18 Orpheé aux Enfers
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 00時半頃
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―練習室A―
――――――…♪
[突然の校内放送に、間延びしたピアノの音が途切れた]
大練習室…。
[どうやって行くんだったっけ、と頭に道を思い浮かべてみる。 よし、完璧だ。予行演習だけは]
(5) 2010/09/04(Sat) 01時頃
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………………。
[携帯電話を取り出して、じいっと見つめる。 連絡を取るか、迷って、迷って、迷った末にメールを送信することなく再び仕舞う]
大丈夫、大丈夫。 合宿棟自体は広大なわけでもないし、 一周する位の気概で行けば…!
[既に発想が間違っている気がするが、本人は気づいていない。 そっと廊下に出ると、慎重に歩き出した]
[真逆]
(10) 2010/09/04(Sat) 01時頃
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―廊下―
[呼びとめられ>>13て、ぴたりと固まった。 暫しの躊躇するような間の後、くるりと爽やかな笑顔で振り返る]
い、いやぁ、実は―――――…水道に、行こうと思いまして!
[友人が裏口に水道があると言っていたのを思い出しつつ]
あはは。はは…。
[笑顔は次第に、苦笑に変わっていくだろう。 そしてしまいには、しょんぼり肩を落とした]
ごめんなさい…。
(20) 2010/09/04(Sat) 01時半頃
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サイラスは、メールの着信音に、慌てて携帯電話を手に取る。所要時間、約(04)秒。
2010/09/04(Sat) 01時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 01時半頃
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from:Cyrus sub:ごめんね…。 ---------- 廊下に出たら先生とベネット先輩に会ったよ。 だから大丈夫。
……本当に迷ってないから、大丈夫!
[付け足された最後の一文が、物悲しい]
(-13) 2010/09/04(Sat) 01時半頃
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from:Cyrus sub: ----------
ありがとう。
[慌て過ぎて付け足しそびれたメッセージが、10秒遅れで送信された]
(-14) 2010/09/04(Sat) 01時半頃
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―廊下―
[かちかちかち、と携帯電話を慌てて操作して。 メールを送り終えればほっと一息]
遭難……!
[そして、スティーブンの言葉に戦慄する。 あながち現実になりかねない…と、本人は思っているのかもしれない。
次第に廊下が騒がしくなってきた。合宿に来た者たちが集まってきたのだろう。戸口に見える同じ高校の生徒へ緩く手を振って]
手?
[ベネットの意外な言葉>>21に、反射的に片腕を差し伸べる。 直ぐに我に返って、首を横に振った]
さ、流石にこれなら、僕でも迷いませんってば…!
[多分、とこっそり心中で付け足したのは、色々と自信をなくしている所為であった]
(28) 2010/09/04(Sat) 02時頃
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[再び鳴るメールの着信音に、 少しどきりとした面持ちで内容を確認する。 読み終われば、 しょんぼりしていた筈の顔は嬉しそうに綻んでいて]
そうですね、皆さんに迷惑をかけるわけにはいきません。 助けて頂いて助かりました。
[スティーブンへ向き直ると、そのままの笑顔を向けた]
心の準備はばっちりです。 先生、ありがとうございます。
[プロの演奏家、という言葉に一瞬真顔になりかけたが、すぐににこりと笑んで頭を下げた]
(33) 2010/09/04(Sat) 02時頃
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from:Cyrus sub: -------------------- 大丈夫、迷ってないよ。 迷う前に捕獲して貰ったよ。
ありがと、ナツキちゃん!
(-22) 2010/09/04(Sat) 02時頃
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―廊下→大ホール―
[その姿は囚人か、はたまたEBEか。 両脇を固められて歩く姿は、事情を知らない者には奇異に映ったことだろう]
………僕の音は、いつも同じ色ですよ。
[スティーブンの言葉>>@6にぽつりと返した声。その穏やかな声色を、相手はどう受け取るか]
――――――――…?
[時折横目で此方を見つめる彼に気づき、よくわからないままに笑顔を向けてみた。 ただ、相手の最後の言葉には驚いて瞬きを零す]
あ、あれ。屋上、―――…って、聞いていらっしゃったんですか。 何だか少し照れてしまいますね。 でも、気に入っていただけたなら嬉しいです。
(40) 2010/09/04(Sat) 02時半頃
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サイラスは、えへへ、と子供っぽく頬をかく。
2010/09/04(Sat) 02時半頃
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[メインホールにやって来てみれば、張り出された紙を見る前に、目に留まったのは青ざめた友人の姿>>34だった]
―――…せ、セシル、どうしたの? 体調でも悪くなったのかい。
[慌てて駆け寄ると、心配そうにその顔を覗き込む。 熱でもないだろうかと、額に手を伸ばそうとしたり]
(45) 2010/09/04(Sat) 02時半頃
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――――――……な、何かあった?
