191 The wonderful world -7 days of MORI-
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[ きみは、── 笑った。]
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(+11) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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── 7th day?:スクランブル交差点 ──
[ 深い、深い、海の底から、 光の届く水面まで引き上げられるみたいに、 意識を、取り戻す感覚。
海に行った記憶なんて、ない、けど。]
……── !!
[ 浅く取り戻しかけた覚醒途中の頭に、 途端に、記憶 が、蘇り、流れ込んできて、 きっとおれは、息をするのも忘れて、 勢い良く身体を起こした。また、雑踏の中。
きみは?*]
(+12) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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── 巻き戻し:6th day ──
[ きみが、拳を握りしめるのが、見えた。]
……?
[ きみの名を、呼ぼうとしたんだったか。 話があるんじゃないの? って、 そりゃもう、素直に待ち構えていたら、
歯を食いしばれ、ときた。
どういうこと?]
(+13) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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── 記憶:■の喪失 ──
……かーさん。
[ 記憶の中の母さんは、いつも、 空っぽの部屋の窓際にいて、 たまに、おれが声をかけると、 いつもにこにこと笑って、振り返った。
中学に上がって少ししたころ、 卒業前にはちんちくりんだった制服に、 おれは、”着られてる”って感じで、
とうに親戚には愛想をつかされた父さんたちが、 たまに、”見捨てるには惜しい”かつての知人に、 声をかけたりしているのも、知っていた。]
(+14) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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母さんたちの幸せに、 カンケーないひと巻き込まないでよ……。
[ 両親が、かつてお隣さんだったきみたち家族に、 そういう気もちを抱いているのも、知ってた。
”とてもよい人たちだったのに 残念だなあ”
っていう、言葉の意味とか、 包丁もない台所とか、鍵をかけたことのない玄関とか、 うちとよその家が、どう違うのかとか、
いつもうちに満ち満ちている幸福は、 たぶん、ふつうのソレじゃない、とか。
そのころのおれは、だいたい理解していて、 おれの言葉なんて届かない世界にいるひとに、 疲れた声を投げかけてみたけれど、]
(+15) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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「 きっとまだ、気づけないだけね 」
[ いつか届くわ。今はあのひとたちの分も祈りましょう。
と微笑んだ母に、なにも言わないで。
確か、それが、最後の”おねだり”で、 おれの声さえ届かない世界のあんたの声は、 たぶん、この世のどこにも響きやしない、って、
思った記憶は、すごく、遠くて、他人のモノみたいで、]
(+16) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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[ ── どうして、おれは、口をつぐんだんだろう?]
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(+17) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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── 巻き戻し:6th day ──
[ なにかがぶつかった、って感じ。
はじめてひとに殴られた感想なんて、 頭のついてこなかった一瞬じゃ、たぶん、そんな感じで、 頬骨のあたりが熱いぞ、という感覚と一緒に、 ようやく、驚愕の事実が追いついてくる。
── きみがひとを殴った!
驚きはそこにあった。 恐らくおれは、ポカン、としていて。 恐ろしく「失望した」って顔のきみ>>+10に、 率直に言えば、恐怖した。
きみに、か。 きみが尋常じゃなく怒っているらしい、ということにか、 それが、どちらだったにせよ、 きみの言葉が、すぐに頭に入ってこないくらいには。]
(+18) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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[ ── さて、きみの声>>+10を、言葉として、 頭の中に取り込んでみても、はて、 なんだか、ばらばらとなってしまって、 やっぱりおれは、ただただ”意味がわからない”って顔で、 きみを見つめ返していたのだと思う。けど。]
── おれは、ただ、ネルに生き返ってほしくて。
[ きみを、ありとあらゆる脅威から、 今度こそ、遠ざけなければいけないと思った。]
── ネルも、がんばって、生き返ろうって、言ったから。
[ ゲームのルールの中に、生きただけだと思うのだ。 この世界で、おれが、きみのためにできること、 探していたし、できることはなんだってしたいと思った。]
(+19) 2016/06/17(Fri) 21時半頃
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[ なにが、かはわからないけれど、 きみの反応か、きみの言葉か、なにか、 なんだか、ひどく恐ろしくて、
── きみのためなら、なんだってする。
その思いにのっとって、このゲームのルールの中で、 正しく、ゴールを目指していたはずのおれは、 ゲーム6日目、終盤を迎えてとうとう、 きみの様子を伺うように、眉を下げて尋ねることになる。]
(+20) 2016/06/17(Fri) 22時頃
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……おれ、なんか、おかしいこと、言ってる?
