229 観用少年
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[それがまさか風呂やトイレにまで至るものとは思わず、 酷く慌てることになるのは、 そう遠くない未来のこと。]
(86) 2017/10/07(Sat) 21時頃
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[そうして、観用少年の、ガーディの居る日々がはじまった。
日に三度のミルクは、毎回ケイイチ自らキッチンに立って温め与えた。 砂糖菓子だって問題なく。 服も少年用のものを何着も取り揃えて、 シーツは毎日まっさらのものを。 経済的な面で不自由させることは、何一つなかったと胸を張って言える。
では、一番、愛情は?
そう己に問いかけると、ケイイチは途端に返答に窮してしまう。 優しくしている。 優しくしている、つもりだ。 傍にいるよう伝えた通りに傍にいて 望むのならば風呂だって一緒だ。―流石にトイレは、と必死で言い含めただろうが。 撫でて、触れて、手を繋いだ。 それが愛情、なのだと思う。 ……合っているだろうか。]
(87) 2017/10/07(Sat) 21時頃
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[もしガーディの髪が乱れはじめたら 肌が荒れはじめたら 眠りが深くなっていったら ――それはケイイチの愛情が「間違っていた」という証拠。
そんな日が来ないように祈って、怯えて―― そんな自分を見せたくないとも思って。
満たされている、と思うのに、どこか怯える。 そんな矛盾が、ケイイチを苛んでいた。]*
(88) 2017/10/07(Sat) 21時半頃
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/* やっぱり全員C狂でエロルは赤でまわしてねにすればよかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(スケベが待ちきれない顔)
(-17) 2017/10/07(Sat) 22時頃
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[幸いにして、数日共に過ごして尚 ガーディが「枯れ」る様子はなかった。 髪は艶を保ち、頬は丸く、唇はいつまでだって桜色。 ――たとえ山ほど詰んだ砂糖菓子を一かけらしか口にしなかったとして>>113 それでも、良かった。
良かった、そう、良かった筈だ。 良かった――]
……ガーディ?
[交わした約束が習慣になり始めた頃、 不意に声が止まって、そして呼ばれる名前>>115 不思議に思ってそちらを見れば、 ガーディは滑り込むようにして隣にきた。 ケイイチは驚いて目を剥き、息を漏らす。
人と寝具を共にする習慣はない。 それこそ閨でさえなければ、こんな距離―― けれど、拒絶したいとは、思わなかった。思えなかった。]
(124) 2017/10/07(Sat) 23時半頃
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……続き、読んで。
[だから、拒絶でも受け入れるでもなく、 続きを促す言葉を選ぶ。 再び本が開かれ、物語の世界が音になったのなら、 ケイイチは懸命にそれを読み上げるガーディの髪に指を絡ませる。
なんだか、満たされている気がした。]
(125) 2017/10/07(Sat) 23時半頃
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[そうして夜が徐々に深まる頃、ガーディの瞼が閉じられる。 ケイイチはそれを見届けて、困ったように眉を下げた。 普段ならばこんな時間にケイイチは眠らない。 眠らない、けれど――今はこの時間を壊してしまうことが何よりも惜しい。 だからベッドから抜け出すこともせず、 柔らかくその髪を撫で続けた。
その時か、薄い唇が声を漏らしたのは>>116]
……ガーディ?
[ともすれば唇の内側で消えてしまうほどに微かな声で、彼の名を呼ぶ。 その表情は苦し気で、どこか切ないようで ――でも、今呼んだのは、誰だ? 己の名ではなかった。間違っても、ケイイチ、では]
(126) 2017/10/07(Sat) 23時半頃
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っ……!!
