190 【身内村】宇宙奇病村
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[次元航法装置のことを、エスペラントは「雪竇さんの抜け道」と呼ぶ。 いつの時代、どの星からやってきたのか、起源に関してを歴史家や宗教家の間で未だ議論されている神話の「大唐打鼓新羅舞」にまつわる話から、エスペラント達僧侶の乗る船では、冗談交じりに僧侶からそのように呼ばれてきた。
今も機関室で次元航法装置を点検しているのだが、船内から手の届く範囲に故障や損傷があるようにはみえない。 エスペラントは車輪の足で、機関室をぐるりと回って、ため息のように「やれやれ」と言った。
現在はセーフティモードで気長な宇宙旅行をさせられている状態にある。食料や酸素の面での心配は勿論だが、ナユタに続きシルクが倒れた。
感染元もわかっていないが、あれが「病」であるのなら。 この調子で次々皆が倒れていったら。
いつか食事と酸素が底付きて酸欠か飢え死にの前に、皆ねむり続けて衰弱死、なんて未来を想像するのは簡単なことだった。]
(30) 2016/05/18(Wed) 22時半頃
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[かつては船医が人間を冷凍して積み荷のように扱ったものだが、次元航法が確立され多くの船に普及して以降、解凍による失敗率――つまり死亡率が高すぎるあまり、現在では滅多に行われないどころか、法的に禁止されていることも多い。 所詮は昔話だ。 この船にもその設備はない。
それに。 結局時間がかかる方法では――(>>1:149 >>1:152)
エスペラントは再三の機関室での点検を終え、廊下に出た。]
(34) 2016/05/18(Wed) 23時半頃
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[次元航法装置も、あの火災と同じくAIの用いた嘘であればよかったのだが、残念ながら、嘘ではないようだった。
そも、これもAIが引き起こしたエラーなのだろうか?
エスペラントは数日間を振り返る。]
(51) 2016/05/19(Thu) 03時頃
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[未知の宙域Ma=havari=plam系惑星Pavr=opetyでの調査。 入念に防護服を着ていった。 発見されたいくつかの生物、物質等。 知的生命体があの星で暮らしていた形跡。 発見した文献。歴史。 Pavr=opetyに人が居たこと、またその人達にとっての信仰は、エスペラントの所属する宇宙大慈大悲教会ツェント派虚無宗には意味ある発見だ。 現在おきている宗派間の権利や正当性を主張するいざこざのなかで、有利にはたらく可能性が高い。
ただ、そこを火種に、またひと悶着あるだろう。 しかしあの星には何も無かったと、試しに嘘などついてみたところで今までどおりだ。 くだらない事だと感じると同時、]
……もっと己を虚しくせにゃあ。
[誰に向けるでもなく独り言ちた。]
(52) 2016/05/19(Thu) 03時半頃
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[Pavr=opetyから出発の後は、船は次元航法に向けて順調にエネルギーをためていた。 デブリの接触。十円傷。食事時にナユタは居なかった。 アラーム。のたうつ彗星。再度アラーム。次元航法装置の故障。ナユタの発見。]
――彗星。
[ながい尾をのたくらせて、もがき苦しむようにどこかへ流れ消えた、赤や紫の花火を纏ったあの彗星。
次に原因を次に疑うべきは船外だ。 彗星との接触は無かったが、果たしてそれによって何も無かったと言い切れるだろうか。 彗星との接触はなかったので、何もない。
本当か?
拍手をするように両手を打てば、ぽんと音がなる。 それでは片手の音とはいかなるものか。
エスペラントの車輪は、ころころと廊下を転がり、自室へ向かう。 船外作業に、この車輪の脚は向かない。脚部を車輪から多脚型に取り替えなければ。]
(54) 2016/05/19(Thu) 03時半頃
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― 廊下→食堂 ―
[自室に戻り脚を取り替えたエスペラントは、ワレンチナに呼び止められ、4つの金属の脚でカチャカチャと音をたて振り返った。]
はは。どうした、 今日はあんたさんがじじいの話し相手になってくれるか。 諭そうにも何に迷うておるのか、さてなぁ?