[セシルを心配そうに見つめてから、 傍に居たラルフへ顔を向ける。 困ったような相手の顔を見れば、 事情を知らないであろうことは察することが出来たが。
ひとまずは他校の彼をこれ以上困らせてはいけないと、 大丈夫だと示すようにこくこく頷いて見せた]
(50) 2010/09/04(Sat) 03時頃
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[とん、と額に触れた手は正常な彼の体温を伝えていた。 ほっと小さく息を突くと、セシルへ静かに微笑みかける]
うん。大丈夫、大丈夫。
――――…落ち着くまで傍に居るから。
[ブレザーを掴む手を受け入れて、額に添えていた手はあやすように彼の背中へと。優しく一定のリズムで、その背を撫でる]
(53) 2010/09/04(Sat) 03時頃
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サイラスは、バーナバスがむけてくれた笑顔>>47には気づけなかったようで。
2010/09/04(Sat) 03時頃
サイラスは、ラルフの言葉>>51には、「ありがとう」と小さく頷いた。
2010/09/04(Sat) 03時頃
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―――――……そうそう、深呼吸、深呼吸。
[次第に落ち着いて行くセシルの呼吸に、合わせるようにゆっくり穏やかに声をかける]
どーしたの、セシル。
ちょっと緊張しすぎちゃったかな。
[困ったように笑いながら顔を近づけて、囁く。彼がこれ以上追いつめられないように、少しばかり冗談めかした口調で。
けれどその瞳は、彼の指が密かに綴った文字を見て、緩く見開かれた]
(58) 2010/09/04(Sat) 03時頃
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……………んっ。 見たくないなら見なくて良いよ。
[そっと彼の頭を撫でて、目隠しするように眼前にその手を下ろす]
僕で出来ることなら、助ける。…助けたい。
君を苦しめているのは、何なのだろう。
[目の前の友人一人助けられない、自分の無力さに情けなくなりつつ哀しげに笑った]
(-29) 2010/09/04(Sat) 03時半頃
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[此処まで意識は友人へと完全に向けられていたのだけれど]
――――――――――…!
[襲うとか、襲われるとか、そんな話が耳に届けば思わず一瞬顔をあげてしまう]
…………………。
[相手の姿をそっと見つめ、それからおずおずと視線を下ろした]
(-32) 2010/09/04(Sat) 03時半頃
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[セシルを落ち着かせるように、手は目隠しするように彼の眼前へと置かれる。やがてそっと手を離すと、彼の頭を数度撫でた]
…ん。いーよ。
少しでも元気になってくれたら、それが一番嬉しい。
[謝罪を形作る彼の口元に、首を横に振る]
(67) 2010/09/04(Sat) 04時頃
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[彼が声を失ってから。 それが心因性だということは察しがついていたけれど、 何もしてあげることが出来なくて。
彼が何か辛い思いをしたのではないかと、 心配はすれども、それ以上は何も出来なくて]
君を嫌う筈ないさ。
何があっても。…絶対に。
[囁くように、けれど力強く返した返事。 其処に嘘は一片も交じっていない]
(-35) 2010/09/04(Sat) 04時頃
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[セシルの笑顔を見れば、安堵が広がった。 ほっと息をつき、此方も緩んだ笑みを見せる]
大丈夫だよ。皆、色んな話に夢中だから。
[驚かせたかな、との言に、そう告げながらくすりと肩を揺らした]
うん。行ってらっしゃい。 そうしたら、今度は元気で帰っておいで。
合同練習では、南高の練習の成果を見せつけちゃおう。
[冗談めかしてそう告げて、友人が部屋を出るならその姿を見送るか]
(76) 2010/09/04(Sat) 04時頃
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……………………うぅ。
[と、言いたげに、一度落ちた視線はぱっと再び持ち上がる。 困ったような、ちょっとだけ泣きそうな顔]
――――――――。
[女装、との言葉>>73にベネットを見た。 去年の文化祭の演奏会を、見に行っていたから。 トランペット吹きの「美女」がいたことは、知っている。 小柄で端正な顔立ちの彼を見て、綺麗だな、と素直に思う。
だからこそ、余計にしょんぼりと困った顔になるのだった]
(-38) 2010/09/04(Sat) 04時頃
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[一度持ち上がっていた視線が、再び彼の元へ下りる]
うん。
[僕も、と告げられた言葉に、此方も静かに頷いて]
分かった。セシルの心の準備が、出来た時で良いから。 無理しなくても、焦らなくても良いから。
――――――――……待ってる。
[きっとそれは、彼にとって辛いことなのだろうと思うから。 いつまででも待っているという意味を込めて、最後に添えた言葉は穏やかに落ちる]
(-39) 2010/09/04(Sat) 04時半頃
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え、ひゃっ、わっ……!?
