231 自由帳の中で、僕たちは。
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── 翌日・寮自室 ──
[小さな電子音が鳴る。
体温計の示す値は上昇を止めたものの下がり幅も小さく 夜になればどうなるかは分からない。 咳を繰り返す喉も傷んできた 今日は勿論恐らく明日も休むしかないだろう。
全くお隣がしっかりしていなければどうなっていたか 時間を確認しようと枕横のスマフォを手に取る もう授業も始まった頃合か。 ホーム画面の壁紙は怪しげに目を光らせる猫 昨日友田が送ってきた写真だ。 申し訳ないが撮り方がとても下手で 何度見てもおかしくて、元気が出る。]
(+0) 2017/12/24(Sun) 21時頃
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[あのメールの前、差し出し人の違う三通を受信したのは 確か昼休みの頃合いだったか。
それぞれらしい内容 笑ったり、純粋に嬉しかったり。 返信する気力がないなりに色んなことを考えた。
その後寮の友人が袋を手に戻ってきた。 わざわざ見舞いの為に抜け出して来たのだと 中身はどれも購買では置いていなさそうな 病人の為だと分かる品ばかりで それだけでも嬉しいのに行動に至った理由を聞かされて
やっぱりこいつらのことが好きだなあと思い だからこそ申し訳なくなってしまった。
もっと気にすればここまで悪化しなかった 自分の身体のことなんてどうだっていい どこかにそんな気持ちがあったのだと思う。]
(+1) 2017/12/24(Sun) 21時頃
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[もう一通、夜に送られてきたもの 返せていないというよりは これに限っては返せない心境が正しいか。
あの浮気男は結局よりを戻したらしい 見舞う内容と一緒に報告も書かれていた。 本当ならもうあんなことするなよ、そう返し 仲間として喜んでやるべきで。 だけど現実のオレは羨んで、妬んですらいた 揉め事が起きても続く縁を 一度は裏切られてもまた選ばれた彼女を。]
(+2) 2017/12/24(Sun) 21時頃
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[周りにはこんなに良い奴ばかりがいて 迷惑を掛けても皆助けてくれる。
でもこっちは何もしてあげられていなくて まるで成長していない。
時の流れは止められない 自分だけが変わらないまま。
そんな奴だからいけないのかもしれない 「おかしい」と先輩に言われたのかもしれない。
見上げた先には天井があるばかり 青空もこれからのことも、見えやしない。]*
(+3) 2017/12/24(Sun) 21時頃
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/* あっ明日ねぇや(バカ) まあいいや終業日ではあるまい。
(-10) 2017/12/24(Sun) 21時頃
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[物静かで優しい人だった。
言葉を交わすのは二人きりの時が多く 家のこと、やりたいことが見つからない悩み 楽しくはない暗い話も嫌がらずに聞いてくれて。
頭を撫でられるのも好きだった 男同士で、とか。子供扱いは、とか。 彼にされても不思議な程に浮かばなくて。
それは小さな頃兄にしてほしかったことばかり そうしてくれるのは自分だけ、独り占めをしているみたいで 酷く浮かれ、一つしか違わない相手に過度な程懐いていた。
ただの先輩後輩と片付けるには近すぎた 別の感情を芽生えさせてしまうくらいには。]
(-20) 2017/12/25(Mon) 16時頃
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[去年の夏のことは忘れられない。
流れた噂、尾びれがついてゆく内容を思えば 疑われてしまったのも無理はなく。 それに、自分達の関係は周りにどう思われるものなのか 現実だって知ることが出来たのだろう。
先輩はきっとあの頃から疲れてしまっていて オレはそれを支えることもせず 責められるのが辛いと自分ばかり指導室に逃げていた。
噂を流した誰かの心情は分からない。 オレか安藤先輩に悪意があったのか たまたま角度が悪く本当にそう見えたのか ただ、仲の良さからの邪推だったのか
分かるのは安藤先輩がとても可哀想なこと あれが二人にとっての切っ掛けになった事実
それに、──全くの嘘だということだけ。]
(-21) 2017/12/25(Mon) 16時頃
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[きっと酷く心を削ったのだろう。
本当のことを隠しながら怒り 自分の恋人と親友の噂を否定して回るなんてことは。
安藤先輩と違って内気で繊細な人だったのから尚更に。
こんな関係はおかしい もう終わりにしたい
ありきたりな否定とよくある別れの言葉は 卒業式の日、他でもない彼に言われたことで いつまでも心に残り続けている。]
(-22) 2017/12/25(Mon) 16時頃
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[そういえば、今朝は大変そうだったな 隣から慌ただしい物音部屋の前を通り過ぎる足音を聞いた。 昨日そんな彼からの返答はまさかの豚肉 いや、主婦かよ。思わず笑った。 買える範囲であったけどツッコミ入れたよね。 主婦も奢ってくれると聞いて豚肉とは言わない。 こいつのクラスメイトはパフェをねだってきたというのに 改めて変わっていると感じる。それが三笹なのだろう。 いい奴だと言った時の反応も、そう。
誰かの助けになっているでもない むしろ迷惑を掛けながらへらへら笑っているだけ 一体どこを見てあんな風に認識したかは不明だが。 まあ、悪く思われるよりはずっといい。 珍しいものも見ることが出来たのだし。 もしかしたら意識しないほうが笑ってもらえるのかな? なんてプリン髪の他に某二名のことが頭に浮かんだ。
とりあえず個性的すぎるプレゼントのことは 買いに行く日まで忘れずに済みそうだ。]
(+24) 2017/12/25(Mon) 18時半頃
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[寝返りを打つ、そういえばパックが床に落ちたままだ よくある程度に小汚い部屋も治ったら片付けなければ
画面の中の青空を眺める 少しスクロールした先にはいつも以上に装飾多めのメール
休みはいつも通り実家には帰らず寮で過ごす 誕生日があってもそれは変わらずに。 今年は勉強も全く無視してはいられない それはもっと上の大学を志望する生徒なら尚更 あけておいてるよ、そう書いてくれた友田もきっと。
いいのだろうか、スマフォを見つめながら考えた。 オレみたいな将来のこともろくに見えてない問題児には 割く時間は少しでも惜しいくらいが普通ではないかと。
でも、こうも思う 高校生でいられる時間はあと僅か いつまでもこのままでいたいくらいに好きなのなら 残りの数ヶ月は悔いが無いように過ごすべきなのだろうと。]
(+25) 2017/12/25(Mon) 18時半頃
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[「あなた、あたしを誰の代わりにしようとしているの?」
優しく咎める声、少し困ったような微笑み 女の勘というやつだろうか 言い返せる言葉は何も見つけられなかった。
それはきっと彼女に対してだけじゃなく きっと、関わる皆に対して。
自分を見ていてほしいと、 嫌われたくないと、 見捨てないでほしいと、強く思うのは
先輩とのことが関係無いとは言えまい。]
(-23) 2017/12/25(Mon) 19時頃
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[オレは人間関係に依存している 多くを求め過ぎている。
だからいつまでも子供のまま もし、変わりたいと思うのなら このままでなんていられないと理解して 悔いを残さないように過ごすことからなのだろう。]
(-24) 2017/12/25(Mon) 19時頃
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[向き合うべきものなんて見つけられずに 先生達からも逃げ出すろくでなしだけど
置いて行かれたくないなって、そう思うんだ。]**
(+26) 2017/12/25(Mon) 19時頃
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