207 愛しの貴方を逃がさない。
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………?
[ 前置きの後、 碧眼が見遣るはもうひとり――、否。 籠の中に居る、一羽の存在だった。
卯月とおんなじ、白い毛並みに赤の瞳。 籠の中から卯月を見てくるそれは、 仲間を見ているようなものに、 思えなくも、なかった。
彼の頼みに 再度、赤色は碧眼を見て。
机の下 自由になっている足が ぷらん、揺れる。 ]
(58) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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……別に、良いですけど。 [ かしゃん、と 籠の音を遠くに聞いて。 それだけ言って、卯月は少し黙った。 ]
たまに様子を見に来る位は、 してみても良いんじゃ無いですか。
わたし動物飼うの初めてだし、 あなた、飼い主だったんでしょう。
(59) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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[ 別に この家に誰も居なくなるとか、 そんなこと、卯月は知らないし きっと 知る由も無い。 ]
(-74) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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[ ―― ただ、 動物に懐かれても飼い方は別だ、って。 この生活に放り込まれてから 妙に冷静になった頭がそう訴えるから、 言っている。
赤色は伏せられて、 再度食事を進めたけれど。 彼の返事はどうだったか。 ]
(60) mayam 2017/01/27(Fri) 23時半頃
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てんちょーさーん!! 拾って頂きありがとうございました。お疲れ様です。
(-75) mayam 2017/01/28(Sat) 00時頃
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[ "返事"は、あった。 ]
[ 問いかけに問いかけが返されたような、 そんな調子だった、と 思う。 ]
(76) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ ねえ、××さんは どうして、 卯月じゃあ 無い ウサギを飼っていたのでしょう? ]
[ それはね、きっと、 ガブリと食べてしまうため! ]
(77) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ ―― 卯月は、察した。 ウサギが飼われていたその理由を。 ただ、
覗き込んできた碧眼、 笑みを作る唇から零れた声の、 その真意は分からない。 ]
(78) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ 考えようとはしたのだ。 した けれど、 何故か鈍くなった頭は 考えることを止めてしまう。
ぐらん、と バランスを崩した身体。 遠くなっていく意識。 どうして、すらも言えずに、 卯月はそのまま、落ちて行く。 ]
(79) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ 気付いたときには、 全てが終わっていることも 知らないで** ]
(80) mayam 2017/01/28(Sat) 19時頃
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[ ガシャン! ] [ ウサギの目覚めは、 きっと目覚ましでも、朝の光でも無く、 派手な音だ。 ]
(92) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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― 終わりの朝 ―
[ きっと、 あの時から毛布にくるまっていたのだろう。 窓の外からは陽光が射してくる、そんな 朝だ。 約束を破られて 少しばかり腹正しい気持ちはあったけれど、 柔らかい温もりを感じる身体を ゆっくりと起こして、
起こし て、 ]
(93) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 赤色。 ]
(94) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 卯月の瞳の色とも、 籠の中、暴れるウサギの瞳の色とも違う、 光に反射して鈍く煌めく、赤色がそこにあった。 倒れる家主の、その喉元。
咄嗟に卯月が抑えたのは、 包帯が巻かれている首元だった。 卯月が噛まれたときに僅かに感じた あの鉄の臭いと同じものをかぎ取る。 その中に"美味しそう"な匂いもあったけれど、 ……それを上塗りしていくみたいに、 段々濃くなっていく 臭い。
―― 嗚呼神様! どうして卯月はこんな時に聡いというの。 ]
(95) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 悲しいと言えば良かったんだろうか。 叫び声も悲鳴も上げられずに、 卯月の赤色は、ただ、鈍い赤を見ていた。 裂かれた真っ赤な喉。 蚯蚓腫れが見えるから ―― "渇いていたんだ" と 遠く 頭の何処かで理解をする。
したところで、この惨状。 もうどうにもできないのだろう。 ]
(96) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ テーブルの上の、数多の料理。 血まみれの椅子と家主の正面に立ち。
