160 東京村
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[一度意識してしまうと、何をしててもケータイが……下書きに保存したままのあの言葉が気になってしまう。 ホントに小さいな。 そう自重しつつ、俺はケータイを手に取った。 下書きに秘めたままの言葉は、送信したら形になってしまう。 もう何日も呟きのないあの子が、他愛もないその心配の言葉を見ることもないだろう。 だから、形にするかしないかはもう完全に俺だけの問題だった。 俺は姫サーの騎士に過ぎないのか、それとも、人を気遣える優しいやつなのか。 本当の俺はどっちだ?]
(27) 2015/06/01(Mon) 02時頃
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[気がつくと、俺はまた洗面所の鏡の前に立っていた。 冗談目かして、
「お前はどう思う?」
と声をかけると、ソイツは歪んだ笑顔で、
「お前はいいヤツだよ」
と口を動かす。 俺は「だといいけどな」と言葉を返す。 結局俺はソイツの言葉に背中を押され、下書きに二三言葉を付け加え送信ボタンを押していた。
『大丈夫? どうしたの? もし困っていることがあるなら、なんでも言ってほしい。変な下心とかじゃなくて、俺は、誰かの力になれる人でいたいと思う』
[誰に見られててもいい、そうたかをくくった。 本当に、本当の俺がそんなやつならいい。 俺は、心のそこからそう思っているのに。 鏡の中のソイツは自信なさげに目を伏せた]
(29) 2015/06/01(Mon) 02時半頃
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リツは、あの子からリプライがあるんじゃないかとケータイをつけたり消したりしている**
2015/06/01(Mon) 02時半頃
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―新宿区某所・社内―
「中央線止まったってよ。ご奉仕が捗るな」
[誰に言うとでもないその言葉につられて隣の席に目をやると、27番が受話器を置いたところだった。ほんの数秒前まで送話口から漏れる怒鳴り声を聞き流しながらケータイをいじっているのを見たばかりだったので、またずいぶんと器用なことをしているなと感心していたのだけれど、どうやら路線情報を確認していたらしい。そんな27番の足元には段ボールと寝袋。どうせ使わない路線のことなんか調べてどうすんだ? とも思うが、一抹の望みを捨てきれない気持ちもわからなくはない]
「……飯、買ってくる」
[同僚の言葉にはろくに返事を返さず、俺はそれだけを告げる。オフィスの空気が張りつめる。アポもとれてないのにオフィスを離れる気か? と問いたげな視線がいくつも俺に突き刺さった。右隣の40番が、ガムテープで受話器とくくりつけられた右手をあげる]
「俺のも」
「皆の分買ってきてやれ」
[上司のその一言で、視線の槍が霧散した。4ナイスフォローと思ったが、嬉しそうなその顔を見てこいつはタダ飯にありつきたいだけだなと考えを改めた。デリバリーNo.33には、夕飯代を請求する勇気がない]
(172) 2015/06/02(Tue) 09時頃
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―新宿区・某所―
[コンビニで買えるものを頼んでくれればいいのに、先輩たちはやれどこどこの弁当だの、どこどこのチャーハンだの、好き勝手なオーダーを俺に押し付けてくる。何処にも×2の二文字が見えないメモ帳に視線を落として、何度目かのため息をついた。 そのため息を押し返すように、ビル風がさっと吹き抜けた。 その程度の事に、少し癒されてしまう自分に気がつく。事務所にはため息を妨げるものなんてPCのモニターくらいだ]
>>176 [……警察……気を付け……]
[ふと、その声が耳に入った。 この新宿の喧騒のなかで、どうしてその声だけが聞き取れたのかよくわからない。警察という響きの不穏さか、その声のあまりの頼りなさが逆に悪目立ちしたからか。 辺りを見回すと、小汚ないおじさんに女子高生。少し離れてあるいてはいるけれど、なぜかその二人は連れ立っているようにしか見えなかった。その二人から視線を外せない。犯罪の臭い。でもどうする? 声でもかけるのか? 援交じゃないですか? って。 それでなんになる。そんなことにいちいち首を突っ込んでどうする。 ……そう言い聞かせて、俺はなにも見なかった振りをする。気になっているくせに]
(195) 2015/06/02(Tue) 14時半頃
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―新宿区某所・会社―
「お、戻ってきた」
「そんなに弁当が待ち遠しかったのかと半ば呆れながら、「戻りました」と溌剌とした声をだした。脳内では。実際には、蚊が鳴くほどかすれた声が出ただけだ。証拠に、先輩は顔の前で二三度手を振っていた。いよいよ俺の声も蚊と同列の煩わしさになったようだった。 それぞれの席に頼まれた弁当を渡していくと、最期の席が空白になっていることに気がついた。正直、その瞬間まで気がつかなかった。受話器にベッタリとくっついたガムテープだけが、アイツのいた証とでもいうように異彩を放っている]
「あの、40番は?」
[そう聞くと、先輩はまたしても手を振った。蚊がいるのだろう]
「トんだよ」
「は?」
(251) 2015/06/02(Tue) 21時頃
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「『は』じゃねえよ」
[不意に先輩がそう凄んできて、俺は身をすくめた。こうなるともうやり過ごすしかない]
「トんだっつったらひとつしかないだろうが。あのヤロウ、トイレ行きたいとか言うからガムテ外してやったら、そのまま戻って来ねえの」
「はあ」
「はあじゃねえよ。テメエ新人教育どうなってんだよ」
[俺が聞きたい。 40番がトんだことよりも、どちらかというと新人教育という概念がこの会社にあった事に呆然としつつ、俺は二人分の弁当を握りしめた。 アイツからだけは弁当代を請求するつもりだったのに……]
「オマエ、40番の退職願い代筆しとけよ?」
[そう言われて、俺は渋々頷いた。 人が居なくなってしまうことにも、その手続きにも、すっかり慣れてしまっていた。 いつの間にか、新人の名前すら聞かなくなってしまった自分にも]
(257) 2015/06/02(Tue) 21時半頃
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「33番」
[そう呼ぶ先輩に返事をしながら、俺はつい考えてしまっていた。
俺の名前は、誰が覚えてくれているんだ?]
(259) 2015/06/02(Tue) 21時半頃
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―東京都・某所―自宅
[俺の名前は、誰が覚えてくれるんだ? 洗面台に向かい、鏡の中のソイツに問いかける。 こんなはずじゃない。こんなの本当の俺じゃない。
アイリスにした呟きにはやっぱり返事は返ってこない。 [どうせ、みんな殺される]それから、[死ねばいいのに] 自分自身にリプライした呟きは、俺にはどうしても、何かのSOSにしか見えなかった。 鏡に向かって、お前は俺じゃないと言っているようにしか、見えなかった]
『信じてもらえないと思うけど、俺もみんな死んでしまえばいいと思う。自分なんて居なくなってしまえばいいと思う。けど、それで居なかったことにされてしまうのは嫌だ。本当に、もし辛いことがあるなら、力になりたい。出来ることならキミの役に立ちたい』
[そこまで打って、俺は自分の言葉のあまりの薄っぺらさに笑ってしまった。こんなの、絶対に伝わりっこない。 けど、送信ボタンを押すことは止められなかった。 気持ち悪がられて終わりだとわかっているのに、俺は無性に、この薄っぺらい言葉をネットの海に流してしまいたくてしょうがなかった]
[送信ボタンを押し、正面のソイツに向き合う]
「本当の俺はどっちだ?」
(303) 2015/06/03(Wed) 00時頃
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