外の点検をしてこようと思うが、 それでは、その前にまぁまずは軽くお茶でもいかがかの。
[喫茶去。エスペラントは二日前と同じくワレンチナに茶をすすめた。船内の点検で忙しかった上、暇が出来たらシルクやナユタやヤンファについていてやりたかった事だろう。 結局茶にはできていなかったから。]
(65) 2016/05/19(Thu) 13時半頃
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― 食堂 ―
[食堂に着いて、ワレンチナに飲み物をすすめ、食堂に居る面々を視界におさめる。 イースター、ミツボシ、アシモフ。すこし後からワクラバが食堂へやってきた。
ワクラバは船外チェックに同行してくれるそうだ。(>>71) 「医務室で皆についていてやりたいのでは」と、エスペラントは思ったから、丸い2つの目玉がわずかの間じっとワクラバを見ていたが――冗談に笑ってみせた。]
ははは。長生きしてみるもんじゃなぁ。
100年は「いい歳」をやっとるが、 ……ほおじゃいのお。
若いもんの心配は断らん方がええな。 年寄りは可愛がられにゃあ。
(74) 2016/05/19(Thu) 17時半頃
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[それから目玉はトレーにプリンキューブを積み上げた疲れた顔(といっても鼠の表情だが)のアシモフを向き、 老人はいつもの調子で挨拶のようにアシモフに訊いた。] どうです、手は足りとりますかいなぁ。
(75) 2016/05/19(Thu) 17時半頃
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[質問もそこそこに、すぐに話題はワクラバの貰った手紙の話しになる。シルクも寝入りに忍びないような気持ちになっていたのでは、気の毒な事だ。]
ほお。罰などと……気の毒に。 神さん仏さんが、 そんな罰などお与えなるとは愚僧は思わんが。
せめて良い夢を見ていて欲しいがのぉ。
(76) 2016/05/19(Thu) 17時半頃
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……
病葉さんの言葉がその通りなら、 元より問題児だらけの船かもしれんぞ。 皆優秀じゃ。 わしゃあ共に旅が出来て誇らしい。
[エスペラントは、ぐるりと食堂の面々を見た。
孫というにも年若い船員たち。 良いクルーだった。 そして、それがあってこその、有意義な船旅だった。]
(77) 2016/05/19(Thu) 17時半頃
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[ミツボシの発した問。 ワクラバになにかないのかと聞かれて、老人は、とぼけた様子で暫し「ほうじゃのお」水槽の表面をなでていた。 皆に何かないのかと眺めた面々は、皆どこか疲れている。]
三星さんや。
では、試しに機能を使わずに 機能といささかも違わず あんたさん自信の判断で 試しに「ここにいます」と言ってごらんなさい。
(81) 2016/05/19(Thu) 19時頃
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/* キャラ付けwwwww
(-26) 2016/05/19(Thu) 19時半頃
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[そこでイースターの説明とアシモフのツッコミに笑い声をあげ]
はははは。イースターさんの「きゃら付け」には 今日まで気付なんだ。ほうかほうか……。
[ミツボシが、エスペラントに言われるがまま「ここにいます」と発音した。エスペラントはそれを聞いてまた笑う。] ははは。おおいかん。 それでは「いささかも違わない」にならん。 恥ずかしい、という機能を使わずもういちど言ってみるか?
ミツボシさんは 「いささかも違わない」に果たして出来るのじゃろうかの?
(87) 2016/05/19(Thu) 20時半頃
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恥ずかしい、という機能を使わず言えたとしよう。 どちらも「ここにいます」と音が出る。 然りじゃなあ。
この老耄には機能とまったく同じ音に聞こえたとする。 あんたさんは嘘もうまい。 この老耄にはてんで、 どちらがどちらと分からなかったとしよう。
では違わないのか?
三星さんは、自ら決めて「ここにいます」と言った。 機能と違う事をした。 それを知っておる。
機能を使わんかったせいで、 機能を使わんかったことを知っておる。
そこを違いとは呼ばんのか?
