191 The wonderful world -7 days of MORI-
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[ ―― そう 思っていたから。 思って いるから。 彼の言葉で また ぐらついた 気がしたから。
もし 彼と目が合ったのなら、 きっと 一歩下がったような。よそよそしい ような。 まぶしい ような。悲しい ような。 泣き出し そうな。
全て混ざった そんな瞳で 視線を返そう。 ]
(365) 2016/06/10(Fri) 22時頃
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―― 桐原君は すごいよ。
.
(366) 2016/06/10(Fri) 22時頃
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[ …ちゃんと 笑えていたら いいなあ* ]
(367) 2016/06/10(Fri) 22時頃
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[ そうして、 サブミッションはクリアした 訳だけど。 壁が解かれれば当然のごとく、 先ほどの熊が襲ってくるわけで。 そちらの対処を しないといけないわけで。 ―― 怪我してる>>@23 とは。 とうとう言えずに、 あの死神の背を見送ることになる>>@57。 ]
(369) 2016/06/10(Fri) 22時半頃
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[ 一体目の熊が襲ってきた瞬間。 ぱっと パートナーの腕から手を離してしまったのは。 邪魔になるかもしれないと、 剣を出し、熊の攻撃をいなす彼の動きを見て思ったから。 ……だと 信じたい。
後方、身構えながら熊が一体消える頃、 ようやく背にそっと触れて、柔い光を眺めながら、 ―― 彼とおんなじことが出来るのか 出来ないのか。 ああきっと 出来ないだろうな とか。
ぐるり 考えてしまった から。 ]
(371) 2016/06/10(Fri) 22時半頃
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[ ―― 真横 で。 二体目の熊の爪が迫っている事実に 気付くのが遅れた。 もしかしたら、本当に もしかしたら。 パートナーが何か言っていたかもしれないけれど、 まったく それは 聞こえていなくて。 ]
(383) 2016/06/10(Fri) 22時半頃
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――― あ…、!
[ もう体力も無いというのに 咄嗟によけられたのは。 カミサマっていうのがくれた奇跡と、 言い表す他ないのだろうけど。 それでも脚を爪が掠めて、ソックスを裂いて、 血が 僅かに流れ落ちる。
死んだ理由もなにもかも覚えていない己が知った、 死の 恐怖がそこにあって。
凹んだ地面に 熊の拳がはまっている隙に、 ]
(384) 2016/06/10(Fri) 22時半頃
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…にげよ う。…あっち!
[ パーカーの袖を掴んで、パートナーとふたり。 親玉のいるであろう映画館へと入っていく* ]
(385) 2016/06/10(Fri) 22時半頃
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― 映画館内 ―
……… どこだろ。
[ 脚が嫌な感じ と言えば良いのだろうか。 だら だら ぽた ぽた。垂れるわ落ちるわで、 でも止める暇は あまり ない。
まさか昔の童話じゃああるまいし、 そんなところで跡を残したって、意味ないのになあ。 ]
(410) 2016/06/10(Fri) 23時半頃
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[ とか。
そんなことを思えるのなら きっと。 己はまだまだ大丈夫で。 なにより 文字通り。 脚を引っ張っている場合じゃあ ないのだ。 後ろのパートナーが何か言うのなら、 空いている方の手で、「静かにして」って、 人差し指を彼の口元に突きつけよう。
息をひそめて歩む。 ]
(411) 2016/06/10(Fri) 23時半頃
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[ と 歩んで。 おそらく直ぐのこと だったように思う。 ]
…… ?
[ 床に刺さった ハリが数本。 自分たちのサイキックではもちろんないし、 あの状況だったのならば、先客がいたとも考えづらい。
それならば もしかして。
己の血痕よりも目立っているそれを追いかけて、 無人の上映会、シアタールーム。 そうっと入り込んだ スクリーンの真ん前に、
たった 一匹。 "なにか">>#5 が いた* ]
(417) 2016/06/11(Sat) 00時頃
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!!
