35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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─ 神楽邸 ─
……ああ、はい、はい。 わかっています、今日はなるべく大人しくしてますよ。
[朝餉の後に飛んできた、今日は出歩かないように、という苦言に苦笑が滲む。 昨日帰った後、少し調子が崩れた、と理由をつけて誰も寄せ付けぬようにしていたから、それを気にしているのだろう]
……まったく。 別に、今日明日消える、というわけでもないのですから。 そんなに、心配しないでください。
[冗談めかして言うと、思い切りきつく眉を寄せた顔を向けられた。 案じてくれているのだとわかるだけに、病と関わりなく痛みを感じるが、それは抑えて笑みを向ける]
(41) 2011/08/16(Tue) 20時頃
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……本当に、ね。 優しい人たちばかりだよ……ねぇ、紫苑。
[一人になると、ふと、こんな呟きを漏らす。 小鳥は餌を啄ばむのを一時止めて、首を傾げた]
だからこそ……という部分は、あるけれど。 それ故に……『彼ら』も辛い部分はあるのだろうな……。
[『その時』の訪れは、と。 その部分は、声にはならない]
しかし、本当に今年はどうなるのやら。 ……何事もなく刻が廻ればよいのだけれど……。
[仁右衛門の唱えた説から始まったあれこれは、祭りの夜に何を導くのか。 願うのはただ、穏やかに刻が過ぎる事、それだけなのだけれど]
(42) 2011/08/16(Tue) 20時頃
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[今は考えても詮無いあれこれを振り払うように、首を振る。 真昼の暑さを過ぎたなら、散歩にも出れるか、と。 そんな事を考えながら、細長い袋を持って縁側へ。 気に入りの場所でもある柱に寄りかかり、袋の中から黒と朱の鮮やかな笛を出して、ゆっくりと唇に当てる。
織り成されるのは、軽妙な曲。
この季節にしか奏でぬその曲が、遠い先では少し古い時代の流行り歌である、と。 気づいた者は、これまではいなかった。**]
(43) 2011/08/16(Tue) 20時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/16(Tue) 20時半頃
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─ 神楽邸・縁側 ─
[一頻り、音色を風に散らした所で笛を下ろす。 柱にもたれたまま空を見上げ、澄んだ色にふと笑みを浮かべた]
……今日も、暑いですねぇ……。
[これは、中々出られないかな、などと思いつつ、笛を置いて借りた本に手を伸ばす。 小鳥は近くに作られた止まり木の上で翼を広げ、忙しない羽繕いを始めていた]
(58) 2011/08/16(Tue) 22時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/16(Tue) 22時半頃
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─ 神楽邸・縁側 ─
……え?
[朝顔の問いかけに、手を止める。思わず上がった声は、呆けたもの。>>87]
今まで、この曲を聴かせた事、ありましたっけ?
[誰かがいた時に奏でた事は、今まではなかったはず。 風に乗った調べを聴いたのか、とも思うのだけれど。 それなら、何故、曲名を聞いてくるのかという疑問も生じる]
……曲名は、忘れてしまったのだけれど。 私が、『以前にいた場所』で。 一時期、流行っていたものですよ。
[とはいえ、今の疑問が思い違いであったなら、不用意な答えはできぬから。 慎重に、言葉を選びながら、こう返した]
(92) 2011/08/17(Wed) 00時頃
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[朝顔の返答は、ごく自然なもの。>>94 考えすぎか、とも思うのだが]
そう、ここに来る以前に、ね。
[もう一度、繰り返す。 関わりなき者であれば、それは『都』での事、と受け止めて流すだろうと。 そう、思っていたのだけれど]
…………。
[耳元に落ちた、小声の問い。>>95 浮かんだのは、困ったような笑みだった]
ここで……そうですよ、と言ったら。 ……あさは、どうしますか?
