270 「 」に至る病
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[相変わらず僕には、蒼佑の不安はわからないけど。>>-871]
権利なんて、そんなの……
[なくたって、と言いかけて。 大きな掌が熱い体温が、こうして他の誰かに触れるのを想像しかけて、抱きつく腕に力が籠った。
なんかすごく、いやだ。]
…………、 いくらでも、言えばいい。
[言い直す妙な気恥ずかしさも。 胸の辺りでもやもやと渦巻くくるしさも。 蒼佑の声が、融かしていく。>>-872]
(-899) SUZU 2019/10/19(Sat) 16時頃
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[結合部から奥まで強く擦り上げられ、また意識が飛びそうになる。>>-873 腹の中で暴れる堅くて太い蒼佑の熱に、内側から揺さぶられる度に声が裏返り。]
ッ、 待っ、そこばっか…… ァ、ああ!
[同じ場所ばかり執拗に狙って抉られて、腹の間で擦れる僕もまた痛いほど張り詰めて。 肌を掠める蒼佑の息に、ゾクゾクと背筋が粟立ち。 びくびくと震えながら、汗ばんで湿る背中にしがみついた。]
……ぁ、蒼佑…… そうすけ、
[重なる唇の間から、呼ぶ声はかすれて。 追いかけるように再び塞がれれば、舌と一緒に絡まる呼吸の合間に、融けていく。 くらくら、くらくら。視界が霞むくらい気持ちいい。]
(-900) SUZU 2019/10/19(Sat) 16時頃
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っ ………ぁ、も、 むり……いっちゃ────…… ッッ!
[持ち上げられ、大きく開かされたまま。 腰と腰がぶつかる勢いで突き上げられ、息が止まった。 ビリ、と走る強い電流に身体中が痺れ、限界ぎりぎりまで張り詰めていた熱が一気に弾け。 ずるり、と縋っていた腕から力がぬけていく。]
……ぁ、 そうすけ……?
[掴む手に支えられた下肢以外、シーツに身体を放り出して荒く呼吸をしながら。 胎の中で脈打つ余韻にあわせて、ひくりと腹筋が波打つ。
火傷しそうな熱で胎を満たされる感覚の心地よさに、とろりと目元を緩ませて見上げた先。 重い腕を持ち上げて、髭まで汗に濡れた頬を撫でた。]
(-901) SUZU 2019/10/19(Sat) 16時頃
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……「恋人」ってすごいな。
[愛おしい。 言葉だけなら何度も翻訳したことがあるけど。]
今までで一番、きもちよかった。
[こういうことかもしれない、なんて。 満たされる充足感に小さく喉を震わせながら。 もういちど、キスをねだった。*]
(-902) SUZU 2019/10/19(Sat) 16時頃
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/* 蒼佑は色気もすごいけどね、情の厚さもすごいというか、そりゃもうアオも絆されちゃうよね……。 恋人がよくわかってない頭でっかちだけどほんと、ここまで自覚したのは蒼佑のおかげだし、離れる気もまったくないくらい好きだから、蒼佑もっと自信もって…!
そろそろちゃんと〆も考えなきゃ……と考えつつちょっと2時間ほどでかけてきます…!
(-905) SUZU 2019/10/19(Sat) 16時半頃
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/* ただいまって帰ってきたら蒼佑がくるいだしてる……! あーこれつらい……
ちょっとお返事かいてきます
(-925) SUZU 2019/10/19(Sat) 18時半頃
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……ん、べつにいいのに。
[蒼佑のなら。 顎を拭われながら呟けば、繋がったままの蒼佑が少し形を変えたのがわかって。 ちらりと下半身に視線を向けた。]
───……ァ、
[引き抜かれていく喪失感に、身体が震える。 いつもこの瞬間は、さみしさを覚えるのだけど。 でも今日は、それどころじゃなく。栓を失ったことで胎の奥から逆流する白濁が、粗相したような音を立てて。宛がわれたティッシュが湿ってくのがわかり、頬が染まった。]
(-931) SUZU 2019/10/19(Sat) 20時半頃
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[抜けてもまだ、胎の奥に残る感覚が慣れない。 なんとなく落ち着かなくて下腹を撫でながら。]
…………。 いつももっと、恥ずかしいこと言ってるくせに。
[小さくなっていく語尾に、ふ、と吹き出した。 ごくまれに見せる、その顔。 照れた時にだけ見せる蒼佑の表情が好きだと気づいたのはさて、いつからだっただろう。>>0:640