[ 様子を見ていたつもりが、 流石にミッションの目的地。 参加者が多くいること、何かが起ったことに気付かれたのか、 此方を振り向いた瞬間、ハリが飛んできた。
今度はよけられない と。 目をつむって構える けれど>>435。
……流石のパートナーと言うべきだろう。 背にかくれるかたちで、攻撃が通り過ぎるのを待って。 ]
(440) 2016/06/11(Sat) 01時頃
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あの、
[ 最中。 背を見上げ、小声で。 ]
私は気にしないで 良い から。
[ 聞かれたかどうかは 知らない。
そして今度は。今更。 爪でやられた脚がじくじくと痛み始めた。 ああでも 立てる以上動けるだろう と、 垂れる生ぬるい感覚を無視して結論づけて。
じりじりと迫っていく彼の後ろから、 顔を覗かせた 時>>436。 眼前まで迫る まるい―― ノイズ が。 ]
(441) 2016/06/11(Sat) 01時頃
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ちょ っと!?
[ ―― 流石に。 動かないと思い込んでいた己が悪いのだが。 まさかこっちまで飛んでくるとは思わず、 いっそ 回避目的以外に。 疲れるがままにしゃがみこんで、避けた。 床に べしゃりと崩れ落ちる。 それはもう 情けなく。
かと いって。 この脚と体力の状態で直ぐ立てる訳も無いから、 パートナーの手を引っ張って、
くるくる 反対方向で体勢を立て直すノイズに、 粒子をまとう手を 向けて。 ]
(446) 2016/06/11(Sat) 01時頃
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[ ああ 警報が 急き立てる。 集中なんてどこかにいってしまって、 ぐわん と せかいが 揺れる感覚すら 抱くけれど。 ] ……この隙、に。 いける かな
[ くるくる まわる ノイズから目を離さないで。 祈るように 片手は離さないままで。 問う。 ]
(448) 2016/06/11(Sat) 01時頃
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[ 返ってきたのは 肯定だった。
結局。作り出したもの。 最初に使ったサーベルが出しやすいのかもしれない。 切るものか突くものかも生憎よくわかってないけれど、 倒せるなら なんだっていい。
失敗するのは こわい。 なにもできないと 呪文のように唱え続けて。 そうしてずっと ここまで来ているから。
握る手>>455が 震える。 怖い けれど。 …声をかけられれば 小さく 頷こう。 ]
(457) 2016/06/11(Sat) 01時半頃
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……がん ばる
.
(458) 2016/06/11(Sat) 01時半頃
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[ ――― そうして。
ノイズの。 その まわる身体を 貫くように。
サーベルを 投擲した。 ]
(459) 2016/06/11(Sat) 01時半頃
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[ 手応えなんて わからないはずなのに。 確かに―― いけた という 感覚があった。
それを裏付けるように。 映画館 シアタールーム前で。 淡い光とともに ノイズが 消滅するだろう。
…もっとも この後。 "爆弾魔一味"の続きがあることなんて、 己は全くもって 想像していないのだけど* ]
(460) 2016/06/11(Sat) 01時半頃
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[ 倒せた と 思ったところで。 上々 と言って もらえて。 一息つけると思った矢先。
―― 鳴り響く警報とは異なる音が 響き渡る。 今までのそれよりも ずっと 危険だと。 何かがそう告げるような そんな 音。 出るぞと言った声に頷いて、 どうにかこうにか立ち上がろうとした時、 ふわり 身体が持ち上がる>>479。 ]
(492) 2016/06/11(Sat) 02時頃
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へ あ、あの ―― ま、って くださ
[ 何をされているかって そりゃ。 知らないわけじゃ無い。
それでも でも どうしたって遠慮はあって。 反射的に言葉が出た けれど。 このいかにも危ない状況で、 待ってほしいとか 言える訳も無かった。
それに。 下方に見えるパートナーの表情は、 見たこともないような もの>>480で。
静かに頷くしか ない* ]
(493) 2016/06/11(Sat) 02時頃
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― 4F・映画館 ―
[ 言っていた熊は直ぐに目の前に現れてきた。 肉を裂かんとする爪に 脚の痛みが再び襲うけれど、 気にしていられない。
身体を預けて、腕を熊に向けて。 全力で作り上げるは 十程の サーベルで。
――― 一斉に襲わせれば、 弾こうが砕こうが、一瞬でも隙が出来たはずだから。 ]
(494) 2016/06/11(Sat) 02時頃
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た …多分 大丈夫です!!
