255 【ヤンストP村】private eye+Violine
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/* 火傷に上塗り〜はすぐ起きない方がよさそう?かなあ。 前半はゴミ出しをしておきたい。
(-0) 2018/12/04(Tue) 08時頃
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― 翌朝 ―
あ、悪い。こっちのゴミも表出してくれ。
[アトリエを清掃してくれる業者が清掃に訪れた。 基本的に――例の部屋以外を任せてある。
木屑など、アトリエの床中を掻き出したゴミや 昨日の花も掃いて捨ててもらう。 紅茶のティーパックなど流しの三角コーナーの生ゴミ、 女性の観覧客も居るからサニタリーボックスも。 見える所のゴミだけでもひと袋分は出た。
絵画の詰まった段ボールは一箇所に固めて、 取引主キャンセルをした絵や彫刻も箱詰めし、 大学に送付するつもりで。 綺麗にアトリエの展示物を空にした。 ―――描きかけの一枚を除いて。]
(0) 2018/12/04(Tue) 08時半頃
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[あとは――、
一応、まだ使える着替え類は前日まで残しておくが 色あせた下着、草臥れたシャツ、 毛先が跳ね返った歯ブラシなど 廃棄用の衣料品や生活用品を ゴミ袋に詰めておいたもの。 古いパレットや使用する予定の無い種類の絵筆なども。
画具関係の使えるものは妹に譲るつもりであるが。]
(1) 2018/12/04(Tue) 08時半頃
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[家にあるものにも手をつけねばならないが 先ずは手近なところから片付け終えた。
ゴミは店の脇にある所定場所に置いておけば 昼になる前には回収が来るのだろう。]
さて、と。出るか。
[着替えを持参し、治療院で風呂を借りに出かけよう。 段ボールの運び出しが来るまでに戻らなければならないし 昨日入れてないから今日は済ませておかねば。 いつもは気にしないのだが施錠はきっちりと行う。 昨日の出来事は流石に男の警戒を強めていた]**
(2) 2018/12/04(Tue) 08時半頃
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/* うーん寝不足かなあ…むごっさねむい 今日は早めにおやすもう…
(-6) 2018/12/04(Tue) 18時頃
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[治療院で風呂を借りている間、不穏な話を聞く。
山羊の頭が落ちていた話には心当たりあるが “遺失物”扱いで自警団に届けられたんだとか。 あんなもの引取りたくもなく、バックレるに限る。
それに朝のうちにパン屋へ寄るつもりが 店荒らしに遭って営業していないだとか>>7
薬屋で何か遭ったらしく 自警団が周辺を回っていただとか。>>2:330 もっとも、薬屋で何があったかまでは 中年の看護師からは聞かされなかったけれど 営業時間であるのに 閉店しているのは確からしい。>>36]
(51) 2018/12/04(Tue) 22時頃
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立て続けに偉い騒ぎだな。 ……しかも。
[―――召集となる住人が絡む場所ばかり。 己も含めれば、何か意味があるのだろうかと 考えずには、居られない。
別に洗うのは自分で出来るのだけれど 背中を流してくれるのを断りはせず 世間話に耳を貸す。
ココアは近所周りの挨拶>>2:167と共に ラスクを配り歩いていたようだから 近年でも輪をかけて愛想の良さだ。 そんな善良な彼女の店を荒らすような者が この街に居るなんて信じられないと]
(52) 2018/12/04(Tue) 22時頃
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イルマはもう話聞いてんのか? パン屋は潰さないとは聞いたが。
[“荒らされた”ことしか看護師は知らないようで 被害の程までは分からないけれども。 ココアが口にしていた店の存続の事が気がかり。>>0:486 まだ出勤したばかりで 顔を合わせていないらしい>>34]
そうか……。 まあ窯なんかが無事なら、どうにかなるんだろうが。 [流してもらうのは背中。 他は当然自分で洗い、湯船に入る際は 手を貸して貰い、入浴を済ませ。]
(53) 2018/12/04(Tue) 22時頃
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[それから、借用と手間賃の支払いを済ませて 治療院を出ることにした。 イルマに声を掛けていくべきか悩んだが 荷物の引取りが来てしまうと困るので よろしくとだけ中年の看護師に伝えておく。
そうして往来へと車椅子を進め、 アトリエを目指す途中――
見覚えのある女と、昨日見た男が――歩いていた。 一瞬、女が誰だかわからなかったのは。 その格好が、真っ黒な――喪に服した いつものワンピースでは無かった為だ。]
(56) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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あ………?