[その瞬間、ケイイチは酷く自分が傷ついていることを自覚した。 焔のような憤りと割くような悲しみが一瞬で襲って、 刹那、息の仕方さえ忘れる。 咄嗟に夜着の心臓のあたりを握れば、ドクドクと激しい音を立てているのがわかる。]
……どうして。
[違うだろう、と叫びたかった。 お前が呼ぶべきは、縋るべきは、 お前を喜ばせるも苦しませるも――僕であるべき、じゃないのか。
片時だって忘れない瞬間。 正室と王との間に子が生まれたと。それは男児であると。 世界がひっくり返る瞬間。 くるりとオセロをひっくり返すようにして裏返った世界。]
(127) 2017/10/07(Sat) 23時半頃
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ガーディ。
[身を乗り出せば、その分ガーディの顔が影に隠れた。 それでも微か見えた唇が、また何事か紡ぐように見えて――
耐え切れなくて、唇で塞いだ。]
(128) 2017/10/07(Sat) 23時半頃
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/* もっとはんざいくさいかんじにしたい・・・・・・・・・・・・・・・
(-22) 2017/10/07(Sat) 23時半頃
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/* あーーーーーーーーーーーー あーーーーーーーーーーーーーー ああああーーーーーーーーーーーーーーー (罪深い人間の祈りのポーズ)(滂沱の涙をながしながら天を仰ぐポーズ)
(-26) 2017/10/08(Sun) 00時頃
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/* しぬ・・・・・・・・・・・・・・・・ただシンプルにしぬ
(-27) 2017/10/08(Sun) 00時頃
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[衝動に身をまかせ、重ねた唇は柔らかい。 そう、衝動だ。あるいは激情。 欲情、ではなかった。――そうあってはならない筈だ。
夜の相手にとあてがわれるのは常に男だった。 ケイイチの趣味ではない。 万が一にでも、ケイイチに「次」の世代を残されては困ると そういう意図で宛がわれる男たち。 見目も仕草も女に似れば、何も考えぬふりで抱くことだってできた。
けれど、じゃあ、観用少年を――ガーディを求めたのは、そういう理由で? 違う、断じて違う。はっきりと言える。 言える、言えた筈だ、言えなければ……
けれど後悔が脳髄にまで染みわたる頃、 首筋に腕が縋りついてくる>>139 細く幼い子どもの腕だ。 それがガーディのものだと気付くのに―この状況、彼以外のものであるはずがないのに!―妙に、時間がかかって。]
(142) 2017/10/08(Sun) 01時頃
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っ…………。
[唇を離せば、今しがた重なっていたそこから漏れるのは、 今度こそ――己の名前だった>>140 先ほどとは違った意味で心臓が高鳴れば、 恐怖と高揚は一度に押し寄せる。
抱いた恐怖は違和感から。 主人に否応なしに愛情を抱くと言えど、あまりに「慣れ」すぎていないかと―― そして弾き出される答えに、腹の底が冷えて震える。
けれど、高揚は。 瞳に映るは己の姿。 その声が呼ぶも己で、縋りつくさきもまた己。 誘うような言葉が向けられた先にも>>141――また、己。]
(143) 2017/10/08(Sun) 01時頃
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[カチリ、無意識のうちに奥歯を鳴らす。 求められるがままに与えれば―― ――そして求めるがままに奪えば――どうなる?
頭がまわらない。 感情がまとまらない。 ただ腕の中の柔らかさだけが確かで]
……ガーディ。
[僕の守り人。 どうかこの千々に散りそうな心を、繋ぎとめてくれないかと―― 縋るように、唇をまた重ねた。]
(144) 2017/10/08(Sun) 01時頃
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[重ねた唇の隙間から舌を這わせ、ガーディの唇を濡らす。 そうしてその隙間を割り入れれば 口内は仄かに甘い気さえした。
全ての呼吸を奪ってしまわないよう注意を払いながら、 けれど探るような舌の動きに容赦はない。 小さな歯を確かめるようになぞり、上あごを擦って、 柔らかな舌を絡めとる。]
っは……ん……。
[無意識のうちに漏れた声は、 自分でさえ驚いてしまうくらいに甘く、欲に塗れていた。
閉じていた瞳を、薄く開いた。 それなのに視界は濡れていて、ぼやけて、 そのせいで上手くガーディの顔を見ることができない――。
頬に手を添え柔らかく撫でて ほんの少し、顔を離す。]
(-28) 2017/10/08(Sun) 01時頃
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……、
[何か、を、云おうとした。 けれどそれは何一つ意味のある言葉にならなくて、 ただ熱い吐息だけが漏れる。
心が満たされて、同時に飢えてゆく。 この感情に何と名付ければいいのか、ケイイチは知らない。 知らないから――乞うように、もう一度。 ガーディに口づけた。]*
(-29) 2017/10/08(Sun) 01時頃
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[差し入れた舌を迎え入れ擦り寄る柔らかさは、初心のそれではなかった。 脳の裏側で警鐘がガンガンと鳴っているのがわかる。 けれどその警鐘を、これではいけない、という理性の声を、 絡める甘さが溶かしていってしまうから――ケイイチはただ、無我夢中で貪った。
唇を離して僅か、見つめる瞳は熱く声は甘い。 ケイイチは、ああ、と思った。 ガーディは知っている! 何を求め何が起ころうとしているのか 知って尚受け入れる気でいる!