[ 切れかけている息のまま、告げる。 今は未だバランスが取れているし、 パートナーの運動神経を信じていない訳では断じてないが、 目指すのは階下だ。
落ちても 何があっても良いように、 首元にしがみついて、目を瞑る* ]
(495) 2016/06/11(Sat) 02時頃
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[ 隙を作るのには成功したらしく、 そのまま階下まで、エスカレーターを駆け下りる。 …道中 どうしてか。 視界が変わったように 思えたけれど>>499。 走っていたから、きっと抱え直したんだろう と。 そう 思うだけで、 真実を知ることは無く 終わった* ]
(502) 2016/06/11(Sat) 03時頃
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― 13'sスクエア前 ―
[ ブザーの鳴り響く施設内から出て。 そうして走った 先。適当なベンチにおろされて。 応急処置と言う彼に、そりゃあもう 慌てた。 ]
自分で出来ます か ら……いた、っ い
[ 彼の行動が早かったのか、聞き入れられなかったのか。 何にせよ処置は彼任せとなったようで。
ばっくり とまでは行かずとも、 引っかかれた痕は確かに脚に残っている。 染みる痛みに歯を食いしばりながらも、 全身に力を入れて耐えた。 ]
(503) 2016/06/11(Sat) 03時頃
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………ごめんなさい
[ 心配 の 色に。 気付いて良いのか わからなくて。 理由をつけない彼と反対に 理由を つける。
そりゃそうだ。一蓮托生なんだから。 たまたま似た時期に死んだらしくて、 偶然出会って契約したとはいえ、 パートナーである以上、無茶は してはいけなくて。
運動なんて出来ない、 赤く染まっていた脚を眺めて、小さく呟く。 あんまり見られたくないのが本音では あるけど。 おとなしく 処置する姿を 見て。
何でも出来るんだなあ と。 どうしたってこれは本音。 ]
(504) 2016/06/11(Sat) 03時頃
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[ そう。彼は 何でも出来る人で。 それ故に 少しばかりわからないことが あった。 ]
桐原君 あの さ ………、きみは なにが、
[ 彼が出来なかったことは>>256。 完璧な彼が出来ずに とうとう死ぬに至ったものは、 なんだろう と ふと 思って。 ]
(505) 2016/06/11(Sat) 03時頃
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「 ――― 何が 出来なかったの? 」
[ ぽつん と。言おうと したのだ。 取り戻す が すなわち わからない>>255 と。 そう読み取れずにいた 至って単純な 問いかけなのに。
なのに 口は動かなくて。ただ 開いて閉じるだけ。 なにより 身体全体が 重くて。
……重くて? ]
(507) 2016/06/11(Sat) 03時頃
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……?
[ 疲れか 目眩か。 意識が闇の向こうまで引きずられる感覚。 ――― ねむい なぁ と。
一瞬でも そう思ってしまえば。 ぐらり 身体を傾けて、しまって。 ああ体力つけないとなあ とか、 外で寝るの みっともないなあ とか。 ぼうっと 思った それが"今日"の最後。 ]
(508) 2016/06/11(Sat) 03時頃
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[ ――― 暗転** ]
(509) 2016/06/11(Sat) 03時頃
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