[ 口にしてようやく知る。ああ、そうだ。
記憶が、過去の自分が、 理解できなくても、違和感だらけでも、 ふつうの幸せはうちにはなかったよ、って、 そのことだけは、きっと、知っていた。*]
(+21) 2016/06/17(Fri) 22時頃
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[ ”どうしても”きみに生き返ってほしかったから。
とは、もう言葉になってなかったんだろう。 それを望まない、ときみは言って、 だけど、おれは、どうしても、 きみが失われるのが、耐えられなかったのだ。
まったく考えなかったわけじゃない、と、思う。 おれが、きみに望むことと、きみが望むこと、 食い違ってしまったら、おれはどうするんだろうなあ。 って、ほんと、うっすらと。
きみは、おれがわからない、と言ったけど、 おれの中にあったのは、最初から、 ほんとうに、ただひとつだけだった。]
(+46) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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――おれはただ、ネルに生きてほしかっただけ。
[ それだけだったんだ。他には何もいらないってだけで。 それしかなかった。 おれにはそれだけなんだよ。 だけど、きみのことは、なんにもわかんないよ。]
(+48) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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── ネルは、どうしたかったの。
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(+49) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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[ ほかに、おれはどうすればよかったの。
とでも、言うみたいに。 啓示を待つひとみたいに、見えたかもしれない。 それでも、きみが望むなら、そうしよう、 とは、思ったのだ。
きみが望むなら、おれもそうしたい。 それもだめ?
おれはきっと、ただひたすら、 困り果てている、って顔をしていたんだろう。
きみは、まっすぐにおれを見つめて、 ゆっくり、口を開いた。]
(+51) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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”ね、だから。 明日からも、一緒に── 。”
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(+52) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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[ きみは、ずうっと昔、 並んで絵本を覗いたときや、 一緒にビデオを見たときや、 三人のおもちゃの兵隊を見たときみたいに、笑った。
頷こうとしたおれの顔には、赤い血が飛んだ。]
(+53) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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[ ……なんにもない、この世界で、
どうせ、十年ほども、死んでいたようなものだった。 唯一、おれは、きみの世界で、息をして、 おれを生かしてくれたのは、きみだったのだ。 きみの本は、生きる理由、世界の意味、そのもの。
── だから、今度は、おれがきみを取り戻そう、って。] .
(+54) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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[ ── きみが、崩れ落ちるのを見た。
そのとき、おれが、どんな顔をしていたのか、 なんて、おれにわかるはずもないけれど、
きみの背後から現れた化物と、 静かに崩れ落ちていくきみと、
おれは、どうすればよかったんだろう。
きみに手を伸ばそうとして、脳裏を過ぎったのは、 どうしてだか、真っ赤な傘と、短い言葉。>>4:@78
── 触れてもいい?
