190 【身内村】宇宙奇病村
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/* ていうか最初ワクラバとシルクが共鳴だと思ったけど、ちがったんだなぁ。 誰と誰が共鳴なんだろ?ていうか占いも霊能もわかってない(みんなわかってるの??)現状、イースターが魔女っていうこととしかわからない……もはや役職とかどうでもよくなってきてはいるものの……ウーン全員と接触する時間が足りない
(-10) 2016/05/18(Wed) 13時頃
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[ワクラバがバインダーを閉じるのを確かめる>>15と、ワレンチナは少しだけ寂しげに微笑んで見せた。それから歩を進め、シルクの寝台の前に立つ。保護膜の中で眠るシルクの表情は穏やか――とまではいかなくとも、ほんとうに、ただ眠っているだけのように見えた。隣で眠るナユタも同じで、それだけが今のところ、頼りなげな救いのように思えた。
けれど。ヤンファはどうだろう。 一人、皆の為に犠牲となったヤンファは。 今は閉ざされている奥の空間では、アシモフが必死に対応をしてくれているはずだ。ワレンチナはきつく下唇を噛む。]
……うん……ここじゃないほうがいいな。 僕らがうるさくして二人が目を覚ましてくれるならさておき……いずれにせよ、君と二人きりで話したかったんだ。人に聞かれると照れる話でね。
[冗談めかして肩をすくめてみせるが、その表情から陰りは消えない。 そうしてワレンチナは今一度シルクの顔を見つめたのち、ワクラバと連れ立って医務室を出た。]
(17) 2016/05/18(Wed) 16時半頃
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― 倉庫 ―
[ワレンチナ真直ぐ迷う事無く倉庫へ向かった。 そうしてほの赤く輝く巨大な水槽の前に立つ。 水槽はPavr=opety星の海水で満たされ、無数の白い星のような極小生物Remdaが踊り、その中でPavr=opetyの水棲生物達がたゆたっている。 ワレンチナは水槽を見つめたまま、ワクラバの方を向かずに口を開いた。]
……落ち着くんだ。昔からね。 水族館が好きだった。……カニだとか、クラゲだとかがさ……。
[ひとつ、息を吐く。ワレンチナの視線は、クラゲに似た水棲生物に注がれている。]
単刀直入に聞くんだけどさ。 ワクラバ、君って、シルクのことをどう思ってた?
将来『彼』が――自分と結ばれる可能性を。 想像したことが。あった**?
(18) 2016/05/18(Wed) 16時半頃
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/* あ〜〜ミツボシ占いか!そうかそうか 倉庫住まいでしょ〜立ち聞きしにきてくれないかな〜
(-12) 2016/05/18(Wed) 16時半頃
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[水槽を見つめながら、ワレンチナは黙ってワクラバの言葉>>21を聞いていた。 自然、脳裏にはシルクの姿が思い描かれた。男でも女でもない、それ故の透明感。無垢さ。シルクが成熟した姿は――たとえ男であろうと女であろうと、ワクラバの言葉を借りれば、想像するだけで満ち足りるようなそれになったに違いないだろう。]
……。うん。
[ワレンチナは、ふ、と、笑うような、しゃくり上げるような息を一つ漏らした。]
(26) 2016/05/18(Wed) 22時半頃
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[そうしてシルクをどう思っているかと聞かれれば、一瞬だけワクラバを横目で見てクッと笑い、再び水槽に視線を戻した。]
僕? 僕は――ただ、きれいな子どもだと。思っていたよ。 純粋に、生物的に興味があった。 ボムビークス種を見るのは初めてだったし、この先どんな風に成長するのか、その変化はどんな風に訪れるのか。間近でそれを見てみたいと思ったんだ。恋や愛や、そんな感情は持ち合わせちゃあいなかった。何せ20も年下だよ。そんなこと、思いつきもしない……。
[俯く。所在無さげに、意味もなく靴のかかとで床を擦る。]
……。 だけどね、シルクは僕に言ったんだ。
『もしもボクが男の子になったら、あなたはボクを交際相手か……それに類するものにしてみたいと思いますか』、ってさ。
(27) 2016/05/18(Wed) 22時半頃
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僕は大いに動揺した。 シルクが僕をそういう対象の一枠に嵌めていたことにも、まあ驚いた。でも、僕が動揺したのは、そこにじゃない――僕はその時、否応なく、一瞬で――
[声音が震える。]
期待した。想像してしまったんだ。 あんな子ども相手に。 男として成長した彼とつがい、子を成すという、ありえない未来を。
(29) 2016/05/18(Wed) 22時半頃
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[小さな咳払い。しかしワレンチナは話し続ける。]
……ワクラバ、僕はね……、 外側はおおよそ女性だが、内側はそうじゃあない。AIS……アンドロゲン不応症、ってやつだ。生まれつき子宮も卵巣もない。言ってしまえば、男の成り損ないってやつでね。 まあ、僕はそれに気がつかなくても……生理が来なくて、病院で検査を受ける以前から……、もともと男の子みたいな振る舞いをしていたけれど。