[考え事でもしていたのか。 ぼんやりしている所に大きな声をかけられて、肩が跳ねた]
なっ……、バーナバス、先輩。 部屋……ええっ、あれ、どういう……。
[未だ部屋割りすら確認できていないという取り残され具合であった。 現状を確認しようとあわあわ辺りを見渡してみるけれど、それは今の動揺を際立てているだけのようで]
は、はいっ!行きますっ。
[ただ、顔を上げれば笑顔で手招きするバーナバスの姿があり。 引き寄せられるように小走りで彼の所へ向かうまでに、さして時間はかからなかった]
(88) 2010/09/04(Sat) 07時半頃
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[差しだされた手>>87は、懐かしい大きな手。 恐る恐るといった態で腕を伸ばし、ぎゅっと指先を重ねて握りしめた]
ごあーんなーい。
[バーナバスの声に重ねるようにして、はしゃいだ子供みたいな声が被さる。 この頃になって漸く、今回の合宿で彼と同室になったのだと状況をおおよそ察することが出来た。
途中で荷物を回収した折、相手が担ごうとすれば申し訳なさそうに自分が持とうとする。だけど彼が譲らないようなので、大人しく甘えてしまうことにした。 大切そうに握るのは、焦げ茶のヴァイオリンケースと彼の手だ]
(89) 2010/09/04(Sat) 07時半頃
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[伸ばす腕が恐る恐るだったのは、意地悪して引っ込められるんじゃないかと心配していたから。けれどちゃんと手が届けば、ほっとしたように息を零して]
―――――……えへへ。
[間近で顔を見上げながら、嬉しそうに笑った]
(-46) 2010/09/04(Sat) 07時半頃
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―F部屋―
ナツキちゃん、ありがとう。
[荷物を持って貰ったことへ礼を言い、お行儀よく頭を下げた。二人しかいない場所ならば、呼び方もいつものものへ]
同じ部屋なんだね。 嬉しいな、嬉しいな、宜しくね。
[荷物を簡単に片した後、ベッドに座る彼の隣へ腰かけた]
…………………。
[じっと、その横顔を見つめる。 やがて身体をゆっくり斜めに倒して行って、ぽてりと彼の肩に頭を預けようとした。避けられれば、そのままベッドに横になる格好になるだろうか]
煙草、吸っていーよ。
[いずれにせよ、子供みたいな笑顔を見せつつ、そう告げた**]
(91) 2010/09/04(Sat) 08時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 08時頃
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― F部屋 ―
どれくらいだろう。5年以上は経ってるかなぁ。 昔はよく一緒に寝て貰ってたよね。 一人きりの部屋はがらんとしてて、何となく怖くって。
[幼少のころから一人で寝るようにしつけられたものの、 年端のいかない子供に与えられた部屋はあまりに広く。 相手に泣きついて甘えていたのも、今では良い思い出である。
彼と血縁関係にあるなどとは露知らず。まして家の関係が複雑であることも知らず。だからこそ、懐かしそうに語れるのだ]
あれ、そんなに歯軋り酷かったっけ。 でも平気だよ、それくらい。
[相手の嘘は軽く受け止めて、のんびりと笑った]
(113) 2010/09/04(Sat) 20時頃
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[避けられることのなかった肩に、頭を預ける。 相手の肩が凝ってしまうかな、という心配もあるけれど、こうしていると何だか酷く落ち着く]
そっか。 ナツキちゃんの健康のためには、 僕がずっとこうしている方が良いのかも。
[至近距離では煙草が吸えないという彼に、冗談めかして言う。でもきっと、それは彼の傍を離れようとしない言い訳だ]
……………………。
[彼が目を閉じるのとほぼ同時くらいに、此方もそっと目を閉じる。 ゆっくりと静かな時は流れて行く。其れを惜しむように、もう少しだけ身を寄せた]
(114) 2010/09/04(Sat) 20時頃
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― F部屋 ―
[彼の考えていることも、悩みも、事実も、何も知らない。 相手が薄く眸を開けたことにすら気づかず、静かに目を閉じたまま]
ナツキちゃん。大学卒業したら、どうするの?
[ぽつりとか細い声で、問うた]
遠くに行っちゃうなら、会えなくなるのかな。
[まるで現実味が無いみたいに、そう告げて。 実際に彼が進路をどうするつもりなのかは、分からないのだけれど]
…………………。
[ぱちり、と唐突に瞼は開かれる。 何事も無かったかのように、蒼い瞳を緩く細めた]
(118) 2010/09/04(Sat) 20時半頃
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/* せしるかわいい。
(-60) 2010/09/04(Sat) 21時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/04(Sat) 22時頃
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/* 一人で動こうとしたが、方向音痴で微妙に動きづらい事実に気づく。
どどど、どうしてこうなった。
(-69) 2010/09/04(Sat) 22時半頃
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/* わぁい、ナツキちゃん戻って来た愛してる!