先程の予感は確信へと至る。 泣きたくなるような光景だった。 いや、もしけしたら泣いているのかもしれない。 再び唇を擦り合わせる間際、小さく漏れた言葉は拒絶に似ていて、 聞きたくなくてそれを吐こうとする唇ごと呑み込んだ。]
(-37) 2017/10/08(Sun) 08時半頃
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[それでもこちらを見つめる瞳に拒絶や嫌悪や恐怖はない。 ――当たり前だそう作られている。
そうして、今度こそケイイチが何か言おうとして、 けれどそれよりも…… ガーディの微かな問いかけのほうが、早かった。]
ぁ…………。
[情け無いかな、大の大人であるケイイチが返せたのはそんな掠れた音ひとつ。 唇の端に柔らかなものが触れる。 観用少年が放つ甘い香り。
ガーディは、 ケイイチは、]
(-38) 2017/10/08(Sun) 08時半頃
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っ………………!!!
[ケイイチは今度こそハッとして身を起こした。 勢いのまま飛び退けば、まるで尻餅をつくような形になる。 それでも目を離すこともできず見つめれば、 黒髪の隙間から覗くガーディの姿に心がざわつく。 唇を濡ら情欲の香りを漂わせる幼い少年、 そのアンバランスさ。
――我慢、と、ガーディは言った。 つまり「これ」は、ガーディにとって苦痛に依って齎されるものだと――]
………し、ない。
(-39) 2017/10/08(Sun) 08時半頃
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[首を横に振れば、遅れて黒髪が頬を叩く。 声は掠れて震えていた。]
違う、違う違う違うちがうちがう――…… お前に、我慢させたい、わけじゃ……苦しませたい、わけ、じゃ………
[ただ、――ただ? 見て欲しくて。自分だけであって欲しくて。 それがガーディにとって恐ろしくないだなんて、 どうして僅かでも思えたんだろう。 少し考えれば、いや考えずともわかるはずだった。 ケイイチは震えた。 己のしでかそうとしたこと、 それは理性を持った人の所業では成り得ない。
こんなの――己が保身のために母を死に至らしめ自分を追放した、 あの女よりも酷い所業じゃないか。]
(-40) 2017/10/08(Sun) 08時半頃
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[ケイイチはついにベッドから降りる。 視線は床に落ち、長い前髪が表情を隠した。]
……………すまなかった。 どうかしていた。
お前は、眠って。 僕は…………今夜は帰らないけれど。 明日には、きちんとする、から。
…………時間を、くれ。
[そのまま振り返らず、まっすぐに部屋の出口へ向かった。]*
(156) 2017/10/08(Sun) 08時半頃
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/* あーーー………あーーーーー!!!!!!あーーーーーーーーーー(語彙力の死)
(-52) 2017/10/08(Sun) 14時頃
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[従者に命じ車を出させる。 全て心得ている顔で従者はただ頷き、車は夜の街を走る。 たどり着いたのは豪奢な作りのホテル。 慣れた足取りで一室に足を踏み入れれば、目につくのは広い室内を圧迫するほどに巨大なベッド、 そして、]
っ…………。
[そこにいた男の姿に、ケイイチは思い切り顔を顰めた。 琥珀の瞳に柔らかな栗色の癖毛長い睫毛、どこか幼くけれど利発そうな顔立ち―― 似ている、と思った。
今まで経験してきた中で最高に最悪の嫌がらせだ。断言できる。 心の柔らかい部分が悲鳴を上げる。 頭の芯は怒りと悲しみに取り憑かれ、最早どうすることもできない。]
……命令だ。今夜、お前は一言だって喋ってはいけない。
[慣れた手つきで組み敷けば、男は少し目を見開いたが、従順そのものにこくりと頷いてみせた。 それがまた、彼に重なるようで――ケイイチはすべての感情をぶつけるように、彼を抱いた。]
(164) 2017/10/08(Sun) 14時半頃
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[――朝。