[パピヨンと――― 花屋の主人が語っていた写真家の男。
視線が合う。 鍔の広い帽子を被っていない、女と。 目は合うが、気まずそうに伏せられた。
素通りして、やりたかった。
明らかに親密な空気はただの客と店の女ではない。 男と昨日過ごしていたような態度でも無かった。 だから、]
(57) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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[格好だけじゃない。 ついでに言えば化粧だって妙に気合が入っていて。]
なあその男、 なんだ……?
[有り得るはずのないイアンからの連絡。 生きて帰れるかもしれない親友に妬みを覚えた。
パピヨンから喪服を脱がせた若い男。 長い足をすらりと揃えて。 じゃあ、こいつは一体何なんだ。 腹の底から煮えくるような感情は、無視できない。
ああ、そうだ。 連れ添う二人はまるで、 “三番街の蝶”を彷彿とさせる。
でも、その男はイアンじゃないし まして、自分でもない。]
(58) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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[何も言えずに黙っているパピヨンに代わって 若い男は交際しているとはっきり言った。 歳は離れているが真剣に考えて貰えたのだと。]
黙れ、お前に聞いてねえよ。 そこの若作りしたババアに言ってんだよ…… [苛立つくらいに、綺麗なのに。 憂いる表情は懺悔でもしているようで。 何も言わないのが、肯定でしか無かった。]
イアンは、どうするんだよ。 お前も伴侶が死んだことにして所帯持つのか うちの親父と同じじゃねえか。 [自身もまた罪を犯した事は分かっていても。 男と関係を持った事までは口に出来ない。 だって、このまま描き写したいくらい 目が合うまでの二人は、幸せそうだったから。]
(63) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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あいつ、戻れるかもしれないって連絡来たぞ。
[けれど。 ―――― 抑えてはおけない。 親友が帰ってくるのは真実ならば。]
(69) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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イアンから帰って来れるかもしれないってよ。 おい、どう話つけるんだ? あいつの顔見て、なんて言うんだ? これが新しい旦那です、って言い張るのか?
[こんな形で伝えるつもりじゃなかったのに、]
なあ、―――― 一体どう言い訳するんだよ、クソばばあよ 10年労働して帰ってくるあいつに! 若い男と年甲斐なく、乳繰り合って、 股開いた阿婆擦れがよ! [往来の真ん中で話すような内容じゃなかった。 でも、罵りは止まらなかった。 やめてくださいと若い男は宥めようとするが それを制し、パピヨンが前に出て、 上から叩きつけるように男の頬を平手打つ。]
(70) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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『嘘つき。』
(72) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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[車椅子が傾く。 ずり落ちはしなかったが、頬の痛みは鋭く。]
『あんた、死ぬのが決まって おかしくなっちまったんだよ。
そんなこと、あるわけが無いでしょう。
自分の不幸を他人にまで 引っ被らせようとすんのはやめて。』
[ノイローゼだときっぱり言い放つ女は、 男を一度睨み、若い男の腕を引いて。]
『もう会わない。 店にも来ないで。』
[おろおろとした男と共に、通りの先に消えていく。]
(73) 2018/12/04(Tue) 22時半頃
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……………。
[追える筈もなければ、 それ以上何かを口にする事も出来ない。]
……く、そ……
[暫く俯いて動けずに居たが、 やがて、ゆっくりと車椅子を進めて。 アトリエへと戻るしかなかった。
ゴミが漁られた痕跡など視界に入らない。 昼間から飲んでやりたい気分で。 荷物を出したら酒でも買いに行くかと 鍵を差し入れ―――― ]
……、あ、ぇ?