なんて、聞けるはずもなく、 ひどく、指先が強張っている実感だけがあった。]
(+55) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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[ ── そして、それを最後に、世界は暗転する。*]
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(+56) 2016/06/17(Fri) 23時半頃
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── 7th day?:スクランブル交差点 ──
[ そうして、おれは目を覚ました。>>+12
勢い良く身体を起こして、きみを探して。
自分の置かれた状況と、 ”脱落者へのミッション”に気がつくのは、
あと、ほんの少し、あとの話。*]
(+60) 2016/06/18(Sat) 00時頃
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[ 顔をあげたら、すぐ近くにきみ>>+66がいた。
雪崩れ込むように蘇った記憶が、 響く声>>4:+0>>4:+1が、 きみに、きみとおれに起こったことを、 忠実に、思い起こさせる。]
── ネル、
[ きっと、二度目だった。
おれは、今この瞬間に これまでに経験したどんな瞬間よりも、 自分のあまりの愚かしさに、 絶望というきもちをあじわって、 ただ、この世界から、消えてしまいたいとさえ思った。
この七日間のはじまりの、あの日以上に。
── だけど、チャンスもまた、あった。]
(+73) 2016/06/18(Sat) 01時半頃
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[ ── 紀陸類は、まだ、あきらめない。あきらめられない? ]
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(+74) 2016/06/18(Sat) 01時半頃
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── ネル、おれ、
[ ”今度こそ”って、また思う。
繰り返し? 繰り返しなのかな。 何度だって、たぶん、おれは思う。思ってしまう。 どうしても、きみに、生き返ってほしい。 きみだけ、生き返ってくれるなら、それでいい。 そのためだったら、なんだってする。
だって、おれは、きっと、 いや、間違いなく、 一度ならず二度も、死をも覆して、 そのためだけに、ここにいるのだから。]
(+75) 2016/06/18(Sat) 01時半頃
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[ ── 違うの? ]
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(+76) 2016/06/18(Sat) 01時半頃
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[ また、きみを死なせてしまった後悔とか、 二度目の死の間際、きみが言ったこと。
銀色の死神が、小さい死神が、 元・同級生たちや、お菓子をくれた参加者とか、 ── その、ほとんど名前も知らない誰かたちの言葉や、
なにもかも、ごちゃまぜになって、 おれは、]
……おれ、ネルに、生き返ってほしいよ。
それは、あきらめられないよ。 なにがなんでも、ネルには、生きてほしかった。 ……生きてほしい。
[ おれは、やっぱり、それしかないんだ。 と思って、ただ、それが、怖かった。**]
(+77) 2016/06/18(Sat) 01時半頃
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[ きみが、”一緒に生き返りたい”と言うとき、 おれは、どんな顔をしていたのだろう。
おれ、別に、生き返りたいとか、思ってないよ。 生き返りたくないと思うほど、嫌いでもなかったけど、
── たぶん、おれがひとりで死んだなら、
はじまりのあの日、きみがいなかったら、 出会ったのが、桐原でも、小津さんでも、 例えば、父さんや母さんでも、
きっと、おれは、 こんなゲームに参加もしないで、 とっとと消滅していたように思うし、 生き返る権利を賭けて争うとか、 そこまでして、取り戻したい人生でもなかった。]
(+84) 2016/06/18(Sat) 11時半頃
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── 記憶:ヒゲ探偵と見つからないねこ ──
……あきらめるのなら、得意なんですけど。
[ なにか、諭すような小津探偵の言葉>>6:+28に、 へらり、と、笑えたらよかったんだけど。 日頃サボりっぱなしの表情筋が、 そう都合よく働いてくれることもなく、 淡々、ぼそぼそと、言葉を吐いただけのひとになる。]
……ねこはがんばって探すことにします。
[ あきらめないほうがいいものなんて、 見当たらないですよ。とも言えないで、
ひょこり、と、頭を下げた。夕暮れ。*]
