270 「 」に至る病
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[隣で目覚める朝の心地よさに、ジョギングを日課から外した。]
(202) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[スマホはバッテリーを外して使えなくなっていたままだったが、問題はなかった。 彼を置いて外出することはほぼなくなってしまった。]
(203) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[次に出来なくなったのは、買い物がてらの散歩だった。 食材も本も、ブルーレイのレンタルだってインターネットで済ませられる。
その結果、ふと見つけた珍しい食材で思いがけない料理を作ったり、掘り出し物の中古本の知識を披露することがなくなった。
出来ることを貪欲に増やし続けた男の人生に、出来ないことが増えていった。]
(204) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[ネットショップを閉じ、売り物としてつくった在庫はすべて卸した。 正気でいられる時間が減ったと気づいた時に、工房は閉じることにした。 それが眷属になる前から続けてきた職人の最後のプライドだった。
――そして。]
(205) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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[――――そして、
ソラが、逝った。*]
(206) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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/* という導入を置いて俺もアオくんの戻り時間くらいまでは離席しますー。
(-913) Ellie 2019/10/19(Sat) 17時頃
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/* アオくんおかえり。 ソラが逝くまでは描写したけど、時期や死因は暈しているので、何か考えてることがあったら出して貰えたら嬉しいな。
書きながら、「ソラ」って仔がふたりの最後の犬なの、あおふたりの息子って感じがしてしゅごい……て思ってた。
(-926) Ellie 2019/10/19(Sat) 19時頃
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/* ひっ
(-937) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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/* どこまで置いてから委ねようかなと思って墓地削ったら、アオくん墓地出してくれてるの;;しかも、デートのお誘い……うっうっ胸が苦しい…… アオくん生きて……うううう
(-940) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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/* >>215すごい呼吸が苦しい
(-941) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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……ソラ、がんばったな。
[愛犬は、アオに吸血されていない歴代の飼い犬の中では最も長く生きて、それでも病に狂っていく男が外に出られる内にその生涯を閉じた。 孝行息子だ、と、男はその動かなくなった背を撫でて、兄弟たちが眠る墓地に埋葬した。
冬の終わり。
最近はずっと灰色だった空は、同じ名前の仔を迎え入れるように澄んで晴れ渡っている。]
アオくん、
[お喋りだった男は、段々語彙を失っていた。 見た目だけはまだ中年に差し掛かる前でありながら、子どもにかえっていく老人のように、思考能力も落ち。
それでも、アオが発した言葉に、古い記憶が呼び起こされる。]
(219) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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『サクラ を 見に行こう』
(220) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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[――嗚呼あいつは、何て名前だっけ。]
(-942) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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ぅああ、 あ、 ……っ
[頭を振った。 振っても振っても失ってしまった記憶は元には戻らなかったけれど、それが大切な約束だったことだけは、魂に刻まれていて。]
飛行機、乗れるかな、
[船旅よりは短く着くであろう、遥か彼方の故郷を思う。]
(221) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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願はくは――……花の下にて、
[さてこれは、誰の歌だったか。 繋がれた指の細さだけが、男を現実に繋ぎとめる。]
……デートだね。
[チケットはきっと、片道しか使わない。*]
(222) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時頃
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/* 残り尺考えたら蛇足になるから1ラウンドでえっち切ってるけど、>>-932に悶え転がってるよ……。特に効果を狙って見せてた訳じゃない、絵がある訳じゃない照れ顔を拾って、そこを好きって言ってくれてるの、改めてスズさんが好きだと思いました。中身告白。
(-944) Ellie 2019/10/19(Sat) 21時半頃
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うん、ずっと傍にいて。 馬鹿な俺が、これ以上馬鹿にならないように。
[恋人となってからのアオの「ばか」は本当に甘い響きで。 こうやって病が進行することになっても、告白して良かったと改めて思う。
歩幅はアオの方が小さい筈なのに、手を引かれながら家路についた。]
(226) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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――自宅――
[病が進行してからは、「二人きり」を欲してソラを疎んだこともあった。 それでも、アオが散歩を一緒にしてくれて、段々無様な姿を晒す眷属を詰らずにいてくれたから、最期まで老犬に手を出さずにいられた。
望んでいた「二人きり」の空間。
嬉しい、と安心しない自分を自覚できたのが嬉しかった。
その夜は二人手を繋いで同じベッドに眠った。 食事もなくセックスもなく。 長く寄り添ってくれて――そしてこの国に遺していく息子たちの色を思いながら、静かに眠った。]
(227) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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[難しい法律のことはわからなかったので、チケットの手配や宿泊先のことなどはすべて雇ったコーディネーターに任せた。 金に糸目をつけなかったおかげか、コーディネーターは二人の生家のことを遡って調べてくれて、フリーツアーの提案では今はもう別の建物になっているそこに立ち寄るルートも挙げられていた。 もう知らない土地だ。アオが行きたがらないなら、特に回る必要もないだろう。]
ちょうど見頃らしいよ。
[とはいえ人出の多い花見スポットに行く気はまるでなかった。 とにかく背の高い、空に近い山で桜が咲いているところを探して貰った。 幾つかの候補の中から選んだのは、登山にかなりの時間を要する田舎の辺鄙な山だった。
その方が良い。 途中で引き離されてしまわないように。
自分が誰かもわからなくなる前に、 ちゃんと連れていけるように。*]
(228) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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/* あまり進んでいないけれど、折角リアタイ同席しているので手を繋いでひとつの結末に向かう感じにしたくて委ねてみるのでした。
>>-951 覚えててもちゃんと適切なタイミングで拾えるのはやっぱりスズさんがすごいからだと思うんだ!!尊敬してます。
こいつはしれっと別の吸血鬼にアオくんの惚気を話せるやつなのであまり照れることはないと思うし、アオくんに対してだから照れたり恥ずかしかったりするので、多分アオくんしか知らない表情だよ!