くすくす笑ったまま、腕に身体を預け。 持ち上げられた拍子に、また奥から残滓が溢れる気配がして。慌てて腹筋に力を入れながら。]
(-932) SUZU 2019/10/19(Sat) 20時半頃
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つぎも、期待してる。
[風呂場に運ばれる途中、目の前にあった蒼佑の口端に、唇を押し当てた。
──のは、ちょっと調子に乗せすぎたかもしれない。 なんて後悔したのは、焦らすような後始末に根をあげた後のことだった。*]
(-933) SUZU 2019/10/19(Sat) 20時半頃
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── それから、 ──
[「恋人」になって、僕の寝室が蒼佑の部屋になり。 しばらくは、また落ち着いた日常がすぎていった。
けれど。 症状を認めてからの進行は、坂道を転がり出した石のように。止まることなく、着実に蒼佑は変わっていった。]
(213) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[日課だったジョギングをやめて、少し筋肉が落ち。 外出の時間が日に日に減っていき。 家の中、ふたりで過ごし触れ合う時間が増えていくにつれ、僕も少しずつ仕事を減らしていった。
工房や家のあちこちにあったガラス細工も、人手に譲り。 とうとう隣の工房も閉まり、ますます坂道を転がる速度は増していく中。
それでも、ソラの散歩の時間だけは。 一緒に行こうと、手を繋いで外に出た。]
(214) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[蒼佑に言ってないけど。 最近また、”彼女”を思い出す。
僕を家という箱庭に閉じ込めた”彼女”と過ごした、十年足らずの時間。 確かにあの頃の僕は”しあわせ”だったし。 そして、今も”しあわせ”だと思う。
だから、僕は全部わかっていながら。 変わってしまい失っていくものから、そっと目を伏せて。]
(215) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[────そして。 ソラが老いて足腰が弱くなれば、とうとう散歩にすら出ることもなくなり。
ある、冬の終わり。 天寿を全うし、ソラも土に還っていった。]
(216) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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── 墓地 ──
[小さな石碑の前。 最期のごはんのように水色のガラス器に水を入れ、首輪の横に置き。 ゆっくりと立ち上がれば、隣の蒼佑を見上げ。]
……ソラを看取らせてくれて、ありがとう。
[次の犬を飼う予定は、もうない。 今はもう、犬より手のかかるかもしれない眷属兼恋人の手を取れば、指を絡めた。
そして。]
(217) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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……蒼佑。
[繋いだ手をすこし引きながら、呼ぶ。]
桜を、見に行こうか。
[もうソラを置いてかなきゃならない心配もないし。 なんて添えながら。
隣の反応を待った。*]
(218) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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/* おまたせしました……! 桜を見に行く話は、まだなかったよね!? と思いながら台詞だけでも入れたかっただけなんで、最期のおでかけするも断るも蒼佑がしたいようにしてもらえたらという気持ち。
(-938) SUZU 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[久しぶりに晴れた空の下で。>>219 近頃、随分口数が少なくなった蒼佑は、僕の言葉にすら反応が曖昧なことがある。
啜る赤い蜜は、とうに甘く熟れきっていて。 おそらく、いつ朽ちてもおかしくない。]
……蒼佑?
[返事は、ないかもしれない。 もしかしたら約束すら忘れて、置いてかれるかもしれない。 こんなときはいつも、そんな想像をしてしまい。 でもそれを口にする勇気もなくて、黙って眉尻を下げることも多くなった。]
(223) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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おい、どうしたんだ。蒼佑?