(+85) 2016/06/18(Sat) 11時半頃
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── ネルが、そう望んでくれるなら。
*
(+86) 2016/06/18(Sat) 11時半頃
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── 中央エリア→南エリア ──
[ きみが望んだ答えじゃなかったとしても、 おれの口から言えるのは、きっとそれだけだった。 ほかに、なんにもないんだもの。
だから、それ以上なにも言わず、 きみと肩を並べて歩いていく。
空になにかが浮かぶ場所>>+80へ。
「あれかな?」って、きみに囁きながら、 あるいは、途中で誰かに出会ったにしろ、]
(+87) 2016/06/18(Sat) 11時半頃
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[ 最終的に辿り着いた先で、 おれは、迷うこともなかっただろう。
長ったらしい前口上なんか、 ヒーローでもなけりゃいらないんだって、
攻撃なんて、全部きみに任せて、 おれは、的を固定する手助けをするだけだって、 駆け寄って、そのまま、勢いよく地面を蹴って、
飛ぶ。**]
(+88) 2016/06/18(Sat) 11時半頃
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/* 死後は人殺しに躊躇ない感じでしたが、生前はたぶん殺されることに抵抗がない感じの極端さ 決意の朝にでごまかせる程度の信者っぽさ仄めかしの予定だったのにな
(-49) 2016/06/18(Sat) 11時半頃
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── 7th day?:エコーシティ ──
[ 殴れ、ときみが言った>>+98ので、 おれはただ、その言葉の通りに飛んだ。
硬そうな鱗を通して、果たしておれの力が効くのか、 そんなこと、考える必要もないくらい、 おれには、それしかなかった。 なんにも殺せないこの力で、きみの助けになりたい。]
── まかせて。
[ 地面を蹴る。]
(+108) 2016/06/18(Sat) 22時頃
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[ もしも、きみとおれの命が、 ひも付けられていなかったら、 間違いなく、おれは言っただろうに。
きみのためなら死ねる。
むつかしいのは、 おれが死んだら、きみも終わるって、 そのことだけだったのだ、ずっと。
きみがそれを望まないんでも、なんでも、 実のところ、おれはそうしたかったのかもしれない。]
(+109) 2016/06/18(Sat) 22時頃
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[ ── 現実は、そうもうまくはいかないもので、
そう簡単に攻撃は通らないし、 おれが死んだら、きみが死ぬから、 おれは、保身を忘れられない。
響く雷鳴>>+100に、咄嗟に距離を取る。
そうも早くは動けないのと、 壊れると修復に時間がかかるのが、 この翅の厄介なところで、
だから、中途半端な空中から、 地上へ、ぽんと飛び降りたんだったかな。**]
(+110) 2016/06/18(Sat) 22時頃
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[ 6日、飛んだ。 背に生えたソレも、随分と馴染んだもので、 それが万能じゃないってことも、 その中で、どう動けばいいのかも、 ちょっとは、学んだつもり、だ。
ダン、と、地面を踏むころには、 ファンタジー世界のいきものめいた姿は消え、 いきものとしての輪郭を失って尚、 人間気取りで言葉を吐く>>+100もので。]
(+133) 2016/06/19(Sun) 00時頃
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[ 隙を伺って息を潜めていた、というよりは、 たぶん、なんにも言えなかっただけだ。
── きみは、気づけば遠かった。
わからない。はじめは、隣にいたのに。 おれが進むのをやめたからかもしれない。 なにかを望むのも馬鹿らしいなって、 考えるのも、なにもかも、やめてしまったからかも。
いつからだろう、ネル。おれ、この世界がきらいだよ。 夢なんて、見なかったし、 世界の続きなんてのも、見たくもなかった。
きみの目に見える世界は遠いよ。 でも、おれにとっての思い出の欠片が、 今のきみの世界だというなら、 見てみたかった、とは、思ってしまうのだ。
……とっくに、あきらめたはずなのに。]
(+134) 2016/06/19(Sun) 00時頃
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[ ひどく、息苦しいような気もして、 けれど、気を抜くことはできないと思った。
そう。考えることができるくらいには、 おれは、必死だったのだ。このゲームについて。
── 今だ、と思ったのは、
きみを守る存在がきちんとあることを、 ちゃんと、知っていたから>>+103で、