(88) 2016/05/19(Thu) 20時半頃
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わしの聞くイースターさんのキノコ好きが、 さっき聞いたことで、今日から少ぅし、 教わった意味の分、変わったとしてじゃ。 イースターさんのキノコ好きは昨日までと同じものかもしれん。
まして明日のイースターさんはキノコが嫌いかもしれん。 それでもキノコが好きと名乗られたとしてじゃ。
愚僧は気づかず、愚かにも イースターさんは昨日と同じキノコ好きと考えるかもな。
(89) 2016/05/19(Thu) 20時半頃
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あんたさんの二つの「ここにいます」が 同じなのか違うのか。
それを知ることがまた違いで、 それはあんたさんのうちにこそ在る。
[また鉄の手が水槽の表面を撫でてから、おお、と声をあげた。]
随分のんびりしてしもうた。
どれ、またひとつ考えてみてから、 あんたさんの話しを聞かせて欲しいもんじゃ。
(90) 2016/05/19(Thu) 20時半頃
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ほうかほうか。ちょうど良い。 わしも己が何者かを探しておってな。 あんたさんと話しているうち、分かることがあるかもしれん。
[表情のないエスペラントの声は、朗らかだ。]
やれ、 鯨、海水を呑み盡して 珊瑚の枝を露出すというが、 海は広いのぉ。
回光返照。さりとて、 眼は自らを見ず、刀は自らを割かず。 されど本来空寂。
[ぶつくさと独り言を言い、]
さて、病葉さん、先に行っておるぞぉ。
[老人は四足をカチャカチャ鳴らし食堂の自動扉の方へ向かっていった。]
(93) 2016/05/19(Thu) 21時頃
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― 船外活動準備室 ―
[船外活動準備室で、水槽頭は、彼の体にちょうどいい大きさの船外活動ユニットを着用する。 水槽頭を二重ガラスのようにして、かさばるユニットを4つ脚に着せた。
すっかり銀色の船外活動ユニットに身を包むと、船外へ出る前、エスペラントは船員皆に己の音声が届くかを確認する。]
聞こえますかいのお。 留守番頼みましたよ。
(96) 2016/05/19(Thu) 21時半頃
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[歯抜けじじいは、はははと笑った。]
いまのはどちらじゃ?
[――ここにいます。 何気ないが、あたたかい言葉だ。 エスペラントに昔のように皺くちゃでも瞼があったなら、きっと今は目を細めて微笑んでいた。]
(98) 2016/05/19(Thu) 22時頃
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[船外活動ユニットも昔に比べて随分性能が上がり、便利になったものだとエスペラントは着るたびに思う。 若い僧侶の時分には、ここから宇宙へ出るまで、格段に時間がかかっていたし、今もかさばるとはいえ、昔の比ではない。
エアロックを減圧する。宇宙空間と同じところまで待ち、エスペラントはハッチを開けて、エアロックから船外に出た。]
(99) 2016/05/19(Thu) 22時頃
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[外には黒漆桶の宇宙が広がっていた。] 隻手の声は聞けるかのう。
[無重力のなか命綱をつけた老人は、船体へ器用にへばりつき非破壊検査端末も片手に、外装をチェックする。]
(100) 2016/05/19(Thu) 22時頃
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― 船外 ―
[師弟は手分けして船体の外側にある異常を探し続けた。 端から端まで丁寧に調べることにしたので、それは中々見つけられなかった。
いくら体の肉が殆ど失くなったとして、脳があるかぎり疲れるのには違いがない。 それでもワクラバとこうして、同じ船に乗り命を預けあい、教えた技術が成熟し、いまや肩をならべて(というには彼は船体の反対側で作業をしていたのだが)仕事が出来る。 通信を使い、互い声でやり取りするたび、エスペラントはどこか疲れのとれるような心地がした。]
(105) 2016/05/19(Thu) 23時頃
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[一つを発見したのはワクラバ。