[ 開いている]*
(79) 2018/12/04(Tue) 23時頃
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― アトリエ ―
[パピヨンとの決別の直後で気が動転しているのか。 いつもの様に掛けずに出てきたのではないか。 頬の痛苦を摩りながら考え込む。 一から思い出せ、治療院を訪ねる前の事を。 ――――いや。 鍵は、掛けて出た筈だ、 間違いない。 携帯に短く無機質な音が届き、ぎくりとした。>>43 送信元を見ればタツミで、 緊急性はない内容だったのでほっとしたが。 薬屋で何かあったのかが気になるも 今は目の前の違和を解決するのが優先だった。]
(92) 2018/12/04(Tue) 23時半頃
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……っふ、な、
中に、いるのかッ… 誰、か。
[突っ込んだ鍵を抜こうとしたが、 抜けず。回らず、 けれどドアは引けてしまう。
刃物で鍵穴が変形したせいで 鍵が抜けない状態だと判断が出来ない。]
(93) 2018/12/04(Tue) 23時半頃
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…………、
[自警団を呼ぶべきかと一瞬悩んでいると 隣の定食屋の主人が声をかけて来た。
清掃会社が段ボール箱を運んでいた事。 不用品を回収すると伝言があった――と。]
は…ぁ? そんな事、俺ぁ頼んでないんだが……。 確かに立ち会いで掃除は頼んだし… でも、ゴミ出しはもう終わって………… [けれど、いつも出入りしていた業者と 同じ格好であったから間違いないと返されてしまった。
それよりも顔が腫れているから 氷嚢を持ってくると呑気に告げ、戻っていく。]
(94) 2018/12/04(Tue) 23時半頃
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……何がどうなってんだよ。
[理解が追いつかないまま、 一度、奥歯を噛んで、館内へ。]
確かに、段ボールが減ってる…
[数を確かめてはみたのだが オークション品の出荷分は数も合うが 大学に送るつもりだった 取引取消した絵や彫刻の箱が数足らず。]
(96) 2018/12/04(Tue) 23時半頃
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まさか、
[キャンセルにした腹いせに? 確かに同じ地区ならIDと同一の工房名で ここに思い当たってもおかしくない。
でも。 どうやって鍵を開けた。 鍵穴からスペアキーを取れる程 長く留守にしたつもりはない。 どうやって清掃業者の制服を用意した。
個人の執着にしてはあまりに――――]
(99) 2018/12/04(Tue) 23時半頃
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[段ボールから描き途中のパピヨンの絵に視線が逸れる。 そこにあったのは、己の絵だけではない。]
……………こい、つ
[一枚の写真だった。 まるで比較でもさせたいみたいに キャンパスに寄り添っている。 先ほどはストールで見えなかった首元が明るみだ。 男がつけた覚えのないキスマーク。 先ほどの一件が頭に過ぎり、無意識に歯ぎしりするも そうだな、正直――写真の方が綺麗だ。 絵の中の女は虚しさを肩に乗せているから
パピヨンの身は、案じなくていいだろう。 だって、隣に足がちゃんと生えている騎士がいる。]
(101) 2018/12/04(Tue) 23時半頃
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[けれど、オークションのキャンセル主が どうしてパピヨンの写真を所持しているのか 理解の範疇を超えていた。
若い男の生業が写真家と聞いた事も頭から飛んでいる]
………あ。
[―――、あの手紙に繋がる。 父親と同じ事をしたと告発する手紙。 それはつまり――男とパピヨンの一夜の時間を意味する。
見知らぬ訪問者は、男とパピヨンの関係を知っている。
何らかの方法で、知っているのだ。]
(105) 2018/12/04(Tue) 23時半頃
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[閉じていた筈のノートパソコンが開いていた。 それに近寄ろうと車椅子を前進させた時。
奥の部屋が開いている事に、気づいた。]
! ッぅ、フ……
[呼吸が止まる。 何故、どうして。 あの部屋は必要な時以外は施錠している。 外鍵はまだ強引にこじ開けたにしても――
いいや、そんなのはどうだっていい。
―――手段を想像する前に車椅子を進めていた。]
(106) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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[死の仮面が壁中に飾られた一室。 他のデスマスクのどれかが消えていたって 量が多くて流石に気が付けない。
男が葬儀屋に依頼され作り、保管していたのは 過去二十年に遡るもので。
だが、“それ”だけは 消えていれば直ぐに解るのだ。
一箇所に五寸釘で打ち据えてあった 二枚のデスマスクだけは。]
(108) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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ふざけんな……
なんで、そんなもんを欲しがる……?