(-70) 2010/09/04(Sat) 22時半頃
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― 部屋F ―
[穏やかな時間が、ずっと続いてくれるのではないかと錯覚する。 そう、それはあくまで錯覚。夢は、いつか覚めるもの]
………………。
[小さく囁かれる男の言葉にも、瞼が開かれることはない。 ただ寄り添ったまま、静かに声を返す]
(159) 2010/09/04(Sat) 23時半頃
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うん。分かってる。 ごめんなさい。
[苦笑と共に吐きだされた言葉に、暫し間が空いてから返した言葉。 声はあくまで穏やかで、そして、妙に大人びていた]
僕は、立派なヴァイオリニストになって……。 世界中の人に音を聞いて貰うんだ。
沢山の人に、笑顔になって貰って。 沢山の人に、幸せになって貰って。
…………、
―――――――……あのね、ナツキちゃん。
あのね、…
[言いかけた言葉の先が、どうしても出てこない。だから細い声は、そこで途切れる]
(-85) 2010/09/05(Sun) 00時頃
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………え。
[演奏は今回でおしまい、という声>>150に虚を突かれたように零す]
[音楽を止めることになるだろうと、告げる彼の言葉。 「何で」と、問いを投げかけることは出来なかった。 だけど吹奏楽部の顧問が夢だというならば。 彼は未だ音楽を、―――…。
ぱちりと開いた瞳は、緩く細まる]
僕はナツキちゃんのフルート、好きでした。
[お互い、何事も無かったかのように微笑み合う。何故だろうか、とても哀しい]
(160) 2010/09/05(Sun) 00時頃
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……うん。
[離れるつもりはないと言う彼に、返すのは何処か生返事]
あはは。ごめん、ごめん。 大きくなるにつれて、会える時間もどんどん減っていったから。
ナツキちゃんの健康を心配している数人の人の為にも、 長生きしてよ?
[冗談を返してみるけれど、やはり力ない。 やがて携帯電話の振動によって逸らされた眸。 それを切っ掛けとするように、すっと立ち上がった]
(162) 2010/09/05(Sun) 00時頃
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[携帯電話片手に悪戦苦闘するバーナバスを横目に、 ヴァイオリンケースと楽譜を準備する。
ずっと彼に背を向けていたから、互いに表情は見えていないだろう]
頑張って、副部長さん。 あんまりベネット先輩を困らせちゃ駄目だよ。
[小さく振り返って相手に向けるのは、いつも通りの子供っぽい笑顔で]
僕も全体練習の前に、曲を一通り弾いておかなくちゃ。 南高の子達と練習する約束してるんだ。
[嘘だ]
それじゃ、また後でね。
[ひらひらと手を振ると、部屋を出て行く。 方向音痴の青年を気にして相手が呼びとめても、止まらない。駆ける足音だけが後に残された]
(164) 2010/09/05(Sun) 00時頃
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―物置部屋―
[息を切らしながら、辿り着いたのは物置部屋らしかった。 壊れた机などが、積み木のように部屋の隅に重ねられている。
鍵は開いていたようで、その部屋に入り込むと座り込んだ。 同時にメールの着信音。 ぎくりと肩をふるわせた後、内容を確認する。普段より多く震える指先で、返事を打つ]
(170) 2010/09/05(Sun) 00時半頃
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from:Cyrus sub:Re;全体練習の場所大丈夫? -------------------- 大丈夫だよ、気にしないで。少しは楽になったかな。 また辛くなったら、無理せずに言ってね。 セシルが無理して苦しい思いをする方が、僕は哀しい。
自分の部屋までは行けたんだけど、 全体練習の場所が少し怪しいかもしれない…! 未だ時間はあるから、大丈夫だと思うけど。 もしかしたら、助けてー、って連絡するかも。 僕の方こそ迷惑かけっぱなしだね。ごめんね…。
話を聞くのは、僕はいつでも構わないよ。 セシルの用事が色々終わってからで良いからね。 ちゃんと待ってるから。また、声をかけてください。
追伸 大学のオケはやっぱり指導も厳しいみたい。 でも、僕たちなら大丈夫だよね!頑張ろうっ。
(-89) 2010/09/05(Sun) 00時半頃
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―物置部屋―
[メールを打ち終えれば、手にする物を携帯から楽器と楽譜に変えて。 ヴァイオリンを一度構えてしまえば、指の震えなど微塵も無い。
流れる旋律は軽快で楽しげに。 踊る弦の奏でる音には、一点の曇りも無い。
昔からそうだった。 嬉しい時も。楽しい時も。哀しい時も。苦しい時も。 彼は同じ音を奏で続けた。 情感を込めて弾くことはできる。 ただし、本当の意味で彼自身の感情が音に反映されることは、ない。 陶酔型の奏者との決定的な違い。 深淵に入り込むような色を紡ぎつつも、 何処か冷めた眼でみつめるもう一人の自分が常にいる]
(179) 2010/09/05(Sun) 01時頃
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―物置部屋―
[青年は『自分の音』を愛したことなど無かった。 そしてこれからも、きっと愛することはないだろう。
けれどその音を「好きだ」と言ってくれる人がいたから。 その言葉を信じて此処まで歩き続けてきた。
彼が笑ってくれるのは嬉しかった。 彼に嫌われたくなかった。だから、頑張った。
頑張ったら、他の人も褒めてくれるようになった。 それがまた嬉しくて、また、頑張って。
けれど、やはり自分の音を愛することは出来なかった。 愛していない者と寄り添うのは、苦痛でしかない。 だけどそんな弱音は吐けなかった。 あの父の元に生まれた自分にとって、それがどれほど我儘なことか!