[一呼吸分、間をあけて。小声で向けるのは、問い返し]
(97) 2011/08/17(Wed) 00時半頃
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/* なかのいきもの、うっかり転がったんですが(真顔。
……うん。 女子はみな可愛らしくてよいですね。
(-25) 2011/08/17(Wed) 00時半頃
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……安心、できますか。
[返された言葉に、小さく息を吐く。>>100 疑問はどうやら、正解であったか、と。 吐息に乗るのは、そんな想い]
確かに、皆さん興味を持たれていて。 ……私も、これはよくないのでは、と思っていたのですよ。 何事もなく、穏やかに『その時』は廻るべき、と。 ずっと、そう思っていますしね。
[やはり、仁右衛門の頼み事は『彼ら』を困らせていたのか、と。 そんな事を考えて]
……まあ、確かに相談などし難い事ではありますよねぇ……。
(101) 2011/08/17(Wed) 01時頃
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……ああ、うん。わかります。 ……私も、かつてはそうでしたから。
[かつて、と過去を語る際には、少しだけ、声に苦いものが混ざる]
ありのままに、在るというのは、。 とても、大切な事ですしね……。
[それはここでの暮らしで思い知った事。 以前は、得られなかったもので、だから]
……そう思うなら、もう、とっくに帰っていますよ。 帰りたくないからこそ、何年もここにいるのですから。
[昨日、伊綱と話した時と同じく、それを告げるに躊躇いはない。 そしてこの言葉から、自身が『時が来たなら帰る』というルールに逆らい、長くここにいる事は伝わるか]
(104) 2011/08/17(Wed) 01時半頃
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……ん……どれだけ力になれるかは、わかりませんが。 私に力になれるなら、出来る限りはしますよ。
少しばかり……いえ。 かなり、頼りないとは思いますけれど。
[冗談めかした口調で言って、微かに笑む。 いつもなら、ぴぃ、と鳴いて同意しそうな小鳥はその時、抜け穴の方を見て小首を傾げていたから。 合いの手は、入らなかった。**]
(105) 2011/08/17(Wed) 01時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 01時半頃
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─ 神楽邸・縁側 ─
……わかりました。 多分、時間の余裕はありますから、いつでもいらっしゃい。
[帰りたくない、という朝顔。>>106 その理由は、自分と同じではなかろう、とは思うものの、その場ではそれだけ言って]
……ありがとう。 でも、私は今でも十分、助けられていますから、ね?
[ちゃんとするから、という言葉に、また、笑って。 頭を下げるのに、こちらこそ、と返して夕顔の所に行くのを見送った]
(123) 2011/08/17(Wed) 08時半頃
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[その後はしばし、双子の仕事を見守って。 可哀相な紫蘇の量産で叱られている時には、ついつい口を挟んで自分が諌められる事にもなったけれど。
ともあれ、それらが一段落して、周囲に人の気配が絶えた頃、下駄を突っ掛けて抜け道の近くまでふらりと歩いた]
……そろそろかな、と思っていたら、案の定ですね。
[小さく呟いて組み紐で括られた包みを手に取り、それらは一先ず懐に入れる。 あまり出歩かない自分と、外を繋ぐ鮮やかな組み紐。
こんなやり取りは、以前にいた場所では考えもしなかった。 そも手紙を書く、という習慣自体が寂れて久しく、また、親しく文を交わすような相手もいなかったから]
今日はこれで、潰れてしまうかな?
[これじゃあ出られないかな、と思いながら、空を仰ぐ。 高く澄んだ、空。 以前は小さく切り取られたものしか見れなかったその色に、目を細めた後。 私室へ戻るべく、ゆっくりと踵を返した。**]
(124) 2011/08/17(Wed) 08時半頃
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明之進は、私室で書簡を開いている。浮かんでいるのは、どこか、困ったような笑み。
2011/08/17(Wed) 22時頃
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─ 神楽邸・私室 ─
[小鳥は止まり木に残したまま、私室へと戻り、開いた書簡。 綴られた文字を追ううち、自分でも気づかぬ内に浮かんだのは、どことなく苦いものを帯びた、困ったような笑み。 けれど、それは不愉快さを感じているようなものではなく。 純粋に、どうしたものか、と考えてしまっているような、そんな表情だった]
……星にかける願い……ですか。 今はこれ以上、何も望めぬというのに。
[零れ落ちるのは、こんな呟き]
星に望めば……もし赦されるなら、治るかも知れませんけれど、ね。
[小さく息を吐いて、僅かに目を伏せる。 部屋を覗き込む気配には、気づいていない。>>142 縁側の止まり木の小鳥は、『なにしてるの?』と言わんばかりに首を傾げているのだが]
(144) 2011/08/17(Wed) 22時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/17(Wed) 22時半頃
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─ 神楽邸・私室 ─
[さて、返事をどうしようか、と。 そんな事を考えながら文机に向かおうとして。 気づかぬ相手からの呼びかけは余りにも唐突で。>>145]
……え?