[不用品――確かに不要だ。 処分しようと思っていたのだから。
でも、
あの不気味な、釘に打ち付けられた死に顔を どんな興味で持ち帰るというのだろう。
どっと汗が噴きでて、 心音が警鐘のように鳴り響く。 わからない。 理由が、ひとつも、理解できない。]
(110) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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[その時、背後で電子音が響く。]
ひ、っぅ
[裏返った声が上がるのも、無理はない。 あまりに嫌なタイミングだった。]
(112) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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[この音は、オークションの通知音だ。 嘲笑うようなタイミングで パソコンから通知音が二つ響く]
ざ、けんな……… ふざけんな……お前、何処で、見てんだよ……
[“新着通知”
取引はキャンセルしたというのにも関わらず “到着連絡”として画像付きで 例のIDから添付されたのは――。]
(113) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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[我が家の写真が撮影された画像。 ―――ぞっと背筋が凍る。
もう一通。 ――目の前が暗むよう。
人とも獣ともつかない腸腑にまみれて その中心にメッセージカードが見て取れる。 家族を貰ったと、辛うじて読めた。]
(116) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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[―――家族なんて、いないのに。
でも、父親と義母と、
あとひとり、持ち去るとするなら。 この気を違えた何者かが持ち帰るとするなら。]
(117) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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[自警団に届けるだの、近所に報せるだの 商社の引取りを待たねばならないだとか――― そんな事は全て頭から吹き飛んでいた。
車椅子を進め、工房を出た
隣店の亭主が氷嚢を持って出てきたが 要らないと愛想も何も忘れて家路を目指す。] なん、で…、
[なんでだ。 どうして、死ぬだけの男だけでなく、 家族“みたいなもの”を壊そうとする]**
(122) 2018/12/05(Wed) 00時頃
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…フローラ。
[男が自宅へ戻れば、 鍵を家の扉に掛けている姿と鉢合う。>>133
元気とは言い難いが街で起こっている事や ココアが気にしているという話を聞けば それ以外の理由を詮索する事はない。 それよりも―――――、]
……無事で、良かった……
[大きな嘆息と共に、咄嗟にその手首を掴んだ。 その時に気づいたのだ。 手首に包帯が巻かれている事に。>>1:35]
(139) 2018/12/05(Wed) 08時頃
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[昨日の朝から 既に巻かれていると気がつかず 今になって漸く悟った怪我。]
っ……お前、これどうした? 誰かに何か―――
[怪我の原因は知らない>>1:33 ただ、何か危害を加えられたのではないかと あの添付メールや“この一家”の “死顔”が盗まれた事で誤解してしまう。]
(140) 2018/12/05(Wed) 08時頃
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…これは、大丈夫だ。 大したもんじゃないから。 そ、それより…あ、おい!
[頬の打ち身を気にする妹に首を横に振るが>>135 制止よりも心配が勝ったか 家に入ろうとするフローラを留められず。
それに押し付けられた白封筒に視線が注がれ 注意が奪われたというのもある。]
(141) 2018/12/05(Wed) 08時頃
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……、ぅ。
[字体が不明な手紙は手書きではない。 けれど、アポロに送りつけられた手紙と 内容が似通う事もあり、 同じ人物から送付されているものだと解ってしまう。
何の嘘をついているというのだ。 何故表に出さない感情を――呪いを示唆出来るのか。 こんな手紙をよこして、一体何が大丈夫なのか。 相変わらず、正体不明の人物からのメッセージは 理解の程度の、遥か上をいっている。]
(142) 2018/12/05(Wed) 08時頃
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/*
(>>3:136 フローラ) お茶薄い
(-97) 2018/12/05(Wed) 08時頃
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/* 水筒
(-98) 2018/12/05(Wed) 08時頃
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[渡された水筒に口を付ける事よりも。 頬を冷やす事よりも。 事態を共有する方が先決だった。]
……アトリエに空き巣が入った。 悪質な嫌がらせも数日続いてて……
[盗まれた、死顔のこと。 思わず口を滑らせかけたが、唇を一度引き結び。 内容を、湾曲させる。]
……家人を連れ去ると“予告”があった。
[あの顔型も家族というのなら家族で。 既に予告では無くなっていたが
―――――――嘘を、ついた]
(143) 2018/12/05(Wed) 08時半頃