なにより、彼に嫌われたくなかった。彼に失望されたくなかった]
(189) 2010/09/05(Sun) 02時頃
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[嫌われたくない。
――――…でも、本当は助けて欲しい。
なんて、そんなこと。 音楽を愛しているのに、音楽の道から離れなければいけない相手からしてみれば、何と情けない甘えであることか]
[生まれた時から、音楽の道に進むしか、なかった]
[このまま頑張り続ければ、きっと、少なくとも嫌われずに済む。それで良いじゃないか。 傍にずっといたいけど、叶うなんて思っていない。 彼が望むなら、僕は世界一のヴァイオリン弾きになろう。そして、世界中の人を笑顔にしよう。 自分の本当の夢なんて、とっくの昔に何処かに置き忘れてきてしまった]
(-99) 2010/09/05(Sun) 02時頃
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[音は滑らかに旋律を奏で続ける。
――――――――……つと、頬を涙の滴が伝った]
(190) 2010/09/05(Sun) 02時頃
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[溢れだした涙は止めることが出来ず、ぼろぼろと流れ続ける。 それでも演奏は狂いも迷いも無く続いて行く。
それは彼の演奏を知る者からすれば、奇異以外の何物でもない光景だ。 普段の青年はと言えば、落ち着いた冷めた眼差しか、緩やかな笑みを浮かべて音を奏でることが殆どだったから。少なくとも、演奏中に情感が高まり涙を流したことは一度も無い。
丁寧に最後の一音まで弾き終えると、崩れるように再度その場に腰を下ろした。 涙は止まらない]
[いつの間に来ていたのだろう。メールの着信があったことを告げる携帯電話のライトが点滅していた。 けれど、その電話を手に取ることも出来ずにいる]
(191) 2010/09/05(Sun) 02時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/05(Sun) 02時頃
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/* 先生!サイラス君が鬱陶しいです!
僕は桶村を何か勘違いしている気がしてならない。
(-101) 2010/09/05(Sun) 02時頃
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はぁー…。こんなんじゃ駄目だよう、全く、もう…。
[楽器を丁寧にケースへ仕舞ってから、両手で自分の顔を覆った]
南高校の代表がこんなことでは、後輩にも迷惑をかけてしまう。 しっかりしろー。しっかりしーろー。
[自己暗示をかけるようにブツブツとつぶやいてから、顔を上げた。 ……涙で目は真っ赤だったけれど]
急性発症した花粉症、ということで誤魔化せないかな。
[部屋に置かれていた古びた鏡と睨めっこしつつ、 至極真面目に呟いた]
(197) 2010/09/05(Sun) 02時半頃
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[心を落ち着けてから、漸く開いた携帯電話。 ついでに見えた時計は、もう全体練習まで時間があまりないことを示していたか]
ええと……。こ、ここ、…何処?
[色んな意味で絶望した。迷った末に、メールを打つ]
(198) 2010/09/05(Sun) 02時半頃
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from:Cyrus sub: -------------------- 物置部屋みたいなところにいます…。
何でこんな所に来ちゃったんだろう。
ごめんね、ごめんね。 少し動いて目印になる物とか探した方が良いかな?
[危険だ!]
(-108) 2010/09/05(Sun) 02時半頃
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―物置部屋―
[部屋の扉から顔をのぞかせてみたり、 うろうろしていた所でメールの着信音]
……………!