で、僕は……、 色々あったけど、自分のことを男でも女でもないものと定め、それが僕の『在るがまま』として過ごしてきた。男とも女とも恋人になったし、関係も持った。一生そうしてゆくと思っていた。
でもね。シルクのその一言で、 僕は本質的に、女なのだと――『彼』は僕を『女性』と認識したし、僕もまた、無意識にそれを肯定したことに――気づいてしまった。 その事がひどく、ひどく、辛いんだ。今、とても。
(31) 2016/05/18(Wed) 22時半頃
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僕はシルクが羨ましかった。 成長過程で自分で自分の在り様を選び取れるボムビークスであることが。そうして――ワクラバ、君のように――男だろうが女だろうが、『君自身ならば』と言ってくれる存在が、いることに。
[水槽を見つめたままの瞳から、はらはらと涙が溢れている。]
だって、そうだろう。 あの子が僕にあんな問いかけをしたのは――あの危機的状況からくる不安が、吊り橋理論がそうさせたに過ぎない。けれどもそれは僕の心を深く抉った。幼さゆえの純粋さが。
(32) 2016/05/18(Wed) 23時頃
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けれども――だけど。さっきも言ったけどね。 僕は、期待してしまったんだ。 男でも女でもないシルクが、僕を『女』と認識して、選んでくれたなら。 そのとき僕は、本当の意味で、精神的に――『女』になれるのではないか、って。
でも、僕だってそんなに愚かじゃない。 シルクに僕という可能性があるのなら――それならワクラバ、君の可能性は僕に対するそれより遥かに大きい。
だから、聞いてみたくなったんだ。 ただ……、それだけだよ。
[わずか俯く。頬の横で切りそろえられた前髪が、ワクラバの視線からワレンチナの表情を隠した。]
……それで……、 ここまでの話で、有料料金には足りたかい?
(33) 2016/05/18(Wed) 23時頃
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/* 長文ごめんね感否めないけど明日死ぬから……
(-16) 2016/05/18(Wed) 23時頃
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[ワレンチナはすんと鼻を鳴らし、肩を揺らして軽く笑った。 視線は変わらず、ワクラバに注がれることはない。]
過払いだったか。 そうだね、なんだか饒舌になってしまって―― ……シルクもきっと、こんな気持ちだったんだろう。 吊り橋理論、さ。
[涙を払うように瞬きをする。いくらかの涙が宙に舞う。 ゆるやかな重力の中で、それらはクラゲのようにふわふわと揺れた。 ワレンチナはそれを少しの間、目で追った。どこかまるで、他人事のように。]
(45) 2016/05/19(Thu) 02時頃
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La=Sta=Demonicか。話には聞いてる。 ……、
[生活に貧窮した記憶のないワレンチナは、何とも言えず、ワクラバの話に困ったように眉間にしわを寄せる――最も、ワクラバにそれが見えることはなかっただろうけれども。 しかし、『月を掴まえたくて』という言葉を聞くと、はたときょとんとした顔になってワクラバを見た。目元に涙を残したまま、クッ、とどこか嬉しそうに笑って、再び顔を逸らす。]
……君はやっぱりロマンチストだね。何世紀も昔の歌なんか歌ってるから、そうだろうとは思ってたけどさ。……。
[そうして続く言葉に、ワレンチナの顔からは再び笑みが消えた。 それからじっと黙ったまま、ワクラバの言葉を最後まで聞き続けた。]
(46) 2016/05/19(Thu) 02時頃
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水急不渡月……。 僕の『月』、か……。
[軽くかぶりを振って、顔を上げる。]
残念だけれど、僕の月は新月だ。少なくとも、今は。 そこに在っても、輝くことはないんだ。
[そう言って、初めてワクラバに向き直る。 ワレンチナの切れ長の目が、わずかに穏やかな光りを湛えて、まっすぐにワクラバを捉えた。口元が微笑む。]
シルクのことは……、いずれにしたって、どちらでもいいんだ。本気でも、不安からくる気の迷いでも……。一時の感情ほどあてにならないものもないし、僕はまだ、女としての自分を許すことに戸惑いがある。でも――
(47) 2016/05/19(Thu) 02時頃
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もし、君が。 僕を今夜抱いてくれたなら、僕は女になれるかも知れない。
[その言葉ののち、一拍を置いて、視線は逸れた。]
なんてね。冗談さ。 ……なんだか僕も、先生になにか説法を聞かせてほしい気分になったよ。そろそろ行こう。 付き合ってくれてありがとう、ワクラバ。
[返事を待たずに歩き出す。ワクラバの横を通り過ぎる時、ワレンチナは一度立ち止まって、再び彼の顔を見た。]
(48) 2016/05/19(Thu) 02時頃
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――ワクラバ。時間を割かせた礼だ。 もしも、この船の中で、僕に何かあったら――僕がRemdaを持ち帰る本当の理由を、君に託す。 全ての情報は僕の個人端末に入ってる。セキュリティパスは『iamwhatiam』。……。