主不在のままの住居が、俄か騒がしくなる。 何か言い争うような、慌てたようなやりとりは寝室にまで届くだろうか。
やがて時計の針が七時を示す頃―― 寝室に、一人の男がやってくる。 背が高くがっしりとした体型の男だ。少年にとっては初めて出会う相手でもあるだろう。 男は少年のベッドの側に恭しく片膝をつくと、貼り付けたような笑みでこう言った。]
お目覚めですか。 ――我が主人が、貴方にお会いしたいそうです。 どうぞ、私と共にいらしてください。
[そうして、少年が素直に従うのならば付き添って 嫌がったり怯えるようならば――そのまま無理にでも抱き抱え、 少年を伴って部屋を出で、住居を離れ、そのまま――そのまま、攫っていってしまうだろう。]*
(165) 2017/10/08(Sun) 14時半頃
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/* ああああああああああ・・・・・・・ガーディくん・・・・・・・・・・・ガーディくん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
打ち合わせ済の内容でめちゃくちゃヴッッッッッッてなるのもうほんと でもガーディくんが魅力的すぎるから・・・・・・・・・
(-62) 2017/10/08(Sun) 15時半頃
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[ケイイチが住居に戻ったのは、太陽も高く昇りきった後、午前十時をまわってのこと。 両手一杯に抱えた高価な砂糖菓子は、つまり贖罪のつもり。
これを渡して、云うのだ。 すまなかったと。 もう二度と――あんな酷い真似はしないから、と。
それで菓子を与えて、ミルクを飲ませ―― そうすれば戻れるだろうか。 正しい在り方、「らしい」為り方。 なれる――だろうか。 身体は知らず震えていた。 それでも空気の読めない―読まない―従者がドアを開ければ、 いつもの住処が]
……?
(173) 2017/10/08(Sun) 16時半頃
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[何か様子がおかしいと、気付く。 呼んでもないのに人の気配が「ありすぎる」。 玄関の音に、すぐさま出迎えにやってきた人間は――蒼い顔をしていた。 彼は震える声で報告して、曰く]
…………は?
[本国からやってきた人間が、ガーディを連れていった、と。]
(174) 2017/10/08(Sun) 16時半頃
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[短くはない旅路も、少年が意識を途切れさせたままならば 一瞬の合間に終わるだろう。
車を降りて列車に揺られ、そのまま国境を越える。 その間も少年の拘束が外されることはない。 王室の外周ように手配された特別な列車ではなく、 一般市民も利用可能な―とはいえもちろん高級な―ものを使うのは、 つまりそれが、公にはできない何か、を行っているという証拠。
列車から再び車に乗り、それが豪奢な門戸をくぐれば、そこは―― かつてケイイチが暮らした場所。 ケイイチが君臨する筈だった場所。]
(175) 2017/10/08(Sun) 16時半頃
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[少年はある一室に連れていかれる。 広い部屋だ。 トイレも浴室でさえ備え付けられて、 大きなベッドにはまっさらなシーツ。
けれど――よく見れば気付くだろう。その、異質さに。 コードや紐、刃物の類は徹底的に排除され、 入口の鍵は外からしかかからず、 扉には食事を受け渡しするための穴が開いている。 どこかから漂う香は、思考の芯を奪うもの―もっとも、観用少年相手に利くかは別であるが― あまりにも上質ではあるが、つまりそこは牢屋だった。
男は少年をベッドに寝かせ、―まだ意識を失っているようなら頬を軽く叩いて起こし]
「……食事をお持ちしましょう。 その後は、我が主との謁見を」
[張り付けた笑みで一方的に告げると、 少年をひとり残し、部屋を後にした。]*
(176) 2017/10/08(Sun) 16時半頃
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