほど。 その二階がふたりの家だ。
…… 昨晩は、客に勧められるまま 飲みすぎてしまったけれど。]
(38) 2019/03/22(Fri) 18時半頃
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ニコラス。このパンあそこの? すんごい、んまい。
[朝食に舌鼓をうちながら、問いをかける。 そこのパン屋はニコラスのお気に入りの店で、 軽食に使うパンもそこから仕入れているほどで。 サク、とも一口含めば、小麦の甘味が口内に広がってゆく。]
「 そう。美味いだろ? 」
[自慢げに笑みを浮かべる彼に、かわいいなあ、なんて。 頬も緩んでいくというもの。 皿に盛られたベーコンやスクランブルエッグをつつきながら、 陽の光を浴びてきらきらひかる彼の髪を綺麗だなあ、なんて思うのだ。]
(39) 2019/03/22(Fri) 18時半頃
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なぁ、今日はどっか出かける? ほら、あそこ。 ……なんだっけ。 この前ニコラスが行きたいって言ってたとこあっただろ?
「 覚えててくれたんだ? 水族館ね、この前やってた映画の 舞台になったとこらしくて。 」
じゃあ、片付けたら出かけるか。 今日は晴れるみたいだし、お出かけ日和だ。
(40) 2019/03/22(Fri) 18時半頃
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[他愛無い会話を繰り返して。 皿が空になったのならふたりで片づけをして。 店の扉にかけてある看板が CLOSEDになっているのを確認してから。 手を繋いで陽の光が心地よい路を歩いてく。
ふたりの薬指に嵌った揃いの指輪が、 陽の光を浴びて輝いていた。**]
(41) 2019/03/22(Fri) 18時半頃
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/* ふぇるぜくんのささやかな二人の幸せ感がすごく好きです。 (爛れた女より)
(-15) 2019/03/22(Fri) 19時半頃
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/* 忘れぬうちにイメソンをペタリ https://youtu.be...
あとがんこさんから聞いた話から思いつきましたので、ここでひっそりお礼申し上げます。
(-16) 2019/03/22(Fri) 20時頃
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/* 愛ちゃんの艶かしさ?耽美?滲み出るえろさ最高じゃない?
(-17) 2019/03/22(Fri) 21時頃
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[俺の毎日は変わらない。]
(42) 2019/03/22(Fri) 23時頃
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[朝起きて、畑を見回る。 雑草を抜いたり芽の様子を見たり、 動物の足跡が無いかを見たりする。
と言っても俺の家では 売るためのものではなく、 自分たちが食べていけるだけの量を 作れればいいから、 畑の面積自体はそんなに広くはない。
電気は一応通っている、し、 自家発電の装置も一応ある。
携帯電話の電波も場所によってはあるが、 家電を日常的に使っている人や、 携帯電話を持っている人はほぼいなかった。]
(43) 2019/03/22(Fri) 23時頃
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[村の外と全く交流がない訳では無い。 長い山道を抜けた先は都会だし、 山道の入口までならバスも通っている。
その山道も、 自転車やスクーター程度なら一応通れるように 舗装もされているので、 村人の行き来や郵便物の配達も行われている。
まあ、通販などの宅配先では不可らしいけど。]
(44) 2019/03/22(Fri) 23時頃
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[それ以前に、お金は村の共有財産だ。 お金を必要とするスクーターや、 発電機なども同じく。 掛け時計はそれぞれの家にあったが、 それに使用する電池も共有財産で購入し、 村長と呼ばれる人の家に取りに行く形だった。
野菜と、鶏卵や獣肉も物々交換だし、 村の子供が学校に通う際の費用も村持ちだ。
山道を歩いたり自転車を使ったりして 都会の学校に通うのだが、 学校に通うのは中学生の義務教育までで、 高校にはいくことはできず、卒業後は 村での暮らしを行う事を余儀なくされる。]
(45) 2019/03/22(Fri) 23時頃
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[都会での学校生活は、 村の暮らしと何もかもが違いすぎて、チカチカした。
俺は居心地が悪いなあ、と思っていたけど、 中には感化されるこどももいるらしい。
感化されて、村を出ていきたがる人間を、 村の中では"うらぎりもの"と呼んだ。
実際に出て行ったものもいるけれど、 彼らがどうなったのか俺は知らない。]
(46) 2019/03/22(Fri) 23時頃
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「ピスティオ!」
[名前を呼ばれて振り返る。 当たり前のように呼ばれる名前だ。 村の外では名乗れなかった名前だ。
俺は少し笑って、いつも通りの挨拶をした。]*
(47) 2019/03/22(Fri) 23時頃
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/* ピスティオくんめちゃくちゃ好きなんですけど。好きです。
(-18) 2019/03/22(Fri) 23時頃
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/* ひゃー、愛さんひゃー…… 果ての無い泥濘に心が躍る
(-19) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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[山の方から音楽が聞こえる。 あれは神様を奉る音楽だ。]
………
[神使と呼ばれる人達が、 神様から恵みや神託を貰うためのもの。 その神使は、村長の家系が担っている。]
(48) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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…、……
(49) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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[そう言えばもうすぐ村長の娘の適齢期だ。 村の中から結婚相手を選ぶのだが、 村の中の若い男なんて数が少ないから。
多分俺か、一つ年上の幼馴染みだろう。 どちらになるかは解らないけど、 別に選ばれなくってもいいと思う。
だってそうしたら外から嫁を貰えるのだ。 村人を増やしていかねばならないから。
正直、村長の娘は好みじゃない。 なんて、口が裂けても言えないし、 選ばれたら拒否権なんて、どうせないのだ。]*
(50) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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かみさま、かみさま… もしいるのなら、お願いきいてよ
どうせなら、 俺好みの嫁が良いな
(-20) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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なんてね。
[神様なんているわけない。 それくらい俺でも解ってる。
でも、 絶対に居ない、とも言えずに。
ただ、今考えた事は罰当たりだなあ、って。 そんな事を、考えるだけだった。]
(-21) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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俺はこの村のこと好きだよ。 外に出たらわかるけど、
時代錯誤もいいとこだし、 閉鎖的で、生産性も無い。
神様なんて信じてるし、奉ってるし、 いつの時代の人間だよって思う。
だけど、嫌いじゃないよ。 この村の事。
(-22) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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だから俺は、 ずっとこの村で生きていくんだ。
ずっと、ずっと。 死ぬまで。
この村で生きていくんだ。
だからさ神様、 嫁くらいはさ、
好みの相手にしてよ。
(-23) 2019/03/23(Sat) 00時半頃
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/* あ!?23開始だと勘違いしてた 24開始だ オーケーオーケー
(-24) 2019/03/23(Sat) 01時頃
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