145 来る年への道標
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[女はとりあえず割り当てられた客室に荷物を置いて、しかしやることもないのでまた部屋を出ることにしました。腰周りに着けてあるじゃらじゃらした筒は取り外すのが面倒でそのままに。]
(ええと……) {Ywwan..ywlaan..ywjaa..}
[廊下に出たはいいものの考えてみれば船内のどこに何があるのやら。ゆっくりと明滅する光の音を携えながら、女は案内板を探すことにするのでした。]
(10) 2015/01/02(Fri) 09時頃
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[廊下をうろうろとしていると、男性に声をかけられました。(>>12) アイライトは小さな微笑みとともに挨拶をします。もちろん合成音声で。]
"コンニチワ"……いいえ、道を……#地図#を探していて。 船内が……/ワカラナイ/ものだから。 お恥ずかしい。
[喋る度にちかちかと輝き、音が鳴ります。物腰は上品で柔らかですが、光と音は人によっては鬱陶しくもあるでしょう。]
(13) 2015/01/02(Fri) 12時頃
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[トリンクル出身者は外見の物珍しさから、とにかく注目を集めます。好奇心や無遠慮さだけで話しかけられることの多さに昔は彼女も空気を尖らせていたものだが、今では慣れたもので穏やかに対応できました。
そうして穏やかにしながら害敵かどうかを判断するので、逆にその笑顔は冷たくあるでしょうか。 表情で感情を表すことの苦手なトリンクル出身者ですから、これでも彼女には精一杯の笑顔なのですが。]
{Tlin..tlin..trlin..}
[光や音もなるべく刺激しないように気を遣ってはいます。]
(15) 2015/01/02(Fri) 12時半頃
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#エントランス#……そうですか。 一緒に?行ってくれる?……"助かります""アリガトウ"。
[端的だけど丁寧な物言い、無遠慮にならない物腰の青年は女にとって大変快く思えました。]
星の"あてにならない"道は……迷ってしまいがちで……。
[だからこんなことも喋ってしまう。一人で楽器の素材を集めることの多い彼女ですが、もともとはお喋り好きなのです。]
あの……私、"アイライト"。 #お名前#……訊いてもいいかしら?
(16) 2015/01/02(Fri) 12時半頃
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ええ……アー……外を、歩くとき"私たち"は #星の光#があれば迷わないのだけど。
[建物とか乗り物の中はどうもダメね、とアイライトは少し照れながら続けました。]
ナ、ユ、タ
{Qulawn..kukl..yjaa}
[一音ずつ確認するようにアイライトの指先が動き、光ります。]
"里帰り"……そう、そうね。 年の瀬の、#コンサート#が……あるものだから。 /ナユタ/も……"里帰り"?
(18) 2015/01/02(Fri) 13時頃
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…………。
(……里帰り……そうね)
(-6) 2015/01/02(Fri) 13時半頃
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[ナユタは光や音を嫌がらず話してくれて、それがアイライトには少し嬉しそうです。]
そう……わたし"奏者"なのよ。 すこし……"メズラシイ"楽器だから……有名ではないけど。
[それに彼女らのコンサートはその楽器の特殊さで、嫌う人もいるのです。だからこうして親しげに話せることだけでもすごくあたたかいのでした。]
いいわね……久しぶりだったら"家族"も喜ぶでしょう。 わたしも#仕事#にかまけて……なかなか帰らないものだから……。 待つ"コイビト"なんかもいないことだし。
[自嘲ではない柔らかな微笑みでそんなことも話します。喋る光はどんどんとやさしい色に変わっていきました。]
(20) 2015/01/02(Fri) 14時半頃
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(やさしい光のある人)
(わたしのような冷たい仕事をする女とは違う)
(-7) 2015/01/02(Fri) 14時半頃
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楽器……『ルミナス・オルガン』とか呼ばれます。 けど、わたしたちの……#故郷#ではもっと "シンプル"に……こう
[右の人差し指を輝かせて、下から上へ直線に光の軌跡を描きます。それを額の前で掌を開き、光を弾かせてまるで花火のような形になりました。]
わたしも……"家族"のことを放っていた……けど 今回の/コンサート/にはみんな"集まる"……んですって。
だからきっと……久しぶりでも"喜ぶ"わ。
[アイライトの表情はさして変わらないけれど、なんだか真面目に親身になっていたようでした。思うところでもあるのでしょう。]
あら……。
[ふ、ふ、と息が漏れるように笑いました。]
イブ……『クリスマス』ね。 "女の子"は……どこでも#同じコト#を……言うのね。