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バイトに出るなら着替えなんかも持っていけ。
花屋の店主に、お前が泊まらせて貰えるよう 話をつけに行くよ。
業者を装うような相手だ。 手が込んだやり口なんだよ。
それこそ自警団を装って お前に接触するとも限らねえ。
それなら居候になるほうが安全だ。 必要な物がある時は付き添ってもらって……
[男店主1人なら選ぶのは躊躇われるが 記憶が確かなら、伴侶が居る筈。 可愛いバイト、娘感覚以外の感情が あるとは思っておらず。]
(144) 2018/12/05(Wed) 08時半頃
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俺は、いざって時にこの足じゃ… 守ってやれねえし……… [訴えかけるために 向き合わせていた視線を、反らす。]
もうすぐ召集で連れていかれるんだ。 誰かを頼るしかない。
[いつまでの滞在とは口に出さないが 悪意あっての言いつけでもないが。 結果的に他人に押し付ける、その解決策は―――]
(145) 2018/12/05(Wed) 09時頃
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[“売る“ “捨てる”と。
いったい何が違うというのだろう]**
(146) 2018/12/05(Wed) 09時頃
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[昨日の日中は注意深く手元を見ておらず 二人が語らう姿を描いていたにしても 細部まで観察するまでには至らなかったから 分からなくても当然だとして 昨日の朝はフローラの袖口に覆われた手首よりも 告げなければいけない内容の事や、 泣き崩れてしまった彼女を宥める事ばかり考えていた。
それでも手を伸ばされた時だったり、 注意深く見ていれば、>>1:221気が付けた事なのに、 あの時、余程余裕が無かったのだと今更悟る。 悟ったのが痛いと声をあげた今なんて>>179 だが、暴漢に襲われた訳ではないと分かり それに安堵したせいで部屋の中に戻らせてしまった。
万が一異常者が潜んでいたらと思うとぞっとしないが 封筒の中身に注意を惹かれていた為 そう待ったという感覚もなく。]
(205) 2018/12/05(Wed) 22時頃
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[手紙の内容は――― アトリエであった事を説明する事で流した。 善良な彼女がこの手紙を見て、 心配の種を増やすことなんてわかっている。 それに、アトリエの被害については 共有しておく必要性があった。
語る間、自分で再度起こった事を 頭の中で張り巡らす。
考えれば考える程分からない。 ――本当に何故。
立て続けに嫌がらせで悩まされている。 自警団で勤めていた時期に遭うならまだ解る。 酔っ払いの仲裁で手も出るし、 未成年の喫煙を親に報告して恨みも買うだろう。
でも何故、どうして、今なのか。]
(206) 2018/12/05(Wed) 22時頃
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[アポロは、分かろうとしていないのだ、今でも。
自分の父親と義母を内心で呪ったとして 罰に値する咎だと 他人に謂れを受けることはない。 アポロが毒薬を二人に飲ませでもして 病死に見せかけた殺人を行ったならまだしも。
故人の死顔に五寸釘を穿たれた不気味なモノを 何故他人が持ち帰るのだと。
更に、フローラの身の危険を仄めかすような 悪質行為をする割に 彼女に起こった被害といえば 山羊頭のお化けが出たという噂が気になった程度。]
(207) 2018/12/05(Wed) 22時頃
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[放っておいても死ぬのが決まっている自分より フローラに嫌がらせをし、彼女を脅すなら ヌヴィル姓の全員を淘汰できるだろうに。
他人が持ち帰って意味のない品ならば、 “ただ一人”にとっては意味があるかどうかを 考えられたなら、良かったのに。
理解しようとしていないから、
、、、、、、 ―― 一方的に見られている。]
(208) 2018/12/05(Wed) 22時頃
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[教えなかった事への非難は対策で塗りこめる。 事実、何らかの手は講じた方が良いのだから。 フローラがこの街で平穏に暮らす為に。 ……… アポロの居なくなったこの街で。]
そんな事はない。
不法侵入と殺害予告だぞ。 心配しすぎる方が丁度いいくらいだ。
事情を話せば断られるとは思えない。 俺があの店長だって匿うよ。
[腫れて熱を持った頬に冷えた氷嚢が押し当てられ じくじくとした痛みを今更のように思い出す。 痛苦すら忘れるくらいに、気負っていたらしい]
(210) 2018/12/05(Wed) 22時頃
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………?
[随分含みを持った声で告げられた一言。 それは――皮肉に似て、 皮肉に何かの感情を隠すようでもあって。 この娘は、そんな口ぶりをしていただろうか。 いつも気遣いに満ち溢れ、 それでも何処か顔色を窺ってはいなかったか。]
そんなに薄情に見えてたのか? お前が凶悪な男に連れて行かれそうになって 見逃す訳がないだろう。
[そう、当たり前の心配だ。 フローラでなくとも、他の誰かだって。 ……本当にそうなのだろうか。 今は、自分の顔がどうなっているのか 顔を覆う“仮面”がどうなっているかなんて 頭を使ってはいられない。]
(211) 2018/12/05(Wed) 22時頃
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[家族しか頼ってはいけないような口振りに>>190 無意識に顔を顰めていた。 そう形容されるのが嫌だ、と確かに思っていたが 今はきっと、その所為ではない。]
………あ?