[驚いたような表情になると、大人しく物置部屋の出口の側に佇む]
えーと、ええと。 僕はセシルみたいに、上手くないんだけどなぁ…。
[ヴァイオリンケースを掲げたまま、数度咳払い。 …ただでさえ、泣き腫らした後の枯れ気味の声だったけれど。 Yesterdayを口ずさむ]
(201) 2010/09/05(Sun) 03時頃
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/* どなどなをうたおうとしたが、いろんな意味で却下されて無難なところに。
(-116) 2010/09/05(Sun) 03時頃
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[静かに開かれた扉の音にも、驚いて一度肩を跳ねさせた。 けれど振り返って友人の姿を認めれば、ほっと表情は和らぐ]
セシル!本当に来てくれたんだね。 ありがとう、ありがとうっ。
[態々自分を迎えに来てくれた彼へ駆け寄って、深く頭を下げた。 多分、普段通りに振るまえている筈だ。 …真っ赤になったままの眼を除けば。
彼が自分の歌声に、哀しげな色を感じ取っていたことを知らない]
急がないと、揃って怒られちゃうね。大変だ。
[冗談めかして言いながら、強がって笑みを浮かべた]
(204) 2010/09/05(Sun) 03時半頃
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[セシルの顔は、明らかに自分のことを心配しているようで。 本当にもう大丈夫だからと。 再度笑みを作ろうとした所で、伸びてきた腕に包まれる]
……………………っ。 せ、セシル…。
[いつもと逆転した立ち位置。 彼だって今、大変な筈なのに。余計な負担をかけてはいけないのに。 確りしなくてはと自分に言い聞かせるのだけれど、それでも包み込む腕があまりに優しくて。引いていた筈の涙が、再び溢れてくる。視界がぼんやりと滲んだ]
(206) 2010/09/05(Sun) 04時頃
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んっ…。大したことじゃ、ない、んだ。
ちょっと急に、色んな事があって。 驚いてしまっただけ。
[あはは、と情けない表情を浮かべながら、声を震わせる。 相手の肩にぽたぽたと、涙の滴が零れた]
セシルの顔見たら、何か、ほっとしたよ。
――――――――……ありがとう。
[自分も片腕を伸ばして、彼の背にそっと回す。 少しだけ力を込めて、一度ぎゅっとしがみ付いた]
本当に、ありがとう。
[涙を流しながらも微笑んだ顔は、先ほどよりも曇りのない表情]
(-120) 2010/09/05(Sun) 04時頃
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/* ナツキちゃんの真意が未だに読めていない僕です。 本命はベネット先輩で良いんだよね。よね。
ど、どう、動けば、良いんだー!
[まず合同練習をすべきだと思う]
(-121) 2010/09/05(Sun) 04時頃
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サイラスは、セシルに身を預けつつ、しばしの間おとなしく髪をなでられていた。**
2010/09/05(Sun) 04時半頃
薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/09/05(Sun) 04時半頃
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[眼が合えば、彼も涙を眼に溜めているようで。 驚いたように瞬いてから、指先でそっと彼の目元を掬う。 そして一度だけ此方からも髪を撫でて、腕を下ろした]
部屋割り……?
[相手の出した話題に、不思議そうに。 そういえば、部屋を変えて貰うと言っていたか。 彼が混乱状態に陥った原因が部長の戯れだったということは、 見ていなかったので知らなかったのだが]
うん。どうしたの。
[彼の気遣いを知らず、促すのは穏やかな声]
(-134) 2010/09/05(Sun) 09時頃
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―物置部屋―
[ずっと撫でていてくれたから、呼吸が落ち着くのも少しは早くて。 彼が指先で綴る文字に、静かに意識を傾ける。
やがて一段落つけば、頬を伝う跡を消すように軽く擦って。 セシルと共に、大練習室へ向かうだろう**]
(211) 2010/09/05(Sun) 09時半頃
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|
/* みんな、僕の発言に被せるのは、やめて…!
中の人が悶えて死にそうだよ…!
ぎゃああああ。ごめんなさいもうしません。
(-144) 2010/09/05(Sun) 15時半頃
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|
―メインホール―
[握られた手を握り返し。セシルに手を引かれてメインホールまで向かう。 戸口に立てば、真剣な表情をして深く頭を下げた]
遅れてすみませんでした。
[足早に自分の位置へと向かう。途中、ワットの渋い表情が目にとまり]
あはは、ごめんねぇ。秘密の特訓してた。
[小声で冗談めかして告げて、持ち場へと到着した。 ラルフに声をかけられたなら、眼が赤く腫れていること以外は、何一つ先ほどまでと変わりないようににこりと微笑んで]
此方こそ、宜しく。 あ、そうそう。さっきは本当にありがとう。
[さっき、というのはセシルを気遣ってくれたこと。 のんびりとした様子には、緊張感が欠片も感じられなかったとか]
(239) 2010/09/05(Sun) 20時頃