おれは、おれにできることをしよう、って、
地面を蹴って、ふわり と、音もなく飛んだ。 その獣の真上にきたとき、ぴたりと羽ばたくのをやめ、 翅なんか、なかったみたいに、おれは落ちる。>>+104]
(+135) 2016/06/19(Sun) 00時頃
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[ 落ちるだけだから、当然、 攻撃を避けるとか、するわけもなく、
ただ、おれは分かっていた。 翅さえ、燃えなければいいのだ。 死ななきゃ、それでいい。
熱が、肌を焼く感覚も、はじめて知った。 痛い、と、思わなかったわけではないけれど、 それで怯んで、獲物を逃しちゃ、意味が無い、って。
手を、伸ばした。>>+107*]
(+136) 2016/06/19(Sun) 00時頃
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[ 確かに触れた、と思ったけれど、 顔と、身体を上げたとき、 そこにいたのは、八つの尾を揺らす獣>>+107で、
── 効かないわけじゃない、と確信する。
同時に、”落ちた”とき、身体の前面にあった、 腕や、頬なんかの、むき出しの皮膚に、 引きつるような、感覚も、あって。]
── なにか、失ったのかどうかも、 わかんなかった。わかんないんだよ、おれひとりじゃ。
[ 結局のところ、おれは、なにを失って、 なにを代償にして、ここにいるのか、 それすら、よくわからないで、今こうしてる。]
(+141) 2016/06/19(Sun) 00時頃
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……だけど、これから考えよう、って、 ネルも言ってくれたんだから、 きっと、それは、できるんじゃないか、って。
[ 思っちゃ、ダメなんだろうか。
炎の壁は、飛べば越えられるだろうか>>+107って、 考えたあたりで、きみの声>>+121と、
新しい足音や声>>+130>>+137が、やってきただろうか。*]
(+142) 2016/06/19(Sun) 00時頃
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[ 突然、声が飛んできて、>>+153 振り返った先、見た顔に、
やっぱり、正しかったじゃないか、なんて。
口に出さなかったのは、正解かもしれない。
毛並みのよい獣>>+149に、覚えはなかったが、 それに跨るひとも、その後ろに立つふたりのおとなも、 おれは、よくよく、とは言わないまでも、知ってる。
おれが殺した。 ポイント持ってそうで、強そうで、 最後に残られたら厄介だろうから、殺した。
他にもたくさん、消えてったはずの参加者は、 今、ここにはいなくて、……つまり、そういうことなんだって。]
(+154) 2016/06/19(Sun) 00時半頃
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[ 自分の殺した相手との再会に相応しい言葉を、 生憎、おれは知らなくて、
やっぱり、このゲーム中何度もしたみたいに、 ぺこり、と小さく頭を下げた。
駆ける獣と浮かぶ光球>>+151が見えたなら、 ひらり、と、道を開けてみせただろう。*]
(+156) 2016/06/19(Sun) 00時半頃
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[ ── その後を追うように、地面を蹴った。
炎の消えた道>>+155を、駆けて、 まっすぐ、その、化物に、突っ込んでくみたいに。 或いは、飛んで。きみのくれた力を駆使して。 どうにかして、近づきたかった。
炎を纏っていようが、電気を帯びていようが、 ”触れたら”、なんとかなるって、 さっき、思ってしまったから、
煙の膜が、炎が、電気が、 狐の動きを阻害しているなら、 伸ばした手の届くところに、まだいるなら、
今度こそ、痛みも、なんにもない、 ただ、”動けない”ってだけの感覚で、 そいつを、捕らえてしまいたい。*]
(+162) 2016/06/19(Sun) 01時頃
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[ ── 立ち止まれない、と思った。
確かに触れた、と思ったときに、 また、するりと逃げられるような感覚。
目前で、また、輪郭を失っていく化物に、 立ち止まれない、と、思って。
……何もしなきゃ、終わる命だ。
後を追うように、地面を蹴る。空に。
歪だろうが、醜かろうが、 ”きみのためならなんだってする”って、 あのとき、この世界がはじまった瞬間から、 思った。思っていたんだから。]
(+170) 2016/06/19(Sun) 01時半頃
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[ ── 危機的状況の残り何秒だか。
そんな状況でも、おれにできるのは、 ただ、きっと地上から狙いを定めるきみに、 そのほか、なにかを試みる皆さんに、 少しでも役に立てなかろうか、と、
決して、丈夫じゃない翅で、 残滓の中、ソレを追いかけ、飛び上がり、 その、脚なり、どこかをつかもうと、 あの紋様の浮いた手を、まっすぐ、伸ばすことのみである。*]
.