[表情だけでは無く、声にも険が乗る。 フローラに今迄見せないようにしていた感情の露呈。
何故だろう。
召集のメールが来た時、あんなに喜ばしかったのに。 彼女が無事で過ごせる保証のない今と直面し、 ■■たくないと考えてしまっている。
パピヨンを他の男に取られたのだから、 心残りが一つ減って逝けると感じてそうなものなのに。]
(213) 2018/12/05(Wed) 22時頃
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お前、分かっているのか? これまでがどうって話じゃないんだぞ。 [視線を逸らす彼女とは逆。>>192 噛み付くような言い回しで告げるフローラを見ながら 理解できないというように太い眉をヒクッと上げた。]
足がねぇ俺に―――何ができるってんだ。
これから死ぬ俺でも、 これからのお前を守る手段を考えてるってのに。 ………ずっとそう思ってたのか。
[ずっと、何かを言いたそうにして。 けれど顔色を見るような目を向けて 口篭る様子を何度も見た―――]
(219) 2018/12/05(Wed) 22時半頃
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……そうなら、悪かったな……。
[ほら、 やはり“一家”ではないのだ。 彼女には兄がいない。
距離を置いていた理由は自分勝手なもの。 だから、身を案じているというのに 他人のように生きてきた癖にと言いたげだ。
今迄、アポロを受け入れてくれていると 思い込んでいたパピヨンですら、 イアンの無事を伝えても虚言だと断ち切られ 別離を言い渡されたように。
彼女もまた、緊急性を信じてくれない。 他人だから。]
(221) 2018/12/05(Wed) 22時半頃
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[押し付けられた氷嚢と水筒。 黙って受け取り、俯く。]
……話はしておけよ。
俺が居なくなったって、 お前が危ない目に遭うの悲しむ奴は大勢いるさ。
[どうにもやりきれない怒りと、 口にしたくもない事を突きつけてしまいそうで それ以上は何も言わず。 アポロはその背を見送ってからアトリエに帰る]*
(222) 2018/12/05(Wed) 22時半頃
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― 三番街の蝶 ―
[パン屋に薬屋、アトリエと。 召集が掛かっている住人が被害を受けているだけに ノッカやピスティオが無事かと気になっていたが 集荷にやって来たのはやはり、彼では無かった。
一応、もう仕事はしないのかと聞いてはみたものの 大量集荷だから手伝ってもらう予定ではいたが 事情で取りやめになったと。>>121 気がかりではあったもののそれ以上は聞けなかった為 複数人であたる集荷が終われば彼らを送り出した。]
(229) 2018/12/05(Wed) 22時半頃
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[……自警団に被害届は出しはたが。 あくまで、一部だけだ。
配達商会を装い山羊の頭部を 日暮れ時に往来で押し付けたり
清掃会社の格好を装って 不法侵入をした上で盗難――― 絵画や骨董品の一部“のみ”が被害にあったこと 外鍵を施錠できないようにした点。
それから、オークション経由で届いた 不審メールと添付画像の相談。 自警団を見張りにつけるかと問われたが これ以上アトリエに盗む価値あるものなどないので ドアの錠前を変えて貰う対処のみを頼む事にした。]
(231) 2018/12/05(Wed) 23時頃
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[そうしてまた、一人――― アトリエで時間を過ごす。]
………。 [パピヨンの写真のことも、報告はしていない。]
……罪、ね……。 それに、人殺しか…。
[鬱憤を晴らす為に人知れずした事を どうして赤の他人にそこまで批難されるのか。 まったくもって理解できないまま がりがりと、短い髪を掻き乱す。]
(232) 2018/12/05(Wed) 23時頃
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呪って、恨んで命を奪えるってんなら 人類がキングスに服従する訳ねえだろ。 くそったれめ……
[なんでこうも頭を抱えて生きなければならない。 そうだ、何が人殺しだ。 たかが憂さ晴らしだってのに。
目に付く写真。 陰りを背負わない姿は十年ぶりに見る。 不幸者と男に別離を告げ幸せの中で生きる女。
父親と同じことを――しようと決めた女。
伴侶のイアンを捨てて 若く精力的な男と生きようとしている女。
こんな状況でさえなけりゃ。 こんなに嫌なことが立て続けに押し寄せて来なければ きっと、疼く痛みと怒りを飲み込んで、祝えたのに。]
(236) 2018/12/05(Wed) 23時頃
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憎たらしいババアだ……
[煙草に寄り添えたライターを弄る。 忌々しく、どうしようもなく虚しくなる写真に 灰皿の中で火をつけて炙る。]
俺が殺したっていうなら この女だって死ぬだろうが!