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[自校の生徒―――ワットに、ドナルドに、セシルに順番に目配せを送ると、小さく頷いて楽器を構える。 別人のように鋭い視線がヴァイオリンへと落ちた]
――――――――――……。
[一度だけ、その冷ややかな視線はバーナバスへ向けられた。 睨んだ心算は無かった。ただ、楽器を持ってから彼の方を見たら、そうなってしまっただけのこと]
[指揮が振られる]
[初音から安定した色を紡ぐ彼の演奏は、その心を表しはしない。 想いが素直に音に表現される友人とはまるで正反対のようだなと、心の中で苦笑した。
指示が飛べば繊細に、大胆に、リズムを刻む弓は滑らかに形を変えて行く。 個性豊かな音色が次第に纏まりを持ち、共鳴し合い、膨らんでいく中、ヴァイオリンは風のように唄う。ときには原っぱの中心を、ときには低い水面の上を、ときには日陰の暗がりを。 道を辿り、追いかけ、見出しながら進んでいく]
(249) 2010/09/05(Sun) 21時半頃
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[高校生たちの演奏が、次第に熱を帯びてきた。 普段と違う環境。刺激の塊のような個々の奏者達。 高揚するのは無理も無いことで、そして、―――――――…]
(まずいな、浮いてきた)
[この局面に置いても振れの無い青年の音が、全体から僅かに浮かぶ格好となる]
『サイラス! 音、安定させろ!』
(んー………)
[それが見逃される筈も無く、飛ばされる檄に思案する。 迷子になりかけた音を、助けてくれたのは…]
――――――――――……♪
[再び風は心地良さそうに舞い始める。 支えてくれたのは耳慣れた低音。一度乗ってしまえば、もう見失ったりはしない]
(250) 2010/09/05(Sun) 21時半頃
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[傍らで響く、同じパートの第二ヴァイオリン。 忠実で正確に弾きこなされる旋律は、彼の積み重ねられた努力を現しているのだろう。好きな音だった。
その落ち着き払っていた横顔の口角が、僅かに持ち上がるのを感じた。 彼のことなど、全く知らない筈なのに―――ああ、そんな顔をするのかと、感心にも似た驚きを感じていた]
…………………。
[さて、それにしても。 昨年の文化祭で聞いたのと、明らかに違う音が混ざっていた。何処か閉塞感すら感じるトランペットの音。 技巧的にはむしろかなりのハイレベルだろうその音色。けれど、違った。 僕の心に大きな衝撃を与えた、あの姿。 ―――――それは、決して女装していたからではなく(しかし、残念ながらその要素も完全に否定はできないが)]
[バーナバスの檄を受けて、トランペットの音は踊り出す。ああ、これが「いつもの」彼なのかと、衝撃はあの日のままに]
(258) 2010/09/05(Sun) 22時頃
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―回想・物置部屋―
[ゆっくりと携帯電話に打ち込まれる文字を、静かに見守っていた。 バーナバスの名が其処に現れた時、微かに息をのむ。 僕は彼が此方を横目で見たのに気付かなかった。けれど、彼は僕の表情の変化に気づいただろう]
そっか、分かった。なら、その時に聞くね。
[理由を伏せる相手に、素直に頷く。 きっと何か深い事情があったのだろうと、それだけは察することが出来たから]
え。
[そして、変更となった部屋割り。文字が画面に映し出された瞬間、声が零れた。 がっかりしたわけでも、喜んだわけでもないような、その声。 其れはただ驚きを示していたに過ぎないけれど――――…。
ならば怯えたように脈打つ僕の心音は、何を言いたかったのだろう]
(-166) 2010/09/05(Sun) 22時半頃
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社交性か…。セシルに社交性が無いとは思わないけど。 バーナバス先輩も手厳しいなぁ。
[彼が気遣いながら話してくれていることに気づかず。 苦笑を浮かべながら、ただ、思っているままのことを告げ]
…………………んっ。僕…?
[結局は自分の意思次第なのだと聞かされて、瞬いた。 どくりと、また心音が鳴る。 それを押し隠すように平穏を装って、僕は笑う]
そんな、僕は嫌なわけ―――――
[ないじゃないか、と続けかけて、 バーバスが部屋替えを嫌がっているようだとの言葉を見た。 途切れる。紡ぎかけていた声が、止まる]
(-167) 2010/09/05(Sun) 22時半頃
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[嘘だ、と、思った。 だって、そんなこと思うわけ無い]
――――――――――………。
[そして考える。 セシルは、何故そんなことを自分に伝えるのか。 彼は優しいから、きっと自分に気を遣っているのだと漸く気づく。
今、彼だって追いつめられているだろうに。 自分のことばかり考えていた、自分自身が情けない]
セシル、僕は、―――…
[沈黙の後、開いた口は最後まで言葉を紡いでくれない。 練習が終わったら、との言葉に静かにうなずいて]
(-169) 2010/09/05(Sun) 22時半頃
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ありがとう。
[感謝の言葉は何に向けられたものだったのか。 浮かんだ微笑は、最後僅かに哀しげな余韻を残して消えた]
―回想・おしまい―
(-170) 2010/09/05(Sun) 22時半頃
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―メインホール―
[楽器の構えをとけば、いつもの暢気な笑顔を浮かべて。 片づけを終えると、友人の元へ駆けて行った]
セシルー。食事の前に、一旦部屋に戻ろう! 荷物置いてこなくちゃ。
あ。でも、場所は自分では覚えていないんだけどさぁ…。
[あはは、と苦笑を零して]
連れてってくれる?