( ―― 心臓こそ五月蠅かったけれど、 どこまでも卯月は"冷静"だった。 )
血に染まったルーズリーフと 小さな鍵を手にとって、 …先ずはウサギを放そう。 腕の中に収まったそのこは、 人の温もりに安堵したのか、 卯月の腕の中でじいっとしていた。 ]
(97) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 動物を抱いたまま 食べ物を食べちゃいけないだなんて、 家主は血まみれで突っ伏しているんだから、 そんなの、良いよね。
緊張しているウサギの背を撫でながら、 卯月は料理を口に運んだ。 飛び散った血の味もして、 苦い表情になったのは言うまでも無い。
ルーズリーフの裏側。 かろうじて残っている白の上に、 彼の赤色で文字を残す。 ]
(98) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ とうとう名前も聞けなかったあなたへ
料理の感想を書こうと思ったけれど、 やめておきます。 ]
(-107) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 当てつけみたいなものだろうか。 彼がこの赤文字を読む機会は きっと二度と無いだろう けど。
ウサギを抱えて、席を立つ。 裸足のまま、家を出て行こう。
なんだか酷く コンビニが恋しくなった。 だって、最後に食べたあの料理は、
とても、 ]
(99) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ *"美味しくなかった"* ]
(100) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ ―― それからの話。 卯月は警察に連絡したところで、 もう此処から離れようと考えて、 とうとう実家に逃げ帰った。 ウサギを抱えた裸足の少女に、 警察もなにやら思うところがあったらしい。 全部任せる――、という訳にもいなかったけれど、 犯罪者に巻き込まれた、という よくニュースで聞いているような展開になった 筈だ。
筈だ、というのは 卯月にとっての結末は、 最後に食べたあの手料理だけだったから。 ]
(101) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ どうしてだろう。
あれから味覚が無くなった上に、 母の料理が食べられなくなった。 否、"誰かの手料理"が食べられなくなった。 一口運んだところで、反射的、だろう。 全部戻してしまうようになった。 味が分からないのに 手料理は駄目ときたものだから、 自室には大量のカップ麵と、お菓子と、総菜と。 結局今まで通りの食べ物ばかりだ。
歯で潰す感触と音だけで、 卯月は今日も、生きながらえている。 ]
(102) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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[ 最後に食べたのも、最期に食べたのも、 名も知らぬシェフの料理だった。 八重瀬卯月にとっては、 きっとそれだけの 話** ]
(103) mayam 2017/01/28(Sat) 22時半頃
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投下失礼いたしました…〆で! たていりさんありがとうございました。
最後にちゃんとした意味で食べたのはたていりさんの料理だったんだよってはなし
(-109) mayam 2017/01/28(Sat) 23時頃
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のんびり見てますが挨拶をー
mayamです。基本RPふらふらしてます。 村建て様をはじめ同村してくださった方々、 本当にありがとうございました、と、お疲れ様です。 どのペアもこの先どうなるんだ…!と 展開にわくわくしておりました。
たていりさんも、急なお誘い受けてくださって 本当にありがとうございました!たのしかった……!! 真っ白チップ並ぶととてもにこにこする。
またどこかでお会いした際には よろしくお願いいたします。
(-112) mayam 2017/01/28(Sat) 23時頃
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ありがとうございます…ありがとうございます… とらうまを抱いて卯月はいきます いとしのあなたにはなされることはない。
(-116) mayam 2017/01/28(Sat) 23時頃
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んや 逃がされることは無い?
>>-115 きにしないで…!ください…!
(-117) mayam 2017/01/28(Sat) 23時頃
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店長さん…!
(-131) mayam 2017/01/29(Sun) 00時半頃
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わーお気遣いありがとうございます…!>カップ麺
きっと実家に帰る前にまた買い込んでるんじゃないかなあと!
(-134) mayam 2017/01/29(Sun) 00時半頃
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/* それではまた!
(-136) mayam 2017/01/29(Sun) 00時半頃
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