[言って、再びワレンチナは歩き出した。いつもよりも足早に、振り返らずに**。]
(49) 2016/05/19(Thu) 02時頃
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/* セキュリティ意識が低いので大文字も数字も入っていない脆弱なパスワードです
(-20) 2016/05/19(Thu) 02時半頃
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/* なんか暗号みたいなの仕込みたかったけどのうみそがもうそこまでげんきじゃなかった
(-21) 2016/05/19(Thu) 02時半頃
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― 少し前 / 食堂兼レクリエーションルーム ―
[『高いやつじゃないの』とのイースターの言葉に、ワレンチナはクッと笑った。軽く手を振って応えとする。しかし続く言葉を背中に受けると>>41、ぴたと立ち止まって振り返った。]
僕らのうち誰にだってマイナス要因はない。それを持ち込んだのは、何か他の――例えば、さっきの彗星かもわからない……、だって、そうだろ?あれが近づいた途端、あらゆることがおかしくなったんだ。 いずれにせよ、僕らは皆等しく一被災者だよ。
[視線の端にミツボシの姿も捉える。 ミツボシはどうにもずっと何か塞ぎ込んでいるというか、悩んでいるように見えた。AIと呼ばれるものが、ワレンチナの及び知らない不思議な変化――それは進化だろうか?あるいは、いすれにせよ――の、さなかにあるように思われた。 それが何か引っかかり、ワレンチナは眉間にしわを寄せたが、何とかする、というイースターに、ふっと微笑みを作ってみせた。]
……うん。頼りにしているよ。
(56) 2016/05/19(Thu) 11時頃
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― 現在、廊下 ―
[冷ややかに冴え渡る思考とは裏腹に、指先が燃えるような熱を持っていた。熱石の上に氷を置いたようなちぐはぐな感覚だった。心臓の脈打ち、血の一巡りするごとに、ワレンチナはどこか遠くへ逃げ出してしまいたいような気持ちになった。
ワクラバの言葉>>50は、確りとワレンチナの耳に届いていた。彼の応えは再びワレンチナに熱っぽい期待を抱かせた。しかし同時に冷や水を浴びせた――この危機的状況にあって、どこまでも愚かな自分の言動に改めて気づいて。それを踏みつぶすように、ワレンチナの足取りは重く急いたものになった。]
(58) 2016/05/19(Thu) 11時半頃
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[喉がからからに乾いていた。水分が欲しかった。 そうして食堂へ戻る道すがら、エスペラントの姿>>54を見つけたワレンチナは、一瞬まごついたものの、ごく自然を装って声をかけた。]
――先生。
[一度、わずか戸惑った風に視線を逸らし、再び戻す。困ったように軽く微笑み。]
こんな時で、お忙しいでしょうけれど。もし、時間が空いたら――何かお話を聞かせてください。何だって良いんです。 今僕に必要なのは、おそらく――年長者からの叱咤だとか、諭してもらうもらうことだとか。そういうものみたいなんです**。
(59) 2016/05/19(Thu) 11時半頃
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ワレンチナは、エスペラントの返答を待って、食堂へ向かうだろう。
2016/05/19(Thu) 11時半頃
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/* アシモフかわいいよぉ何もしゃべれないまま終わりそうだよ…… 自分がいつ死ぬかわかってる人狼つらいな……
(-22) 2016/05/19(Thu) 11時半頃
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[気がつくと、食堂には船員全員が集っていた。 ワクラバの視線>>69にぎこちない笑みで応え、その軽口にはいつものように肩をすくめる。
それから。 シルクの手紙の内容。アシモフとイースターのやりとり。 そして、ミツボシに向けられたエスペラントの言葉を、いつもと凡そ変わった風もなく、時に頷き、時に言葉を挟みながら、聞いていた。
ワレンチナの持つカップには、熱い紅茶が入っている。出来合いのストレートの紅茶パックを温めて、単にカップに移しただけのものだ。けれどカップという形に入れ替えるだけで、どことなくその風味も増すように思われた。 本当ならば――本物の茶葉で、カップもきちんと選び、エスペラントと『お茶』をしたかったところだが、今のワレンチナにはそのどちらも持ち合わせがなかった。]
(102) 2016/05/19(Thu) 22時半頃
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[そうこうしているうちに、エスペラントが席を立った。 次いで、ワクラバも。彼の言葉にいくらかの返答をする間、ワレンチナはどことなくばつの悪そうな調子だった。]
――それじゃあ、気をつけて。
[最後にそれだけ投げかけると、ワレンチナは扉へ向かう背中から視線を外して、カップに残った紅茶を飲み干した。]
(103) 2016/05/19(Thu) 22時半頃
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/* は??ワクラバのメモずるくない????