[ゆるりと首を傾けながら、片腕を差しだした]
(271) 2010/09/05(Sun) 22時半頃
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[もう一度だけ、ちらりと相手の方を見た視線。
冷たさは何処にもない。
――――――……ただ、哀しげだった]
(-174) 2010/09/05(Sun) 23時頃
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わっ。
[椅子に座りなおした友人を眼で追う]
あっ。
[直ぐに立ち上がった友人を、再度眼で追う。 何だかその動きが可笑しくて、僕はくすくすと笑みを零した]
もう、何やってるんだい。ふふ。
[手に綴られた文字に目を細めて、そっとその手に力を込める]
さっきはありがとう。 君は、いつも僕を助けてくれるね。
[音が浮きかけた時のことを言って、礼を述べる。 彼の荷物が多いようなら、運ぶ手伝いを申し出つつ。セシルの向かう先へと着いて行くだろう]
(277) 2010/09/05(Sun) 23時頃
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― F部屋 ―
[持っていた彼の分の荷物を、 「此処で良いかな」と確認しつつ部屋に置いて。 身軽になれば、自分のベッドにぼすりとうつ伏せに沈み込む]
着いたー。疲れたー。 ―――――――……今日も一日、お疲れ様っ。
[子供みたいに楽しそうに足を軽くぱたぱたさせてみたり。 寝転がってシーツの上に顔を預けたまま、 やがてセシルの方へ視線を向けた]
………………………。
[少しだけ、真面目な表情になる]
いつでも、大丈夫、だからね。
[穏やかにそれだけ告げて、少しの間だけ目を閉じる]
(284) 2010/09/05(Sun) 23時半頃
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― F部屋 ―
[眼を閉じたままだが、相手が近づいてくるのが音で何となく分かる。 ぎし、と寝台の沈む音に続いて、頭に落ちてくる温かい手のひらの感触]
うん。
[綴られた言葉に静かに頷く。 伏し目がちに開かれた瞳は、やがて彼の顔を見上げた]
(291) 2010/09/06(Mon) 00時頃
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[相手の問いかけに、一度こくりと首を縦に振り]
確か、ずっと昔から同じ先生に教えて貰っているんだよね。
[相槌を打ちながら、彼が昔教えてくれた話を思い出す。 幼いころから世話になっている先生で、 その相手のことを慕っているのだと。 そんな風に彼は語ってくれていた気がする。
当時の彼の様子を思い出せば、何となく微笑ましい気分になるのだが]
…………………。
[かちかちと、打ち込まれた続きの文字。 決して長くはないようだった。
直接画面を見せることなく、セシルは携帯電話を寝台に放り投げた。 僕は少しだけ困ったような、そして心配そうな視線を彼に向けた後、起き上がってその電話を手に取った]
(298) 2010/09/06(Mon) 00時半頃
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――――――――……。
[一瞬、息が詰まった。 襲われた、というのは―――つまりそういうことなのだろう]
セシル……。
[寝台の上で、膝を抱えているセシルの姿は酷く小さく、心細そうに見えた。
何て声をかければ良いのか分からない。 何か言って、余計に傷つけてしまったりしないだろうか。 思案し、躊躇した後、それでも寝台の上を這うようにして彼の傍へと。 せめて今傍に居ること位なら、自分にだってできるから]
………ごめんね。辛いこと思い出させて、ごめんね。
何にも気づいてあげられなくて、ごめんなさい。
[一人でどれほど彼が悩んでいたのだろうかと思えば、自分が情けなくて、苦しかった。 相手がこちらを見つめていたなら、揺らぐ蒼色の瞳と視線が混じるか]
(-193) 2010/09/06(Mon) 00時半頃
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――――――……ん。
[伸びてきた両腕を抱きとめるようにして、自分の両腕も彼の背中へ回す。ぎゅっと込める力は優しく、けれど、確りと離さぬように。
体格で言えば、自分とそう変わらない筈のセシル。 今は力加減を間違えれば壊れてしまいそうなほどに、脆く感じられた。 だから、優しく、―――――]
僕に出来ることは、多くないかも、しれないけれど…。
[そっと僅かに身を離して、彼の顔を見つめる。 その秋色を、覗き込むようにして]
でも、もう、一人じゃないからね。 セシルは何でも、我慢して頑張り過ぎなんだから。
辛い時は辛いって言って、良いんだ。
[彼の手を自分の両手で包み込むようにして、頷く。自分は彼の味方だと。頼りないかもしれないけれど、助けたいと]
(-200) 2010/09/06(Mon) 01時頃
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[ナツキちゃんが、自分の音を好いていないのは知っていた。 でも、僕は好きだった。
父に一度だけ逆らったことがある。 父がナツキちゃんの音を、馬鹿にしたのだ。 幼いころの僕は子供らしく喚き散らして、拗ねて家出した。
あの後、こっぴどく叱られたけれども。 実を言うと、未だに反省はしていない]
(-206) 2010/09/06(Mon) 01時半頃
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[眸が合った]
[笑おうとしたのに、笑えなかった。歪んで、変な表情になった]
[手を伸ばそうとしても、深く深く]
[届かない]
(-208) 2010/09/06(Mon) 01時半頃
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