俺にそんな力があるってんなら この女だって―――
[けれど、そうはならない。 なる筈がないから。 だから、アポロは何も。 これ以上家族“みたいな何か”を 奪われる謂れなんかないのだと。]
(242) 2018/12/05(Wed) 23時頃
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くそ、糞、クソ、…………、
[描きかけの絵も燃やしてやりたい。 だが―――、 これをどうしても届けたかった感情まで 報われなくなるのが、嫌で、イヤで、いやで。]
呪われちまえ……
[完全に溶けている氷嚢をヘラで破り、 燃え尽きた紙片を 尚も燃やそうとする火を水で流し消す。
どうかしている、本当にどうかしている。 額を両手で覆い、苛立ちをやり過ごそうと溜息をつく。]*
(246) 2018/12/05(Wed) 23時頃
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[アポロを苛つかせる原因はパピヨンの事だけじゃない。 別れ際のフローラの態度も、だ。
庇うだけの助けになろうとしたところで 役に立たないと言い聞かせたのに。 足が無くても傍に居たいと 聞き分けのない事を言うものだから。>>235
召集が来なかったら――― 手を使う生業をし続けたところで 下半身の衰えは足がある者と比較にならず 父親と娘ほどの年の差の互いを思えば 老後は遠い未来の話でもない。
ただの重荷になり、邪魔になる末路があって。 フローラという娘の盛期を無駄にし 介護に没頭させる想像が嫌でもできる。]
(263) 2018/12/05(Wed) 23時半頃
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[暗に、普段から遠ざけてたのだから そんな男は信用できないと言った癖。
居なくなるのは嫌だと 他に頼りたくない ――そう言いたげな独白を聞かされて。
分からないのは、こっちの方だ。 苦しげな声で訴えかける好意など、 無理に絞り出している虚言にしか聞こえない。]
(264) 2018/12/05(Wed) 23時半頃
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[――――いや、
そうであって欲しいから
そうだと決め付けるのだ。 本心から―― 障害を抱えていてもずっと共に居たいと 大好きだと思われていると、 分かりたくない。]
(265) 2018/12/05(Wed) 23時半頃
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[――――家族になろうとして、 家族にはなれないのだと理解したのに。
――――家族として過ごす期間に底が見えてから 家族になれるかもしれないと理解したくないだけ]
(267) 2018/12/05(Wed) 23時半頃
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[そんな事を考えているとメールが届く。>>259]
……行きたくねえ……
[メールの文面を眺め、率直な感想が溢れる。
妄言が飛び出るくらいの精神状態だ。 呑気に肉焼いて談笑するなんて気力がない。 朝から何も口にしていない割に 馳走の話題を見ても、 食欲だってさっぱり湧いてこない。
それに泊まると言ってもこの身体だ。 段差を極力減らした自宅やアトリエなら兎も角 車椅子を持ち上げて貰わねばならない場所で 厄介になるのは厳しいのではなかろうか。]
(278) 2018/12/06(Thu) 00時頃
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[『鍵は変えてもらったから、 俺は大丈夫だ。 お前だけ泊めて貰え、 話は明日の講義の後に 』
明日は最後の実技の講義日でもある為 先延ばしにする事で断ろうと メールを作成していたその時。 ――― 着信によって、邪魔をされた。]
(279) 2018/12/06(Thu) 00時頃
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、もしもし。
[丁度メールを打っていたのもあり。 相手先を見ずに取ってしまった。
不穏な出来事が立て続けに起こっているだけあり 件の人物からの脅迫や批難を想像して 思わず上ずった声で電話を取れば―― 常勤講師のギネスであった。]
……あ、ぁあ。どうも。 また、掛かってきたんですか?