(22) 2015/01/02(Fri) 17時頃
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じゃあ……『仕事人間』どうし…… この"旅の間"くらい…… #仲良く#してくれると"ウレシイ"
[一人旅だから、時間をもて余しているの、とアイライトは髪を流れる光とともに付け足しました。]
(23) 2015/01/02(Fri) 17時頃
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ア……いいえ、今のが、わたしたちにとっての 『ルミナス・オルガン』の"名前"なんです。
[自分達は声をもたないものだから、星ではあんなふうに会話をするのと説明を足しました。]
"演奏"も似た#カンジ#……だけれど、 "コレ"を使います。
[そう言って指差したのは、腰周りにじゃらじゃらとついた半透明な筒の束です。よく見れば筒の中には小さな光の珠が浮いているようでした。
そう言っているうちにエントランスへ。 案内図へ歩いていくナユタの後を小走りに追います。]
あぁ……本当、"ココ"にあったのね…… "助かりました"……『ナユタ』
[案内図を眺めて時間潰しできる場所を探す前に(そもそもこの船にそこまで気のきいた場所があるか考えていませんが)、青年に精一杯のお礼を言いました。 トリンクルの女性式に、指先で唇と胸のあたりをなぞってからそれを相手に投げかける動作と光も添えて。]
(27) 2015/01/02(Fri) 18時頃
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(ふふ……少し楽しくなりすぎたかしら)
(柄でもない……)
(-9) 2015/01/02(Fri) 18時頃
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(故郷の外に 恋人でもいたら)
(もう少し希望を持って帰れたかもしれないわね)
…………。
(-10) 2015/01/02(Fri) 18時頃
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(>>28) "ラウンジ"……そう。"わかりました"。 また会いましょう……『ナユタ』
[去っていく青年に手を振ってから、案内図へ向き直ります。]
(売店、展望ラウンジ、ランドリー……小さい船ですものね。 ラウンジ……行ってみようかしら)
(30) 2015/01/02(Fri) 20時頃
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……。
(別に)
(気にも留められないでスルーされたなんて)
(気にしてないわ……)
(-12) 2015/01/02(Fri) 20時頃
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(トリンクルの表現だもの、そりゃあ伝わらないでしょう)
(……若い子に相手されようなんて 思い上がりかしらね……)
…………。
(-13) 2015/01/02(Fri) 20時頃
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(寂しいんだもの、いいじゃない)
(このまま一人で 今回のコンサートまでずっと)
(思い悩んで過ごすなんて ごめんだわ……)
……。
(-14) 2015/01/02(Fri) 20時頃
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{Tilm..tilm..tilm..}
[アイライトは静かな歩調で展望ラウンジに入ってきます。 さして広く感じない空間には何人かの人が話しているようでした。]
(迷わなくてよかった……)
(ああ……今はまだこの辺りなのね)
[大窓から見える星々に、この船が飛ぶ大方の位置の見当がつきます。]
(あの星……いい色)
[話している人達の後ろから覗くように窓を眺めていても、つい仕事の目で星の光を探してしまうようでした。]
(39) 2015/01/03(Sat) 10時頃
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(みなさん仲良さげにお話ししていて……知り合いどうしかしら)
[アイライトはその外見から目立ちがちで、興味本意で近寄られることには飽きているので、なるたけ気づかれないよう気をつけて静かに人々と離れた窓の端へ行きました。 窓を覗けば星々の海です。トリンクルの人は格別目が良いので(それゆえどこを見ているかわからないとも言われますが)、まさに宇宙は光の洪水、眺めているだけでも楽しいものでした。]
(あの星は……いい音がしそう。あら、あの星雲はこんな角度から見えたのね。)
(……。)
(『ナユタ』に話したいわ)
[元来はお喋りなたちですから、近くで楽しげな会話を聞いていると自分も誰かとそうしたくなります。 とは言っても自分から離れているのですからなかなか難しく、話し相手は貴重なのです。 ようは面倒な寂しがりなのでしょう。]
(40) 2015/01/03(Sat) 16時半頃
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アイライトは、喋りたいのを我慢しつつ星を眺めることにしました。
2015/01/03(Sat) 16時半頃
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