[突然頭を振りだしたのを見て、慌ててもう片方の手を伸ばして随分痩せた頬に触れる。 不安と心配で押し潰されそうになりながら見上げていれば、ゆっくりと、落ち着いてきて。
返事が、あった。]
…………乗れるだろ。 僕がずっと隣にいるんだから。
[家にいるのと変わらない、と。 手を降ろし平気な顔を作れば、淡々と答えながら。]
(224) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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[繋いだ手を、ぎゅ、と握る。>>222]
……それ以外何があるんだよ、ばか。
[帰ろう、と家に向かって歩き出し。 蒼佑の手を引いた。*]
(225) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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/* フェルゼにめっちゃ挟まった ふわぁなんかすごく、もったいない言葉頂いてる…嬉しいありがとうございます。
>>-940 最初にその墓地にしっかり犬たちの石碑まで描写してくれてたのは蒼佑だからね……!覚えてますとも。 今更置いてったらゆるさないからな。
あと蒼佑の照れ顔かわいすぎるとおもうんだ。 僕だけが見れればいいって思うくらい。
(-951) SUZU 2019/10/19(Sat) 22時頃
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[墓地から帰ればそこには、二人きりの家があった。>>227
よく、ソラの散歩のために朝のベッドから抜け出す僕を引き止めて、駄々を捏ねたりもしたくせに。 なんでか蒼佑はあまり嬉しそうではなくて。
リビングの隅にぽつんと残された、クッション。 もう少しだけこのまま、と片付けるのを止めた僕と同じ気持ちがそこにあることを願ってしまう。]
(248) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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……蒼佑、おぼえてるか。 モモがはじめてこのうちに来た時、 はしゃいで玄関にあったガラスの置物割ったの。
コンは、なかなか蒼佑に懐いてくれなかったよな。 そういえば、アサギの器だけ変な色だったっけ。
[犬の気配がない夜も。 何もしないでただ眠る夜も、いつぶりだろう。 蒼佑の隣に潜り込んで、うとうとしながらぽつりぽつりと。 思い出話をしているうちに、声に欠伸が混じりだし。]
…………、
[静かに眠りの淵に落ちていった。]
(249) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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[祖国に帰るのは、何百年ぶりだろう。 決してそれは比喩ではなく、生まれた街や家の記憶も正直曖昧だ。 わざわざ調べてくれたコーディネーターには悪いが、過去を巡るようなルートは丁重に辞退して。
桜がゆっくり見れる場所、とだけ希望をつけてあとは蒼佑に任せた。その結果。]
見頃なのはいいけど…… こんなに歩いたのは、ソラの散歩以来だよ。
[観光地というには、山以外何もない場所に人気はなく。 山肌一面を淡い色に染める樹を、間近で見あげれば感嘆の息が零れた。]
(250) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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……昔は何とも思わなかったけど、 こんなに綺麗だったんだな。
[ひらり、と落ちてきた花弁を掌で受け止めたなら。]
蒼佑がくれたのと、同じ花だ。 初めて会った時にくれた、ガラスでできた栞と同じ。
[掌を開いて、隣の蒼佑に見せ。]
……あの頃の蒼佑のこと、 なんだこの物好きなやつって思ってたな。
[そっと花弁を風に任せて地に還し。 すぐ隣の”さくら”に手を伸ばした。]
(251) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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でも今は───
傍にいるのが蒼佑でよかった。 そう思ってる。
(252) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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[このデートの日程がこの先空白なのも。 こんな辺鄙な場所を選んだ理由も、わかってる。 わかってて、僕はここに来た。]
……僕も、一緒に連れていけよ?
[狂って咲いて朽ちかけた樹へ。 背伸びをして、触れるだけのキスを。*]
(253) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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/* 自分の遅筆が憎い…… もうひとつくらい返せないかなと思いつつ、これで〆になってしまうかも。
>>-962 それは蒼佑が美味しいものたくさん用意して並べてくれるから!全部食べきれないのすごく悔しいってなるの。
照れ顔がアオしか知らない表情っていうの、嬉しいなぁ。 もっと照れさせたいけど、狙って照れさせたりできないからほんと、見れると嬉しいし、そんな蒼佑が好き。
(-1001) SUZU 2019/10/20(Sun) 00時半頃
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/* あああ蒼佑連れてってくれてありがとう…… わがままいってごめんね、置いてかれなくてホッとしたのと嬉しいのとで、穏やかな顔で桜の一部になるよ。 「 」の中も悩んでたけど、綺麗にまとめてくれてもう、感謝しかない……さすがえりーさん素敵……
(-1021) SUZU 2019/10/20(Sun) 01時半頃
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/* フェルゼのロルもきれいで、はぁー…って息をつきたくなる
星村麻衣の桜日和、あとで探して聞いてみよう。 桜というとBGMが、桜前線異常ナシ、が浮かんでくるしんみりというより生命力強くて叫びたいの堪えてる感のが強いあれそれ(個人差があります)
(-1024) SUZU 2019/10/20(Sun) 01時半頃
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/* 寝た方はおやすみなさい。
ご挨拶というか、ほとんどの方がお久しぶりです。 蒼佑と日常が描けてとても楽しかったし、狂いだすのせつないしで、何粒も美味しい日々でした。えりーさん、ありがとう。ていうかエスパーはえりーさんの方では!? 連れてってもらえて、一緒に桜になったのを見て、むしろこれこそ結婚ではと思っても受け入れちゃうくらい蒼佑はアオにとってとても大事で大好きなひとになりました。
そしてこの素敵な舞台を作ってくださったももてんさんとちかさんも、ありがとうございます。 それと、ぐりこミルフィちゃんとまた村で会えたのもとても嬉しかったし、間近で狂ってくのが見れて役得でした。へへへ。
またどこかでお会いしましたら、よろしくお願いします。
それでは僕も、アオの前だと涙もろい蒼佑の目元を冷やしながら寝ます。おやすみなさい。**
(-1028) SUZU 2019/10/20(Sun) 01時半頃
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