253 緋桜奇譚・滅
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いーや、遅いぞ。
[手を翳す。 渦巻く焔が、刃のような颶風とぶつかり合い、散る。]
天狗は韋駄天……って聞いてたけど、飾りかぁ? でも、戦いたくないのばっかり来るのは、琴も嫌だぞ。
(123) 2018/11/13(Tue) 19時半頃
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でもでもでもでも 爺は妖力はばっちりなんだぞ。 まだまだ、足りないんだぞ。
[桜吹雪に紛れ、火の粉が散る。 ゆらゆら ゆらゆら ゆらぁり]
残念なんだぞ。
[その言葉は、ほんとう。]
(124) 2018/11/13(Tue) 19時半頃
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/* しれっと何妄想してんだてめー
(-46) 2018/11/13(Tue) 20時半頃
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残念。食べたかったぞ。
[異国出身の父を持ってしてもなかなか口にできぬ氷菓子。 本当に、食べたかった。 きっと、絶対、楽しかっただろうに。 美味しかっただろうに。]
むー、寒いぞ。
[発生する濃霧は、視界を奪う。 手探りでも、自身の手すらも覚束無い。 これは困った。
困った?]
(142) 2018/11/13(Tue) 20時半頃
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[否、翁は一手遅い。]
[かつん、とぽっくりが瓦を蹴る音が1つ。 濃霧より高き上空には、月光遮る雲――――否、否
黒き大軍。 翼持つ夜の眷属、蝙蝠の群れ。]
惑え惑え 提灯ジャックの灯火は、幽幻だぞ。
[地上の童女の姿は、刃に割かれ斃れる。 幻影の自身を視界に収めながら、無数の刃《翼》を放った。]
(144) 2018/11/13(Tue) 20時半頃
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/* あり、ということは赤も連落ちしないと村2落ちしたらやばいぞ? (妖精のカウントがあやふや
(*13) 2018/11/13(Tue) 21時頃
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うへぇーなんだそれえー
[奇天烈な避け方に目を丸くする。 妖怪の長ともされる妖力は、さすがと言うべきか。]
ちぇっ
[旋風の吹くまま、身体を捻る。 数多の提灯吊るす紐に着地し、次の手を練る。]
(150) 2018/11/13(Tue) 21時半頃
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邪魔しないでほしいんだぞ。
[器用にバランスを取りながら、唇を尖らせる。]
会いたいだけなのに。
(151) 2018/11/13(Tue) 21時半頃
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[京の隅。 華やかな街並みから外れた、今や人も通らぬ場所。 明かり灯らぬ1つの廃屋。
荒れ果てた室内には、元は暖かな料理が作られていたであろう鍋。 野菜や肉を、牛の乳で煮たもの。 南瓜を丁寧に漉し、小麦を練った生地で包み焼いたもの。 小さな皿に盛られた、色とりどりだった菓子。
どれもどれも、腐り果て、最早虫も集らぬ残骸。
家人は、誰もいない。 誰も。 誰も。 何かが起きたそのままに時が止まり、朽ち果てた家。]
(152) 2018/11/13(Tue) 21時半頃
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/* なりに行きたいめっちゃ笑ったぞ。 おっけーなんだぞ!