(-962) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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/* ケイトちゃんもお疲れ様。 あさきさんともものすごいお久しぶりな気がしている! 不穏ましましのヤンデレ素敵でした。 またどこかで会いましょう!
(-965) Ellie 2019/10/19(Sat) 22時半頃
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/* 好きって言われるのすごい麻薬並みに幸せだよね……。おめでとうフェルゼくん……
未来に不安を残しつつハッピーエンドが次々と。 ミルフィちゃんもお疲れ様。「ママ」の人格との書き分けもちょっと背筋がぞっとする感じで読み応えがあったよ。 終わりの日までどうか幸せに。
(-995) Ellie 2019/10/20(Sun) 00時頃
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[モモはとてもやんちゃで、犬に慣れていない頃の男はその行動を予見出来ずに手を焼いた。>>249 眷属となってから迎えたコンは主にべったりで、それでも可愛がりたい男が持ち上げたら拒否の失禁で実はかなり落ち込んだものだ。 アサギは少し短い生だった。もっと生きていられたら、もっと良い色の器をやれたのに。
ソラは。 ソラは――「思い出」にするにはまだ、言葉を持てない。
きっと待ってくれている。 輪廻転生などないのだと100年以上を生きて諦めてはいるが、天上の楽園でまた逢えたら良いと願うだけなら自由だ。]
(254) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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――祖国――
空港の辺りの空気が不味くてどうなるかと思ってたけど、ここまで登れば流石に綺麗だな。
[軽装備で登る本格的な山は、すっかり出不精になった吸血鬼とその眷属には、超人的な体力が備わっているとはいえ息を荒くするには充分な悪路で、その分目論見通り人気はなく、着いた時の景色で自分の選択は正解だったと弾む息のまま笑った。>>250]
俺はあの時からずっと、俺は間違ってないって思ってたよ。
[アオを選んだ。 「桜」を贈った。 生命の源を捧げた。
生まれ育った環境に馴染めず、流れた先で大切な人々を失った男の最後に、最期まで寄り添ってくれる人。
伸ばされた手を取って自らの頬の上で一緒に重ね。 触れるだけのキスにそっと目を閉じた。]
(255) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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……うん。
[この旅の間もちょくちょく錯乱していた男は、今頭の中にかかった靄が漸く晴れたような気持ちで、桜吹雪の中に立っている。
根本に腰かけてアオを膝に乗せ、そこで「弁当」にしよう。 じっくり100年以上かけた極上のランチを彼が腹いっぱいになるまで。
それから、 それから―――――――――]
(256) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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[見つからなければこのまま誰も知らない土地の大木の栄養となろう。 朽ちることなく毎年空に桜を舞わせ。
見つかればきっと、この国では荼毘に付されるだろうから。 共に灰となり、煙と共に同じ空を目指そう。]
(257) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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[ 「 青 蒼 」 に至る病の果て、
二人の長い歴史で培ったもの何一つ持って行けなくても、固く繋いだ手の中に、確かな愛を閉じ込めて。**]
(258) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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/* 危うく灰を挟むところだった、タイピングの遅い自分GJ。 これでどこも〆の方向かなー。 俺らだけ明確に死んでしまいましたが、アオくんには生きていて欲しかったけど蒼佑はもう死ぬしかないところまでキてたのでアオくんをどうやって連れていったのかはこう、ふわっと、こう……。
(-1015) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時頃
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/* 自分の死亡ロールに自分で何か涙腺を壊してしまったので眠れるかは怪しいですがご挨拶。
というかなんか一気に語彙を失っていつも以上に言葉が出てこないので、「ありがとう」と「またいつかどこかで」を皆さんに。
ももてんさんちかさんには企画宣伝運営お疲れ様でしたと素敵な村の場を設けてくださってありがとうございました、と。 おかげさまで目一杯幸せになれました。 第二弾があるのならまたこの世界で生きたい気持ちです。
そして最後までついてきてくれたアオくんことスズさんには本当毎回死んでしまう俺でごめんよ……となりながら、今回は何度も「連れてけ」って言ってくれたのが嬉しくて泣きました。 何度だって言いますがわたしはスズさんのロールがめちゃくちゃ大好物で台詞かけあいするのは楽しくて堪んないしいちゃいちゃが返って来ると尊さに心臓止まりそうになるし「そこ拾う?!」「えっ次に言おうとしてること当てられたエスパー?!」みたいなのを繰り返しているしで脳内麻薬だばだば出てるんですよ今も。 また生まれ変わっても何度もあなたに恋をする確信がある。
それではおやすみなさい。**
(-1027) Ellie 2019/10/20(Sun) 01時半頃
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……アオくん? 眠ったかな。
桜、きれいだね。 アオくんのがきれいって言ったら「ばか」って言いそうだよね。
……愛してるよ。
(-1041) Ellie 2019/10/20(Sun) 07時頃
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