(+171) 2016/06/19(Sun) 01時半頃
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/* 他に思いつかねえもん
(-112) 2016/06/19(Sun) 01時半頃
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/* んーーーんーーーーーーーどないすれば 関係ないけどドロドロに溶けるコンポーザーめっちゃSANチェック要求してきそうだなって思いました(初期SAN25)
(-113) 2016/06/19(Sun) 01時半頃
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/* 数秒じゃなかったらネル抱えて飛んで〜とかなんか考えたけど、 ネルの攻撃手段はネル自身じゃなくて兵隊さんだし、 そもそも数秒だからな
遠隔攻撃できる組がんばってください
(-114) 2016/06/19(Sun) 01時半頃
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/* 3
(-120) 2016/06/19(Sun) 02時頃
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[ 伸ばした手に、あれは、なんだったのだろう。 硬いウロコ? なにともつかぬ異形のモノ?
とにかく、ただ、手を伸ばして、掴もうとして、 やっと、なにかに触れたんだ、と思った。
── そして、落下。
必死に掴もうとした、その化物に、 巻き込まれる、みたいに。>>+177]
(+180) 2016/06/19(Sun) 02時半頃
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── っ !!
[ 翅、を、広げて。 たぶん、最後の悪あがき、ってやつ。
少しでも、衝撃をやわらげようと、試みつつも、 蛾 のようななにかもまた、地面に落ちた。
結局、翅以外は、人間だから、 硬い地面に打ち付けた身体のどっかしら、 うまく動かせないのも、仕方なかろう。
それでも、這うようにしてでも、 あきらめの悪いおれが、再度、 べたん と、その、異形>>+178に、手を伸ばしたのと、
見上げた先、きみが、きみの司る剣>>+179が、 光 みたいに、見えたのは、ほぼ同時だったと、思う。*]
(+181) 2016/06/19(Sun) 02時半頃
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|
[ すこしでも、きみの役に立てたんだろうか。* ]
.
(+182) 2016/06/19(Sun) 02時半頃
|
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[ 地面から、空を背負った、きみの顔を見ていた。>>186
光を背負って、表情は、よく見えなくて、 ただ、なんとなく、 きみが、泣いてないといいなあ、って、思った。
「ミッション」「達成」の、たったふたつの言葉>>+184が、 行く先を、示している、んだろうなって、 こみ上げるのは、安堵、だろうか。
”今度こそ”、きみの力に、なれたのかな。 きみを、守れたのかな。おれのせいで死んだきみ。]
(+187) 2016/06/19(Sun) 03時頃
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|
[ おれは、今更ながら、 火傷や落下のダメージに、地面に転がったまま、 肩で息をして、日頃の運動不足なんかを呪った。
なぜか吐き出された礼の言葉>>+185の、 意味するところは、いまいち分からなかったけれど、 きみが褒められているようで、おれは誇らしくなる。
その姿が、ヒトらしいソレに戻ったこと>>+185も、 気づくことは、なく。]
(+188) 2016/06/19(Sun) 03時頃
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|
……ネル、
[ 正直なところ、 きみが傍に来てくれて尚、 立ち上がらなかったんじゃなくて、 立ち上がれそうにもなかったのだ。
疲れ、か、怪我のせいか、なんだか、分からない。
でも、きみが来てくれたって、そのこととか、
熱に焼かれた頬が引きつって、 うまく表情をつくれる気は、しなかったけれど。]
── おれの、パートナーになってくれて、ありがとう。
[ たぶん、こどもみたいに、笑った。*]
(+189) 2016/06/19(Sun) 03時頃
|
|
/* めっちゃ平和なムードかもしてるの、復讐されるフラグっぽい どうぞ!!!
(-125) 2016/06/19(Sun) 03時半頃
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|
/* 平和なムードとか醸してるとずっと「人殺したくせに」って自分でも思うのでエピとかではなんとか回収したいです
(-128) 2016/06/19(Sun) 03時半頃
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/* 前回に引き続き今回も、相方は引きずり回しまくった感じで、本当にお付き合いありがとう ルイのせいで危険人物認定され報復の的にされかけているネルくんに涙が出ます ほんとに もうほんとにここまで頭のネジ足りなくなると思っていなくて、そんな中でも最後まで向き合ってくれてありがとう 感謝してもしきれません
(-131) 2016/06/19(Sun) 04時頃
|
|
/*
あっ 最後まで小津さんのファンでした だいすきです
(-132) 2016/06/19(Sun) 04時頃
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