次元航法装置は、船内の機関室に収められている内側の機関と、船体の外側から外蓋を開けて操作する外部寄りの機関で成る。 機体全体へエネルギーを配る役割や、相対性理論が適用されない次元へのポートを開ける役割など、担っているものは様々だが、それの制御装置のひとつが、いかれていた。
電磁波による故障だった。 苦しそうにのたくった彗星の置き土産であった。]
(106) 2016/05/19(Thu) 23時頃
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[もうひとつを発見したのはエスペラントである。 発見箇所は次元航法装置に使用するエネルギー充填機付近だ。
次元航法装置を運用するには巨大なエネルギーが必要だ。 巨大なエネルギーは瞬間的には貯まらない。 それにはチャージが必要で、そうであるから次元航法を用いるには時間がかかり、AIが「残り12時間」などとアナウンスしていた。
貯めたものはどこかに置いておかねばならない。 次元航法にかかるエネルギーを、動力や巨大コンピューターの眠る船のどまんなかに貯めておくのには危険があることから、それはいささか船外寄りに置かれていた。
そうして見つけた異常が――]
ありゃ。 隻手の声とはとんでもないな。 こりゃあ、両手でしっかり叩かれとる。
[エネルギー充填機のほど近く、外蓋を手当たり次第に開けまくり、外蓋から体を少し潜りこませて、狭苦しい箇所で発見されたのは、 一本の焼き切れた太い管だった。 制御装置がいかれたせいで、貯蓄されたエネルギーが、エネルギーを船全体に巡らせるための管の一つを焼ききってしまったらしい。]
(108) 2016/05/19(Thu) 23時半頃
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[すぐさまエスペラントは、目の前にある光景を、ワクラバに映像として受け渡す。 暫く、外蓋から内側へ、水槽頭を突っ込んで、潜り込んで作業をしていたせいで、気付かなかった。
エスペラントの真後ろで、デブリとデブリがキスをしていた。 衝突したそれらは、一気に「増えた」。
咄嗟、エスペラントの目玉が真後ろを向いた。
ケスラーシンドロームと似た状態となったその場には、延々と、デブリが増え続け――]
(110) 2016/05/19(Thu) 23時半頃
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[老いた脳で、慌てて外蓋を閉めたのはどうにか間に合った。
衝撃があった。 エスペラントの通信は、そこで一度途切れた。
何事か言おうと、老人が声をあげかけた刹那のことであった。]
(111) 2016/05/19(Thu) 23時半頃
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[小さなデブリ同士がぶつかり合って粉々になる。 船体の反対側に、宇宙のゴミが広がった。
老人が次に気づいた時。 小さなデブリに小さな体が跳ね飛ばされたか、船体からぷかりと浮きあがっていることに気がついた。
鈍くなった動きの目玉が視界を巡らせれば、命綱がちぎれている。 辺りは細かなゴミだらけ。
次第意識がはっきりしてくる。 不幸中の幸いと、いっていいのか悪いのか、老人は生きていた。
しかし。
船体に戻ることは、最早出来ないことに気がついた。]
(113) 2016/05/19(Thu) 23時半頃
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[通信を試みる。ノイズにまみれていたが、どうにか使用可能であるようだった。
聞き取りにくい音声で、老人は、漆黒の宇宙に浮かびながら、皺嗄れ声で言った。]
病葉さん 無事か
(117) 2016/05/20(Fri) 00時頃
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[ワクラバから通信がかえると、エスペラントは心底ほっとしたように、はははと笑った。]
このきりでは もうみえんか デブリにひかれた 耄碌したもんじゃ
無茶はするなよ 諦めよ
皆 聞こえるか すまんなぁ わしゃあ こりゃあ……
戻れん なぁ
[船が少しづつ小さくなっていく。]
(120) 2016/05/20(Fri) 00時頃
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[極力欲を絶ち生きた老人は、生き方のおかげか。 ごく、素早く、諦めた。
時間はいくらかありそうだ。 この防護服の酸素が尽き、この脳が止まるまで。
それまで、存分に「己が何たるか」を思考することが出来る。]
(123) 2016/05/20(Fri) 00時頃
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