[知らず、上がったのは、惚けきった声。 振り返った先にいたのは]
……ゆう? どうしたんですか、いきなり……。
[唐突な内容が頭に浸透するまで、少し時間がかかるが。 朝顔が、夕顔に事情を話していた事には、理解が追いついた]
……なるほど。 ゆうがいるのに、あんな話ができたのは、それでですか。
[小さく息を吐いて、連ねられる言葉を聞く]
(156) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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……何人来ているのかは、私にもわかりませんね。 元々、私は九年前に『帰る』のを拒絶してから……向こうとの関わりは、断っていましたから。 ですから、今、ここにいる他の『彼ら』がどうしたいのかは、全くわかりません。
[探そうとも思わなかったし、余計な詮索をされたくもないから、記憶操作も甘んじて受け入れていた。 もしかしたら、向こうは違和感を覚えていたかも知れないが]
ん……あさがそれを望むなら、この村の皆は、そのまま受け入れてくれるでしょうね。 私の時と、同じように。
……問題は、どのように、『その時』をやり過ごすか……ですか。 確かに、『役』につくか、それとも『戻る事』自体を叶わぬものにするか、の二択ですが……。 他の『彼ら』が、戻りたいと願っている場合、後者は難しいでしょうね……。
(159) 2011/08/17(Wed) 22時半頃
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……ええ。
[自分の時も、帰るのを是とする者と色々と揉めて。 結局、最後は『こちらで死んだ事にしろ』と叩きつけた。 その方が都合のいい者が多かった事を知っていたから。
そんな事を考えていた所に、零された疑問。>>160 緩く首を傾いで、一つ瞬いた]
ん……確かに、そうですね。 何も言わずに、そのままでい続ける、という事もできたはずです。
でも……ね、ゆう。
本当は帰りたい、というなら、それこそ何も言わなければいい。 そうは、思いませんか? 何も言わず、記憶を書き換えて、消えてしまえばいい……わざわざ、禁を犯す必要はない……と、私は思いますけれど。
(162) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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本当の妹……ですか。
[小さく、呟いて。 続いた言葉には、ええ、と頷く]
時を隔てている以外は、何も変わりませんよ。 ……人である事に、変わりない。 ですから、向こうに待つ人がいるのは自然な事です。
[いない者もたまにいる、と続けるのは自重して。 続く話に、少しだけ、苦く笑んだ]
確かに、その理由は……寂しいかも知れません、ね。
実際の所どうなのかは、あさ自身に問わねばわかりませんが……でも。 もしそうだとしたら、ゆうは。 あさは、どうするべきなのだと思いますか?
(170) 2011/08/17(Wed) 23時頃
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[待ってる人が、という言葉に向けたのは、どこか曖昧な笑み。>>177 実際の所はどうなのか、それは知れぬ事だが]
(……私のような者の方が、稀なはずですしね)
[過った想いは、今は置いた]
……言ってみたい事……ですか? 何か……言い難い事でも?
(181) 2011/08/17(Wed) 23時半頃
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…………妹、に、ですか?
[告げられた言葉にどう返したものか、と。 そう、考えたら、声が出るまで間が開いた。>>182]
ふむ……確かに、それは難しいですね。
[求められているものが、『姉』という存在なのか、それを越えたものであるのか。 それによって、返る答えが変わる、という事もあるのだろうか。 そんな風に考えてしまうと、確かに難しいな、とも思うが]
……二人一緒にいたい、という気持ちが、何よりも強いなら。 どちらが姉で、どちらが妹、と決めきってしまわなくともよいのではないかな……なんて。 私は、思うのですけれどね。
……私には、兄弟はいませんから……どう、言えばいいのか、わからないのですけれど。
(191) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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ええ、そうですよ。 多分、大事なのは、『一緒にいる』という事でしょうから。
[微笑む夕顔に、笑みを返すが。>>193 続いた言葉に、ほんの少し、眉尻が下がった]
……その願いならば、とうに叶っていますよ。 あさもゆうも、私にとっては妹のようなものですしね。
こんな事をいうとまた、お小言をいただく事になるかも知れませんけれど。
[だから、秘密にね、と冗談めかして笑う]
それに……私はここで、たくさんのものを得ていますから。 ……これ以上を望んだら、それこそ罰が当たってしまいますよ。
(199) 2011/08/18(Thu) 00時頃
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[遠く、聞こえて来た声にすぐさま反応する様子に、楽しげに笑んでその背を見送り。 入れ代わるように飛んできた小鳥を手に止まらせて、小さな頭を撫でた]
……このまま、何事もなく……とは、難しいでしょうけれど。 穏やかなまま、二人がいられればいいね、紫苑。
[小さな呟きに、小鳥は首を傾げた後、ぴぃ、と鳴く。 別に、言葉を交わしているわけではないけれど、意思は通じている。 そんな気がしていた]
(202) 2011/08/18(Thu) 00時半頃
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─ 神楽邸・私室 ─
[小鳥は左の肩に乗せて、文机に向かうものの。 日常の挨拶を記した辺りで手が止まる。 目が向くのは、露草の押し花]
……露草……月草、でしたっけ。
……『彼ら』の記憶は。 月草の染め色の如く……とけて消えるべき……なのでしょうけれど、ね。
[そんな呟きをもらして、小さく息を吐く。 わかっていても。 残りたい、残したい、と思う気持ちもまた、理解できるから、それ以上は言わず。 押し花を軽く指でなぞって、目を伏せた。**]
(218) 2011/08/18(Thu) 01時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2011/08/18(Thu) 01時頃
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