ていうか wwwwwww。>きのこキャラ付け そしてやはり皆それぞれとはがっつりしゃべれなかったよ〜あと1時間で…どうにか…
(-29) 2016/05/19(Thu) 22時半頃
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[二人の背を見送ってのち。そう間を置かず、船外からの通信が入った。 まっさきに、そしてまっすぐにそれに応えたミツボシを眺めながら、ワレンチナはぽつりと呟く。]
なんだか……アンドロイドというものは、僕らと何も変わらないのかもしれないな……。
[有機生命体もアンドロイドも、どちらも極限まで分解してしまえば、ごく単純な原子や分子になることは違いない。魂というものがどこに宿るかということはさておき、両者の間にある違いは、自然繁殖によって産まれるか、人の手によって産まれるか――ただそれだけのことなのかもわからない。そして、いつか。]
アンドロイドもいつか、アンドロイド同士で子どもを作る……そういう進化を、自ずから遂げる時が来るのかな……。
(104) 2016/05/19(Thu) 23時頃
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― 自室 ―
[エスペラントとワクラバとが船外に出てしばらく。 このそれなりに大きな船の外周を見て回るのだ。それなりの時間がかかるだろう――しかしてモニタも何も無い状態で、ただ二人の反応を待つ、というのも少々手持ち無沙汰なものだった。 イースターが席を立つ折り、ワレンチナもそれに倣って自室へ向かった。
セーフモードで薄暗い部屋の中、ワレンチナは個人端末を開き、椅子の背もたれに身体を預け、爪を噛んでいる。 何か打ち込みかけては止め、また爪を噛み――を、しばらくの間繰り返した。
その間も皆と同様に、船外からの音声通信は開きっぱなしにしておいた。 そして。]
(118) 2016/05/20(Fri) 00時頃
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[ノイズ。そうして、その先の無音。 ワクラバの声。]
――先生?
[反射的にそう呼ぶ。急激に心臓が早鐘を打つ。 何事か打ち込みかけていた端末を無意識のうちに閉じる。 椅子から立ち上がりかけた姿勢で、見えない筈の音声通信を目で追うように、視線を動かす。
叫ぶようなワクラバの声。 唐突な空恐ろしさに襲われて、ワレンチナは力が抜けたように再び椅子に沈み込んだ。]
(頼む。これ以上、そんなこと。やめてくれ。お願いだよ)
[震える指先が、前髪をくしゃりと掻き上げた。]
(121) 2016/05/20(Fri) 00時頃
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(――これは吊り橋理論か?ワクラバ。 そうでないなら単純な情けか。それとも好奇心か?
どちらでもいい。投げかけたのは僕の方だ。 そうして君は応えた。それだけ。結果論でいい。
『王子様』はもう居ない。 ほんとうの自分の心に――言わば本能に従ってみれば。 僕は、女という名のけだものだったのだ。
それを認めさせてくれ。 どうか無事に帰ってきてくれ。今夜、僕の元へ。 僕が今――祈るのは、そればかりだ。)
(*6) 2016/05/20(Fri) 00時頃
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[ふと、脳裏に彼の顔がよぎる。
そこで、ワレンチナの意識は――静かに、途絶えた。]
(124) 2016/05/20(Fri) 00時頃
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