[先読みしてしまうのは、講義に関する事なら 大学に赴いての打ち合わせで事足りるからで。
――――そして、実際に。
アポロの想像は、的中する。]
(281) 2018/12/06(Thu) 00時頃
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[何時頃なら帰れるだとか。 今居る場所に関する情報を伝えたではなく。
ただ――
そう。 イアンが生きているなら 望むであろう欲求。]
………そう、ですか………。
[いや。 前提を限定しなくても、
例えばそう、――――死んでいたとしても。]
(284) 2018/12/06(Thu) 00時頃
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正直、分からないんですよ。 その電話が悪戯じゃないとしたら――
確かにイアンは親友ですし
…でも、
召集後も連絡が出来る状況なら パピヨンに直接、電話しそうなものなのに。
[どうしても、その違和感が拭えない。 むしろ、強まる一方だ。
生きているなら真っ先に無事を伝えたいのは 親友であるアポロではなくパピヨンだろう。 大学の番号よりも二人の住処の番号の方が 余程イアンの記憶にありそうなもの。]
(288) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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[しかも。
あんな妄言とささやかとはいえ 凶行の後であったから ――
薄気味悪い。 じっとりと何かが纏わる感覚を生み出すのは 背中に伝わる汗なのだろうが。 まるで、背後に親友が寄り添っているみたいで。 ギネスからの伝言だというのに 耳元でイアンが囁いている幻聴さえ覚える。]
(289) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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『会いたい』
[大切なひとに“あいたい”]
『愛たい』
[愛しいひとに“あいたい”]
『哀たい』
[哀しみをわかち“あいたい”]
『あ遺体』
[死んでしまっても“あいたい”]
『あ忌たい』
[喪に服すあなたに“あいたい”]
(290) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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…………………………。
[どうしても、どうしても、あいたいのだ。 どんなあいたいでもいいからあわせてほしい
そんな声が聞こえてくるようで。 ぞわりと身の毛がよだち、 車椅子を少し動かして、背後を振り返る。
あの部屋がある。 イアンの死顔が消えていなかったのは、 先ほど確かめてはいた。]
(291) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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ぃ っぎ、…………
[単純に、―――閉め忘れたせいだ。 微かに開いたドアの奥に、 何かが潜んでいるような悪寒を感じたのは。 何かに見られているような幻想を“描いた”のは。 思わず目を逸らし、唾を飲む。]
『ヌヴィル先生、どうかなさいましたか?』
[電話口の相手の様子がおかしい事に気づかれたか。 問いかけるギネスの声で、現実にかえってくる。]
(295) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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いえ、なんでも……大丈夫です。
明日はそちらへ行きますし その時にまた。
[慌てて取り繕い、通話を切る。
あんな恨み言を写真相手にかけておいて、 酒場に行こうかと考えてしまっている。 パピヨンが、気になって、気がかりで。]
(302) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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いや… 行ったって塩被らァな…。
それどころか、営業妨害で 自警団呼ばれたって文句も言えねえ。
[もう店に来るなと、会いたくないと拒絶された。 それでもしつこく会いに行って、――
恨み言をかけて写真を燃やしたら イアンから電話が来て 心配になったのだと言い訳してみろ。
自分は狂っていると 自己主張するようなものだ。]
(303) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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[けれど、独りで過ごすのはあまりに気持ち悪い。 開きかけた扉を今閉めることすら怖気づいている。
ありえないことを誇大妄想して怯えるなんて、 ―――こんなに臆病な人間だったのだろうか 自分自身に呆れる一方、どうにも気が休まない
まして、外はそろそろ陽も暮れようとしている。
この精神状態で、不気味な感覚が張り付いたまま 夜を過ごして、それこそ正気でいれるかが恐ろしい。]
(304) 2018/12/06(Thu) 00時半頃
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『分かった、準備してから行く。 俺からもお前を預かってもらうこと ちゃんと頼まなきゃならないと思ってたしな。 店長さんに宜しく伝えておいてくれ』
[―――結局、合意をフローラに返信してしまった。
今は夜を一人で過ごすのが どうにも耐えられないなんて、 この歳になって笑える話だが 正直、今は笑い飛ばせない。
使えない古着は処分したが そうでない衣服の数点は 幸い、アトリエに残したままだった。]
(306) 2018/12/06(Thu) 01時頃
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[収納スタンドから取り出した衣服を袋に詰め、 車椅子の網籠に押し込む。
そうして―― 逃げるようにアトリエを発つとしよう。
付け替えて貰った鍵で施錠をし、 往来へと車椅子を前進させる]**
(307) 2018/12/06(Thu) 01時頃
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