(*15) 2018/11/13(Tue) 21時半頃
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……爺はちょっと桜にぼんのーでも食われた方がいいぞ。
[この感想だけは、間違ってないって断言できる。 盛んが過ぎるというのも、充分よくないことだ。]
だいたい、爺は楽しいかもしれないけど、 見られる側はそんなに楽しくないぞ。 むしろちょっと気持ち悪いぞ。
[正論。 全くもって正論。 "ちょっと"で済ませたのは手心だ。]
(161) 2018/11/13(Tue) 22時頃
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…………………
[それも、父母を問われれば笑みは消える。 吊り糸に立ち、俯く。]
……父ちゃん、母ちゃん。
(162) 2018/11/13(Tue) 22時頃
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琴は、いつも通り遊んで帰っただけだぞ。 父ちゃんも、母ちゃんも、琴の大好きなご飯と一緒に、待っててくれてたはずなんだぞ。
[誰が?知らない。 知っているのは、薄らと感じていた、父親《余所者》への迫害心。 西洋が混じりだしたばかりのこの国では、まだ異端の家への―――]
なんでいないんだ? 待っててくれてたはずなのに、待っても待っても、帰ってこないんだぞ。
[あったかい料理と、冷えた部屋。 冷めていく料理と、凍えていく部屋。]
(163) 2018/11/13(Tue) 22時頃
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なら、琴が迎えに行くんだぞ。 父ちゃんも、母ちゃんも、そういう妖怪だから。 だから、迷ってるのかもしれないんだぞ。
[ジャック・オー・ランタンは何処にも行けない彷徨う鬼火。 夫婦で何処かに出かけて、帰れなくなったのかもしれない。]
だから、目印なんだぞ。 おっきなおっきな真っ赤な桜。 その力があれば、いくら父ちゃん母ちゃんだって、見つけられる灯火になるんだぞ。
[だいすきな二人にまた会いたいから。 そのためなら、なんだって惜しくない。]
(164) 2018/11/13(Tue) 22時頃
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言ってたぞ。 桜が真っ赤になれば、地獄の釜が開く。 開けば、何かあるかもしれない。
[何か。 その何かに、託したかった。]
父ちゃんも母ちゃんも死んでない!!!
[感情のままに叫ぶ。 死していない両親を探すのに、冥府の門を開けたがるのはおかしい?
うるさい 五月蝿い 煩い ウルサイ 黙れ!!!!]
(190) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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……父ちゃん言ってたぞ。 これから、新しい時代になるって。 違う世界の人も妖も、暮らせるはずだ、って。
母ちゃんも言ってたぞ。 今はまだ厳しくて苦しいときかもしれないけど、いつかはきっとって。
爺と同じこと。
(191) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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嘘吐き
(192) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐き嘘吐きぃ!!
そんなもの、来なかった!! 人にも妖にも、そんなものできないんだぞ!! ランタンの火よりも移ろいやすくて、すぐ消えちゃう世迷いごとなんだぞ!!
[その場で地団駄を踏み、髪の焔は不安定に揺れる。]
父ちゃん母ちゃんがこの都を望んだって この都は父ちゃん母ちゃんを望まなかった!
(193) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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引き返す道に父ちゃんも母ちゃんもいないぞ。
前も後ろも真っ暗。 なんにも、なんにも、なぁんにも、見えないんだぞ
[舞う桜の花びらを見上げる。 明るすぎる桜の周囲には、何も見えない。]
(195) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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それに、提灯ジャックに、道はない。
永遠に彷徨う、虚ろの火。
行く道? 逝く道? 戻る道?
そんなもの、最初から、ありはしないんだぞ。
(196) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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[ぽぅ]
ひとぅつ
[ぽぅ]
ふたぁつ
[ぽぅ]
みぃーっつ
[ぽぅ]
よーっつ
[ぽぅ]
いつーつ
(198) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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[ぽぅ]
むーっつ
[ぽぅ]
ななーつ
[ぽぅ]
やーっつ
[ぽぅ]
ここのーつ
[]
……
(199) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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足りない。 ひとつ、足りない。
[ごぅごぅと足元に焔が渦巻く。]
わるいこ。 足りない1つ。 いくつあっても、1足りない。 足りなきゃ揃わない。 何にも埋めれやしない1つ。
足りない。 足りない
(200) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない足りない
(201) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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足りない ひとつ
(202) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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かぁぁああ えぇぇええええ せぇぇぇえええぁぁぁああああ!!!
[円盤状の9つの恨み火。 足りない皿は、欠けた心の大きな破片。 嘆きの焔は、炎熱と共に凍てつく寒さをも持って、無尽に飛び交う。]
(205) 2018/11/13(Tue) 23時半頃
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/* 同時に3箇所死に急いでるのちょっと待って(迫真
(-56) 2018/11/14(Wed) 00時半頃
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……緋 桜の
待ってる、ぞ
(*18) 2018/11/14(Wed) 01時頃
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……待ってる いつまでも、いい子にして、待ってるんだぞ
[ああやっぱり、悪いことしちゃったな。 なら、最期まで。]
―――うぅん
(*19) 2018/11/14(Wed) 01時頃
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ずぅっと、いっしょ。ありがとう、おかあさん。
[ひどい、ひどいことをしてしまったから。 さいごは、むすめのように。こどものように。]
(*20) 2018/11/14(Wed) 01時頃
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